あすかあきお
〜サイエンス・エンターティナー怒涛の進撃〜
§その1
ト学会による飛鳥氏紹介
 あすかあきお−漫画家。自称「サイエンス・エンターティナー」。
1950年生まれ。1982年に藤子不二雄漫画賞を受賞、小学館の雑誌『コロコロコミック』や
オカルト雑誌『ワンダーライフ』を中心に活躍していた。特に『ワンダーライフ』の連載
<ショック・サイエンス>は人気が高くファンも多かったようだ。ユリ・ゲラーの超能力の
トリックを暴いた『超能力の手口』(ごま書房)という本も出しているそうだが、僕
(山本弘氏)は未読である。
やはり子供向きに『君にもスグできる超能力マジック』(小学館・1990)という本 があり、これは結構面白かった。超能力のトリックやインチキ心霊写真の撮り方を子供に 伝授した本なのだが、最後にはちゃんと「必ず、これは『超能力』ではなく『超能力マジッ ク』なのだと公表すること!」「そうでないと、大騒ぎが広がって後でどうしょうもなく なるぞ!」と注意してあり、良心的である。
連載していた『ワンダーライフ』が92年1月に休刊してからは、活動の場を他社に移した。 「あすかあきお」名義で「1999ノストラダムスの大真実」「邪馬台国の大真実」「恐竜絶 滅の大真実」(いずれも講談社)といったマンガを、「飛鳥昭雄」名義でQuark別冊 「ノストラダムスの謎」(講談社)、『最終UFO兵器「プラズナー」の真相』(KKベスト セラーズ)『恐竜には毛があった!!』(データハウス)、『月の謎とノアの大洪水』(学研・ 三神たけるとの共著)など本を矢継ぎ早に発表しており、最近は学研のオカルト雑誌『ムー』 にも毎号のように登場している。大変な活躍である。
僕がこの人を初めて知ったのは、関西の深夜番組「百碕夜想」(関西テレビ)に二回出演し、 自説をとても嬉しそうに(本当に嬉しそうなんだ、これが!)話した時である。世の中 にはこんな凄い説を唱える人がいるのかと驚き、注目するようになった。


恐竜はノアの洪水で滅びた!
 ここでは『まんが・恐竜の謎完全解明』『まんが・古代文明消滅の謎』
『まんが・謎の日本超古代』(小学館)の三冊を中心に紹介しよう。『ワンダーライフ』
に連載されていた<ショック・サイエンスシリーズ>をまとめたもので、作者・あすかあきおが、
謎の組織の大物「教授」の使者「ミスター・カトウ」なる人物に導かれ、弟子のサイ九郎
を連れて世界中を回りながら、古代の謎を解いてゆく、という構成である。
タイトルを見ただけで、よくある子供向きの学習漫画だと思って、中身を確かめずに 子供に買い与える親がいるかもしれない(現に僕は、『恐竜の謎完全解明』を神戸・三宮 ジュンク堂書店の「生物」の棚で、『古代文明消滅の謎』を同じく「世界史」の棚で見つけた!) しかし、内容はまさにトンデモないものであり、子供がこれを読んで本気にしたらえらいこと になる。
『恐竜の謎完全解明』の中で、飛鳥氏は凄い説を披露している。恐竜は爬虫類ではなく 哺乳類で毛に覆われていた。しかも、恐竜が絶滅したのは6500万年前だという古生物学者 の定説は間違いで、たった4500年前(誤植じゃないぞ)にノアの大洪水で滅びたというのだ!
人間が恐竜と共存していた証拠として、メキシコのアカンバロで恐竜を思わせる土偶(僕には 全然恐竜のように見えないんだが・・・)が発見されている。またテキサス州パルクシー川の 河床の白亜紀の地層には、恐竜の足跡と人間の足跡が並んで見つかっている、と言う。
地層が数億年かけて堆積したとする地質学の常識をあすか氏はあっさり否定する。ノアの洪水 で全世界を覆った大量の土砂が、順番に沈んでいって、地層が形成されたというのだ。 だとしたら世界中いたるところで地層がぐちゃぐちゃになっていそうなものだが、あすか氏は あまり気にとめない。
『古代文明消滅の謎』では、あすか氏はノアの箱船が古代の潜水艦だったと言う。(宇宙船 だという説よりはまし?)。船内は低温であったため、動物は冬眠状態でおとなしく、ノアの 家族は世話が楽だったというのだ。しかし、たった全長137メートル(聖書の記述通りなら そういうサイズになるそうだ)の船に世界中の陸上動物の全種類がどおやって積み込んだのか 植物はなぜ洪水で絶滅しなかったのか、といった素朴な疑問にはいっこうに答えてくれない。
洪水を起こした水はどこから来たのか? 月からだ、とあすか氏は言う。月の厚さ数十キロの 殻は岩石だが、かつてのその内部はぎっしり氷が詰まっていた。それが巨大惑星「ヤハウェ」 の接近によって、殻が壊れ、風船から空気がぬけるように、溶けた水が地球に向かって噴出 したのだ。現在の月は内部の氷がすっかり抜けてしまって、空洞だという。
ちなみに、ノアの洪水が起こる以前、地球は高温多湿の惑星で、雲に覆われていたため、 空は見えなかったという。有害な紫外線から守られていたため、人間は長寿だった。雲が 晴れて月や太陽が見えるようになった、洪水の後なのだ(雲に日光がさえぎられているのに 高温だったとか、水が増えて湿度が下がったというのも変だが、そのへんの矛盾もあすか氏 はあまり気にしない)。
地上を覆った水はやがて蒸発し大気の流れによって両極に運ばれ、北極と南極を覆う氷になっ た(それまで両極には氷はなかったのだ)。一方、惑星「ヤハウェ」はその後も何度も地球に 接近し、大異変を起こしたが、今は太陽の反対側を地球と同じ周期で周っており、地球からは 見えない。NASAはその存在を知りながら隠している・・・。


2000年前日本は逆立ちしていた!
 しかし、なんといってもすごいのはムーやアトランティスの正体がパンゲアだった、主張する
くだりである。ご存知のように「パンゲア」というのは、現在のように大陸が分裂する前に存在
していた超大陸のことである。あすか氏によれば、パンゲアが分裂したのが二億年前だとする説
は誤りで、それはノアの洪水と同時期、今から4500年前に起きた。ムーやアトランティスは
沈んだのではなく、洪水に覆われて分裂したのだ!
『謎の日本超古代』では、古代アメリカの原住民が太平洋を渡って日本に漂着し、アイヌ民族と 琉球民族の先祖になったという説が語られる。その後にアジア大陸から渡って来たのが、ガド族 (イスラエルの失われた10支族のひとつ)に率いられた大和民族だというのだ。
感動的なのは、邪馬台国の位置の解明である。これまで議論の的だった「魏志倭人伝」の記述 (例の「水行十日、陸行一月」というやつ)の矛盾を、あすか氏は大胆な発想で解明する。すな わち2000年前の日本列島の形は現在と違っていたというのだ!
あすか説によれば、当時の日本列島は西南日本と東北日本に分裂していた。西南日本は九州を北 にして直立していて(つまり現在では反時計回りに90度回転していることになる)、瀬戸内海は 閉ざされた湖だった。例の水行何日というのは、この瀬戸内海を旅したことを意味している。一方 の東北日本は、現在の青森県を南に向けて180度直立していた。
二つの島は回転しながら合体し、現在の日本列島になった。その合体したラインがフォッサ=マ グナなのだ・・・。
こうした大胆な急激な移動の原因を、あすか氏は地球が風船のように膨らんだためだと説明する。 どうやらあすか氏は、月だけでなく地球も空洞だと言いたいようだ。こうした事実がなぜ世間で 公表されないのか? −もちろん、世間を影で支配する悪の組織の陰謀だ!
※ ピンク文字部分は山本弘氏の誤解。飛鳥氏は月から「水」が抜けたと考えている。

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