魅惑の似非科学

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1/8/2002 センターオブザパソコンへの御招待の似非科学

12/24/2001 30兆円国債問題とコンビニ国債の似非科学

12/16/2001 続7・危険物を確実に運ぶドライビングテクニック−頭文字Tの似非科学

12/10/2001 MS Access見栄講座−レポート速成の似非科学 〜そうはいいながら長い道(最終回

12/5/2001 MS Access見栄講座−レポート速成の似非科学 〜そうはいいながら長い道(2)

12/2/2001 MS Access見栄講座−レポート速成の似非科学 〜そうはいいながら長い道(1)

11/25/2001 20万Hit記念CDを作ろう――CD-R偏光すかしの似非科学 (おすすめ)

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・センターオブザパソコンへの御招待の似非科学

さて。「パソコン知ってる?」「知ってる、知ってる」のような会話は、日常でもよく交わされている。生活環境にパソコンがあふれ、親子の共通の話題にもなりうるようになったわけだが、果たして「パソコンを知っている」とはどういうことなのだろうか?簡単な問いのようで、実は考えれば考えるほどわからなくなる深い問題なのだ。

ということで筆者は、「パソコンを理解している」というレベルに8つの層(レイヤー)があると提唱したい。それぞれのレイヤーを説明していこう。理解度を「海」に例えれば、あなたはどの深さまで「理解」しているだろうか?

第1層 アプリケーション層
これはまあ、いわゆるExcelやメールソフト、ゲーム等の使い方を知っているかどうかということだ。例えばこういうパソコンゲーム。

このレイヤーには皆さんも到達しているはずで、パソコンを触れるというだけで「オタク差別の対象」になっていた昔とは大きな違いだ。

第2層 プログラム層
パソコン上の全てのアプリケーションはプログラムによって成り立っている。プログラムは次のような形式の文書の形をしている。

a = a && b;

プログラムの組み合わせであらゆるアプリケーションは動いている。この辺のレイヤーまでは、最近の中高生は学校で習うらしい。

第3層 ニーモニック層
ニーモニック(+オペランド)というのは機械語の表現の仕方の一つで、たとえば

and ax, bx
(実際には数字の羅列で表現されるが。)

これはCPUがネイティブに理解できる言語、ということになる。第2層で出てきたプログラムは、すべてニーモニック(+オペランド)に翻訳されてパソコンで実行されている。

第4層 ゲート層
ここから急に景色が変わり始める。3で述べたニーモニックはCPUの中で論理演算に翻訳される。たとえば、上の"and ax, bx"の場合は、次のようなゲートが使われる。

実は四則演算はもとより、あらゆるニーモニックが単純な数種類のゲートを膨大な数(何十個、何百個)組み合わせて処理されている。CPUとは大量のゲートの集まりなのである。このレイヤーはCPU設計者は必ず理解している。

第5層 デバイス層
まだまだ深い層がある。第4層の一つ一つのゲートは、実はいくつかのトランジスタの組み合わせで実現されている。上のANDゲートの例だと、次のようなイメージだ。

基本的なゲートをどうやってデバイスで実現するかは、実は真空管の時代に完成しており、現在はほぼ枯れている層だ。むしろスピードの要求される特殊処理(例えば画像処理)をネイティブで実行できるゲートの開発等が現在のトピックだろう。

第6層 マテリアル層
さらにトランジスタはいくつかの半導体の組み合わせで実装されている。第5層のトランジスタは、次のような絵で書ける。

この層は現代コンピュータの中心的トピックのひとつだ。というのは、CPUの消費電力や集積化・高速化の限界というのは、この一つ一つのトランジスタの大きさや性能で決まってくるからだ。

第7層 量子層
各半導体の中の電子の動きは量子力学で説明される。数年前まではこのレイヤーは考慮しなくても平気だった。しかしここ数年、CPU内部の配線が非常に細かくなり、更なる集積化が要求されるようになると、必然的にこのレイヤーが脚光を浴びてきた。6の絵の真ん中付近は、第7層では次のようなイメージ図になる。

この絵が何を意味しているのかさっぱりわからない人も多いだろうが、このレイヤーの達人が見ればすぐピンとくるものなのだ。マテリアルの中はこういった世界になっている。

数えられるほどの原子で作るトランジスタなどの設計には量子計算が必須だ。このレイヤーは未開の荒野としてゴールドラッシュが始まろうとしている。(なお、最近流行っている量子コンピュータというのは今回の話とは全く別のトピックになる。その話は回をあらためていずれ。)

第8層 素粒子層
コンピュータのテクノロジでは、まだ電子・原子といったレベルでの制御に頼っている。しかし、量子層での限界が見えたとき、人類はこのレイヤーに踏み込んでいくのかもしれない。このレイヤーは、おそらくどんなイメージ図を描いてもウソになってしまうだろう。ということで、これ。

(数式は一種のアートとして楽しんでもらえばOKです。)

ということで、「パソコンを知っている」という言葉は、第1層のアプリケーション層から第8層の素粒子層まで、全層すべてを知り尽くしたあとに言うべき。。。なんてことは言わないし、そんな人はこの世にはいないのでご安心を。

しかし、ほんの20年くらい前までは、第1層〜第6層までをすべて理解していた人がゴロゴロしており、そういう達人たちこそが「パソコン(マイコン)を知っている人」と言われていた。その手の人々はだいたい、第5層か第4層あたりから趣味としてパソコンを触り始め、中高生のころまでに第3層に進出し、大学で第6層を習い、その後就職して食っていくために仕方なく第2層・第1層に手を染めるというパターンであった。

最近の若者には第5層からパソコンに入っていく人などおるまい。その辺が若い人のハンディでもある。だがぜひとも、パソコンの内部には驚くほどの深海が存在していることを知っていてほしいと筆者は思う。それぞれのレイヤーにそれぞれのプロ達がいて、驚くほどの人類の英知が蓄積され続けている。その集大成が、あなたが今使っているパソコンなのだ。(ちとオーバーかな 笑)

(P)

 

 

・30兆円国債問題とコンビニ国債の似非科学

今の国会は、国債発行額を30兆円に抑えるか否かでもめている。ご存知のとおり、国債とは国の借金の一種であり、この発行額が年々増えて行っているというのは明らかに危険な兆候だ。いわゆる、ローン破綻者が雪だるま式に借金を増やしていくのと同じことである。今の日本は、「マジでヤバくない?」という状態なのである。

一方、景気が低迷するこの時期に国債発行額を減らすのは危険だ、という意見もあるようだ。これもわからないでもない。不景気時代には預金市場のだぼついた資金を株式市場に向かわせるように低金利政策を敷くが、日本人は株式を買ったことがない。投資信託は信頼を失墜し、MMFは元本割れを起こす状況の中で、日本人は結局1年で1000円しか利息のつかない普通預金に100万円を預けてしまうのである。数ある金融商品の中で国債が一番買いやすい状況では、国債乱発もひとつの手段ではある。(債券も需要と供給の市場原理にのっとっているから。国債は借金だ、という認識を忘れてはいけないが。)

ということで、当研究室ではこの状況をかんがみて、画期的な国家財政救済法を提案することにした。今回の提案は非常に荒削りですぐには実現できそうにないが、将来の日本政府はこれに近い手法の経済政策を必ず実施してくる、と筆者はにらんでいる。

では発表しよう。たとえばあなたが100円のガムを買うとき、5円の消費税のほかに5円の国債購入費を負担することと法律で決めるのだ。つまりあなたはコンビニに110円支払うことになる。

「なんだ、増税かよ」と言われそうだが、そうではない。国債購入費として支払った5円は、そのレシートを1年後に役所に持っていけば利子付きで戻ってくるようにするのだ。これはすばらしい方法だと思わないだろうか?つまりあなたはコンビニで国債を買える、というか、強制的に買わされるのだが。

さらにこの制度が普及すれば、各コンビニ会社は自社の発行するレシートに「社債購入費」や「社株購入費」を上乗せするのも可能になってくるだろう。もちろん、コンビニが主催する社債購入費は、国債よりさらに高い利子あるいは配当を約束する必要があるのは言うまでもない。

こうして、国民全体が日々の生活で債券や株を買うことになる。当然、「あそこのコンビニで買うよりは、こっちのコンビニの方がリターンが大きそうだ」、なんていう、実際の株式投資さながらの購入店選びが日常化する。1円でも安いトイレットペーパーを買うために隣町まで自転車で乗り込む主婦の方々は、これまで見てもいなかった新聞の株式面を「安売りの広告」と同じレベルで眺めるようになるだろう。

証券会社がどれだけ「株の購入が簡単になりました」あるいは「ミニ株で小額から投資できるようになりました」なんていう宣伝文句を連呼しても日本人にはだめなのである。本当に買わせたいものはコンビニのレジで売れ、本当に小額というのは100円から、なのである。

さて。この「国債購入費」制度を実施したとして、国家財政にどれだけの資金が流入するか試算してみよう。消費税と同じ5%を「国債購入費」に充てるとすると、国に入ってくる額は消費税と同じなので、

約10兆円

チリも積もれば何とやら、小泉首相の掲げる国債減額と同じオーダーになる。「レシートなんて捨てちゃったわよ」といううっかりママさんや「めんどくさい」と申告しない人もいるはずなので、ひょっとしたら利子分すら捻出できるかもしれない。というように、非常に夢のあるプランなのである。

また、一度、「株や国債のうまみ」を知ってしまった人たちは、さらに高額のリターンを求めて証券会社に通うことになるだろう。そうなればこの政策の目的は100%達成したのと同じだ。定期預金に流れていた資金は黙っていても株式市場に向かう。これが当研究室の描く日本好景気転換の青写真である。

とまあもっともらしく書いてみたが、良心の呵責がチクチクである(笑)。麻雀放浪記(作:阿佐田哲也)という有名な小説がある。元来、株や金融商品というのは麻雀とよく似ているところがあり、運も必要だが勝ち続けるには腕も必要だ。そして玄人がしのぎを削りあって淘汰が起こった後、起こるのは玄人同士のつぶしあいである。だがそれと同時に、「カモの育成」という流れが起こると麻雀放浪記には記されている。

まずは適当に「勝つうまみ」というのを素人に味あわせ、その後大きな場に誘い込む。これと同じことが「コンビニ国債」発行後にも起こる可能性がある。うーむ、この辺の人道的側面をどうするかが今後の課題であろう。

ただ、思うのは、今の証券会社のパンフレットのように、ハイリターンをここぞとばかりに強調しつつ、リスクについての記述はフォントサイズを8ポイントにするやり方よりは、よっぽど自己責任を感じられるのではなかろうか。。。などと隙間風の吹き込む研究室のコタツの中で考えてみたりするのである。

(S)

PS. 経済関係の話としてはデフレスパイラルの恐怖〜ゼロ金利政策の似非科学などがあります。マスコミが「今の日本はデフレではない」と連日連呼していたときに、現状はデフレスパイラルであると断言した回。グローバルスタンダードの複雑系の似非科学(その2)なども合わせてどうぞ。

  

  

  

・続7・危険物を確実に運ぶドライビングテクニック−頭文字Tの似非科学

★過積載という違反・・・

法律で禁止されている行為に「過積載」というものがある。簡単に言うと、定められた重量以上のものを車両に積載してはいけません、という法律だと思ったが(詳しい内容は忘れた)、今回はこの過積載にまつわるお話だ。

えっ?これがいったい何の関係があるんだって?ドライビングテクニックとは関係ないかもしれないが、前回(続6)にも書いたとおり「ハンドルを握っているといろんなことに出くわす」のだ。

それでは今回もいってみよう。

★今でこそ少なくなったものの・・・

過積載違反は、いまでこそ少なくなった(と思う)が、昔は本当にひどかった。現在は過積載で違反すると、その違反したドライバー以外に荷主も罰せられるようになっている。だから荷主のほうも無理に荷物を積載させるようなことはなくなった。しかし今でも過積載をしているトラックは街中を走っている。これは白ナンバーのトラックなどに多い。なぜなら、白ナンバーのトラックは大抵、個人でトラックを用意して運賃を貰っている。この際、運賃は単純に荷物の量に応じて決まるため、一回の輸送でなるべく荷物を詰め込んで1輸送あたりのお金を多く貰おうとする。

荷物を多く詰め込めば当然慣性の法則にしたがって、走らない、止まらない、曲がらないトラックの出来上がりである。さらに、発進するときに余計にアクセルを踏まなくてはいけないため環境にもよくない。また、荷物を多量に詰め込むため車の傷みが激しくなり、トラックの償却期間も短くなる。

では、タンクローリーは過積載できるのか?答えはNoである。なぜなら積載できる油の量が決まっており、それ以上積み込もうとしても荷物が液体なので無理なのである。やろうと思えばタンクの上に別の荷物を載せる、ということもできるが、そんなタンクローリーは見たことないであろう。

つまり通常、タンクローリーは過積載とは無縁である。で、今回の話と何の関係があるのか?実は、この過積載のおかげで大変な目にあったのである。

★本日の配送

ある日、いつものように出勤し、配送先を確認していた。1回目、2回目ともガソリンスタンドへの配送である。1回目は比較的大きなガソリンスタンドへ向かってそこで油をすべて納品するというもの、2回目は比較的小さなガソリンスタンドを2箇所まわってそれぞれのガソリンスタンドで油を納品するというものであった。特に2回目の2箇所目はかなり田舎であり、今日も帰りが遅くなりそうだなぁ。と思いつつ事務所を出発した。

★2回目へ向けて出発

1回目が比較的早く終わった(午前11時ころ)ので、ちょっと休憩して昼食を済ませた後、2回目に向けて油槽所へ向かう。いつものように1回目でおろす油をタンク後方に、2回目でおろす油をタンク前方に詰め込んだ。タンクローリーのマンホールを閉めて出発。

程なくして1箇所目に到着する。狭いガソリンスタンドであったが進入しやすかったため難なくクリア。(注: 毎回毎回、続2続4のようなドライビングテクニックが必要なわけではありません、念のため。)

次に2箇所目へ向かうわけだが、これがとんでもなく田舎にある!ざっと片道2時間半のところであろうか・・・。そうは言っても始まらないので缶コーヒーを買った後(筆者はジョージアの青缶(※)を愛飲している)、目的地に向けて出発した。まさかこれが24時間耐久配送のプレリュードだったということは、このとき知る由もなかった。

※ ジョージアの青缶

筆者が愛飲する缶コーヒーは、続・雪道を観光バスで攻めるドライビングテクニック−イニシャルTの似非科学でもペン立てとして登場したジョージアの青缶である。ちなみに千葉、茨城方面に向かったときに缶コーヒーを買うときはジョージア・MAXコーヒー(千葉・茨城限定販売)を愛飲する。その昔はただのMAXコーヒーという名前だったのだが、最近名前が変わってしまった。ものすごく甘い缶コーヒーである。ただ、初代MAXコーヒーの甘さに比べれば、ジョージアMAXコーヒーは幾分甘さが和らいだと思う。筆者としては初代MAXコーヒーの甘さが忘れられない。復活してもらいたいものだ。(MAXという名前は「甘さMAX」から来ていると筆者は信じている。)

(ちなみに最近はデザインが変わったかもしれない。筆者の記憶も定かでないので、多分こんな感じだろうということで書いてみた。)

★24時間耐久配送・・・オープニング

何も知らないまま2箇所目に向かう。かれこれ2時間以上運転しただろうか・・・。狭い道を何とか抜けて、そろそろ目的地にたどり着こうとしている。

すると急に道が広くなり、ちょっとしたガソリンスタンドが見えてきた。都会のガソリンスタンドとは一味違う、なんともいえない趣のあるガソリンスタンドである。で、目的地であることを確認するために車から降りてガソリンスタンドの事務所のほうへ入っていった。するとなかからおばあちゃんが出てきて、「ああ、うちですよ。ご苦労様です」と声をかけてもらい、すがすがしい気持ちになる。まさか、このときのおばあちゃんのすがすがしい笑顔が、後にとんでもない形相になるとは知りもしないで・・・。

で、伝票を確認していよいよガソリンスタンドへ入ろうとしようとしたとき、前方から大型トラックがやってきた。

平ボディーの横に大きな鉄板を貼り付けて箱状にして、鉄くずを満載したトラックである(トラックの種類については道路と車高の似非科学を参照)。見た感じ完璧に過積載していることがわかる(※)。どうやらここのガソリンスタンドで給油したいらしい。

※ 過積載していることがわかる

通常のトラックに過積載すると、後輪が異様に沈んでいたりタイヤがつぶれたかけていたりする。ぱっと見た感じで過積載していることがバレぬように、トラックのサスペンションの板バネの枚数を増やしたり、タイヤの空気圧を目いっぱい入れてたりして、見た目で過積載かどうか判断できないようにする。警察の目から逃れるためにサスペンションやタイヤをチューニングするのである(乗用車のチューニングメニューとはかなり違う)。

ちなみに、ガソリンスタンドを横から見るとこんな感じであった。

なぜこんな図をわざわざ書くかって?実はこれが理由大有りなんですよ・・・。

★ タイタニック地上編

鉄くずを満載したトラックの運転手が「先にこのガソリンスタンドに入ってもいいか?」と訪ねてきた。筆者のタンクローリーが先に入ると納品に時間がかかるし、ガソリンスタンド自体が狭いためである。私は別に後になってもかまわないと思っていたので(これが失敗の始まり)、お先にどうぞ、と答えた。

運転手はトラックに戻り、徐々にガソリンスタンドに入っていった。私はというと、自分の車に戻り、給油が終わるのを待つことにした。そのときである。

バキバキバキッ!

と、ものすごい音がする。車に戻る途中、あわてて後ろを振り返る。何もない。ただものすごい音が響く。さらに

バキバキバキバキッ!

という音が響き渡る。山の中で夕闇迫る時間帯、その音はこだまとなって山の中を響き渡る。なんと、先ほどの鉄くずを満載したトラックが徐々に沈んでいくではないか!!

あわててガソリンスタンドのほうに駆け寄ると、どうやら地下タンクがトラックの重みに耐え切れずつぶれてしまったらしい。その影響でトラックは

どんどん地下へ沈んでいく

先ほどのおばあちゃんの顔は真っ青になり、悲鳴を上げて大声で訳がわからないことを叫んでいる(そりゃそうだ)。私はというと、「どうしよう、納品できない・・・」と途方にくれた。

★24時間耐久配送・・・配送開始

ということで、ここから24時間耐久配送が幕切られるわけだが、続きは次回ということで。お楽しみに。

(T)

 

 

 

・MS Access見栄講座−レポート速成の似非科学 〜そうはいいながら長い道(最終回)

このシリーズの最終回に際し、MS Accessの効率的な開発法やらTIPやらを調子よく書き始めたのだが。。。難解だし、Accessのプロは何らかの方法で既に回避しているだろうし、はっきり言って長いし、ここで紹介するのはやめた。ということで別冊送りにしたので興味のある方だけどうぞ。

結局は実業務においてAccessで開発を行おうとすると、次の問題点が浮かび上がってくる。

これらはAccessの問題というよりは、日本の文書様式の問題だ。あなたが賛成か反対かにかかわらず日本国民全体にIDを振るというのは、データベース開発上は大変効率が上がる。もう一歩踏み込んで、日本の公文書で罫線を用いるのを法律で禁止すれば、自動的にAccessの問題は解決する。この2つが実現したときを真のIT革命記念日と呼んでもよさそうな気がするが、遠い未来の話になるだろう。

もちろん、Access自体にも問題があり

これが何を意味しているかというと、Accessの開発者の中にはこれまで「ユーザーインターフェースの天才」がいなかった、ということだ。だが、Officeの他のソフトには、開発史の中に少なくとも一人の天才がいた。

Excel:
ご存知だろうがExcelの根底にあるデザインはLotus1-2-3というソフトの真似である。もちろん、Lotus1-2-3の表計算のユーザーインターフェース(以下、UIと略す)を考えた人は間違いなく天才であり、コンピューター史に名前が残っている。

Word:
往年のワープロソフトWord Perfectを使っていた人ならご存知だろうが、10年以上前のワープロはWYSWYG(What you see is what you get)ではなかった。つまり文字を太字にしようにも、コントロールコード(HTMLタグみたいなやつ)を直接打ち込まないといけない(そして出来栄えは印刷してみないとわからない)ワープロだった。今考えるととんでもない。(「WORDが使いにくくてしょうがない」という人を見ると、ムラムラとWord Perfectを使わせたくなるのは筆者だけだろうか?) ワープロのWYSWYG化は当然の流れではあったが、それを最初に提案した人はやはり天才といえる。もちろんMSの開発者ではない。

Power Point:
このソフトのUIは大変よくできている。WORDから無駄を削ぎ落とした感がある。実は筆者はPower Pointに代表されるプレゼンソフトが開発された経緯を良く知らないが、ひょっとしたらMSが唯一「UIの天才」を抱えていた分野かもしれない。(詳しい事情を知ってる人がいたら教えて>読者さま)

Windows:
現在のWindowsが採用している「オーバーラップウィンドウ」システムや「ゴミ箱」といったUIはもちろんMacの真似だ。だが幸いにも、Macを作った人の中に天才がいたのだ。これはご存知の方も多かろう。

とまあ、MS OfficeスイーツのUIの成功というのは、MS以外にいた「天才」たちによってもたらされていると言えるだろう。ではMS Accessはどうか?

はっきりいってAccess開発陣には「UIの天才」はもちろんいなかったし、真似をするべき「天才が作った他社ソフト」も存在しなかった、ということだろう。Accessには、Macに見られるような徹底した統一感もなく、かといってLotus1-2-3に代表されるような機能の本質をついた切り口もない。すべてが「半端」で凡人が作ったとしか思えない。

凡人の作ったUIにさらに凡人が改良を加え。。。今のような統一感のない半端なシステムが出来上がったとしか思えない。あるいは「Accessなんて所詮はSQLラッパーだろ?UIなんてどうでもいいじゃん」といったところか。だがこの発想自体が凡人の発想である。データ構造とユーザーインターフェースが連携をなすところにソフトウェアの最先端があるのは、他の成功例を見ればわかる。今後、MS AccessのUI仕様の全面書き換えを期待しよう。>ビル

さて。Accessでのシステム作成が簡略化されていくと、つくづくプログラミング技術だけではシステムを構築できなくなった時代の流れを感じる。作成したデータがネットやLANの中でどんどん流用され、データだけが一人歩きをする時代になり、多少冗長なコードを書いても問題ないスペックのパソコンが当たり前になると、レポートの作成で最も重要なのは社内コンセンサスであるように思う。システム構築者に必要なのはプログラミング技術ではなく、コミュニケーション能力になってきた。社内のデータの流れを追うときには、なぜそれが必要なのかを説明しないといけないし、相手にそれを理解させないといけない。と同時に、相手がなぜそのデータが必要なのかを理解することも重要になってくる。わかった事実をシステムの構築に反映し、同時に業務の効率化、改善化を行ってしまう、というのが真のAccess使いの条件になってくるだろう。

ということはプログラムにとって重要なことは、人を幸福にするために人とパソコンの間に立つだけではなく、人と人との間をつないでいくことなのではなかろうか。これが次世代Accessの進むべき姿だと信じてやまない。それは高校の教科書に書いてあった宮大工の口伝にも通じている気がする。宮大工の口伝はこうなっている:「木組みは人の心組み」。これを21世紀システムの構築の奥義とするなら、

「Access組みは 会社組み
 会社組みは 人の心組み」

IT時代のデータベース構築に必要なのは「和の心」なのである。

(K)

 

 

 

・MS Access見栄講座−レポート速成の似非科学 〜そうはいいながら長い道(2)

さて。前回で、自分が作った数字がどこの部署へ流れてどのように使われるのかは把握できただろう。今回はこの様式の作り方について詳しく述べていこう。ここで重要になるのはForm98(JPN)である。

Form98(JPN)とは?

これは、すべてのビジネス文書を作成するときに同じ規格で作成することで、書類をセンスあるものに仕上げようという筆者の主張だ。企画書を作れば企画が通りやすく、集計表を作成すれば問題点を提案しやすいという特徴をもっている。また、使用しているワープロソフトに依存しないため、覚える機能が少なくてすむという利点もある。

Form98(JPN)とは、当研究室で1998年に策定され、以後そのまま使われ続けている文書体裁の規格だ。

- Form98(JPN) -

これは1998年に似非科学研究室で定められた、ワード及びエクセルの文書を見栄えよく仕上げるための基準として定められたものである。

1. 用紙サイズ

a.A4縦長とする。
b.横長でもかまわないが、文書全体としては横長と縦長を混在しないこと。

2.余白

a.上35mm 下30mm 左右25mmとする。
b.縦長でも横長でもa.で定められた規格を使用すること
c.ページ枠の罫線を使用する場合はこの範囲内に収めること。
d.ヘッダーの使用は推奨しない。フッターについては使用しても構わない。
e.フッターは下30mmの余白外に記載されても構わない。

(余白をつめてページ内の文字を増やすというのは確かに効率はよさそうで地球にやさしいですが、視認性は低下し、文書としての機能は落ちます。内容の簡潔な表現、あるいは内容を精選することで対応しましょう。上記の余白は、上と左は2穴綴じとホチキス止めに対応するためのものです。右の余白は契約書などで座判を押すときの余白を考慮したものです。)

3. フォント

a. MSゴシック12p、黒を使用すること。タイトルは16p、もしくは14pを使用すること。英数字は半角で、漢字、かたかな、ひらがな、記号は全角とする。
b. 表題の数字は全角でもよい。
c. ピリオドを半角とするのはURLの記載などのみで、文章の区切りとして使用する場合には全角を使用すること。
d. 文字の修飾は、アンダーライン、斜体、太字のみ使用できる。
e. 特に慣例として必要な場合に限り、赤色(255)を使用してもよい。
f. 法令上、商慣習上など、必要やむをえない場合に限り、赤と黒以外の色を使用できる。フォントについても同様である。

(フォントは明朝が好き、という方もいますが、印刷する場合、ファックスの通りやコピーの繰り返しに耐えうる、という意味ではゴシックでないと機能的に意味がありません。またOCRソフトでの読み込みに有利なのもゴシックを推奨する理由です。ファックスで出した原稿でもOCRで読み取ることができます。)

4. 文字数と行数(もしくは行間隔と文字間隔)

a. 文字は全角で38字、行数は40行とする。
b. 行末の禁則処理は行う。
c. 以上の条件が満たされている限り、文字間隔、行間隔は任意である。
d. 左詰とする。右詰は基本的に使用しない。

(文字間隔と行間隔は、余白・文字数・行数が決まると自然に決まってきます。全角で38字なのは句読点の追い出しを計算に入れたため。)

5. 罫線

a. 基本は行間罫線とし、一部の行中、もしくは文字罫線となっているものに限り、文中罫線を使用してもよい。
b. 取り消し線に関しては行中罫線ではなく、アンダーラインの設定の変更でなるべく対応すること。
c. 基本的に罫線に頼らない文書作成を心がけること。もし複雑なものであれば、ワードよりもエクセルで作成した方がはるかに効率的である。

6. エクセルに関して特に注意する事項

a. デフォルトではMSPゴシック 11pとなっているが、MSゴシック12Pを標準とすること。
b. セル結合は絶対に使用してはならない。

- 以上 -

Form98(JPN)にしたがって作られた文書がいかに良い印象になるかは、このサンプル文書(WORD)を印刷して手にとってみればわかる。このDOCは上記のForm98(JPN)の規格書だが、Form98(JPN)で作成されているものだ。

実はこのように、自分の書く文章の様式を固定すると、仕事の能率が上がる。これは、いちいちフォントや字間をどうしようと毎回考えなくてもいいためだ。また文書を読む側も、毎回統一感のある文書なので印象がいい。あなたも自分なりの統一様式をForm98(JPN)を参考に考えてみてはいかがだろうか。

(K)

※ もしこの仕様をそのまま使っていただける場合は、フッターの片隅にでもDF98J (designed by Form98(JPN)の略称)と入れてもらうとうれしい。

 

 

 

・MS Access見栄講座−レポート速成の似非科学 〜そうはいいながら長い道(1)

さて。Microsoft Officeスイーツのうちでもっとも収入を稼げるソフトはどれかご存知だろうか。無論、企業で一番よく使われるソフトがExcelなのは間違いない。次にPower Point。あとは業種によるが、Word、Accessの順であろう。(何とかというメールソフトはランク外のさらに外。)

ただ残念なことに、ExcelやPowerPoint、Wordを使いこなせてもなかなか収入には結びつかない。これらのソフトの日常業務に使われる機能は、あえて過言を恐れずに言うと、簡単だからである。実際にあなたの周りのたくさんの人がExcel・Wordを使っているはずだ。誰でも使えるソフトを使えても、技術料はつかないのである。

ずばり、Officeの中でもっとも「技術料」がつくのはAccessである。Excel、Wordを使いこなせていてパソコンに自信がある人でも、Accessに取り組もうとすると「俺はどうにかしてしまったんだろうか?」というくらい途方にくれてしまう。

筆者はAccessを使うのだけは避けてきた。というより、避けても何とかなることが多かった、もしくは避ける方が時間的に早く処理できることが多かったからである。しかし、現実は厳しい。ついにAccessによるシステム構築、レポート作成の依頼が来てしまった。が、この機会にAccessのレポートをどうやったら早く作成できるかを(ついでに)研究してしまったので、それを発表しよう。

残念ながらこのホームページは、手取り足取りAccessの使い方を説明するようなことはしない。一通りAccessを知っている人が、さらにAdvanceなステップに(ローテクを駆使して)進むためのテクニックをご紹介していく。

速成のノウハウは簡単だが…

実はAccessでレポートを作成する時間を短縮には事前準備が必要であり、そこに時間をかけるとデータベース構成にかける時間も短縮でき、手直し等の無駄な時間を削除できる。今回はまず、事前準備について考えてみよう。

多くの場合、Accessで事務処理を行おうとするのは、

  1. 売上帳売り掛け帳など1レコード1件として台帳や帳簿を作成したい
  2. その台帳や帳簿の結果の集計表を作成したい

に集約される。そして、この2つがもっともAccessでの作成が困難なのである。その根源には、日本人とアメリカ人の文化の違い、あるいは資源の有無が影響している。

まず1について。日本の文書の様式は一般に罫線を多用しており、ラベルがページヘッダーに、コントロールソースが詳細にくるという形式が大半である。これはアメリカと日本の文書形式の決定的な差になっている。Accessはベースをアメリカ人がデザインしており、この点に関してはアメリカ押し付けのデザインでは絶望的なのである。ウィザードで作ってもまず満足なものが仕上がらない、というか一から作った方が速い。

2については、日本様式のレポートを作成するには、コントロールソースに=sumなどを仕掛ける必要があったり、集計クエリを使わないといけないため、作成が困難極まりない。それに加え、日本の会社ではよく様式の変更があったりする。Accessで様式(レポート)の手直しがどれだけめんどくさいかは、作った人間なら骨身にしみているだろう。

これら2つの困難をいかに解決するかが今回のテーマである。そこでまず、事前準備だ。これは道具として次のものを用意する。

  1. A3が印刷できる600dpi以上のプリンター (レーザーが望ましい。白黒でよい、つーか、カラーはだめ←ここがミソ)
  2. 白黒コピー機(A3まで印刷できるもの)
  3. Accessに加え、少なくともExcel、あと、Word (Versionは2000以上)

※ このカラーがだめというのはあとで効いてくるので楽しみにしてください。

さて、道具はそろった。まずは帳票・集計表の雛形をまずExcelで作成する(間違ってもAccessで作り始めてはいけない)。そして帳票の方は、Excelでターゲットのフォームの大きさ(たとえばA4)に印刷したら、それをA3に拡大コピーするのである。A3で作ったサンプルは、その後の作業を格段に効率化してくれる。

このときExcelの印刷設定を最初からA3に設定してはいけない。あくまで拡大コピーでA3にもっていくようにする。Excelで最初からA3の紙に印刷しようとすると無駄なデータがオンされることが多い。基本様式はA4もしくはB4でつくり、それを拡大した方がよい。以前電車でA3様式をA4に縮小コピーしたデータ表を熱心に見ながら手帳にメモしている管理職らしい人をみかけたが、どうみてもやっていることがめちゃくちゃなのに気がつかないのだろうか?

次に、載せる数字のベースについて、帳票のデータの流れる先にできるだけ見せて確認する。このベースの確認こそが、業務の把握、情報の共有について重要なのである。数字のベースというと抽象的だが、たとえば工場と本社を考えてみよう。工場としては製造ラインを止めては大変なので、材料を切らせないように在庫ベースの数字が重要である。しかし、本社としては運転資金の管理が重要なので、その月の決済資金の計算のために発注ベースの数字が知りたいだろう。

そうすると、工場で在庫ベースの帳簿や集計表を作っても本社ではまるで数字が役に立たないためまたAccessで作り直す、というケースが往々としてある。このように現在使われている様式をAccessで処理する場合、どこまで役に立っているのか、前提となっているベースは何なのか、ということを先に確認する必要がある。ほかにも期末ベースなのか期首ベースなのかという一字しか違わなくても全然別、というベースもある。Accessではベースの調整が非常に困難なので、この事前準備は絶対に時間をかける必要がある。

これができると非常に意義深いのは確かである。たとえば発注ベースと着荷ベースの2つの数字が必要なら、その2つをテーブルに記録してやればほかの部署でも重宝するシステムが出来上がってしまう。同時に複数の部署での情報共有が成立する。

なお、帳票系の様式を作るときに、件数を集計する場合があるなら、必ず1レコード1件として様式を作成する。(1件の単位について必ずデータ共有者の間で合意を成立させておくこと。) もう一つは、帳票を一定の順番で印刷する場合(最初が発注ベースの台帳で、次が契約ベースの台帳という場合など)についても、打ち出す項目・打ち出す順番を確認すること。この作業を通じて会社活動の一連の流れが、自分の担当している部署からだけではなく、違う方向から眺めることができる。

しかし、このベースのチューニングは厄介である。自分が無意識のうちに前提としているベースは確認作業にまわせなかったりするからである。困難だが、会社の業務を把握するステップアップのために必要だと思ってがんばってください。

ああ、なんか今回は真面目すぎてちっとも笑うところがないな。だがもしあなたが将来Accessを使うはめになれば。。。今回の話はあなたの給料をUpさせてくれるに違いないのだ。

(K)

 

 

 

・20万Hit記念CDを作ろう――CD-R偏光すかしの似非科学

(今回は「10万Hit記念CDを作ろう――発ガン性CD-Rの似非科学」と「続・10万Hit記念CDを作ろう――手動CD-R焼き機の似非科学」の続編になります。この2つを先に読んでいないとイマイチ面白くないかもしれません。念のため。)

クリスマスが近づいてきた。この時期になるとクリスマスプレゼントは何にしようか、などとソワソワし始めるのは筆者だけではあるまい。心のこもったプレゼントというのは自分の趣味を生かした手作りモノであるが、コンピューターを趣味とする人たちにとってはこれが難題だ。

いろんなソフトを入れたCD-Rを作ったよ、時価総額10万円ね、はいプレゼント」。。。それは違法だって。「ISAバスに挿すRAMボードを作ってみたから使ってよ」。。。あんたアムロの親父さんか?もらった方はいい迷惑である。「CPUファンにかぶせて使うかわいいお人形を作ったの」。。。そんなものかぶせたら熱暴走するんですけど。。。

といった具合に(?)、皆さん苦戦しておられることだろう。筆者もいろいろ考えてみたのだが、やはり行き着くところはデコレーションCD-Rであった。だがレーベル面を装飾するのではない。あくまでCD-Rの記録面に愛の言葉を刻むのだ。

「マジックで書けばいいじゃん」なんて無粋なことを言う読者はおるまい。外部から書いたデータは、たとえばアルコールで拭けば消えてしまう。あなたの愛はアルコールで飛んでしまうようなものなの?と小一時間問い詰められかねない。だから、どうしても消えない文字をCD-R内部に刻む必要がある。

さて。今回の方法はすこぶる正統的なやり方である。ご存知のようにCD-Rにデータが書き込まれる原理というのは、CD-R内の有機色素を変性させ、レーザー光に対する偏光特性をBitごとに変えることで行われている。つまり1が書き込まれている部分と0が書き込まれている部分では光に対する特性が異なる。ひょっとして、この差は目に見えるのではないか?

もちろん、CD-R上の1Bitは非常に小さいため目には見えないが、データを工夫して大きな単位で1と0が変化するようにすれば、その差が目に見えるかもしれない。そうなれば、あとは文字の形になるように1と0を配置すれば(1と0のBitmapのように)、記録面に浮かび上がる「すかし」を入れることができるに違いない!

ということで、早速実験に取り掛かった。使用したCD-Rはシアニン系(青いCD-R)だ。今回の実験にはアゾ系やフタロシアニン系(金色や銀色のCD-R)は適さないと予想できる。元来、CD-Rに使われている有機色素は無色であり、アゾ・フタロシアニンのCD-Rは反射面の色が見えているだけだ。そういったCD-Rに焼き付けたときにできる1と0の微妙な偏光の違いを、人間が判別できるとは思えない。むしろ耐光剤(青色)を焼き付けたときに現れる色の違いが見える可能性もあるため、シアニン系CD-Rが有力候補なのである。

次のプログラム(C++)は約100MBytesごとに0と1が入れ替わる合計600MBytes弱のファイルを作り出すプログラムである。

// CD-Rすかし ニュートンリング実験用
// Copyright (C) 2001 by ese
#include <stdio.h>
void main() {
 FILE *fp=fopen("cdnwtn.bin", "wb");
 for(int i=0; fp && i<600000000 &&
  EOF!=fputc((i++/100000000)%2?-1:0,fp););
 if (fp) fclose(fp);
}

32Bit系のC++コンパイラであればどれでもコンパイルできると思う(Win、Linux、Macなんでも)。リストを短くするために見にくいコードになっているが、ちゃんとエラー処理も入っているのでご安心を。(一応、実行ファイルをここに置いておきますので、作るのがめんどくさい人はダウンロードしてください。Windows用。)

このプログラムを実行すると、約100MBytesごとに0と1が入れ替わる巨大ファイル(約600MBytes)が作られる("cdnwtn.bin")。これをそのままCD-Rに焼き付ければよい。理論上は、次のようなきれいなニュートンリング状のCD-Rが焼きあがっているはずだ。

一度この簡単な図形さえ確認できれば、あとは任意の字の形に1と0を並べることなどコンピュータには造作もないことである。早速焼き付けてみよう。

さあ、目を凝らして見てくれたまえ。見事なニュートンリングがCD-R上に。。。見えない。日光や蛍光灯を当ててみたり、反射光にしてみたりしたが、確認できない(汗)。ということで、最近流行の画像処理というやつをやってみた。

かすかに同心円の残骸が見える。。。ように思うのは、きっと筆者の気のせいだろう。やはり人間の目でCDのデータを読むのは無理なのか?

と書くと、猛烈な勢いで「偏光の差が人間の目でわかるわけないじゃん」と指摘し始める人たちがいる。おそらく知ったかぶりはそう言うだろう。だがこれは間違っている。たとえば偏光を応用した技術に、ディズニーランドで上映されている3D立体映画(昔はキャプテンEOだったけど、今は何だっけ?)がある。上映前に渡されるメガネは「偏光メガネ」と呼ばれるもので、右と左のフィルタから見える風景は偏光が異なっている。彼らの言い分が正しいとすれば、左右のフィルタの差は肉眼ではわからないわけだ。実際、なんの変哲もないように見える。

だがひとつだけ、この2つのフィルタを簡単に区別する方法がある。床に反射した光を見るのだ。金属面での反射光は、その偏光面によって反射率が違うため、明るさに差が出る。この事実は光学屋さんなら誰でも知っている。デジカメフリークならお持ちであろう偏光板とNDフィルターは、ちょっと見ただけでは違いがわからないが、床の反射光を見ながら板をまわしてみると偏光板なら明るくなったり暗くなったりするので見分けることができる。あなたもディズニーランドに行った際は試してみてくれ。

脱線した。とはいうものの、上記のCD-Rには確実にニュートンリングが(たとえ肉眼で見えなくても)存在しているのである。何らかの方法によってそれを明らかにできるはずだ。ということで読者の皆さん、このニュートンリングを人間の目に見えるようにする方法を考えてほしい。化学的・光学的・哲学的・電波的・黒魔術的・白魔術的、何でもかまわない。よろしく頼む。


ためしに直線偏光のレーザーを当てて見たりしたが見えず

おっと、クリスマスプレゼントはどうするんだよぅ、だって?このCD-Rをそのまま渡せばよいではないか。

「あなたへの愛はとても言葉にできないし見ることもできないが、確実にこの中に存在するんだよ。このCD-Rはその証なんだ。」

イチかバチかのプレゼントではあるが。

(C)

P.S. 過去の苦難の歴史、10万Hit記念CDを作ろう――発ガン性CD-Rの似非科学続・10万Hit記念CDを作ろう――手動CD-R焼き機の似非科学も未読の方はどうぞ。

P.S.2 光学系の話としては超光速度通信の正体−続・光の似非科学金の指輪・銀の指輪の似非科学光の似非科学などもどうぞ。

 

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