がんばれ「大ちゃん」 突然しおれ…「重体」
2006/01/29 朝日新聞


 歩道のアスファルトを押しのけて育った相生市の、ど根性大根「大ちゃん」が元気をなくし、人間だと集中治療室で面会謝絶の「重体」になっている。28日には、岡山県からジャンボ大根栽培でギネスブックにも掲載された専門家が駆けつけて治療方法を検討。関係者は「エールを送った受験生のためにも頑張って」と看病を続けている。

 「大ちゃん」は昨年11月15日、折られて元の場所に置かれているのを発見され、市役所で水耕栽培されている。年明けに大きな葉を17枚も伸ばし、16日には花芽を出してつぼみもつけたが、26日ごろから急にしおれ始めた。

 駆けつけた専門家は、小林貞雄さん(64)=岡山県備前市在住。「大ちゃん」を見て、「花や種をつけるのは大根にとって、子孫を残すための命を削るような大きな負担。大きな根がヘチマのようにスカスカになるほど、自分の栄養を使い果たす。『大ちゃん』はそれがないから、ここまでが精いっぱいかも」。

 小林さんは趣味で重さ22.1`の大根を作って01年のギネスブックに載り、その後も世界記録を塗り替えて36`のジャンボ大根を育てた実績がある。試行錯誤も経験しているから、「大ちゃん」のような特殊な環境で対策を立てるにはピタリの「ドクター」だ。

 しかしかなり弱っていて病気にかかる心配がある。養分を吸い上げる根を持たないので、液肥を与えるのも危険。庁舎内が乾燥しているので、花芽の首に小林さん持参の活性剤を塗ってカバーをかぶせ、しばらく様子を見ることになった。

 「花を咲かせられるまでに回復すれば、私の大根と交配して子孫の種がとれるんだが」と小林さん。当初から世話をしてきた富山恵三・まちづくり推進課長は「なんとか持ち直してほしい」と、自分の子供のように心配している。


 【とんび岩のコメント】

 28日の毎日新聞によると、「専門家の助言で土に植え替えた直後、頭部が垂れ始めた」らしい。どういう専門家だったのだろう。

 その点、小林貞雄さんのコメントは的確だ。たしかに、花が咲けばその花粉を小林さんの大根に受粉させて、小林さんの大根で「大ちゃん」のDNAを受け継いだタネを採ることは「理論的には」可能だ。写真で見る限り「大ちゃん」の余命は長くはなさそうだが、すでにツボミが付いている。可能性はある。


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