都市部中選挙区制「関連記事」スクラップ
http://www.geocities.co.jp/WallStreet-Bull/8507/kiji.htm

2002/01/10 木曜日 更新しました!! 関連記事に加え、主な政治家の意見も紹介します。 <HOME>

2002年01月

2002年1月10日  産経新聞

衆院選区割り「2増3減」案 与党内に波紋

公・保は「候補者調整が先」

 衆院選挙制度改革に関連して、自民党幹部は九日、一票の格差を二倍未満とするため衆院選挙区画定審議会の答申を修正し、「二増三減」とする案を公明、保守両党に提案する方針を明言した。これを受けて、論議は新たな局面に入るが、公明、保守両党は「候補者調整が先決」(幹部)との態度を崩しておらず、新提案が「着地点」となるかどうかは不透明だ。

 自民党が「二増三減」案を提案することにした背景には、「一票の格差は二倍未満にしてほしい」との小泉純一郎首相の強い意向がある。

 衆院選挙区画定審議会の勧告通りの区割りを行っても九選挙区で格差が二倍を超え、「中選挙区復活の論拠になりかねない」(首相周辺)ことから、首相は自民党の細田博之総務局長らに「二倍未満」となるような区割り案をまとめるよう指示した。

 しかし、「二増三減」案は政府に尊重義務がある衆院選挙区画定審議会の勧告を無視することになる。このため自民党は(1)「格差二倍」を重視するよう区割りの線引きを審議会に差し戻す(2)政府が勧告に沿った公職選挙法改正案を提出したうえで与党が修正案を提出、成立させる−の両案を軸に検討する方向だ。

 ただ、自民党首脳が九日、「格差を二倍以内に抑えるべきだという『天の声』はある。そうはいっても現実的には難しいという『地の声』もある」と述べたように、区割り案を選挙の当事者の与党が修正することには「政治的に問題がある」(民主党幹部)のも事実。

 一方、中選挙区制の復活を求めてきた公明党はすでに次期衆院選を現行制度で行うことを容認する方向に転じ、条件として与党内の候補者調整を早期に行うよう強く求めている。

 前回の衆院選で公明党は十八選挙区で候補者を擁立したが、自民、公明両党が選挙協力を約束した東京4区を含めて十一選挙区で敗れた。このため、公明党内には「(保守系無所属を含めた)実のある候補者調整ができなければ、論議は振り出しに戻る」(幹部)との強硬論もあり、折衝の難航も予想される。

         ◇

 【定数配分が変わる道県】

☆「5増5減」案

 増加=埼玉、千葉、神奈川、滋賀、沖縄

 減少=北海道、山形、静岡、島根、大分

☆「2増3減」案

 増加=千葉、神奈川

 減少=山形、島根、大分

 

<管理人TEAのコメント> 

区割り案変更の方法として、(1)「格差二倍」を重視するよう区割りの線引きを審議会に差し戻す を私は支持します。

小泉氏は「首相が大方針を示し。細かいことは有識者に任せる」と特殊法人改革でもおっしゃっていたはず。
線引き作業まで政治家がやってしまっては、そこに悪意がなくとも有権者に不信感が生まれてしまう。


 

2002年1月9日  朝日新聞

首相、「一票の格差」2倍超ゼロを指示 自民幹部に

 小泉純一郎首相は9日までに、衆院選挙制度の改正問題に関連して、小選挙区間の人口格差が2倍を超える選挙区をなくす案を検討するよう自民党幹部に指示した。 与党は衆院議員選挙区画定審議会の区割り見直し勧告に沿った法案を、今月召集の通常国会で成立させることで基本的に一致している。 首相の指示は、勧告内容に修正を加える極めて異例のものだけに、調整は難航しそうだ。

 自民党幹部によると、首相は同党の細田博之総務局長に「格差が2倍を超える選挙区をゼロにしてほしい」と電話で指示した。山崎拓幹事長、堀内光雄総務会長も理解を示しており、同党執行部は今後、具体案を詰めたうえで公明、保守両党と調整に入りたい意向だ。

 「一票の格差」が2倍を超える選挙区は、現行の区割りだと95。審議会は極力2倍以内におさめる方針だったが、「市は分割しない」との原則にできるだけ沿ったため、新たな区割り案でも2倍を超える選挙区が九つ残った。

 自民党幹部によると、格差2倍以内を実現する方法としては、(1)9選挙区の線引きを見直す(2)都道府県別の選挙区数を変更する−−が検討対象になる。
しかし、(1)は「市は分割しない」との原則を曲げ、新たな分割市を増やすことになる。(2)の場合、審議会設置法の改正が必要だ。 自民党内では、勧告の5増5減を千葉、神奈川の2増と山形、島根、大分の3減に絞る「2増3減」案も浮上している。「これが調整が一番簡単だ」(幹部)との理由だが、減員となる自治体や選挙区の議員が反発することに変わりはない。

 公明党幹部は9日、「党内では抜本改正を先送りする限り勧告どおりやってほしいとの声が多い。(2倍以内に抑えるとすると)市分割を避ける原則と食い違うし、審議会はいらないという話にもなりかねない」と否定的な認識を示した。

 また修正の手順について自民党内には、勧告を審議会に差し戻して再審議し、新たな勧告を出し直してもらう案が浮上している。
ただ、中立であるべき審議会の勧告が、与党の意図で差し戻されることへの疑問の声もあり、勧告に沿った法案を政府が通常国会に提出したうえで、与党による議員立法で修正を加える案も出ている。

 首相は以前から、憲法の理念や政治的アピールの意味からも「2倍超ゼロ」に強い意欲を示していた。

(22:08)

http://www.asahi.com/politics/update/0109/012.html

<管理人TEAのコメント> 

「2倍超をなくす」という首相の方針には賛成します。

それに引き換え公明党の、
「抜本改正を先送りする限り勧告どおりやってほしい」とはどういうことか、勧告凍結を画していたのに変わり身が早い。
公明は中選挙区導入の理由として挙げていた「格差是正」が解決されることに危機感を感じているのだろうか?

 

2002年1月9日  共同通信

区割り独自案作成に着手 2倍超の6都道県軸に

 自民党は8日、衆院選挙区画定審議会が昨年12月に小泉純一郎首相に勧告した衆院小選挙区の区割り見直し案を修正し、一票の格差を2倍未満に収める独自の区割り案作成に着手した。

 審議会勧告では2倍を超える選挙区が9つ残っているが、小泉純一郎首相はかつて2 倍未満への是正に意欲を表明。一方で公明党が「現行制度では2倍未満は困難」として 中選挙区制復活を主張している。このため、現行制度維持に理解を求めると同時に、「2 倍未満実現を『小泉改革』の成果とすべきだ」(幹部)と判断した。

 ただ、法律で定められた第三者機関の勧告を修正し、政党が区割りを行うことに批判が出る可能性が高く、独自案作成の行方は流動的だ。

2002年1月9日  共同通信

2増3減案を提示へ 自民が公明、保守に

 自民党は9日、衆院選挙区画定審議会が昨年12月、小泉純一郎首相に勧告した小選挙区の区割り見直し案を一部修正し、選挙区間の人口格差を2倍未満に抑えた「2増3減」の独自案を公明、保守両党に提示する方針を固めた。

 衆院選挙制度改革をめぐっては、中選挙区制導入を主張してきた公明党が、選挙協力を条件に次回総選挙に関しては、勧告を踏まえた区割り見直しを行った上で現行制度で実施することを容認。自民党は、格差が2倍を超えることに対する厳しい世論に配慮、抜本的な格差是正を目指す姿勢を打ち出した。自民党選対は、千葉、神奈川で各1選挙区増、山形、島根、大分で各1減とする「2増3減」案を作成。勧告を画定審にいったん差し戻し、必要な修正を加えた再勧告に基づき区割り法案を作成、2002年度予算案成立後、国会に提出することを検討している。           (了)


2002年1月8日  日経新聞

現行制度維持なら今国会で公選法改正・片山総務相

 片山虎之助総務相は8日の閣議後の記者会見で、衆院の選挙制度改革をめぐって、自民党の山崎拓幹事長が次期衆院選を現行制度で実施すると発言していることに関連し「次の選挙を現行制度でやると決めるなら、
法律に基づいて(衆院選挙区画定審議会の)答申を粛々と法案化するのが筋だ」と述べ、現行制度を維持する場合には21日召集の通常国会に区割り見直しのための公職選挙法改正案を提出する考えを示した。

 


2002年1月7日  毎日新聞

<衆院選選挙制度>政府・与党が早期決着で一致

 政府・与党は7日の連絡会議で、与党3党による衆院選挙制度改革協議の早期決着を目指す方針で 一致した。与党3党は10月末までに結論を集約することで合意しているが、2月末までの 前倒し決着を目指す。選挙制度をめぐっては山崎拓自民党幹事長に続き小泉純一郎首相も7日、
次期衆院選までの抜本改革は困難との考えを明らかにしており、その方向で調整が進む見通しだ。

 会議では、公明党の神崎武法代表が「区割り審答申も既に出ており、与党として早急に結論を出す 必要がある。自民党の見解を早く出すべきだ」と要請。自民党の山崎拓幹事長が「区割り審答申で 次期総選挙に向けて動き出した議員もいる。3党で早期決着を目指したい」と応じ、抜本改正については 第9次選挙制度審議会など第三者機関にゆだねたい、との考えを改めて示した。

 また、神崎氏は通常国会に提出予定の有事法制について「防衛出動なのかテロ対策も含むのか 整理してほしい」と述べ、自衛隊関連法案を先行させるのか、テロ対策を含む 緊急事態基本法案とするのかの調整を政府・自民党に求めた。

(毎日新聞)[1月7日23時0分更新]

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2002年1月7日  時事通信

次回衆院選は現行制度で=公明、連立優先で軟化−政府・与党

 政府・与党は7日の連絡会議で、10月末までに与党間で結論を出すことになっている 衆院選挙制度の抜本改革について、決着を急ぐことで一致した。中選挙区制の復活を求めている 公明党内も既に「選挙制度を理由に政権離脱はできない」との認識では一致しており、 次回衆院選は現行制度で行い、抜本改革は次々回以降の選挙に向けた検討課題とすることで、 21日召集予定の通常国会中に決着が図られる見通しとなった。

 席上、公明党の神崎武法代表は「早期に決着させたい。自民党が具体案を示してほしい」と要請。 自民党の山崎拓、保守党の二階俊博両幹事長も同意した。その上で、山崎氏は「政府の第9次選挙制度審議会を設置し、幅広く検討してはと考えている」と述べ、次回衆院選は現行制度で実施し、 抜本改革については選挙制度審の議論にゆだねたいとの考えを示し、公明、保守両党に理解を求めた。

(時事通信)[1月7日23時2分更新]

<管理人TEAのコメント> 

「最大の課題」と公明党が位置付けていた選挙制度問題が自民党に蹴られても、連立から出て行かない。まさに「下駄の雪」。


2002年1月6日  毎日新聞

衆院選:次期は現行で、抜本改革は第3者機関に 山崎拓幹事長

 自民党の山崎拓幹事長は6日、NHKの番組で、与党内調整が難航している 衆院選挙制度改革について「次の選挙を新しい選挙制度でやることまで与野党の合意は得られない。 次回選挙とそれ以降の選挙を分けて考える必要がある」と述べた。公明党が主張する 中選挙区制導入のための抜本改革への反発が自民党内に強いうえ、衆院選挙区画定審議会の 区割り改定案を受けて関係議員が選挙準備を始めていることなどから、次期衆院選は 現行制度で実施すべきだとの考えを示したものだ。

 さらに山崎氏は「我々は当事者であり、第9次選挙制度審議会など第三者機関を設け、 現行制度の問題点を検討し、新制度を提案してもらうという意見もある」と、 抜本改革の検討を政府の選挙制度審議会などに委ねる案を示した。  与党3党は10月までに抜本改革の成案を得ることで合意しているが、公明党が「定数3、 150選挙区」の中選挙区制導入を主張しているのに対し、自民党内の異論が強く、 最終合意が得られる可能性は小さい。山崎氏の発言は、こうした事情を踏まえ、 抜本改革の事実上の棚上げを狙ったものだ。

 これに関連して公明党首脳は「(現行制度では)1票の格差を縮小し(与党合意の) 定数削減を図ることが重要であり、それは簡単ではない」と語り、山崎氏の発言をけん制した。

[毎日新聞1月6日] ( 2002-01-06-19:20 )


 

2001年12月

2001年12月27日  時事通信

選挙制度見直し、来春までに結論を=保守・野田氏

 保守党の野田毅党首は27日午後、国会内で記者会見し、来年から始まる衆院選挙制度改革に関する与党内調整について、「(衆院選挙区画定審議会が勧告した小選挙区の)区割り案が独り歩きし始めないために、春ごろまでに話し合いが付けばいい」と述べ、来春までに決着を図るべきだとの認識を示した。 (時事通信) [12月27日17時7分更新]


2001年12月26日  時事通信

選挙制度、早期に方向性を=首相

http://www.jiji.com/cgi-bin/content.cgi?content=011226183045X899&genre=pol
選挙制度、早期に方向性を=首相
 小泉純一郎首相は26日午後、首相官邸で山崎拓自民党幹事長と会談し、衆院選挙区画定審議会が衆院小選挙区の区割り見直しを勧告したことに関連し、
「早く(選挙制度の)方針を出してほしいと言ってくる人が多い。来年の早い段階で方向性を出すべきではないか」と述べ、選挙制度の抜本改革に向けた与党内の論議を急ぐよう指示した。


2001年12月20日  日経新聞

自民選挙制度調査会「制度改革、早期に結論を」

 自民党選挙制度調査会(中山正暉会長)は20日、党本部で総会を開き、政府の衆院選挙区画定審議会が小泉純一郎首相に勧告した区割り見直し案について協議した。出席者からは勧告を1年間凍結して選挙制度改革の議論をするとした与党合意について、できるだけ前倒しして結論を出すべきだとの意見が相次いだ。都道府県にまず1票を分配して残りを人口比例で割り振る現行制度の見直しを求める声も多く出た。

 勧告の1年間棚上げについて伊吹文明氏らは「次の衆院選をどの制度で実施するのかわからないままでは身動きが取れない。党の地方組織も動揺する」と早期の結論を要求。中山会長は年明けの与党選挙制度改革協議会で公明、保守両党に結論の前倒しを提案する考えを示した。


2001年12月20日  毎日新聞

<衆院区割り案勧告>格差2倍なぜ超えた 各県1配分が妨げに

 衆院選挙区画定審議会設置法は、各選挙区の人口の均衡を図ることを目的に選挙区人口の格差を「2倍以上にならないことを基本とする」と定めている。改定の結果、2倍を超えた大きな理由は、各都道府県に「基数」として1議席を割り振っている点にある。過疎県や小規模県に配慮した措置だが、格差解消の妨げとなっている。(毎日新聞) [12月20日0時18分更新]

<衆院区割り案勧告>「解散権縛られない」 小泉首相

 小泉純一郎首相は19日夜、選挙制度に関する与党合意により首相の解散権が制限されるかどうかについて「縛られないよ、誰も。総理の専権事項ですから。憲法上の解散権と政治的な与党協議とは全く別問題」と強く否定した。首相官邸で、記者団の質問に答えた。(毎日新聞)


2001年12月19日  毎日新聞

<衆院小選挙区>区割り改定案で不満相次ぐ 自民選挙制度調査会

 自民党は20日、党選挙制度調査会を開き、衆院小選挙区の区割り改定案について協議。与党3党の合意で同案を凍結したうえで衆院選挙制度の見直しを行なうとしていることなどに関して「次の選挙を現行制度でやるのか、改定案通りとなるのか、中選挙区になるのか分からないままでは身動きが取れない」との不満が相次いだ。(毎日新聞)


2001年12月19日  毎日新聞

区割り審:
20都道県・68選挙区で見直し 初の改定案を決定
 

 衆院選挙区画定審議会(区割り審、石川忠雄会長)は19日午前、首相官邸で開いた最終会議で、00年国勢調査人口(速報値)に基づく衆院小選挙区の区割り改定案を決定し、その後、小泉純一郎首相に勧告した。94年の小選挙区比例代表並立制導入後、区割りの改定は初めて。勧告では、20都道県・68選挙区で見直しを行い、人口が最少の選挙区と最大の選挙区で2・573倍まで拡大していた「1票の格差」は、約2・06倍まで縮小した。しかし、区割り審設置法が区割りの「基本」にしてきた「格差2倍未満」は達成できなかった。

 与党3党は10月末、「今後1年かけて中選挙区制復活も含めた選挙制度の見直しを行う」ことで合意しており、この間、勧告が示した改定案は、事実上「凍結」される。

 区割り審は国勢調査速報値が公表された昨年12月から審議を始め、現制度導入当時の方針をほぼ踏襲した「区割り改定案作成方針」を決定。

 (1)選挙区人口の格差を基本として2倍以上にしない(2)全国の人口上限(議員1人当たり人口42万3064人の3分の4)を超える区は設けない(3)同人口下限(同3分の2)未満の区はできるだけ設けない(4)市区町村は飛び地ができる場合などを除き、分割しない――などの原則に従い、速報値に基づく定数5増(埼玉、千葉、神奈川、滋賀、沖縄で各1増)と5減(北海道、山形、静岡、島根、大分で各1減)の10道県に加え、東京、愛知などの都県について見直しを行った。

 その結果、議員1人当たり人口が最少の高知県で、高知市の再分割により人口最少選挙区を27万人台にかさ上げしたため、95区あった格差2倍を超える選挙区は9区に収まった。

 全国の人口上限を超えていた神奈川7区など5選挙区は分割で解消。

 一方、全国の人口下限を下回っていた18選挙区のうち、10選挙区は他選挙区との合併や市町村の編入によって解消した。しかし、徳島3区、高知1〜3区は、線引きを見直したものの、県の議員1人当たり人口自体が少な過ぎたため、人口下限をクリアできなかった。福井1〜3区や長崎3区は、県内選挙区間での格差が小さいことや地域事情を考慮して見直しそのものを見送った。

 見直し前17あった市区の分割のうち、新潟市と大分市は線引き変更や定数削減で解消できたが、神奈川県相模原市は、人口上限を超えていたため新たに分割されることになった。 【高安厚至】

(各都道県の区割り案の詳報は20日朝刊に掲載します)

[毎日新聞12月19日] ( 2001-12-19-14:30 )

 


 

2001年11月上旬

2001年11月24日  読売新聞

特殊法人改革で公明、独自性発揮できず

 小泉首相の改革路線に対し、独自性を発揮できない公明党の苦悩が続いている。22日に大筋で決着した道路関係4公団など7特殊法人の廃止・民営化問題では、党の立場も公表できず、受け身の議論に終始した。テロ対策特別措置法をめぐる与野党協議や選挙制度改革協議にあたって党の主張を前面に押し出し、世論から強い批判を浴びたことが“後遺症”となっているためだ

 「何かものを言えば、抵抗勢力と言われてしまう」。公明党幹部は22日夜、7法人に関する党のスタンスを最後まで明確に示さなかったことについて、記者団にこう打ち明けた。実際、同党は16日と21日の2回にわたって行革関係の部会を開き、「一定の方向性を出した」(北側政調会長)のにもかかわらず、具体的な中身は公表せずじまい。

 また、保守党の二階幹事長が16日の与党幹事長会談で、首相と自民党主導の改革論議に異を唱え、与党行財政改革推進協議会(座長・山崎自民党幹事長)の開催を提案した際も、公明党は積極姿勢を見せなかった。与党3党で首相の改革に抵抗しているように国民に受け取られかねないとの判断があったためだ。道路問題で発言を控えた背景には、自民党橋本派などに対する配慮もあった。橋本派に近い古賀誠・自民党道路調査会長ら道路族議員が首相と対立したため、「自民党内がまとまる前に公明党が結論を出せば、どちらかを刺激することになる」(公明党幹部)というわけだ。

 公明党内には、小泉首相や山崎幹事長らが政府・与党の中枢を占める現体制に対し、「出来れば公明党を連立政権から外したいと思っている人が中枢にいる政権」(中堅議員)との疑心暗鬼がある。このため、従来、公明党に理解を示している野中広務・元幹事長ら橋本派にいざとなれば頼らざるを得ないとの思いは強い。

 神崎代表は21日の記者会見で、「政府が決めたから与党3党が従えというのはなかなか難しい。事前に話を聞き、我々の意見も反映できるようにすることが大事だ」と強調し、小泉首相のトップダウンの手法を批判したが、受け身の対応をせざるを得ない党の現状へのいらだちもうかがえた。

(11月24日22:17)


2001年11月24日  産経新聞

公明、動き取れず 橋本派との連携も限界

 日本道路公団の民営化などの特殊法人改革問題で、公明党は調整が決着していない段階では音なしの構えだった。しかし、政府・与党で合意した後になって、声を上げてみせた。そこに公明党の直面している現状の苦しさがうかがえる。政権離脱しても展望が見えない以上、小泉政権と対決していく選択肢はとりにくく、自民党の抵抗勢力との連携に限界を見いだしているようだ。

 冬柴鉄三幹事長は二十三日、神戸市で行われた同党兵庫県本部の会議で、「日本道路公団など三公団と本州四国連絡橋公団は別に分割すべきだ」と述べた。

 都市基盤整備公団については「高齢や低所得の入居者も多く、まだ役割は残っている」と指摘。小泉首相の方針に反対してみせたが、こうした発言は、この問題に対する支持者の関心が高いための「党内向け」とみることができる。実際、特殊法人改革の与党内協議では、テロ対策特別措置法や衆院選挙制度改革問題で見せた「ごり押し」ぶりとは好対照だった。

 特殊法人改革は従来、公明党が「売り物」にしてきた政策分野だったが、「何を言っても、公明党は『抵抗勢力』『悪者ライン』と分類される。黙っていた方がいい」(首脳)と判断したようだ。

 公明党の執行部の大半のメンバーは二十二日、自民党の野中広務元幹事長と会談し、道路公団改革に関連して高速道路の凍結は認めないことなどを確認した。ただ、公明党が自民党橋本派などと連携して小泉首相に圧力をかける手法は、選挙制度改革で首相が「公明党が離脱してもやむを得ない」と発言したとされることで、通じないことがはっきりしてしまった。

 今後も予算編成などをめぐって一定の注文をつけてはいくものの、「小泉首相支持」の原則を変えるわけにはいかない状況だ。


2001年11月10日  毎日新聞

<公明党>代表会議で中選挙区実現方針を強調 神崎代表

 公明党は10日、党本部で全国代表者会議を開いた。冒頭、神崎武法代表は、1年先送りになった衆院選挙制度改革について「定数3、150選挙区の中選挙区制の実現を中心に議論を深めたい」と強調した。またPKO協力法の参加5原則見直しでは「武器使用」と「紛争当事者間の停戦合意」を議論の対象とする方針を示した。(毎日新聞)

 

神崎氏、中選挙区制の実現目指す=党運営に戸惑いも−公明代表者会議

 公明党は10日、党本部で全国代表者会議を開いた。冒頭、神崎武法代表はあいさつで、小泉政権を支えて構造改革を進めるとともに、(1)定数3、150選挙区の中選挙区制の実現(2)テロ対策の国際協力活動−などに取り組む方針を強調した。これに対し地方の代表者からは、中選挙区制の復活を目指す党執行部の運営に戸惑いの声も出された。

 神崎氏は、小泉政権の構造改革について「胸突き八丁にさしかかっているが、与党の一翼を担う党として政権を支え、改革を断行しなければならない」と指摘。また、公明党が強く求める衆院選挙制度改革が1年間先送りされた経緯を説明した上で、「定数3、150選挙区の中選挙区制の実現を中心に議論を深めていきたい」と述べた。


2001年11月2日  読売新聞

「選挙改革の痕跡消してくれ」先送り決定前の首相

 小泉首相が10月26日夜、衆院選挙制度改革問題について、首相公邸で自民党の山崎幹事長と会談した際、「連立政権から選挙制度改革の痕跡を消してくれ」と述べ、
 山崎氏に対して、改革案のとりまとめを先送りせず、現行選挙制度を維持する方向で決着するように強く指示していたことが分かった。自民党幹部が2日、記者団に明らかにした。

 同幹部は、「首相には『政局になってもいい』との意図はなかったが、『公明党が連立政権から離脱してもいい』と首相が言ったと受け取られても仕方のない発言だった」と指摘した。
 衆院選挙制度改革問題は、その後の与党内の調整の結果、首相も加わった先月31日の与党3党首会談で、今後も協議を継続し、1年以内に抜本的な見直し案を作成することで合意した。


2001年11月2日  時事通信

「もう少しで毒飲まされるはめに」=自公連携派主導に警戒感−小泉首相

 衆院に中選挙区を一部復活させる与党合意案が自民党の反発などで白紙撤回されたことについて、小泉純一郎首相は1日行った首相官邸での石原伸晃行革担当相との会談で「もう少しで毒を飲まされるところだった」と振り返った。石原氏が同日夜出席した都内でのセミナーで明らかにした。

 先の選挙制度改革をめぐる与党協議では、中選挙区復活を求める公明党の主張に自民党橋本、森、堀内派などの幹部らが同調。一時は首相が追い込まれた形だったが、石原氏に対する発言は、自公連携派主導の政局を警戒する首相の本音が思わず出たとみられる。 

 


2001年11月2日  産経新聞

PKO法改正 自民、今国会は断念  選挙制度改革見送り 公明の態度硬化

 自民党は一日、国連平和維持軍(PKF)本体業務への参加凍結の解除を盛り込む国連平和維持活動(PKO)協力法の今国会改正を断念する方針を固めた。国会日程に余裕がなくなっているほか、参加凍結解除とセットで議論されている自衛隊の武器使用基準の緩和に慎重な公明党に配慮したためで、改正案は議員立法として今国会に提出するものの、実質審議には入らない方向。PKO協力法の今国会改正については「公明党が要求している衆院選挙制度改革とバーター」(自民党議員)との見方もあり、これを裏付ける格好となった。

 現行のPKO法では、米中枢同時テロに対する米軍の軍事行動終了後に想定されるアフガニスタンでの地雷除去作業などに自衛隊が参加することはできない。地雷除去がPKF本体業務にあたるためで、十分な国際貢献ができないことから、福田康夫官房長官も「現状の法律では世界の平和に貢献したいという気持ちをかなえることができない」と今国会改正に強い期待感を表明していた。

 自民党はPKF凍結解除とともに、自分自身や同僚の自衛官を守るためなどに限定されている自衛隊の武器使用基準を他国並みに緩和する内容を改正案に盛り込みたい考えだ。だが、連立を組む公明党の神崎武法代表らは基準緩和への慎重論を崩していないため、自民党の一部は、今国会ではPKF凍結解除にとどめ引き続き、武器使用基準の緩和を目指す“二段階論”も検討してきた。

 だが、今国会の会期が十二月七日までであり、平成十三年度補正予算案や整理回収機構(RCC)の機能拡充に関する金融再生法改正案審議などにかなりの審議時間が必要なことから、連立の枠組み維持の観点から、公明党の意向を無視する形での今国会改正を断念することにした。

 政府関係者も一日、「公明党が選挙制度改正断念で怒ったから、PKO改正ができなくなった」と述べ、十月三十一日の与党党首会談で公明党が求める中選挙区制復活を柱とする衆院選挙制度改革の今国会処理が先送りとなったこととの関連を認めた。

<管理人TEAのコメント> 

やはり、”バーター”だったんですね。この記事でも裏付けられてしまいました。


2001年11月1日  中日新聞

選挙改革1年内に成案 2、3人区案は白紙 与党党首合意

 小泉純一郎首相は三十一日夜、首相官邸で公明党の神崎武法代表、保守党の野田毅党首と会談し、衆院に二、三人区を導入する選挙制度改革の三党の基本合意を白紙に戻して、現行選挙制度の抜本見直しを図り、一年以内に成案を得ることで合意した。

 三党合意では、政府の衆院選挙区画定審議会が十二月二十二日までに小泉首相に答申する区割り勧告の扱いについて「抜本的改革」と一体処理することを明記。区割り勧告を踏まえた格差是正のための公職選挙法改正案は一年間、国会提出しないことにした。

 また、中選挙区制の導入を強く求めた公明党に配慮し、抜本的改革について「中選挙区案等も含め検討対象とする」との表現を盛り込んだほか、選挙制度改革について「与党が連立政権を樹立した二年前からの約束事で、誠実かつ真摯(しんし)に取り組むべき課題」と明記し、一年後の実現を確認している。

 また、選挙制度改革を先送りする理由として、「臨時国会での経済・財政・社会各般の施策にかかる案件処理に全力を挙げる」ことを挙げた。

 一方、党首会談では、選挙制度改革に関し、公明党が午後八時までとした投票時間の短縮を求め、自民党も前向きに検討する考えを示した。

 党首会談での合意を受けて、与党三党は一日夕に衆院選挙制度改革協議会を開き、中選挙区制導入も含めた新たな改革案の検討に着手する。

http://www.chunichi.co.jp/00/sei/20011101/mng_____sei_____000.shtml

<管理人TEAのコメント> 

選挙制度改革に関し、公明党が午後八時までとした投票時間の短縮を求め、自民党も前向きに検討する考えを示した。

↑これはどういうことか!、ドサクサに紛れて投票率を下げようという目論みは断固許せない。

公明党は本当に民主主義を理解していないようだ。


2001年11月1日  中日新聞

『区割り勧告守れ』

21世紀臨調 衆院格差是正で緊急声明

 経済・労働界の有志や学識者で組織する「新しい日本をつくる国民会議(二十一世紀臨調)」は三十一日午後、都内で記者会見し、「現下の選挙制度改革論議に関する緊急声明」を発表した。政府に対し、十二月二十二日の衆院選挙区画定審議会の区割り見直し勧告を守り、一票の格差是正に向けて勧告後ただちに公職選挙法改正案を国会に提出するよう求めている。

 声明は、与党三党が勧告後、公選法改正案の国会提出を一年間、凍結することで合意したことを「一部の政党の都合によって勧告を凍結・先延ばしや反古(ほご)にすれば、選挙そのものに対する国民の信頼が失われる」と指摘している。


2001年11月1日  毎日新聞

衆院選挙制度改革:
先送りで政権運営に影響も

 衆院の選挙制度見直し論議は31日、選挙区の一部に2、3人区を新設する与党3党幹事長合意案が白紙となり、結論を1年間先送りすることで決着した。公明党は合意案を押し通すことを主張したが、自民党内の強い反発に加え、世論の批判にも抗し切れず、断念せざるを得なかった。ただ、今回の論議では、自民党内の路線対立、主導権争いも露営、小泉純一郎首相の政権運営に影響が出る可能性がある。

 

 ◇支持者の抗議で転換――公明

 見直し案白紙化が固まった31日未明、公明党幹部は「断腸の思いの後退」と語った。幹部が「選挙制度の問題とPKO(国連平和維持活動)協力法の5原則見直しは絡んでくる」と発言し、無関係な法案を取り引き材料にするなど、なりふり構わず突き進んだが、結局、政権離脱には踏み込めず、「これ以上、悪役になるのは得策ではない」(幹部)との判断からの戦略転換だった。

 公明党は1999年7月に定数3の中選挙区150への抜本改革を党議決定した。東京、大阪など大都市に集中している支持母体・創価学会の票を有効に活用し、議席獲得に結びつける狙いだった。昨年の衆院選で31議席にとどまったことが、中選挙区導入に拍車をかけた。創価学会にも「野党時代には59議席(83年)の獲得もあった。自民党に利用されるだけだ」との不満が募り、抜本改革が至上命題となった。

 ところが、今年4月の小泉政権では与党選挙制度改革協議会を発足させたものの、同党の戦略に協力的だった自民党橋本派の影響力は低下。小選挙区支持の多い自民党の論議は遅々として進まなかった。

 むしろ、がむしゃらに迫る姿勢は「ごり押し」との批判を受けることとなり、若手議員が「支持者から連日抗議がある」と嘆くなど足元にも不協和音が生じつつあった。選挙制度改革の促進が「選挙にマイナスイメージを与えかねない」(幹部)状況に追い込まれ、今年4月の与党3合意にいったん戦線を下げて、再起を期すより手がなかった。 【因幡健悦】

 

 ◇路線対立、深まる溝――自民

 今回の見直し論議は、一皮めくれば、自民党内の路線対立だった。

 民主党との連携が持論の小泉純一郎首相は慎重な姿勢に終始。加藤紘一元幹事長は自由党の小沢一郎党首、民主党の菅直人幹事長と会談し、「見直し反対」で一致した。

 これに対し、森喜朗前首相、野中広務元幹事長、古賀誠前幹事長ら自公保の連携を重視する勢力は「見直しは必要」と公明党を後押し。森氏と中川秀直元官房長官が10月25日夜、首相に直談判するなど活発に動いた。

自民党内は「親・民主」と「親・公明」の両派が政権の枠組みをめぐってさや当てを続けた。

だが、自公保路線重視派も党内の反対を抑え込むのは難しい、と早い段階から見越していた。結局、「公明党への助け船」の意味もあって、自公保重視派から出てきたのが先送り案だった。

 最初に「勧告先送り」をぶち上げたのは野中氏で、10月17日の党総務会で「根本的に選挙制度を検討し直すという3党の意志決定がある。区割り勧告を凍結すべきだ」と発言。保守党の二階俊博幹事長は30日、「勧告先送り」とともに、与党協議の先送りを提案したが、この両者は気脈を通じていたとの見方が強い。背景には、「自民党から先送りを言い出すわけにはいかない」という事情があっとようだ。

 ただ、この「勧告凍結」は、小泉首相の解散権を縛ることにもなり、「自公保重視派もポイントを稼いだ」との声が政界に広がっている。山崎拓自民党幹事長は30日夜の党首会談後「政治休戦が必要と考えた」と語ったが、今回の主導権争いは前哨戦と言えるかも知れない。【吉田 啓志】

 

 ◇解散権行使に縛り?――官邸

 衆院選挙制度の見直し時期を1年程度先送りする案は、小泉政権の改革路線にも少なからぬ影響を与えそうだ。小泉純一郎首相にとっては、高支持率を背景に、「衆院をいつでも解散できる」という状況を作っておくことこそが与党の抵抗を防ぐ「抑止力」であるにもかかわらず、「先送り合意」を盾に与党側が解散権の行使をけん制する場面も想定されるためだ。

 福田康夫官房長官は31日の記者会見で、先送り案が首相の解散権をしばることになるかどうかについて「関係ない話だ。まったく関係ない」と言下に否定した。衆院選挙区画定審議会が区割り見直し勧告を行った後、政府が勧告に基づく公選法の改正作業が遅れても首相の解散権は拘束されないというのが、従来からの政府の見解だ。

 ただし、政府を支える連立与党の合意が優先すると考えた場合は、事実上、解散権への影響は避けられない。首相が選挙制度見直し協議のさなかに解散に踏み切ることに対しては「連立与党に対する信義違反」との口実を与えかねず、現実に与党幹部は早くも「法的には縛られなくても、政治的には解散はしにくいだろう」と指摘する

 首相は年末にかけて、族議員の抵抗が強い日本道路公団の改革など特殊法人の整理合理化計画を作り上げ、「国債発行30兆円以下」を公約にした来年度予算編成を進めなければならない。さらに、年度末にかけては郵政民営化の成否に直結する法案づくりを行うなど小泉改革の行方を左右する困難な作業が続く。そうした中で、解散のフリーハンドを確保できなくなれば、改革の推進力が弱まることになりかねない。 【三岡昭博】

 

 


2001年11月1日  毎日新聞

衆院選挙制度改革:
与党幹事長が会談 1年程度先送りで一致


 自民、公明、保守の与党3党幹事長は31日、国会内で会談し、衆院の一部に2、3人区を導入する選挙制度見直し案を事実上白紙化したうえで、12月22日に予定される衆院選挙区画定審議会の勧告を受けた政府の区割り法案提出を勧告時から1年程度先送りすることで一致した。これを受けて同夜、首相官邸で小泉純一郎首相ら自公保の3党首が会談、最終確認する。3幹事長は先送り期間内に中選挙区導入を含めた抜本的見直し案を検討することでも一致したが、中選挙区制の導入をめぐる自公両党間の思惑は食い違っており、今後の与党間協議が難航するのは必至だ。

 同日、3幹事長が合意したのは(1)同審議会の勧告は予定通り12月22日に受ける(2)勧告を受けた法案処理は02年内とする(3)02年内に一票の格差是正とともに、中選挙区導入も含めた抜本的な選挙制度見直しを検討する――との内容。見直し案の検討にあたっては、3党幹事長間でいったんは合意した政令市などに2〜4人区をつくる案、一部地域に2、3人区を導入する案の双方を白紙に戻すことも確認した。

 中選挙区一部導入案は、野党だけでなく自民党内にも「理念がない」などの強い反発が起きた。このため3幹事長は同日、このまま中選挙区一部導入案を強行すれば、補正予算など重要法案を多く抱える終盤国会が混乱するとの認識で一致、同案を断念した。

 今後の与党間協議で、公明党は改めて、中選挙区制の導入を強く求めていく方針。一方、自民党は「今回の協議で自民党内の9割は小選挙区制支持と分かった」(自民党幹部)と、中選挙区制の導入は困難と判断しており、両党間のあつれきが1年後に先送りされたに過ぎないとの見方が強い。また、区割り勧告の先送りが政治的に首相の衆院解散権を縛ることにつながるとの指摘もあり、首相の政権運営に支障が生じることも予想される。

     ◇    ◇

 選挙制度見直し論議は31日、衆院の一部に2、3人区を新設する与党3党幹事長合意案が事実上「白紙」となり、結論を1年間先延ばしすることで決着することになった。公明党は合意案を押し通すことを主張したが、自民党内からも強い反発が出て、断念せざるを得なかった。ただ、今回の論議では、自民党内の路線対立、主導権争いも露営、小泉純一郎首相の政権運営に影響が出る可能性がある。

 ◆「万策尽きた」

 見直し案が事実上白紙に戻ることが固まった31日未明、公明党幹部は「断腸の思いの後退」と語った。幹部が「選挙制度の問題とPKO(国連平和維持活動)協力法の5原則見直しは絡んでくる」と語り、無関係な法案を取り引き材料にするなど、なりふり構わず突き進んできたが、結局、政権離脱には踏み込めず、「これ以上、悪役になるのは避けて欲しい」との支持者の声を受けた戦略の転換だった。

 公明党の「中選挙区復活」の取り組みは99年7月の党議決定までさかのぼる。内容は全国を定数3の中選挙区150に抜本改革するというもの。支持母体の創価学会の票が東京、大阪など都市部に集中しており、議席獲得に有利と判断したためだ。99年10月、自民、自由両党との連立政権参加に当って中選挙区復活を主張。当時の森喜朗、冬柴鉄三両幹事長が「00年12月の国勢調査を踏まえ小選挙区などを中心に30削減する」とした改革案をまとめ、中選挙区導入の布石を打ってきた。

 昨年の衆院選では議席を31まで減らし、「野党時代にも59議席(83年)獲得した。自民党に利用されているだけだ」と創価学会側にも不満があった事情が大きかった。

 ただ、頼りとしてきた橋本派の影響力が低下。「古い証文」を示しても小選挙区支持の多い自民党の党内議論は遅々として進まなかった。さらに、批判の矢面に立つことになり、若手議員が「支持者から連日抗議がある」と悲鳴も漏れるなど足元にも不協和音が生じつつあった。【吉田啓志】

 ◆「親公明」VS「親民主」

 今回の見直し論議は、一皮めくれば、自民党内の路線対立だった。

 民主党との連携が持論の小泉純一郎首相が慎重な姿勢に終始。同様に、加藤紘一元幹事長は自由党の小沢一郎党首、民主党の菅直人幹事長と会談し、「見直し反対」で一致した。これに対し、森喜朗元首相、野中広務元幹事長、古賀誠前幹事長ら自公保の連携を重視する勢力は「見直しは必要」と公明党を後押しした。自民党内は「親・民主」と「親・公明」の両グループが政権の枠組みをめぐってさや当てをする場面が続いた。

 ただ、自公保路線重視派も、党内の反対を抑え込むのは難しい、と早い段階から見越していたのも確かだ。結局、「公明党への助け船」の意味もあって、自公保重視派から出てきたのが先送り案だった。

 最初に「勧告先送り」をぶち上げたのは、野中氏。10月17日の党総務会で「根本的に選挙制度を検討し直すという3党の意志決定がある。区割り勧告を凍結すべきだ」と発言。この案は最終的に保守党の二階俊博幹事長が正式提案が、「自民党が見直し案を提案した以上、自民党から(先送りを)言うわけにはいかない」(幹部)との事情もあったようだ。

 この「凍結」が、小泉首相の解散権を縛ることになり、「自公保重視派もポイントを稼いだ」との見方が政界に急速に広がっている。今回の主導権争いは前哨戦とも言えるかもしれない。【因幡健悦】

[毎日新聞10月31日] ( 2001-10-31-20:52 )

 

 


 

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