
海と旅
| 徳之島のはなし その1 |
![]() 徳之島空港にて 「飛び魚、キラキラ・・」これが当時のキャッチコピーだったようだ ![]() 泉重千代翁のサイン入り色紙 |
徳之島に行ったことがある。あれは何年前のことになるのだろうか? 海洋温度差発電の実験が、徳之島で始まるというので、一度だけ行ったことがある。 徳島は四国だが、徳之島は鹿児島から沖縄に至る南西諸島の中にある島だ。 (参考)海洋温度差発電の実験が行われた「新徳之島火力発電所」はここです。 ★地図URL★ http://kokomail.mapfan.com/receive.cgi?MAP=E128.53.38.2N27.48.55.5&ZM=8 徳之島の空港をおりてすぐ目に飛び込んできたのは「長寿世界一、泉重千代さん」の看板だった。「西高東低」といえば、「冬の気圧配置」であるが、概して言うと、長寿についても同じことが言えるような気がしてならない。 後述するが、低気圧の影響で海が荒れたため、海上工事が順延となり、結果的に1週間以上、徳之島に留まることとなった。飛行機も飛べない日が何日か続いたからであった。 天気が悪かったお陰で、時間に相当でき、島の観光地という観光地はほとんど回ったと思う。それでもまだ時間に余裕があって、ご迷惑とは知りつつも、島の南部、伊仙町にお住まいの泉重千代翁のお宅にまでお邪魔することとなった。 重千代翁はその日、昼食を済ませられたところで、少々話もしていただいた。 「よく来られました。どちらから来られたんですか?」「私は食後には、こうしてお猪口一杯だけお酒(黒糖酒と思われる)を飲んでお昼寝をするんです。」「長寿の秘訣はくよくよとしないこと・・。」などの話をしていただいて、感激をした。とても気さくな方とお見受けをした。 当時、百十何歳かであられたので、自分で歩いて散歩にでかけたりは出来る状態ではなく、付き添いの方にいろいろとお世話をしてもらっていたようであった。 泉重千代翁のお宅にはなぜか小さな太陽電池のパネルが置いてあった。当時、新エネルギー開発が盛んな時期とはいえ、ここにまで持ち込む某メーカーの商魂には、いささか恐れ入ってしまった。 |
![]() 発電所の前面にはサンゴ礁が ![]() 冷水取水管の敷設工事が始まる |
徳之島で海洋温度差発電の実験が行われた「新徳之島火力発電所」は空港から少しだけ南に寄ったところにある。 私の行ったとき、すでに工事の準備がかなり進んでいて、発電所の構内の空き地(増設用地)には直径80cmの硬質ポリエチレン管がところ狭しと並んでいた。これを海底曳航法により繋ぎながら少しずつ引き出す工事がこれから始まることになる。 工事事務所はポリエチレン管の置き場の左手の少し高くなったところにあった。 早速、全景を把握するため、周りを見せていただくこととした。 事務所を出てすぐ裏のところで早速見つけたのが「ハブに注意!」の立て札であった。そう。徳之島はハブのいる島なのだ。 南西諸島にはハブのいる島といない島がある。何でも過去の海面の変動で、一度完全に海に浸かってしまった島にはハブはいないということを聞いたことがある。奄美大島や徳之島にハブはいるが、与論島にはいないらしい。その南の沖縄本島にはまたいるのだ。 なんでもハブは目が全く見えず、そして温度に敏感に反応するセンサーを持っているらしい。自分よりも体温の高いものはすべて「エサ」と判断し、かかっていく。 人間が列をなして歩いていくと一人目の人よりも二人目の人が危ないらしい。それは一人目で感知して準備をし、二人目を襲うからだとか。 別のことのため沖縄本島で仕事する機会があり「ハブ管理ハンドブック」なるものを目にした。それには次のように書いてあった。「ハブによく似た無毒ヘビがいる。全体の色や形はハブとそっくりだが、頭の文様だけが少し異なる。」 とはいっても、その文様を確認するのは近づかないと出来ないわけで、とにかくヘビを見たら近づかないことだ。 ハブのことが心配だったので、地元の方に聞いてみると、徳之島の各地区の診療所に血清が用意されているので、たとえ咬まれたとしても死亡には至らないので大丈夫とのことだった。とはいえ、草むらが何となくいや〜な感じがして、なるべく草の生えていない見通しのいいところを選んで歩いたのを覚えている。 |
![]() 工事の無事を祈って・・・! ![]() 沖から2隻の船で冷水取水管を引き出す |
鹿児島で普通に「お酒」といえば、「焼酎」のことを指す。今回はお酒の話。 大きな工事を始めるとき、神事で工事の無事を祈ることはよく行われるわけだが、徳之島の海洋温度差発電の工事開始に当たって、取水管の先端に御神酒を注ぐ形でそれはとり行われた。 それだけであればなにも特記することもないのだが、なぜ、この話をするかというと、実は神事で使われた御神酒がどうも「焼酎」だったらしいということで、「焼酎」を「日本酒(清酒)」に代えて、再びやり直したことを鮮明に覚えているからだ。 神様が「焼酎」を嫌いかどうか、まったく私の知るところではない。こういった神事においては「日本酒」が一般的に使われるということだけのような気もするのだが・・・? 徳之島は鹿児島県なので、酒屋でも飲み屋でも普通に「お酒、ください。」と頼むと、間違いなく「焼酎」を持ってきてくれた。 鹿児島県の「焼酎」の代表は、やはり「いも焼酎」だ。初めて飲んだときには臭いがきつかったので、正直なところ「日本酒の方がいいな」と思ったわけだが、その後焼酎ブームの到来で、ちょくちょく口にするようになると、その臭いもまったく気にならなくになり、気がつけば、二日酔いすることが少ないということで、むしろ「焼酎」を好んで注文するようになっていた。 焼酎はお湯で冷たい水で割ることが多いと思うが、その際、注意しなくてはならないことが一つある。 「5、5」で割る場合は問題ないが、「6、4」あるいは「7、3」で割るときの「6」や「7」が焼酎の割合であるということだ。つまり、九州では「5、5」より「7、3」の方が濃い焼酎になる。これは覚えておいた方がいい。 |
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徳之島の海洋温度差発電の工事では、深層水取水管を海底に沿って曳き出す「海底曳航法」がとられた。海の表面に浮かべた状態で曳き出す「浮遊曳航法」という方法もあるが、流れの早い場合、途中で取水管が切れてしまうことが懸念されるため、流れの比較的ゆるやかな海底に沿って曳き出すこの方法がとられたものだ。 (参考) http://www.kyuei.co.jp/images/kyuei%20H.P/sinsou2.jpg (・・・ ウエブ上にあったものを借用しています。) 海底には誘導用ロープが張られ、取水管は浮きによって海底をこすらないようロープに固定されている。取水管は予め何本かが溶着されていて、仮置き場に置かれている。工事が始まると、沖合に停泊している船がその長さ分だけ曳き出すごとに、次の取水管と溶着する。そしてまた曳き出す。それを繰り返す。 取水管はポリエチレン(φ550)で、水深350m、岸から 2.4kmの地点まで曳き出していく。不眠不休の工事である。 浮きと取水管の間には特殊な切り離し装置があって、すべてが曳き出された時刻に切り離されるようになっていた。写真中の黄色い部分がその切り離し装置である。 (参考) http://www.kyuei.co.jp/images/kyuei%20H.P/sinsou1.jpg (・・・ ウエブ上にあったものを借用しています。) 先端部分には上の写真のような取水口が取り付けられた。 余談となるが、これは恐らくどこの報告書を見ても書いていないことだと思うし、真実かどうかはその担当された数人の人しか分からないことでもあるが、ナウル島の海洋温度差発電の実験プラントでは冷水取水管の曳き出しは浮遊曳航法で行われた。そして途中で切れてしまい、困ったという「裏話」を聞いている。 こういった失敗談は、一般にはなかなか伝わってこない。次に同じミスをおかさないためにも、こういった話こそ正しく伝えていかなくてはならないと思う。それが明日の技術の進歩に繋がるように思うのだが・・・。 |
![]() <参考資料>:徳之島海洋温度差発電実証プラント土木工事計画概要パンフレット |
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