プロボクシング世界戦 小国王座陥落 引退へ 
2017/09/14 神戸新聞 

 13日、大阪市のオディオンアリーナ大阪で行われた、国際ボクシング連盟(IBF)スーパーバンタム級タイトルマッチで、王者の小国以載(ゆきのり)=角海老宝石、赤穂市出身=が同級3位の岩佐亮佑(セレス)に6回2分16秒TKO負けした。小国の出血が激しくなり、レフェリーが試合を止めた。岩佐は新王者。初防衛に失敗した小国は現役引退を表明した。

 27歳の岩佐は26戦24勝(16KO)2敗。小国は22戦19勝(7KO)2敗1分け。

 試合後、ファンから「また頑張ってください」と声をかけられた。小国は返した。「またはないっす」。日本人対決に敗れて初防衛は夢と消え、現役引退を表明した。

 因縁の対決だった。小国は神戸第一高2年の時、全国選抜大会で1学年下の岩佐に敗れている。岩佐はその後全国総体、国体を含め高校3冠を達成。そんな相手をピーマンにたとえ「苦手でやりにくい」と小国。「ビビりです。メインカードは荷が重い」と放言した。

 そんな苦手意識は最後まで抜けなかった。挑戦者のスピードあるパンチをかわすイメージも膨れませてきた小国だったがことごとく左ストレートを浴び、2回までに3度のダウンを喫した。「試合を止められても文句は言えない」と言葉を紡いだ。

 東洋太平洋王座の4度目防衛に失敗した2013年、引退を表明したが、再起を期して現ジムへ移籍。昨年末、28歳で世界初挑戦、22戦22KOの無敗王者を破って名を上げたところだった。試合後もおどけるような口ぶりで記者の質問に応じていたが、最後は「悔しいっす」と両目をタオルで押さえた。赤穂中3年から立ち続けてきたリングを降りる時がきた。     (藤村有希子)

【評】 サウスポーの岩佐が小国を左で圧倒した。1回に左ストレートが顔面を捉え、小国にしりもちをつかせる。2回も同様のパンチで2度のダウンを奪い、優位に立った。6回は効果的にパンチを浴びせ、相手の出血が激しくなったところで、試合がストップした。
 小国は岩佐の左に対する防御が甘かった。4、5回に反撃したのは王者として意地だった。

                   ◆              ◆

 「最後が岩佐でよかった」(神戸新聞NTXTより)

 初防衛を失敗し、引退を表明した小国以戴(ゆきのり)=角海老宝石、赤穂市出身=は試合後、顔を赤く腫らしながらもさばさばと語った。

 −試合を終えて。

 「完敗です。僕、やっぱりサウスポーあかんすね。始まって『結構いけるかも』と思ったんですけど、あれだけタイミングをどんぴしゃで合わされて。盛り返す力はなかった。(岩佐は)強いというか、タイミングをずらすのがうまかった。どつき合ったろと思ってたんですが」

 −作戦は。

 「1回から4回まで全力でいく、というのが作戦です。でも、1回にダウンして出ばなから失敗でした。(4、5回は盛り返し)『何か起こらんかな』と思ったんですが何も起こらん。一方的な展開でした」

 −出血したのは。

 「唇です。もうめんたいこ状態です。みたことないくらい『ドバー』ってえげつない血の量が出てたので、止められても文句はいえないすね。ああ、終わったなと」

 −高校時代に敗れた岩佐選手に再び敗北。

 「やっぱり苦手でしたね。(自分が苦手な)ピーマン、食べれませんでした。引退です。仕方ないっす。負けてしまったんで。勝負の世界ですから。すっきりしてます。(トレーナーの)阿部さんと(ジムの)会長には申し訳ない。最善を尽くしてもらってこれだったので。悔しいですけど…」

 −王者の経験は。

 「最高でもあり、常にプレッシャーを感じるしんどい場所でもありました。今はほっとしています。重い荷物を下ろした感じで、晴れ晴れとしています。1週間とかしたら『くっそー』とか思ってるかもしれないですけど」

 −岩佐選手には。

 「ありがとうと言いたい。高校時代は一方的にやられて、ここで再戦というのもすごい因縁やなあと。やっぱり強い。訳分からんやつに負けるんなら、最後が岩佐で良かった」

 −1、2回のダウンが痛かった。

 「左ストレートが全然見えてなかった。試合しながら『何も反応できず(パンチを)もらっとるな』と思いながらやってました。情けない。そこから巻き戻せるほどの力はなかった。自分も強いパンチを打てなかった」

 −ダメージは。

 「それは全然ないです。パンチはないけどタイミングで倒された」

 −引退に迷いはないか。

 「ここから再起戦とか、誰とやんねんと。もう年ですし、体がついていきませんね」

 −赤穂からも大勢のファンが訪れた。

 「あれだけ盛り上げてくれて応援歌もつくってくれたのに、ほんまに申し訳ないです」

 −今後は。

 「仕事探しています。スポンサー紹介してください(笑)」



【とんび岩のコメント】


 小国は、闘う前から「気力」で負けていたようだ。

 記者に対する受け応えは正直で嫌みが無い。

 自分を騙せなかったということなのだろうか?。
  



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