開発経済学用語
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すべて独断による解説ですので詳細は専門書をご利用ください。このページの内容を無断で転用・転載するのはご遠慮ください。

「誘発的イノベーションの理論」

  ジョン・ヒックス(Hicka 1932)によって提唱された理論で「生産要素の賦存量が他の要素に比べて相対的に豊富になったとき、相対的に豊富になった生産要素をより多く使用し、相対的に稀少になった生産要素を節約するような方向に技術革新は起こる」という理論。偏向的技術革新が生ずるのは、相対的に稀少化した生産要素は相対価格が上昇するので、相対的に安価となった要素によって代替することで生産費削減が可能になる。これが企業家を技術革新に駆り立てることになる。

「人口転換」理論

 近代経済成長に伴って、人口動態は変化するという理論。前近代的社会の人口動態は出生率・死亡率共に高い水準にあり、人口成長率は低い水準にある。経済発展と共に人口転換が起こるが、人口転換は次の三つの局面に分けられる。
 第一局面では、高い出生率のまま死亡率が低下していく。よって、人口は加速的に増加していく。
 第二局面では、出生率一定のまま死亡率が下げ止まる。人口は高成長を続ける。
 第三局面では、死亡率一定のまま出生率が低下する。人口成長率は低下していく。
 こうして人口転換は完了し、出生率・死亡率ともに低水準に落ち着き、人口成長も低成長に留まる。

「リカードの罠」

 デビット・リカード(1772〜1823)によって提唱された,経済発展の初期段階においてよく見られる経済停滞のメカニズム。土地資源の制約が近代産業の持続的な成長を挫折させ、経済を停滞の罠に陥れてしまう。天然資源の存在量は等級別に不変であり、マルサス的人口成長によって食料価格が上昇するなら、やがて経済は近代部門の資本利潤率が資本蓄積を拡大できないほど低下し、労働者の賃金は実質で生存賃金にとどまり、地主の地代所得のみ高いという停滞的均衡状態に陥ってしまう。これを回避するには、食料価格を抑えること、具体的には食料品の輸入自由化や農業の生産力の向上が必要である。

「ステープル理論」

 カナダの経済学者を中心に形成された理論で、第一次産品輸出経済から持続的成長へと転換することに焦点を当てた理論。「資源には限りがあるので一つの産品に依存していては経済成長は永続しない。主要産品の資源ベースが枯渇するにつれ、他の天然資源に依存した産品を開発・スイッチすることでステープル型の成長は維持される」という理論。スイッチングを成功させるためには産業基盤を強化するような公共財の供給が不可欠であるとする。

「オランダ病」

  1950年代末にオランダに起こった経済現象。オランダ沖の北海に天然ガス田が発見・開発され、エネルギー国内生産の増大が国際収支の改善をもたらしたが、一方で国内産業の衰退と失業の増大を招いた。これは、資源輸出の急激な増大が国際収支の黒字拡大を通じて実質為替レートの切り上げをもたらし、その他の貿易財の国際競争力を低下させてしまったことによる。もしこの間に、貿易財の生産施設や技能が失われ、産業構造が不可逆的に変化してしまうと、エネルギー資源枯渇とともに、重度な経済停滞に陥ってしまう。

「低位均衡の罠」

  投資を基軸におく成長理論と人口理論とを統合して、途上国における貧困と停滞の悪循環の可能性を指摘した理論。レイベンスタイン(1954)やネルソン(1956)らによって提唱された。経済成長率と人口成長率を比べた場合、生存所得水準が両者の非常に安定な均衡点となる。経済を持続的な成長軌道に乗せるためには、わずかな投資の積み重ねでは無意味であり、一時に多額の投資を行い臨界点を超えるような大きな所得増加(大躍進)を実現しなければならない。臨界点を超えられなかったときは、安定的な均衡点である生存所得水準まで経済は引き戻されてしまう。

「逆U字型仮説」

  クズネッツ(kuznets 1966)は「近代経済成長の初期段間においては不平等化が進行するのではないか」という推論を基に、「時系列的には、低所得段階から所得水準が上昇するにつれて不平等度は高まり、ある所得水準で反転し、不平等度が低下していく」という仮説を立てた。
 この仮説に関しては、資料不足により実証研究においてはまだ立証されていない。また一般的にも現実的妥当性は肯定されていない。

 

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最終更新日 : 2001/02/16