
'92参議院比例代表区政見放送
雑民党
落ちても、馬鹿にされても、スカッドミサイルを立て続けます!
NHKアナ(声):つづいて雑民党の政見放送です。
お話は雑誌編集長、東郷健さんです。
東郷:おかまとして選挙に出たのは 20 年あまり前、私、東郷健は世界で初めてです。
日本でも落ちても落ちても笑われても、ずーっと 20 年出てきたのは私が一番の古株
になってしまいました。現実の問題としては PKO 法案とか、暴力団新法とかが、何
とかがありますけれど、PKO 法案は国連という名のもとにユダヤが仕組んだ日本の
自衛隊海外派兵の暴力にすぎない、暴力団新法は弁護士。遠藤誠の言われるとおり憲
法違反であり、悪法である。すべての新左翼、反権力、市民組織に適用される恐れが
あるから、それは、私はもちろん反対ですけど、遠藤先生の言われるとおりだと思っ
ております。
私がここで、訴え、伝え、話したいことは私自身の問題からそのことについて話し
たいと思います。私は今、新宿の大久保に住んでいる訳ですけど、家主が私の作って
る花を切って枯らしてしまったことから、抗議をしたら、明け渡しするようにってい
う裁判で、1審で、キタヤマモトアキっていう裁判官が、判決を明け渡し訴訟を下し
ました。そして私は雑誌を出しているんですけれど、その雑誌のグラビアとか写真集
が猥褻だということで、逮捕されて 20 日間留置所に入りました。それで、猥褻は何
だろうと思いました。それから、外国から男のヌードを持って帰ったら、猥褻物だっ
ていうことで没収され、税関法違反だということで、86,000 円の罰金を1審ではハ
ラダクニオという裁判官に命ぜられました。
私は東京に住んでて 20 年間、給料は 20 倍にしかなってへんのに、土地の値段は
160 倍にもなっとるということを貧乏人は庶民は何で気づけへんねやろう、って私は
その明け渡し訴訟から思いました。そして、猥褻っていう問題、それから外国で堂々
と売ってるものが関税法違反だというようなことから、私はもっともっと愛を、って
いうことを考えて、「愛の勲章」という芝居を自分の恋の物語と自伝と警察暴力の問
題を含めて作りました。もう一つは、「ブルーエンドブルームーン」っていう私の家
主が植木を切って枯らしたっていうとこから発想して、SFでミュージカルに..........
えーっと、かぐや姫が宇宙で1人の息子と3人の女の子を産んで、1人の息子を地球
にやるんですが、「地球の人類に毒されてしまって、我々の星では住むことがでけへん
ような子供になってしもうた」っていう母親の悲しみから、そして息子が「あんたは
その、植物を切ったり植えたり、花なんかなんぼでもどっこにでもあるやないか」って
いうことに対し、母親は「あんたはそんだけ地球に毒されてしもうて、犯罪人や、息子
やあれへん」って言うて喧嘩するんですが、「ほんとは地球上の人類で一大犯罪者は
他の生物にない人類だけや」っていうことを母親は言うわけです。そして、その「生き
とし生けるものすべてが、平等に生きる権利がある」ということを母親は言いたいわけ
ですけれど、そこで 21 世紀なんていうすぐのことを言わないで、30 世紀に向かって
我々は考えらなあかんの違うやろか。今こそ、立てて立てて、スカッドミサイルを立て
て、そして射精するときがやってきた、という物語を作ったわけです。
そして、私はゲイのための診療所もやってまして、そこからエイズ患者も出ましたし、
私の周りにエイズで亡くなった人も多々おります。そんなことから、私は、その、エイ
ズの問題とその警察暴力を含めて、警察で言いもしないことにまで拇印を押されて、留
置所に入れられたこととか、そして私の恋人のこととか、そしてわが国のそのエイズに
対する予算はたったの 21 億で、アメリカは同じ汚染国にしても 5,500 億、タイは
143 億もあるのにっていう、そういう政治に対する不満を私は「愛の勲章」として芝居
にいたしました。その冒頭シーンを聞いて下さい。
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12 月 8 日。私、東郷健は突然警察に踏み込まれて逮捕されました。
奇しくもその日は私たち人類が忘れてはならない大東亜戦争勃発の日、国家権力の名
のもとに、天皇陛下万歳、と人々を災いのどん底に突き落とした、愚かな戦争を始めた
日でもあります。
私には猥褻はわかりません。警察の言う「劣情を催す」が猥褻だとすれば、そんなも
んは個人個人、場所により、土地柄により、違うはずです。なぜ、どうして、私の行為の
どこが猥褻なんでしょう。人間の体のどこが猥褻なんでしょう。男が男を愛して、なぜ
猥褻なんでしょう。人間の性の自由は許されるべきです。誰が誰を愛しても自由な世の中
が来てもいいはずです。いいえ、来るべきです。猥褻って一体なんでしょう。私には猥褻
はわかりません。
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そして、私は私の恋人が身障者であったために自殺してしまうんですが、私はここでは
その言葉を、かって NHK で身体障害者の言葉を反対、一般に言われている、普通に思って
いることだと思って発言したことが、1審では勝訴したけれど、2審で敗訴になります。
けれど、その差別された側としての言葉をなぜしゃべったらいかんと思いますけれど、
NHK では無言で放送されました。だから、今度は私の愛する人の遺言をここでは無言で
放送します。想像して下さい。
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遺言「石」
東郷のママへ チカラより。
お世話になりました。どんなに励まされたことでしょう。負けたらあかん。がんばらな
あかん。おかまのどこが悪い。......のどこが悪い。それが私らの試練やった。それでええ
やないか。ママはそう言ってぼくを抱いてくれました。ぼくは本当に嬉しかったです。
だって、......で......のぼくをまともに相手してくれたのはママが初めてだったからです。
後悔はしていません。こんなぼくでも少しはママの慰めになったと思いたいです。少しは
人様の役に立ったと。ぼくは幸せに死んでいきます。その前に最後のお願いがあります。
選挙に出るって聞きました。それならばどうか捨て石になって下さい。おかまの東郷健と
いう捨て石に。笑われてもいい。馬鹿にされてもいい。おかまの東郷健として、少しでも
ぼくらのような人間が生きやすいような世の中が来るように、どうかがんばってほしいん
です。気がついていますか、ママ。ぼくは手紙ではもう......ていません。だから、死んだら
きっともう......ではなくなります。もっと自由に歩けるような気がするんです。いいえ、
もしかして青空を駆けめぐることができるかもしれません。自由に飛べるかもしれません。
ぼくは知っていました。この体はぼくじゃない。ぼくは自由です。誰もがみんな自由です。
人間生まれながらにしてみんな平等です。この自由を、命を、かけがえのない命を、自由
であることの権利を、いかなる理由を以てしても抹殺するべきではありません。チカラは
自らの命と引き替えに自由の尊さを身を以て抗議いたします。短い命でしたが生まれてき
てよかった、生きてきて本当によかったと思っています。だからどうぞ悲しまないで下さ
い。今度こそぼくは本当に自由になります。見て下さい、ママ。ぼくは自由です。歩けま
す。飛んでいます。走れます。ぼくは自由です。ぼくは幸せです。
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おかまのどこが悪い。おかまのどこが恥ずかしい。男が男を愛してなんで悪い。愛は自
由や。愛は表現や。恥ずかしいのは自分自身にうそをついて生きることや。恥ずかしいの
は自分自身にうそをついて生きることや。恥ずかしいのは人を愛されへんっていうことや。
私には猥褻はわかりません。猥褻って何やろう。東郷健を犯罪者ってしたことが間違って
いたと、歴史に汚点を残さないように、後の世になって笑い話にならないように、権力者
の手先であるすべての地に落ちた裁判官に次の言葉を告ぐ。
「すべての者は表現の自由について権利を有する。この権利には口頭、手書きもしくは印
刷、芸術の形態または自ら選択する他の方法により国境との関わりなくあらゆる種類の
情報および考えを求め、受けおよび伝える自由を含む」(国際人権規約第 19 条 2 項)
私は残されたわずかな時間を、すべての地球上のあらゆるものを、わけへだてなく、そ
んな愛ある人々を少しでも作って、なってもらうために。風に吹かれて。慈悲に包まれ。
愛がすべてや。愛こそが命やと。私は叫び続けたい。せめて自らに恥じなく眠りたいと。
せめて自らに恥じなく眠りたいと。ありったけの愛をこめて。ありったけの愛をこめて。
比例区で東郷健に入れたいと思っても東郷健と書かないで下さい。雑民と。フランス語
でゼラシネ、浮き草みたいなものを雑民と言います。雑民と書いて下さい。
よろしく。東郷健でした。