投資戦略の発想法

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木村剛著 講談社 1,700円 2001/2/28初版

感想 5点(5点満点中)
読書期間:2001.4/20〜4/24
ちまたには株式投資の本が溢れかえっている。「株で〜億円儲ける方法」の様なたぐいである。確かにこのたぐいの本に惹かれはしたが、「そんなうまい話は本当か!?」という気持ちもある。そこで巡り合ったのが本書。普通のビジネスマンが実現できそうな方法が良心的に書いてある。私の投資戦略は本書を参考にした。著者が薦める3冊の本を次に読むことにした。


要旨
財産を形成することに関心のある大多数の普通のビジネスマン向け。
投資戦略の中核は「自分と自分の家族を守る」。
@家計管理をする。
A生活防衛資金を貯める(支出の2年分)。この資金は手をつけない。
B余剰資金でポートフォリオを三分割(国内株式、国債、外貨預金)する。
C国内株式投資をする。20銘柄持ち、長期間保有する。

第一段階 家計管理
自分の資産と負債を洗い出し、バランスシートをつくる。
家計簿を基に家計の支出を管理する。
節約は確実な運用方法。こんなリスクのない高利回り商品に勝てる金融商品などない。
自分自身の投資行動をコントロールできる「意志の強さ」が最も重要。
生活水準を管理できない人は投資を管理することなどは絶対にできない。
家計管理を会社経営のように考えられない人は投資の世界に向かない。

第二段階 生活防衛資金の確保
「いまの生活水準を長期的にどうやって守っていくのか」という視点は投資戦略上、本当に重要。
「生活防衛資金」とは二年間今までの生活水準を落とさずに暮らしていけるだけの資金。個人投資家は本格的な投資に入る前に、まずは、生活防衛資金を貯めなければならない。
生活防衛資金がない状況下での投資は、本人がいくらリスク許容度があると思っていても、それは単なる蛮勇。
現在の生活水準を維持するために投資による高い利回りが必要だという考え方は許されない。そういう考え方はわが身の破滅を招くだけ。
生活防衛資金を、将来の生活防衛資金を稼ぐための投資に振り向けてはならない。
生活防衛資金は元本を失うことなく、流動性を確保することが重要。銀行預金、MMF、短期国債など。

仕事
あなたの最も有力な収入源は、現在の仕事からの収入=給料であるはず。ポートフォリオ(保有する有価証券の一覧表)のリターンを最大化するには、仕事で成功することが一番重要。
資産運用は副業にすぎない。仕事に集中できないような投資には決して手を染めてはならない。

老後
払ったぶんの年金が帰ってくるなどとアテにしてはならない。
ファイナンシャルインディペンデンス(お金の心配から自由になった状況)を目標にすべき。
60歳でリタイアしようと思ったら20〜30年分の所得が必要。

持家
借金して家を買うというのは、かつかつの生活費しかないのにもかかわらず、非常に大きなリスク資産に、しかも金利がどうなるかわからないというリスクまで背負って投資するということにほかならない。
どちらが大きなリスクを負っていると思いますか。劣化して資産価値が下がったマンションを持っている、それとも資産価値を増やした株や現金を持っている。

第三段階 三分割ポートフォリオ
個人投資家は流動性が高く時価がはっきりわかるものを中心にポートフォリオを作るべき。
アセットアロケーション(投資する対象のカテゴリーを決定すること)の段階で投資成績の7割程度が決定してしまう。
よってポートフォリオの対象は、国内株式、国債、外貨預金に三分割する。
「個別銘柄はわからない」という場合には、インデックスファンド(東証株価指数(TOPIX)などのインデックスと同じ動きをするように設計された株式投信)を買う。
ファンド(株式投資信託)のパフォーマンスはコスト分だけ確実に下がる。
日本の代表的な国内株式型投信を東証株価指数(TOPIX)と比較すると、平均株価のリターンを上回っているものの方が少ない。
国債は投資の準主力として、国内株式と外貨預金を引いた残りでおさえておく。
外貨預金は国内株式いも国債にもヘッジできないリスクに対して有効。
社債は売りにくい。

第四段階 国内株式投資
経済全体の価値の増大を尤も良く反映しているのが株価である。
資本主義経済である限り、これからも経済は成長し続ける。
過去30年保有の年平均株価収益率は12%近い高利回りだ。
ゆっくりと着実に、しかし長期間株式市場に留まり続ける。それが個人投資家のみができる必勝の投資戦略。
統計的な事実により、20銘柄もてばおおむねリスクは低くなる。
勝っていると保守的に対応するが、負けが込んでくると、一か八かのギャンブルに出るようになる。
勝手な思い込みで誤った方向に突っ走ることのないようにするために、行動を起こす前に骨太の投資戦略を構築して、揺れやすい自分自身の心理と戦いながら、それを遵守していくというプロセスを踏む必要がある。
個人投資家は、情報量と資金量では機関投資家に絶対に勝てない。
デイトレーディングは御法度。
タイミングをとらえて株を売買する手法は決して成功しない。
株式累積投資(株を定期的に同じ額だけ買う投資手法)は価格変動リスクを分散させる効果がある。
以上

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