赤穂に巨大カルデラ 阿蘇に匹敵 産総研調査 
2016/08/09 神戸新聞 

 産業技術総合研究所(産総研、茨城県つくば市)は8日、赤穂市を中心とした相生市や岡山県備前市の一帯で、約8200万年前の地層に火山活動で形成された陥没地形、カルデラの痕跡を見つけたと発表した。恐竜が生息していた時代に火山噴火ででき、規模は国内2番目となる阿蘇山(熊本県阿蘇市)のカルデラに匹敵。再噴火の恐れはなく、特有の凹状の地形は残っていないが、地震に強い地盤を形成しているという。

 産総研は2011年、中国地方の地質図を作製する一環で赤穂市の調査を開始。計約200日かけて市内を巡り、崖や谷に残る約8200万年前(白亜紀後期)地層で、噴火による陥没やマグマが流れた痕跡を発見した。

 見つかったカルデラの規模は南北約16キロ、東西約21キロで、約9万年前までにできた阿蘇のカルデラ(南北約25キロ、東西約18キロ)とほぼ同規模。赤穂は形成時期がはるかに古いため、特有の凹状地形は見られず、風化によりできた土地に現在の市域があるという。

 かつて中国地方には活火山が多数あり、赤穂もその一つ。カルデラを形成する火成岩や堆積岩は強固な地盤になり、地震などの災害に強いとされる。

 カルデラ周辺には、金やガラス繊維に使れるろう石の鉱脈が形成される特徴があり、実際に赤穂市坂越で鉱脈で見つかっている。

 産総研は「赤穂は恐竜時代のカルデラにできたまち。地盤の強さは防災面で強みとなり、地形を生かした観光などにも活用できるのでは」とする。(西竹唯太朗)

 市民驚き「活用を」 市は慎重、事実確認優先 「赤穂に巨大カルデラ」

 赤穂市は約8200万年前(白亜紀後期)の火山噴火で生じたカルデラ上にできたまちだった−。産業技術総合研究所(産総研、茨城県つくば市)が8日に発表した調査結果に、赤穂市民から驚きの声が上がった。市職員らも「長年住んできたが生まれて初めて知った」と寝耳に水。一方で「観光資源として生かせるかも」と期待する声も出ている。

 産総研によると、カルデラは赤穂市を中心に南北約16キロ、東西約21キロに広がる。国内ではトップクラスの規模という。

 この日、大阪市内であった会見では、研究員が「同年代に形成されたカルデラは山間部が多いが、海沿いに位置し、その上にまちがあるケースは少ない」と説明。赤穂市坂越で見つかった金鉱石を示し「カルデラの形成過程で鉱脈ができた」と解説した。

 市民らは発表を驚きとともに受け止めた。市は「カルデラのことは初耳なので、まずは詳細な内容を知ることから始めたい」と慎重姿勢。カルデラが強い地盤を形成し、地震などに強いとされることにも、「事実なら定住促進などのPRに使えるが、それも事実を聞いてみることが先決」とした。

 国内有数の阿蘇カルデラ(熊本県阿蘇市)は、「世界ジオパーク」の認定を受け、地形を観光面で生かしている。赤穂市内の男性会社員(46)は「阿蘇のような観光地とするのは難しいと思うが、何らかの形で生かせるのでは」と期待する。(西竹唯太朗)



【とんび岩のコメント】


 カルデラの地盤は地震に強いとのことだが、先の熊本震災では、大学の寮や阿蘇神社など、阿蘇カルデラの内側でもそれなりに被害があったような気がしたが。相対的には軽微だったのかな(?)。

 形成時期が古いために、カルデラ特有の地形が風化などで既に無くなっていれば、観光資源などとして活用するのは困難だろう。記事に添えられている地図を見ると。カルデラの範囲を示した境界線のうち、西側の、寒河港→寒河峠→三石駅の部分は実線で描かれており、境界が確認されているようだ。この範囲を捜してみると、何か面白い発見ができるかもしれないない。尤もこのあたりは赤穂ではなくて備前市にあたるが。

 私のホームグラウンドの天下台山(相生市)はカルデラの境界線(推定区間)の外側に位置するので、外輪山の一角をなしていたのかもしれない。天下台山の岩石は火山岩の一種の流紋岩。流紋岩は地上に噴き出したマグマが地表付近で急速に固まった岩で、マグマの流れ方向に沿って縞模様(流理構造)がある。詳しくはこちら: 天下台山の岩石

 「赤穂は恐竜時代のカルデラにできたまち」という文言を見て、コナンドイルのSF小説「ロストワールド」を連想した。周囲から隔絶された赤穂にはふさわしい表現かも。

 「事実なら〜」という赤穂市のコメントは、発表者に失礼ではないかとも思った。事実か否か、どうやって確認するつもりだろう。

 



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