魅惑の似非科学

バックナンバー 13

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4/21/2000 10%還元ポイントカードの似非科学 (おすすめ)

4/14/2000 道路と車高の似非科学

4/7/2000  ボディビルダーとインフルエンザの似非科学 (おすすめ)

3/31/2000 お茶の遺伝子解析の似非科学

3/24/2000 いろは坂を観光バスで攻めるドライビングテクニック − 頭文字Tの似非科学 (おすすめ)

3/17/2000 フェルマーの最終定理とスープに浮かぶドーナツの似非科学

3/10/2000 コウモリ声翻訳回路製作記の似非科学 (おすすめ)

3/3/2000   トラックの車軸と積載の似非科学

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・10%還元ポイントカードの似非科学

ちまたの量販店では「10%還元ポイントカード」のような還元セールが花盛りだ。このような制度の店側の利点は明らかだ。蓄積されたポイントはその店でしか使えないので更なる購買を期待できるし、また還元率によるアドバンテージは消費者にアピールしやすい(短いスポットTVCMでも連呼しやすい)。

さて。実はこのポイントカードには、もう一つの隠された利点−数字のマジック−があるのに気付いた。ポイントカード制は従来から存在した同率の金券制よりも店側に有利なのだ。結論から言うと、10%還元ポイントカードを金券制に換算すると約9.09%しかない。これは似非科学せねばなるまい。

まずは一般的な還元型ポイントカードの制度を説明しよう。100万円の商品を買ったら、その10%にあたる10万ポイントがカードに累積される。次に消費者がその店で100万円の商品を買うときは、蓄積した10万円のポイント分があるので、支払いは90万円で良い。で、ポイントには支払った90万円の10%の9万ポイントが付く。

何の変哲も無いように思えるが、ピンときたかな?わからない?では、100万円の商品を何回も何回も買い続けたときのトータルの割引率を計算してみよう。以後、このHPの名物(?)の数式が続くが、そのあとに暗算で計算できる直感的説明を付けるので、そこは読み飛ばさないように。

まず、ポイントによる割引分を考慮に入れると、総支払額は次のようになる。

このトータル支払額を計算する。第n回目の100万円の買い物時の現金支払額を とすると、 は次のような簡単な漸化式で表される(単位は万円)。

あなたはこの漸化式を解けるかな?見事に高校数学の範囲内だ。蛇足ながら、漸化式はこういうときに非常に便利で、もし高校生諸君でよくわからないまま来ている人は、どんなに塾に金を払ってもマスターすることをお勧めする。コンピューター全盛の昨今、漸化式はえてして軽視されがちだが、極限計算時にはこれにたよるしかないことも多い。

ともかく、高校数学を駆使して、上の式を解くと以下のようになる。試しにnに1や2を入れてみれば、確かに第n回目の買い物の支払金額になっていることがわかるだろう。

もしN回この店で100万円の買い物をしたとすると、実際に支払った金額のトータルはとなり、等比級数の和の計算(もちろん高校数学の範囲)で求めることが出来る。

さて、N回100万円の買い物をしたとき、手に入れた品物の総額は、当然ながら

実際に支払った金額はなので、結局割引率は

(ただし、途中で等比級数の和の公式、およびN無限大での極限を取った。)

ということで、10%還元カードによる真の割引率は約9.09%となることがわかる。

なぜ10%−9.09%=0.91%分を客が損するかの原理は、言われてみれば簡単で、ポイントとして還元された額には次回の割引が適用されない、ということだ。数式なしでこの数字を導くには、たとえば次の場合を考えてみればいい。1回目の買い物で100万円の買い物をする。2回目の買い物では、ポイントカードの残高を使いきる10万円丁度の買い物をして、以後その店には一生足を運ばない。とすると、総計110万円の品物を買うのに100万円が必要なのだから、割引率は(110−100)/110=9.09%だ。もし正確に10%割引を実現するためには、2回目の10万円の買い物のとき1万円割引されなければならない。

もちろん、こういう特殊ケースで算出した9.09%という数値が、実生活のケース(何度も買い続けるケース)の極限値と一致する保証は一般にはないが、上記の数式計算でそれも証明されたから安心してよい。

この辺のトリックは、「電脳ポイントカード」というハイテクブラックボックスの中で清算が行われるために、なかなか気付かれない。割引率がちょっと少ないような。。。と思っても、領収書を見ればちゃんとルールどおり10%還元されているわけで、おかしくもない。「還元された額の再還元がない」という制度が見事にポイントカードというハイテク技術で隠蔽されているのだ。とにかく、「電脳ポイントカード」はハイテクとヒューマンテクノロジーの芸術品だと覚えておこう。

一方、ハイテクが普及する以前の金券制だとどうだろう?それは現金と同じ感覚で使われるから、この錯覚は効かない。「金券で払った分には、割引はききませんから」などと店員が説明しても、だれが納得するものか!実際、私が良く利用するファミリーレストランは「10%還元の金券」を渡してくれる。もちろん、次回金券で払った分は次々回のポイントにはならないなんてことはない。(この点で金券は現金と等価だ。) つまり、このファミリーレストランの場合こそ、正確に「10%」還元だ。(時間差割引ではあるものの。)

と書くと、「このファミリーレストランの経営者は馬鹿なのか?」という人がいるかもしれないが、そうではないと思う。この店ではある一定ポイントを越えたところで10%還元の金券をくれる。この、敷居値を設定することで、他店に比べてのディスアドバンテージの0.91%を取り戻しているのだろう。私はこの方法の方がすっきりしていて好きだ。(このファミリーレストラン、メニューは他の店より工夫されているし、料理もおいしい。もちろん上式のことなど百も承知の、頭のいい経営者もいるに違いない。無事に外食産業恐慌の荒波を乗り切って欲しいものだ。)

さて。もし高校の先生が見てたら、これは数学のいい問題だ、試験に出そう、と思うだろうが、HPの最初に書いてあるようにコンタクトなしで引用するのはルール違反なので御注意。だがもしほんとに高校などのアカデミックの分野でこの問題を使おうと考える先生がいたら(誘導形式問題じゃないと生徒さんがかわいそうですよ>先生方)、特例でコンタクト無しに使ってかまわない。そのときもし可能なら、このHPを生徒さんに紹介してほしい。このHPは、将来の科学者の卵たちにとって(つまり将来の私の年金負担者にとって)、温室から巣立ちするための有益な情報の宝庫だと信じる。

(P)

 

 

・道路と車高の似非科学

★車高?

街中へ車で出かけると、大変なのが駐車場探し。特に大きな町に車で出かけると、たいてい駐車場がいっぱいで、結局駐車場が見つからずに路上駐車となる。別に路上駐車のことをとやかく言うつもりはないが、やっぱり迷惑である。特に狭い道などに駐車されると、かわすのに大変である。「あー、うっとうしい!」などと思いつつ運転している人も多いのではなかろうか。

結局は過密なところへ乗用車で出かけるというのが間違っているのであるが、大きなものを買いにいくとき乗用車はことさら便利である。でも駐車場。。。

そんな駐車場のなかに狭い土地を有効に活用すべく、立体駐車場なるものがある。タワー型のものから、自分で運転してどんどんビルを上るタイプのものまで、さまざまな立体駐車場がある。マンションなどに住んでいる人なら、立体駐車場みたいなものに車を駐車しているひともいるのではなかろうか。

で、立体駐車場にとめるときに問題となるのが車高。自分の運転している車の車高が高いと、場合によっては立体駐車場にとめられない。1BOXに乗っている人なら、立体駐車場はなるべく避けたいところだろう。車をとめられずにうろうろした挙句、路上駐車をしている人、いませんか?

今回は、道路と車高について似非科学してみよう。

★車高をチェック!

乗用車だと立体駐車場くらいしか車高を気にする場面は考えつかないが、こと車高が高い車「バス」、「トラック」とかになると、あちこちで車高を気にする必要がある。よく、立体交差などに「車高*.*m以下」と書いてあるのを見かけたことがないだろうか?

私がバスに乗っているとき、乗務のたびに乗る車種が変わり、毎回その車の車高を気にして運転していた。とりあえず、3.8m以下のところは通過することができないと頭に叩き込んでおき、あとは、乗務する車の車検証をチェックして、正規の車高を調べる。といっても、車検証に載っている車高もあんまり当てにならないので、その車を担当している乗務員に車高を念のため聞いておく。

で、仕事に出発!!

★遭遇する場面

いろんな場面で車高を気にするところに遭遇する。以下はその代表的な例。

[陸橋の下]

陸橋の下はたいてい通過することができる。が、時々、通過できないものがある。たとえば、「車高3.9m以下」などと書いてあると、これはもう要注意。まず確認することは、

である。まあ、突起物がないことを確認するのはだれでも理解できると思うが、なぜ、道路が平坦であることが重要なのか?ちょっと知ったかぶりの人だと、「凸凹で車体がバウンドしてぶつかる」と思う人がいると思うが、実はぜんぜん違うのである。

以下の図を見てほしい。

このような状況で「車高3.9m以下」となっていると、間違いなく屋根をぶつける。頭は潜り抜けるのだが、通過しようとしたときに、真ん中あたりの屋根を「ベコッ」とへっこますのである。まぁ、こんな失礼な道路はめったにないのだが、私はこの橋で屋根をぶつけているドライバーを何人か知っている。屋根は、派手にぶつけると「廃車」となりかねないので、特段気を配って運転する必要がある。

[トンネル]

へっ?!トンネルで車高を気にする必要があるの?と思われそうだが、普通のトンネルではまず気にする必要はない。しかし、古いトンネルとなると話は別である。

古いトンネルは、

で、車線が狭いのはともかく、アーチ型になっているのが非常に曲者。で、アーチ型とはどういうことをいうかというと・・・

と、こんなかたち。このようなトンネルは静岡・伊豆の海岸線に多い。特に南伊豆、西伊豆方面で見かけることができる。あと、千葉方面では南房総の国道12*線で見かけることができる。このタイプのトンネルの特徴は、海岸沿いに作られた道路のトンネルに多く見かけることができる。これの何が困るのというと、天井が低いのである。「別に低くない」と言えば低くないのだが、対向車を交わすときにうっかり左によると、左の屋根を「ガリガリ」とするのである。これが一番怖い。ここで擦ると車両の前方から後方まで、きれいにアトが残る。バスは屋根にテレビアンテナとかつけているので、ここで擦るとアンテナがもげて、さようなら〜、となってしまう。あと、私が乗ってたバスの中にBSアンテナつきのバスもあり、これのおかげで車検証に記載されている車高以上の車高があり、別の運転手がどこかでぶつけてきて、BSアンテナをもぎ取ってしまった人がいる。このときの修理費は確か150万くらいしたといってたな〜。当然、BSアンテナをもぎ取った人は給料が下がって大変そうにみえた。。。

で、このトンネルを見かけたら、天井を注目してみよう。トンネルの天井の左右に白い線がいくつも残っていることがあると思う。これは、間違いなく誰かがそこを「擦った」跡だ。

[高速道路入り口]

高速道路の入り口を見ると「3.8m以下」と看板がぶら下がっている。実は3.8m以下じゃないと高速は走れないのだが、入り口を注意深く見てみよう。

なんと、一部ゲートの入り口の看板の位置が少し上にオフセットされてついているのだ。

この不思議なゲートの代表として神奈川首都高速大黒ふ頭入り口がある。そのほかにもいろいろあるので、注意深く見てみよう。大型車がいっぱい並んでいるところは看板が高い位置にオフセットされている。ちなみに、大型車がいっぱい並んでいるところは列が長くても待ち時間は少ない。理由は、

もし、渋滞で料金ゲートが込んでいたら大型車が並んでいるところを狙って並ぼう。他の車よりは少し早くゲートを通過できるはずだ。

で、話は戻って、大型車はその看板の位置が高いところを狙ってゲートを通過する。これで、3.8m以上の車高でも通過できるという仕組みになっている。

経験上では、確か4mくらいまでは看板にぶつからずにいけたような気がする。

[家の屋根]

道路沿いにたっている民家から飛び出ている屋根。これは、古い街並みの真ん中に狭い国道が通っていると見かけることができる。昔から使われていた道を国道にして、そこを大型車が通るから、アンマッチといえばアンマッチだが仕方がない。このような道路を走るとその町の歴史を感じることができる。

で、これがまた曲者で、道路の上に飛び出ていることにまったくといっていいほど気がつかない。道路上を見ても、上には車の屋根にあたりそうなものがないし、車高を気にせずに走っていると、突然、「ガリッ」といって、屋根を引っ掛けてしまう。民家の屋根は弁償しなければならないわ、車も修理しなきゃならないわ、で、大変である。毎回、屋根を引っ掛けられている民家だと、その部分に赤い布切れなんかをぶら下げてくれており、ドライバーはその布切れを目安にしてぶつけないように走る。ホント、民家の屋根の飛び出しは、突然攻撃を行ってくる隠れキャラのようで怖い。

[バックソナー]

バックソナー、バックアイ、などなど、いろいろな名称で呼ばれているが、すなわちバックするときに写るカメラモニターのことである。最近は乗用車でも搭載する車が出てきたが、はっきり言って乗用車にはあんなもの必要ない!!バックするときカメラばっか見て、左右を擦るのがせいぜい関の山だ。

観光バスには、たいていバックソナーがついているのだが、これがまたカメラばかりに頼ると「屋根」をぶつけるのである。さすがに素人みたいに左右は擦らない。

あのカメラは、結局下しか写していないので、肝心の屋根のところに何があるのかさっぱりわからない。宿の駐車場にバックではいるとき、屋根の軒先にバックでぶつけてしまうという事故が結構多い。また、ガイドも誘導するのだが、そのガイドも下ばかり見ているので、ちっとも役に立たない。ガイドが「ピピーッ、ピピーッ」と笛で合図しているのを信じてバックすると、「ガシャン」と鈍い音がするのである。

鉄則1:バックするときは己の眼で必ず確かめよ。

鉄則2:窓を開けて後ろを見ることはプロであり、素人ではない。

鉄則3:ヤバいと思ったら、車から降りて確かめよ。

みなさんも、これを守ると愛車をぶつけずにすみます(本当)。

★仙台での出来事

仙台へバスで仕事に行ったとき、現地のガイドをバスに乗せて仙台市内見学という仕事をした。で、私は当然、ガイドが地元の人だから道は詳しいだろうと思い、見学後に宿泊先までの道順を聞きながら走った。

「ここを右に曲がってまっすぐ行くと、目的の宿ですよ」とガイドが言うので、「おお、あと少しで今日の宿だ」と思って右折した。右折した直後、少し渋滞していたが、幹線道路よりは空いているとのこと。で、渋滞を抜けて進んでいくと・・・いやな予感が・・・。

陸橋である!それも「車高3.8m以下」である。自分のバスはこのときハイデッカーという結構車高が高い(3.9m)バスに乗っていたので通らない。

「ウワー、弱ったな。これじゃUターンもできないよ。」

「すいません、車高のことは考えてなかったもので。。。」

そりゃそうだよな、シロートに車高のこと考えろっていうのが酷だもんな。

「バックしよう」ということで、延々1km、バックして元の道に戻った。このときクラクションは鳴らされるわ、怒鳴られるわ、で最悪だった。

★別の運転手

日ごろ、課長補佐だなんだと威張っていて、運転手仲間から嫌われているヤツがいたんだが、そいつがヤッたんだな、デカい事故を。。。

秋の行楽シーズンで、仕事の忙しさがピークを迎えると、管理職だろうと何だろうとみんな交代でバスに乗る。バスは機械なので休ませなくてもよいが、人間は休ませないと壊れるので、さすがに連続1ヶ月という乗務はあんまりない(たまにあるが)。で、人が足りないので、その課長補佐というヤツが乗務することになったんだな。で、行き先は京都。この京都もすごく狭く、道が中途半端なところで一方通行になっているので、すごく道がわかりにくい。

で、この課長補佐、行きは回送で京都に行き、帰りに客を乗せて帰ってくるという仕事だったんだけど、行きでお客を迎えに行く途中、道に迷い、挙句の果てに電車の陸橋と頭を「ゴツン!」。バスは平行四辺形になってしまった。さすがにこんな平行四辺形なバスでお客を迎えに行くことなどできないので、会社から別のバス会社に振替のバスを出してもらい、私と事故処理班は乗用車で現場に向かった。で、事故処理班は到着後、事故の概要を調べ、私はというと、その平行四辺形になったバスを「車庫まで運転」しろと言うことなのである。「ゲーッ!!京都からこんなバスを・・・」と思いつつ、あと、非常に恥ずかしいので、何とか事故処理班に言って、社名が入ったところをガムテープで隠してもらった。それでもバスの車体の色で「××観光だ!」とか、ほかの運転手に指差されるし、高速道色では追越されるときにほかの運転手に笑われるしで、最悪だった。

で、同僚にこの事故のことを話すと「それは災難やったな。けど、アイツいい気味や!」とみんな心の中はザマーミロ状態だった。

バスは廃車で、修理不能。全体が平行四辺形になっていた。そのあと、威張らなくなったのは言うまでもない。プロとしてやっている以上、己の技術を常に磨くのが必要であり、怠ったものにはこのような天罰が下るということを知った。

だから、サラリーマンでリストラされるやつらも、己の技術研鑚をおこたったからリストラされるんだと思え。会社から真にほしい人材と思われれば、絶対にリストラなんかされない。いや、される訳がない。だって、会社が損をするわけだから。

★最後に

トンネルで大型が車線をはみ出して突っ込んできたときは、なるべく左によって交わしてあげよう。

(T)

 

 

 

・ボディビルダーとインフルエンザの似非科学

★重要な警告

さて、今回は1週間で100hitをこえているこのページの読者だけに対して当研究室の最新の風邪の治療補助法の理論を提供したいと思う。「治療補助法」という表現を使っているのは、医師による治療法の効果を高めるために当研究室で実行している補助的な栄養摂取法のことを意味している。

しかし、当然のことながらこの研究室の論文については内容の保証はなく、当研究室の理論を実行は全て自己責任の元に行われたい。

その中でも、風邪以外の何らかの持病のある方、特にたんぱく質についてアレルギーを持つ、あるいはその体質の人が家族に存在する方、妊娠中の方、糖尿病の方、リューマチの方、乳幼児から思春期の児童、アミノ酸の先天的代謝異常を持つ方、に対して当理論を実行することは生命の危険、場合によっては死亡にいたる場合があるので医師に対する相談を行った上でない場合は、実行することは禁止する。また、この重要な警告を読み逃していたという抗弁は全く受け付けない。全てこの注意事項、禁忌事項について了解をした上で本文を読み、自己責任の元に以下の治療補助法を実行していることとなるので、十分注意されたい。

★風邪を治すとはどういうことか

風邪とはウィルスおよび細菌が体内に侵入し、それを排除するために発熱、下痢、咳などの体の防衛反応が起きる現象である。(注:ただし、発熱に対して解熱剤を使うのはこの防御反応を妨げるものだという理論については少なくとも乳幼児に対しては実行するべきものではないであろう)

風邪はできる限り、引いたかな、という状態(のどの痛み、鼻水など)のときに医者にかかる方がよい。鼻水だけの状態であれば坑ヒスタミン剤の投与程度で2,3日で治癒する。これはウィルスが鼻腔にのみ存在する状態でとまっているからである。それより体内の奥深く(喉、肺、胃腸、リンパ節、そしてもっとも恐ろしい脳)に侵入すればするほど症状は重篤かつ、治療期間も長引くことになる。

それでは風邪を引いた状態から通常の状態になるためにはどうすればよいのであろうか。風邪がウィルスの侵入であることから、風邪の治療とはウィルスの体外への排除もしくは死滅が目的となる。ここで風邪薬のうち抗生物質が使われることになるわけである。また、解熱剤についても、あまりの高熱になれば体のたんぱく質に対しても変異をきたす恐れがあるため使用せざるを得なくなるわけである。そして、風邪の予防法とは、ウィルスの侵入を防ぐことと、ウィルスが侵入しても風邪にかからない(不顕感染)状態に体調を整えることが重要になる。

では、風邪の治療で重要なウィルスの死滅、および不顕感染の体調を作るとはどういうことであろうか、それが抵抗力と呼ばれるものになるのである。ウィルスがもっとも侵入しやすい胃腸と鼻腔、口腔の粘膜を強化すること。特に冬場および気温の上下の激しい春先の風邪に対しては体を冷やさないことと、寒さに対して強い体(体温に関する恒常性の維持能力の強化)をつくることが重要になる。

では、そのような抵抗力の強い体を作るためにはどうすればよいのだろうか。

  1. 規則正しい生活(特に睡眠時間の維持)
  2. ストレス(フリーラジカル)を避ける(体を冷やさない、悩みを抱え込まないなど活性酸素を体内に発生させること全て)
  3. 適度な運動を行う(適度とは、活性酸素を体内に処理できるほどの負荷で、心拍数が過剰に上昇せず、かつ、筋肉、関節の回復が12時間以内に可能な程度である)
  4. 3食に分けて食事をとり、バランスよく食べる
  5. 少なくとも外出から戻ったら必ず手を洗うこと。うがいは気休めになるので行うこと。
  6. 毎日着替えて、入浴すること(衣服および体表面に付着したウィルスを排除できる)

以上である。

理論的にはこうなるが、特に4については風邪の予防にはなっても風邪の治療の時には問題があるのではないだろうか。なぜなら、下痢を伴う風邪の場合、十分な栄養補給がなされないし、下痢を伴わないまでも、食欲不振に陥る場合がある。このようなときは、似非科学研究室の理論の実践を行ってみるとよいのではないだろうか(自己責任で)。

1. 水分 体の防衛反応の基礎は水分である。水分は体内のあらゆる化学変化の基礎となる。コーヒーは胃腸に対する刺激物となること、および紅茶は利尿作用により脱水を起こす可能性もあるので、これはさけ、薄く、ぬるめの緑茶を1日に数回にわけて摂取するのが有効である。高熱の時ほど量をふやさなければならない。ただし、下痢のときなどはポカリスウェット(ステビアは不可)に塩をひとつまみいれ、冷やさずにのんでもよい。これは経口補水塩という重要な下痢の治療法でもある。ただし、糖分の過剰摂取には注意すること(下痢のとき応急的な処置として行うものであり、飲み過ぎないこと)

2. ビタミンA これは粘膜のウィルスに対する抵抗力を高める。野菜ジュースにより摂取する。特に前駆体であるカロチンにより摂取するほうがよい。ビタミン剤による摂取は推奨できない。ビタミンAは脂溶性ビタミンであるため、体のなかに蓄積されて過剰摂取となる可能性があるためである。当研究室では水溶性ビタミンのビタミン剤による補給は容認するものの、脂溶性ビタミンのビタミン剤による補給は認めない。

3. ビタミンB1(チアミン)、B2(リボフラビン),B3(ナイアシン),B5(パテントン酸),B6、C ビタミンB群は、脂肪分などが肝臓で分解されるときの補酵素となるものであり、体温の維持に重要な役割を果たす。これはビタミン剤により補給してもよい。Cは一時的な過剰摂取によるリスクは少ないので、サプリメント(補助栄養食品)からとってもよい。ただし、一日の必要摂取量以上にとる必要はない。説明書きの量の2分の1から3分の2程度でよい。(他の食事からも栄養素を補給するため)。

4. プロテイン 体の組織の修復にはたんぱく質が必要となる。大豆プロテインなど、ただし、プロテインを買おうとすると赤ちゃんの粉ミルクのようにでかい缶で売ってあるのが問題である。現在ジョグメイト、ウィダーインゼリーが風邪のときなど一時的にプロテインを必要とするものにとっては有用であろう。ただし、プロテインの過剰摂取は肥満、炭水化物からのエネルギー摂取の阻害につながるので三日以上の大量投与は避けること。(1日10gまで)なお、プロテインはできるだけ昼までにとること。

5. 炭水化物 エネルギー源。おかゆで補給。

ここまで書くと、お気づきの向きもあろうと思うが、この栄養学的な構成はそう、ボディビルダーに対する栄養のアドバイスとほぼ同じである。ただ栄養の摂取方法や、量について修正を加えているに過ぎない。つまり風邪を治すのは一種のスポーツともいえるのである。
 
★最後に

今回は当研究室の論文にしては珍しく数式のない文章になってしまった。医学とは結構あいまいな科学分野である。今回は抵抗力について研究したわけであるが、肝心な抵抗力自体も数値化されているわけではなく、計測できるものでもない。(統計的な推定は可能であるが)。

というわけで、数学が嫌いだけど科学に興味をお持ちの方はぜひ栄養学や医学から科学の道に入ってみてはいかがだろうか。生活を豊かにすることができるであろう。

(M)

 

 

 

・お茶の遺伝子解析の似非科学

21世紀はバイオケミカルの時代になると予想されている。人間の遺伝子は、悪名高いゲノム計画で裸にされ、人類は大きな医学の進歩とこれまた大きな生態系破壊の原因を手にすることになるだろう。とはいえ、遺伝子工学の科学における位置付けは、アナログ処理とデジタル処理の狭間に位置する、非常に魅力的な(つまり、コンピュータマニアにとって、名声を手にしやすい)ポジションにある。

ご存知のとおり、遺伝子はATCGという遺伝子の組み合わせから成っている。その、ATCGを見分ける方法は極めてアナログ的(生物学的)な処理によって行われるわけだが、一度その記号が見つかってしまえば、あとはテキスト検索で処理出来てしまうという、面白い学問だ。遺伝子に何億の記号があってもかまわない。昨今の発展したコンピュータ処理は、一瞬で同一パターンを見つけ出す。大規模データベースの能力の進化がWeb検索以外に役立つ珍しい例だ。そして今回はお茶の遺伝子解析についての話だ。

「お茶の遺伝子を解析してどうすんの?」 いい質問だ。お茶は嗜好品に分類されるため、昔は高貴な人々のみ嗜める高級品だった。つまり時の権力者が競って貿易ルートを探した、化石でいえば三葉虫にあたるような流通標準になりうる。また、高価な商品性ゆえに、その栽培極限や品種研究が盛んに行われた「当時は最先端」の一品なのだ。今でいえば、「クローン羊技術」などにあたるだろうか?

この辺の、時代間ギャップは面白い。たとえば中世以前の絵画には「馬」の絵が多い。これを見て「ああ、昔の人は馬が好きだったのね」で済ませてはいけない。当時は「馬」は人類の持つもっとも速い移動手段であり、「馬の絵」を今の時代に置き換えれば「F1の写真集」にあたる。自分の愛車を写真に取りたがる人は多くないだろうか?昔の人も同様に、自分の「愛馬」を絵にしたのだ。

おっと脱線した。遺伝子は具体的にどうやって解析するのかは普通の方はご存じないと思うが、研究室の持っている予算に応じて2つに分かれる。

もちろん最近の技術で開発されたシーケンサを用いたほうが、手間もなく正確な遺伝子解析ができるのだが、予算が潤沢とは言えない研究室ではそうもいかない。RFLP法の有利な点は、シーケンサがあらわれる前の過去の蓄積データが膨大なため、豊富なサンプルとの比較が容易なことにあり、もちろん今でも研究に使われている方法だ。

シーケンサのような方法は生物学ではむしろ例外的なので、ここではRFLP法の手順を紹介してみる。この長丁場を見て欲しい。

なんと3泊4日もかかってしまう。一般論として生物学の実験は長時間・長期間にわたる。もしあなたの彼女が生物系の研究者だったら、時間がなくて遊んでくれなくても腹をたててはいけない。

制限酵素により切断したDNAをゲル中で電気泳動させ、ブロッティングによりゲルからメンブレンにDNAを転写する。一方DNAの標識部分となるフェニルアラニンアンモニアリアーゼのプローブを作成し、変性させた鋳型DNAに対してプライマーをアニールさせ、大腸菌由来のDNAポリメラーゼにより相補的DNA合成を行う。その際、dTTPの変わりにフルオレセイン修飾dUTPを部分的に取り込ませてPALプローブを作成、膜と共に一晩ハイブリダイゼーションすると遺伝子のPAL部分とフルオレセイン修飾PALプローブが結合し発光試薬で発光させられるので、それをフィルムに写してPAL DNAを確認する。

下の絵はラべリング検出の原理図だ。この方法で、右図のようにDNAパターンを画像化することができる(こういう写真は一度は見たことがあるのではないだろうか?あれは、上述のようにして撮影している。)

   

こうして得られた結果を、各地のお茶のデータで分析し、貿易あるいは栽培ルートを明らかにしていくのだ。そうすると昔の時代の権力構造や商業・農業構造が明らかになっていく。遺伝子は、まさに歴史の生き証人なのだ。

さて、生物学を志そうとしている人に一言。上の手順図を見てもらえば分かるように、生物の実験とは時間との戦い(何日もかかるという意味で)だ。生物系の研究室に配属されると、新入生は主に「労働者」として扱われる。つまり教授の考えたテーマをしらみつぶしの条件で実験することになる。生物学の実験とは、その結果とは裏腹に地味で、長時間/長期間にわたる。だから面白い結果が出たときの達成感はことさらだが、その結果は主に教授の成果となる。あなたは教授の言われるがままに手を動かしただけなのだ。実験の意図は理解していたかもしれないが、アイディアには寄与していない。

例え教授の出した論文に自分の名前が無くても、それは修行の一環だったと我慢しなければならない。そこを勘違いする学生さんは後を立たず、それで学問の道に嫌気がさしてやめてしまう人も多いが、それはルールにのっとったことなのだ。

だがもし、自分が独自にアイディアや方向性を示したのだったら、それは強靭に主張しよう。あるいはうまく自分の功績に持っていけるようなロビイ活動が必要だ。それはもちろん当然の権利だ。

何をいいたいかというと、もしあなたが生物の分野で自分の研究成果を示したいのであれば、教授の示した実験計画にアイディアや方向性を独自に付加しなければならないということだ。物理分野では、たとえ先生の言うとおりに手を動かしていただけでも論文著者の隅に加えてくれることも多いが、生物系では「ただのアルバイト」との違いを示せなければ、あなたの功績にはなり得ない。

生物学の発展がますます期待される21世紀。「労働者」の数もますます必要となってくる。そのなかで、あなたのアイデンティティをうまく押し出していけるかどうか。今の日本の学生さんの気質からすると、もっとも不利な分野だ。(ということは逆に、教授達にとってはもっともらくちんな分野だ。)そこさえうまく回避できれば、もともと根気強く作業が丁寧な日本人の気質にこれほどFitした学問は無い。(今回は説教くさくなっちゃったね、ごめん)

(G)

追伸:

なんか、各方面から「これで終わりかーい、お茶の遺伝子の続きを書かんかーい!」という暖かい御叱咤をいただいた。実は、今はまだネタを整理しきれて無い段階なので、以下は続編として再登場させることにする。お待ちを。

 

 

 

・いろは坂を観光バスで攻めるドライビングテクニック − 頭文字T の似非科学

★ステップアップ!

前置きが少し本題と外れてしまうが、ちょっとブレークタイム的な要素として・・・(いきなりブレークタイムも変だが)。

何がステップアップかというと、人間誰しも、少なからずとも上昇志向というものがあるはずだ(ない人もいると思うが)。たとえば、学生を卒業して社会人となり、会社に入ったらまず平社員から始まって、やがて係長(主任)、課長、部長、てな具合に出世を望む人も多いだろう。他人の前では「絶対課長になんかなりたくない」とか言ってるやつに限って、心底なりたがるものだ。また、なったらなったで、「課長になったら会社側だから給料さがって大変だよ」とかのたまうのである。私から言わせれば「アホ」の一言で、自慢以外の何者でもないと思っている(前職ではそうだった)。

と言ってるそばから実は私も、上昇志向がある。ただ、上昇志向の興味が別の方向に進んでしまい、会社内の出世よりも「何か極める」という方向に進んでしまった。だから、会社内での出世は望まない、が、仕事は極めたい、というのが本音である。

じゃあ、「何を極めたの?」と言われてしまうと返す言葉がなく、いつも途中で放り投げてしまう私ではあるが、多くの経験の中で面白いものがあるので、今後いろいろと紹介して行こうと思う。

で、話は戻ってステップアップの続きだが、私の場合の運転手生活は以下のような順序でステップアップしていった。

2tトラック運転手

4tトラック運転手

10tトラック運転手

20t積セミトレーラー運転手

観光バス運転手

このことからわかることは、運転手の場合(私だけかもしれないが)より大きなものへ、よりカッコよくきれいなものへ、と求めていくのがわかる。

最初は小さなトラックに乗っていたのだが、ここでやはり大きなトラックに乗りたいと思うようになった。このときは若かったし、また何故か知らないけど「大きい」=「偉い」と勘違いすることがこのときに発生する(ちなみにこのことは会社の大きさにも当てはまるから面白い。会社が大きいから偉いと思うサラリーマンは注意したほうがよい)。で4tトラックに乗りたいため転職してステップアップするのだが、そうすると当然、もっと大きなものに乗りたいと思うようになり、ある程度経験を積んで免許を取ったら10tトラックに乗りたいがために、また転職する。ここまでくると、まあ大きいのに乗っているかなと思うようになるが、信号待ちなどで隣に並ぶトレーラーの方が自分の大型トラックより「長い」と感じるようになる。するとトレーラーに乗りたいと思うようになり、また免許を取ってトレーラーに乗るために転職する。ちなみにこの間は給料もちゃんと多くなっていく。でトレーラーに乗っていると、またまた信号待ちなどで隣りに並ぶ観光バスがきれいでカッコとか思ってしまう。そうすると観光バスに乗りたいがために免許を取得し、転職する。自分としては観光バスで初めて仕事に出たとき「ついにここまできた!」という感慨もひとしお状態になっているから手におえない馬鹿だと思った。

ここまでのまとめとして、乗るタイプの車と転職難易度と給料の相関関係を示す。この3つの関係は、ピラミッド図がぴったりと当てはまるのが非常に面白い。

ここまでくると統計学的に調べたくなり、一般の職業ドライバーが正規分布に従うとすると、μはどのタイプに当てはまるのかが興味深くなる。が、ここでの深追いは止めよう。

ちなみに転職難易度は自分の経験に基づいている。自分の経験に基づく各ドライバーになるための必要な条件を以下の表にまとめた。

カテゴリー 資格 最低必要な経験 試験
2tトラック 第一種普通免許 普通車運転3年以上 面接のみ。3人希望者がいて3人合格。
4tトラック 第一種普通免許。第一種大型免許があるとなおよい 2tロング運転経験1年以上 面接。場合によっては実技試験。20人位希望者がいて7人合格。
10tトラック 第一種大型免許 4t運転経験1年以上 面接。場合によっては実技試験。5人位希望者がいて1人合格。
トレーラー 第一種大型、第一種けん引免許 大型運転経験1年以上 面接。実技試験。8人くらい希望者がいて2人合格。
観光バス 第二種大型免許 大型運転経験1年以上。既婚者。 面接、学科、作文、実技、健康診断。100人くらい希望者がいて3人合格。

気づく方は気づくと思うが、観光バスで経験のところに既婚者とある。これについて今回は見送らせていただく。もし、要望があればメールで連絡されたし。要望が多ければ、そのことについて深く研究した結果を改めてここで報告しよう。

★やっと本題

ここで、やっと本題に入るとしよう。観光バスという乗り物に、皆さんは少なくとも一度は乗ったことがあると思う。修学旅行、会社の慰安旅行などなど、結構な頻度ではないが、ごくまれに乗ることがある乗り物である。あちこちの観光地に行き、楽しんで、帰ってくるという乗り物だが、最近はマイカーの普及から観光バスに乗ってわざわざ出かけようとする人もめっきり少なくなったと思う。

で、今回は「いろは坂を観光バスで攻めるドライビングテクニック」について似非科学してみたいと思う。

★危険と隣り合わせ

職業ドライバーというものは常に危険と隣り合わせである。この危険は、自分が怪我をする、最悪の場合は死に至る、という危険もさることながら、場合によっては「自分が殺人者になりかねない」という危険もある。こと、「バス」と言う乗り物になると、場合によっては「自分の運転でお客様を殺す」ということも可能になってしまう。人の命を預かって運転するという「バス」ドライバーは、本当に頭の中が真っ白になるようなことを何度も経験する。

★日光いろは坂

日光いろは坂という道があるのを知っているだろうか?関東近県の人は大抵知っていると思うが、知らない人もいると思うので簡単に紹介しておく。

日光いろは坂は栃木県にある道で、第一いろは坂と第二いろは坂の2つあり、それぞれが上りと下りの一方通行になっている。いろは坂を登ると、上ったところには中禅寺湖(華厳の滝)があり、下る途中にはサルが出没することで有名である。ここでの観光コースは、大抵の場合、第二いろは坂を登って華厳の滝で休憩(観光)し、コースによっては更に奥に行って戦場ヶ原を見学、ということになる。で、帰りは第一いろは坂を下って鬼怒川温泉へ行くなり、どこかで宿泊する。というのが定番のコースだ。

で、曲者が第一いろは坂。ここの下り勾配は結構キツく、上手に走らないと大変なことになる。

★大変なことその1

「お客様が酔う」ということである。下りなので当然加速度がつく。これは物理の法則を思い出してほしい。

このような加速度に対してμという名の「ブレーキ」を与えるわけであるが、このμの変化の具合が荒いと、お客さまは確実に酔う。すなわちμは微分したときに極大値および極小値の差が極力ゼロになるような関数でなければならない。微分した結果、あるときのμがMAX値をとり、あるときのμがMIN値をとるようなブレーキのかけ方は、=「お客が酔う」という答えを導き出すことができる。これは定理であり、定義ではない。証明は日光いろは坂を不必要なブレーキをかけて下ることによって、自分自身が体験できるであろう。

★大変なことその2

「アゴを擦る」ということである。「アゴ」とは何か?以下の写真を見ていただきたい。

バンパーと前輪の位置

このとおり、バスはフロントから前輪の位置までかなり距離がある。このため、坂を下るとき急勾配の状態から平坦へ出るときにフロントの「アゴ」をゴリゴリっと擦ってしまうのである。おまけに急坂から平坦路へ出るときに、ショックを和らげるためブレーキをかけて減速しているから、更に車重がフロントにかかり、フロントサスが沈みきっている状態になるため、更にフロントの車高が低くなり、「アゴ」を擦る確率が高くなるわけだ。ちなみに乗用車の空力パーツなどで「チンスポイラー」となるものがあるが、この「チン」とは英語の[Chin]で訳は「アゴ」である。

★いろは坂の走り方

極力ブレーキによる前後の加重移動をなくしつつ、スピードの出しすぎによるカーブでの車のロールを抑える。なんか、これって矛盾してない?「ブレーキは極力使わないで、かつ、スピードを出さない」という技が必要なのである。これは非常に難しい。じゃあ、ずーっとブレーキを軽くかけつつ走ればいい、というのは愚の極み。そんなことしたらブレーキが焼けて大変なことになる。おまけに、ブレーキかけたり放したりしてたら、後続の車に大迷惑。そんなドライバーいませんか?しょーもないところでブレーキを使う一般ドライバーは「アホ」の一言で片付けたい。これがプロとなれば「そんな運転でよく給料もらえるな」と言われてしまう。

結論、「もう気分はジェットコースター!」で運転するしかない。すなわちこのような走り方である。

■直線の下りはアクセルオフで走る

■カーブ手前でブレーキをちょっと当てる

■曲がっているときは排気ブレーキ

これが鉄則である。「なんだ、あたりまえじゃん!」なんていわれてしまいそうだが、これが非常に怖い。すなわち、急ブレーキ、急ハンドルが使えないのである。曰く、「事故を回避するための操作が極端にできない状況」となるのである。これはバスドライバーにとっては怖い。やったら最後である。頼むから、途中で路駐の車なんかいるなよ、観光客は飛び出すなよ、サルも飛び出すなよ、である。

で、私は運が悪いことにサルの飛び出しに出会ってしまった。そのまま轢いてしまえばよかったものを、避けようとしたためブレーキをちょっと強めにかけ、ハンドルをちょっと急に切ったら、紙コップに入ったお客様のジュースがこぼれてしまった。更に、坂から平坦へ移り変わる途中だったので、「ガリッ」と鈍い音がしてしまった。このとき、顔は平静を装いながらも、心の底では「やってしまったーーー!!」と動揺したのである。ガイドがこちらの顔色を伺うので、目で「ああ、平気平気!」と合図しつつも、心の動揺を隠すのは大変であった。もうドキドキしっぱなしで、この事故から宿泊地までは気が気でなく、クラッチを踏む左足がブルブル震えたのを覚えている。

仕事場

★で、宿泊地へ到着

到着後、お客様に「お疲れ様でした」と挨拶していると、お客様の一人が「運転下手だねぇ。ジュースこぼれちゃったよ。」とにこやかに言われた。プロとしてやっている以上、これ以上の屈辱はない。「ああ、本当に申し訳ございませんでした」と謝り、快く許していただいたが、この屈辱は忘れまいと心に思ったものである。更にバスを駐車場に回送して、フロントバンパーの下部を見ると、しっかりキズがついている。これもプロとして非常に恥ずかしいキズだ。他のバスドライバーから指を刺され、ひそひそと「ヘタクソ」などと言われるので、これもこれで、屈辱なのである。

★バスの事故

事故というと、新聞に載るような死亡事故から、接触事故、自損事故までいろいろあるが、今回の「道路」と「アゴ」の「キス」も立派な「自損」事故で、会社に到着後、しっかり始末書を書く羽目になる。まあ、キズがついたバスに乗るのはプロとして非常に恥ずかしいことであり、こんなキズはさっさと治して、治しついでに心のキズもどっかへ行ってしまえ!というのが本音である。

★最後に

まだまだいっぱいエピソードはあるが、今回はこの辺で。要望があればバスシリーズでシリーズ化していこうと思う。

(T)

 

 

 

・フェルマーの最終定理とスープに浮かぶドーナッツの似非科学

◆前文と注意書き◆

さて、今回は大学への数学ならぬ、大学の数学の似非科学である.なお、文中(注:)以下で始まる文章は専門家に対するいいわけであるので、数学の専門家以外は飛ばしてもらってよい.なお、この文章に対する理論的な間違いは全て各自で訂正するように.

◆思い出して欲しいこと◆

まず、フェルマーの最終定理を理解するためには高校までの知識で3つのことを思い出してみよう.

  1. 空間で平面が成立するのは三点の座標が決定したときである.
  2. 直角三角形は斜辺を直径とする円を書くことができる
  3. 三平方(ピュタゴラス)の定理

まあ、細かい例外は除くと大枠でこれだけのことでフェルマーの最終定理は理解できるのである.

ところでフェルマーの最終定理とはnが3以上のとき

をみたすx,y,zは正の整数解をもたない。というものである。フェルマーはこの定理をノートの余白に書き残し、この証明はこの欄外では狭すぎるという名文句を残したことで有名であるが、彼が考えていた証明はまず間違っていたか、考えきれていなかったと考えるのが自然である。なぜなら、1900年の終わり350年間のあいだの数学の発達、特に1900年に発表されたヒルベルト23の問題に端を発した谷山-志村予想がなければ、あるいは谷山-志村予想がフェルマーの定理の対偶であることが証明できていなかったら、この定理は単なる予想で終わっていたからである.

では、専門的な知識としてどうしても欠かせない楕円曲線を解説しよう。最初に、ピタゴラスの定理(三平方の定理)を思い出してみよう。直角三角形の三辺には次の関係が成立する。(逆も成立する)

ところが、Zを1としてしまうと、

となり、円がかけてしまうことに注意してもらいたい。円には中心が一点しかないが、これを2点が重なったものだと考えてみよう.中心が2点ある図形とは楕円である.(円とは楕円の特殊な場合)楕円曲線の名前は、この楕円の弧を研究することに関連があったことに由来する。(注:フェルマーの式の両辺をで割るとn=2の時は平面上の楕円関数(三角関数を含む))

楕円曲線とは楕円ではなく曲線でもない.その正体は複素平面に浮かぶドーナツ型の解の集まりの三次曲線なのである.たとえるなら、それは、複素平面という日ごろ使っている1,2,3などの自然数に加え超越数や虚数などを含んだ、いわば数のごった煮の上に浮かんでいるドーナッツなのである。

◆谷村-志村予想とは◆

さて、ここで谷山・志村予想とは何かというと

楕円曲線のゼータ関数は、全て保型(モジュラー)形式のゼータ関数である

このモジュラーというのは演算のことと思っていただきたい.演算、つまり、足し算、引き算、掛け算、割り算のほかにこの複素平面の世界にはモジュラー算というのがある、ということであり、楕円曲線のゼータ関数は全てモジュラー算が成立する、ということである.

今回の証明とはじつはフェルマーの最終定理を証明したのではなく谷山-志村(注:このような状況になると、ヴェイユを入れるか、については事実関係の再検証が必要となろう)予想を証明したものなのである。言うなれば最終ボスを正面から斬らず背後からばっさりと斬ったようなものである.まあ、有体に言うと卑怯な方法である.(ワイルスさんすまん)

◆フェルマーの最終定理と谷村-志村予想の関係とは◆

これがいったいなぜフェルマーの定理と関係があるのか.仮にx、y、zに整数解があるとする。この仮想の解の集合を集めるとなんと、楕円曲線ができてしまうのである。しかし、その楕円曲線はもっと驚くべきことにモジュラー形式じゃないんだよね、ということなのである.

ということは楕円曲線が全てモジュラー形式であるとする谷山-志村予想に喧嘩を売っているいうことになるので、x、y、zに整数解があるというのはたわごとじゃあ、おんどりゃあ!ということになるのである.最初の知識1的にいうと楕円曲線に異なる三つの有理点でできる平面がない、といってもよいと思う。(注:岩沢理論の連想だが、ここまでいってよいのか?)

このように、谷山-志村予想で考えると言葉は難しくなるが、ひとつ便利な点がある.それはnである。フェルマーの最終定理をなぜ正面からとくことができないかといえばnがあるから、といってもよい.それを取っ払うことができたから、ようやく人類は証明ができたのである.(注:モーデル・ファルティングスの定理をおっそろしく乱暴にいったものである、いいのか、ほんとに?)

というわけで谷山-志村予想が正しい(注:楕円曲線がモジュラー形式であることを一つ一つ数えた=谷村-志村予想には反例がない)ということを証明して、ゆえにフェルマーの最終定理も正しいことが証明できたのである.

◆まとめ〜フェルマーの最終定理は覗き穴である◆

このように、n=2で成立する世界というのは円の中だけという本当に狭い世界で、n=3以上の世界になると円がなぜかごった煮スープ中のドーナッツというものになってしまい、さらに四則演算にモジュラー算が加わるなど、数の振る舞いが全く変わってくるということがおわかりいただけただろうか.

われわれは通常n=2の世界に住み、そこしか容易には認識し得ないが、フェルマーの最終定理は図らずもその複素平面などへの世界へつながっている覗き穴みたいなものであったのだ.今その定理を(背後から)といてみると改めて、そのことが感じられる。

現在の数学はそのフェルマーを通じて見える、ごった煮スープのなかでの数の振る舞いを調べるのが主流なのである。高校までのいわば狭い数の世界での数学の点数や回答のスピードに何ぞ意味あらんや、という感じなのである。(EX、リーマン予想)問題なのは、高校の成績で数学に限界を感じて、こんな広く、ユニークな数の宇宙に対して背を向けてしまうことであろう.

さあ、まだ数学には多くの謎が残っており、ヒルベルトの23の問題は100年経ってもまだ5問残っているのだ.そして数学は、新たな問題を常に求めつづけている。あなたもこの無限の世界の彼方へ!

(M)

追伸: リーマン予想などはクレイ数学研究所などで詳細を見ることができる。最近これらの問題には100万ドルの賞金がかかったようだ。

 

 

 

・コウモリ声翻訳回路製作記の似非科学 

犬の鳴き声は?「わんわん。」 ネコは?「にゃーにゃー。」 では、コウモリは?

「パリプリパリプリ」

らしい(なぞなぞではないので深読み無用)。

もちろん、コウモリの声は超音波と呼ばれる、人間の可聴域(〜20KHz)を越えた音域にある。が、最近、通の間では、コウモリの声を聞くのがはやりだ。え、知らない?コウモリの声についてはいろいろなHPで紹介されているので、リンクしておこう。

原理的には、どれも超音波をビートダウンして人間の可聴域にコンバートしている。こうして聞こえる音を、「コウモリの声」というのには抵抗がある人もいるだろうが、声の振幅と周波数変化がわかればコウモリの感情も間接的にわかるというものだ。DownConversion(変換)しているのだから、「翻訳器」という訳語も、あながち的外れではない。

わたしも流行に遅れないために、バットディテクター(コウモリ音翻訳器)を設計してみようと思った。

上記に紹介した「コウモリ音翻訳器」の数々は秀逸で、汎用IC一石ですべての作業をこなせるようになっていて、非常にシンプルで味がある。ただそれをそのまま作るのも気が引けるし、細かいことを言えば、ゲートICをアンプに使うのもリニアリティとかが気になる。

と、いうことで、今回は秋葉原の有名な老舗の秋月通商(株)から出ている、「超音波ディテクタキット」(2000年1月現在 \2000)を”大改造”して作ってみることにした。このキットは、本来、移動物体に超音波を送信しその反射波を検知し「泥棒よけ」を作るためのキット(コウモリの特性と同じね)で、送信用と受信用の超音波センサーがそれぞれ1個ずつと受信部・発振部の部品・専用基板等が付属してくる。このキットにはバットディテクターに必要な部品がすべて入っているので、部品集めの手間が全くなく、ある意味再現性を上げている(ここがこの回路の最大のウリだったりする。パーツ集めでいやになって作るのをやめることって、よくあるでしょ?) 

さて改造だ。バットディテクタには送信部分は必要ない。送信用40kHz発振回路部分はビートダウン用の局部発振にそのまま流用できる。出力はやっぱスピーカか普通のイヤホンで聞きたい。ということで、キットの回路を改造して作った回路が下のバットディテクタだ。結局、キットに入ってきた部品の半分近くは余ってしまった。(もちろん改造の責任とかは個人の責任で。)ただ、あまった部品には小型のリレーや超音波送信センサーなどがあり、今後のいろんな実験にも使えそうなので、もったいない気はしない。

40KHzの発振回路から送信用の超音波センサー(T4016:日本セラミック製)をはずし、代わりに抵抗で検波段へミキシングしている。超音波増幅と低周波増幅部分にはcut off 2.5MHzのオペアンプ(LM3900)を使用して、リニアリティを上げている。終段の低周波アンプのゲインが多少低いかもしれないが、オペアンプは2回路余っているので足りない人はすぐ付けられるだろう。非常に都合のいいことに、キットに付属の専用基板は、発振部と受信部が離れており(あたりまえだが)、バットディテクタを作る際にnoise面でも有利かな。とはいえ、どの程度性能が上がっているかどうかなどは、実用には全く関係がないが。

下の写真が完成したバットディテクタだ。専用基板のパターンとユニバーサル部分がうまく使えるように回路を工夫してある。見てもらえば分かるように、基板はすかすか、キットについてきた部品の半分も使ってない。たぶん、このキットを本来の目的(泥棒感知器)で動作させるよりもはるかにやさしい(笑)。チャレンジしてみようという人にはご健闘をお祈りします(苦情とかは無しね)。

回路はともかく、なぜ自分がこうまで「コウモリの声」を聞きたいと思うのか、ふと不思議になる。別に彼らは日本語を喋っているわけでもなし、聴く人によってはただのnoiseだ。だがどうしても作りたいという衝動に駆られてしまった。

私はこれを「身体能力拡張の本能」の現れではなかろうかと思っている。人間の脳は、その身体能力が拡張されたときに快感を覚えるようにできているらしい。たとえばあなたは、双眼鏡を覗くととなにか世界を征服したような感覚にとらわれないだろうか?車やバイクで急加速を楽しむときうれしくならないか?厚底ブーツを履いて身長が高くなると、自分がえらくなったような気がしないだろうか?どれも、視覚・運動能力・体格の拡張に伴う、快感だと思うのだ。この本能はおそらく人間特有のもので、文明社会を進歩させる大切な原動力になったはずだ。これと同じように、これまで聞こえなかった「コウモリの声」を聞くことができる、というのは聴覚能力の拡張を意味する。私はその本能にまんまとのせられてしまったらしい。数年来、道具箱にしまいっぱなしだった半田ごてを再び手にしたのだから。

さて、肝心のコウモリが我が家の近くにいるかどうかが心配になったが、近くの川原に生息しているらしいとの情報を得た。果たしてコウモリの声をキャッチすることはできるのだろうか?続報を待て!

(EL)

続報:

コウモリはなかなか見つからない。せめて夏なら虫の声が使えるのだが。。。衣擦れの音(超音波成分が含まれる)はちゃんと聞こえるので、回路は動作しているが。

   

てっちゃんとコウモリを探すの絵

(ちなみに犬のように見えるのが筆者)

 

 

 

・トラックの車軸と積載の似非科学

おおよそ、車に乗っている人で、走っていて気がつくことがあると思う(車に乗らない、乗ったことがない人はゴメンナサイ)。それはトラックである。巷に車が溢れ返っているが、その中に混じってトラックも溢れ返っている。今回は、そのトラックの車輪について注目してみようと思う。

◆横から見たときの車輪の位置◆

トラックにもいろいろ種類があって、車種で言えば軽トラックから大型トラックまである。軽トラックも立派なトラックのひとつであるが、ここでは大型トラックに絞って説明したい。

●ひきずり

後軸に2つの車軸がある、よく見かけるタイプである。通称このタイプを「ひきずり」と呼ぶ。なぜ「ひきずり」と呼ぶかというと、このタイプは駆動軸が後軸の前で、一番最後尾の車軸は単に「引きずられて」いるだけだからである。だからひきずりと呼ばれる。

このタイプのトラックは、積荷の容積は小さいが比較的質量が大きいものを積むのに適している。ダンプとかがいい例だ。その他、鋼材の運搬にもこのタイプが適用されている。

ちょっとここのトピックスの説明と離れてしまうが、後ろに大きな箱がついているものを、「アルミバン」または「箱車」と呼び、箱がついておらずオープンな荷台がついているものを「平(ひら)ボディ」、または「平(ひら)」と呼ぶ。

さて、このタイプはちょっとクセがある。それは「曲がるとき、ケツを振る」ということだ。この「ケツを振る」とはどういうことかと言うと、ちょっと以下の図を見てほしい。

図のとおり、回転軸となる軸は線で引いた軸であり、そこを軸にして回転運動をする。すると、その後ろは当然運転席とは逆の方向に回転することになり、「ケツを振る」ということになる。

このタイプのトラックでダンプみたいに車体がショートじゃないもの(俗に言う平ボディ)と並走していたら注意しよう。このトラックが曲がるとき、あなたのほうに向かってケツを振ってくるから、自分の車にブツけられる可能性がある(よっぽど下手な運転手がトラックに乗っていればの話ではあるが。。。大抵の運転手はちゃんとブツけないように運転している)。もしトラックが曲がりたがっていたら、譲り合いの精神で、横に並ばないようにしてあげよう。

●前二軸

筆者がもっとも長いこと乗っていたタイプがこれである。前に車軸が2つあるため、このように「前二軸(まえにじく)」と呼ばれている。

このタイプはタンクローリーに多い。また箱車でも存在する。特徴は、走行中積荷があまり揺れず、積荷を安定して運ぶことができる。また、直進安定性が優れており、運転があまり疲れない。ただし、急ハンドルを切ると横転しやすいので注意が必要だ。

このタイプは交差点等を曲がるとき、かなりの大回りを要求される。それは後軸がかなり車体の後ろにオフセットされているため、小回りがきかないからだ。よく、交差点等で停止線を越えて乗用車が停止していることがあるが、このようなシチュエーションに遭遇するともう涙ものである。乗用車のドライバーは当然曲がれるものとして、平気な顔をして運転席に座っているのであるが、このタイプのトラックに乗っていると曲がれないのである!このような場合は、当然乗用車のほうにバックしてもらうのであるが、そのようなちょっとした問題が渋滞を巻き起こしていることを、乗用車しか乗ったことが無い人には十分理解してほしい。道路の渋滞を無くし、円滑にするためにも停止線手前での停止は励行してほしいと願う。

このタイプは曲がるとき比較的「ケツを振らない」ため、バックが楽である。また交差点を曲がるときもあまり後ろを気にして曲がらなくてもよい。「ひきずり」は「ケツを振る」ほうの後ろをバックミラーで注意しながら曲がるのに対し、「前二軸」は巻き込みと前方を注意して曲がる。

●低床(四軸)

積荷台の位置が低いことから「低床(ていしょう)」と呼ばれている。または、「四軸(よんじく)」とも呼ばれている。それは名のとおり、車軸が4本あることからきている。

このタイプには箱車が多い。平ボディでも存在するが、平ボディの積荷は基本的に建設機械(ユンボ(ショベルカーのこと)や、ホイルローダーなど)が多い。

これは積荷台の位置が前述したトラックよりも低いためである。そのため、前述したトラックとタイヤの大きさを比較すると、このタイプは小さい。

箱車の場合における積荷の特徴は、積荷の容積が大きいが比較的質量は軽いものが多い。これは後ろの箱自体が大きな箱となるため、箱自体の重量が大きくなり、前者のトラックよりも積載量が多少制限されてしまうことによるためである。最近は箱の軽量化も進んでおり、また積載重量の区切りも改正されたことから、昔よりは積載重量は増えているのではあるが。。。

筆者はこのタイプが一番好きである。なんと言っても箱が大きく、運転がしやすいのが好きだ。箱が大きいと、トラック!という感じがしてすきなのである。ただ、難点を言えば積載容量(重量ではない)が大きいため、手積みで荷物を積み込むときは洒落にならないほど苦しかったことを覚えている(フ○ッコのお豆○んをこのタイプのトラックに手で5000ケース積み込んだことを思い出した)。

◆最後に◆

この文章は、トラックについて知らない方へ少しでもわかっていただければという思いで書いてみた。乗用車しか乗ったことが無い人に、少しでも理解していただければ幸いである。それが後の安全運転につながることを切に願う。 

(T)

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