IHI 虚偽記載で上場廃止も 東証 管理ポストに
2007/12/12 神戸新聞


 IHI(旧石川島播磨重工業)は11日、2007年3月期連結決算について、営業損益段階で300億円の損失を追加計上する、と発表した。東京証券取引所は同日、有価証券報告書の虚偽記載に当たり上場廃止規準に抵触する恐れがあるとして、監理ポストに割り当て審査に乗り出した。

 業界トップクラスの企業が有価証券報告書の数字を大幅に訂正するのは異例。

 上場廃止も選択肢になるが、11月に新設された「特設注意市場銘柄」の第1号に指定される可能性もある。この銘柄は、1年ごとに再発防止に向けた内部管理体制の状況について報告提出を求められる。ただ問題がないと認められれば、元の一部に復帰できる。

 東証は、投資家の判断に影響を与えるような重大性があったかなどを審査する。

 IHIはエネルギープラント事業での巨額損失について社内調査を行った結果、決算内容をさかのぼって訂正する必要があると判断した。

 5月に発表した2007年3月期の営業損益は246億円の黒字だったが、約300億円の追加損失を計上するため、55億円程度の赤字に転落する見込み。また06年9月中間決算についても営業損益を90億円下方修正する。さらに08年3月期は、営業損失が約150億円となる見通し。

 IHIは9月下旬に大幅な業績下方修正を発表し、今年3月末まで社長を務めていた伊藤源嗣会長が引責辞任する見込み。中間決算の発表は大きくずれ込み、今月14日に行われる予定。

 一方、日本経済新聞社は11日、IHIを日経平均(225種)の構成銘柄として当面維持すると発表した。東証の審査を見極めた上で、入れ替える必要があるかを決める予定。


【とんび岩のコメント】

 上場廃止はまぬがれても、世間の信用失墜は避けられないだろう。相生の造船マンの心中や如何。

 問題は、IHIが今年1、2月に実施した増資との関連性。そのあたりを朝日新聞は次のように書いている。なお本日(12日)の終値は216円(28円安。)公募価格は391円。

 前期決算の大幅訂正で問題になるのは、1、2月にIHIが実施した611億円の公募増資と第三者割当増資だ。募集時点では07年3月期の業績見通しを営業利益340億円、当期利益150億円にしていたが、結果は大違いだった。

 巨額損失の判明後、株価は急落。2月27日に514円をつけた株価は現在半分以下の250円前後だ。投資家からは、同社のリスク管理や業績見通しの甘さに、厳しい批判が出そうだ。

 (中略) 東証は今後、IHI側から資料提出などを受けた上で、決算訂正に至った背景を調査。組織ぐるみで不正が行われるなど悪質な場合、上場廃止になる可能性がある。

 朝日新聞によると、07年3月期決算訂正の経緯は次の通り。

 この日の発表によると、サウジアラビアなど海外のセメントプラントの欠陥工事や、ボイラー工事の遅れと調達品の不具合、原子力事業の追加工事などで、約850億円の営業損失が発生。このうち、約300億円分を07年3月期に、残りは08年3月期に計上する。これにより、07年3月期決算は246億円の営業黒字から一転、約54億円の営業赤字になった。

 9月時点では、追加の営業損失は570〜850億円で、大半は08年3月期決算に計上し、07年3月期決算は訂正しても小幅との認識を示していた。

 しかし、工事の費用見積もりをやり直した結果、損失総額は予想の最大値に膨らみ、前期への計上も増えた。損失原因を調べる社外調査委員会や監査担当の新日本監査法人の指摘を受けたと見られる。(後略) 


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