129号

新たな人骨調査は医療センター法人化まで凍結か?
三月六日の厚生労働省交渉で明らかに





川村一之

厚労省に要望書を渡す

■ 陸軍軍医学校と病院は「機能的不可分」の関係
 究明する会は3月6日、厚生労働省と話し合い。郡和子衆議院議員の立ち会いのもと、究明する会は常石代表以下七人、厚生労働省側は大臣官房厚生科学課の藤谷正課長補佐、医政局国立病院課監査指導室の安野豊室長補佐と岩瀬康裕管財係長の三人が参加。
 まず陸軍軍医学校が国立東京第一病院に引き継がれている事実を『国立病院十年の歩み』(厚生省医務局 1955年12月1日発行)の資料を用いて説明。また、1947年10月23日付GHQ文書でも軍医学校と陸軍第一病院が一体だった事を裏付けている。
■ ミトコンドリアDNA分析の最新の成果で人骨の地域的特性が可能に

2008年2月21日付朝日新聞によると、国立科学博物館の篠田謙一研究主幹(分子人類学)はミトコンドリアDNAを分析。地域に特有のグループがあり、各グループを地域集団ごとに色分けすると系統がおおむね地理的な関係を保っていることが分かるようになった。藤本課長補佐は篠田氏に確認すると約束。
■ 軍医学校時代の標本六十一個が自衛隊衛生学校に存在
 自衛隊衛生学校が発行した『衛生学校三十年の歩み』(三宿修親会 1982年10月15日発行)によると、旧陸軍軍医学校が製作した標本類が衛生学校に少なくとも61個あることがわかった。防衛省はそれを聞いてもなおわからないといっている。
■ 新たな人骨調査の母体を医療センター法人化法案の審議で明らかにせよ
 安野室長補佐は、2010年までに(国立国際医療センターを)独立法人とするための法案を国会に提出したことを明らかにした。実は戸山五号宿舎自体、独立行政法人に引き継ぐには財務省との協議が必要であり、場合によっては独立行政法人に引き継がれない可能性もあるという。従って、新たな人体標本の発掘調査は、国立国際医療センターが独立法人になるまで凍結となる。(次号に続く)

民主党ネクスト厚生労働大臣ら四人が感染研の納骨施設を視察、追悼

川村一之
 山田正彦ネクスト厚生労働大臣を始めとして、衆参厚生労働委員会所属の民主党議員四人が3月13日、感染症研究所を視察し、納骨施設で追悼の意を表した。追悼したのは山田議員の他、郡和子衆議院議員、谷博之参議院議員、中村哲治参議院議員。

説明を聞く議員の皆さん

人骨発見18周年集会記念講演
「医学史から見た戦争と軍隊」その3





吉田 裕

戦場と軍隊の諸相四 覚醒剤と異常心理

 一つは覚醒剤の問題。日本のパイロットは非常に酷使され、疲労対策で覚醒剤を打っている。また、見張りの水兵が、夜間、双眼鏡で敵の船を監視するとき、視力を増強するために覚醒剤を打っている。それが戦後一斉に民間に流れてくる。もう一つは、戦場における異常心理の研究。日中戦争が始まった辺りから、軍の内部で戦場心理の研究が始まる。高崎隆冶さん編の『軍医官の戦場報告意見集』の中に早尾さんという軍医のレポートがある。早尾さんには、『戦場心理の研究 総論』というレポートもある。それを見ると、彼は南京陥落の直後に南京に入って、大量の処刑を目撃し、殺すことが快楽になっていく兵士の存在に注目。日中戦争の初期は、対ソ連戦に備えて現役兵中心の士気の高い部隊は後置し、予備役兵を大量動員した特設師団を中国戦線に投入する。そこで非常に激しい戦闘になり、退廃が生じる。その結果、非常に高い戦争犯罪の発生、略奪・強姦等々が起こる。それで慌てて現役兵に入れ代えていく。その時、異常心理の研究も始まる。

本庄さん 会場から活発な質問




これからの軍事史研究
 旧軍人や自衛隊の関係者の軍事史研究は、次の戦闘に役立つ教訓を歴史分析の中から導き出す目的。それとは違う角度から戦場や軍隊を描くことが最近の僕らの関心事。難点は資料がない。一部、まとまった形であるのは、軍医学校の資料を引き継いだ陸上自衛隊衛生学校。しかし、今のところ自由に使えるという状況にない。しかし、断片的な資料の中からだけでも、戦場、軍隊の特質が積み上げていけば見えてくる。
質疑応答 略

報告・人骨問題研究会
「ドイツ強制労働補償基金と日本の健康被害救済法」



奈須重雄


 2月17日の「人骨の会」の例会で、川村一之さん(調査会法市民会議事務局長)のレポート「ドイツ強制労働補償基金と日本の健康被害救済法」を基に、7月の19周年集会の内容を議論した。
 07年4月27日の中国人強制連行西松建設訴訟最高裁小法廷判決の性格と運動に与えた衝撃を確認。判決は被害事実を認めたが、日中共同声明で請求権は放棄しており、原告に裁判を起こす権利がないとしている。民間企業を被告とする西松訴訟は、原告の救済を促している。しかし、直後に判決のあった七三一部隊や細菌戦の訴訟については、被告日本国に救済を促す文言はない。
 次にドイツ強制労働補償基金(2000.8.12)を検討。「『記憶・責任・未来』財団の設立に関する法律」は超党派で提出され、基金は連邦と企業が五〇億ドイツマルクずつを出資し、計一〇〇億ドイツマルクの補償金。再発防止、すなわち未来にも責任を持とうとしている。参考例の二番目、薬害肝炎救済法(2008.1.16)を検討。責任の所在とおわびと再発防止をみとめさせた。参考例の三番目、ハンセン病補償法(2001.6.22)を検討。熊本地裁判決を受けて議員立法がなされた。韓国人・台湾人の患者も補償金の支給対象。医療・福祉の整備、差別・偏見の除去、真相究明事業、再発防止対策等を実施するため、ハンセン病問題対策協議会と協議する。参考例の四番目、「東京大気汚染訴訟」の和解(2007.8.8)についても検討。

パネル展示会とジョイント・コンサートin江古田 開催
〜新しい交流の輪が拡がった



安松 狢


 ライブハウス(江古田カフェ・フライングティーポット)で、パネル展示+コンサート。パネル展示は、2月12日〜18日。コンサートは、展示会開催中の15日(金)の夜、うすい免責トリオ(臼井淳一、ノブナガ・ケン、永桶泰史)、国分寺エクスペリエンス(下郡幸夫、利根川由美子)、舘野公一のジョイント・コンサートを開催。参加者約10名

江古田 Cafe FLYING TEAPOTにて うすい免責トリオ 国分寺エクスペリエンス 館野公一

お花見ウォーク

 3月30日(日)12時50分、高田馬場駅戸山口集合 → 


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