龍野で奇祭さいれん坊主
2000/08/16 神戸新聞


  奇妙なほおずき形のちょうちんの灯(ひ)が夏の夜空に群舞する奇祭「さいれん坊主」が十五日夜、龍野市揖西町中垣内の恩徳寺で行われ、多くの見物人が幻想的な世界に見入った。

 祭りの起源は古く、一説には室町・嘉吉の乱以降ともいわれる。一四四一年、播磨守護・赤松満祐は京で将軍・足利義教を暗殺するが、幕府軍の追討で一族は本拠播磨で自死、討ち死にした。揖西の里も一面火をかけられ多数の死者が出たが、その霊を人々が雨ごいと称し隠れ供養したのが、祭りの始まりとされる。盆の送り火に虫送りの行事などが重ねられている。

 さいれん坊主とは長さ二―三メートルの竹ざおの先を割って作った坊主頭のようなちょうちんのことで、祭礼坊主がなまったという。

 地元の子どもたち約百三十人は午後七時ごろから、火を入れた竹ちょうちんを手に高く差し上げ、町内を行列。恩徳寺に到着すると、鐘と太鼓の音の中、輪になって、ちょうちんを上下に揺らしながら境内を何度も回った。訪れた人々は、暗やみに、死者の霊魂を思わせる灯火がゆらゆらと漂うさまを思い思いに眺め、堪能していた。

(掲載日: 20000816 )


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