夏空に白い輝き 伝統守るかんぴょう干し 相生
2006/08/08 神戸新聞


 相生市野瀬地区では、かんぴょう干しが季節に彩りを添えている。強い日差しを受け、相生湾の潮風に揺れる白いかんぴょう。柔らかさに定評があり、同地区でよく見られた夏の風物詩だったが、現在は最後の一軒が伝統の灯を守っている。

 同地区では、半世紀ほど前までは約60軒が栽培し、大阪の寿(す)司(し)屋に卸す仲買人が競って買い付けに来たという。だが、天候に左右されやすく、手間もかかることから、現在は高畑忠男さん(82)だけに。市場には出荷せず、ほとんどが得意先からの注文という。

 すべてが手作業。夜明け前に収穫したユウガオの身を3〜4センチ幅に輪切りにしてろくろにかけ、かんな風の刃物で薄くむき取る。長いもので15メートル以上。さおに1本ずつつるし、天日にさらす。ほのかに茶色がかった自然の風合いが特徴だ。

 例年なら盆ごろまで庭先で揺れるが、長雨で収穫量が少ない今年はそろそろ見納めになりそう。

 高畑さんは「採算は厳しいとはいえ、地元の特産品。体が元気なうちは続けたい」と話している。(中西幸大)


【とんび岩のコメント】

 かんぴょう干しとは懐かしい。さすが野瀬だ。まだやっている人があるんだなあ!。

 小学生のころは毎夏、祖父(生きていたら120歳)のかんぴょう干しを手伝った。テープ状に長く薄くむいてかんぴょうにするのはユウガオの実の皮の部分だけで、内部のタネのある部分(「ず」と呼んでいた)は味噌汁に入れたり牛のエサにしたりしていた。かんぴょうの季節になると、味噌汁の実はかんぴょうの「ず」ばかりで、それがイヤだった。

 三つ子の魂で、当時の作業手順は覚えている。皮むき器具の構造も記憶している。ヒマになったらユウガオを栽培して、器具を自作して、一丁やってみるかな。


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