アスベスト疾病 診療記録なしで認定 石川島播磨・相生工場
2010/11/29 神戸新聞 

 石川島播磨重工業相生第一工場(相生市)に35年勤務し、肺がんで亡くなった元従業員の男性について、相生労働基準監督署が、診療記録など医学的資料なしでも肺がんを業務上のアスベスト(石綿)疾病とみなし、石綿健康被害救済法による特別遺族給付金の支給を決めていたことが28日、関係者への取材で分かった。同じ時期に勤務した複数の従業員が石綿肺がんで労災認定されていたため、この男性の被害が推定認定された。医学的資料がなくても同給付金が支給されるケースは珍しいという。    (中部 剛)

 兵庫県西部に住んでいた男性は1942〜77年、相生第一工場で船舶の製造や修理に従事した。直接、石綿を扱う作業ではなかったが、船内各所で石綿が使用され、粉じんを吸い込む職場環境だった。

 男性は退職後の86年、肺がんにより68歳で死亡。昨年9月、労災補償の時効(5年)が過ぎていたため、遺族が救済法の特別遺族給付金を請求した。労基署は疾病と業務の関係を調べるため医学的な資料を求めたが、死亡診断書以外、当時の診療記録やエックス線写真などは一切残っていなかった。

 この案件は厚生労働省が協議。同省が「同じ時期、同一作業に従事した複数の労働者が、石綿肺がんで労災認定されており、男性の肺がんも石綿暴露が原因と推認できる」と判断し今年8月、給付金の支給が決まった。

 厚労省は全国の労働局に対し、特別遺族給付金の請求を受け付ける際、医学的資料がない場合であっても同一時期の同僚労働者が労災認定されている場合は、労基署判断ではなく、本省協議にするよう連絡している。

 しかし、NPO法人ひょうご労働安全衛生センターの西山和宏事務局長は「労基署段階で不支給と判断されているケースもあるのではないか」と指摘している。
    


               

【とんび岩のコメント】

 石川島播磨重工業相生第一工場は、「直接、石綿を扱う作業ではなかったが、船内各所で石綿が使用され、粉じんを吸い込む職場環境だった」と認定されたわけだから、そのころの従業員で肺がんになった人は全員、「労災認定」される可能性があるということになる。

 判断を下したのはあくまでも本省であって、相生労働基準監督署ではないということか!。そうだろうな。
          

 


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