IPアドレスで個人特定は可能か?


2004/3/21 一部加筆(加筆部分はオレンジ色になってます。)

 

皆さん、一度は「IPアドレスが知られると身元がばれる」と聞いた事があると思います。
これは本当の事なのでしょうか?
私なりの考えをここで述べてみたいと思います。

まず、IPアドレスとは”インターネット上で自分に割り振られた番号”と思っていただければいいと思います。
ですから、何らかの事をネット中でする限り、IPアドレスは相手サーバに通知されます。
なぜなら、「貴方の番号がわからない限り、データを貴方宛に送信できない」からです。

次に、個人でインターネットに接続している場合は、契約しているISP(インターネットサービスプロバイダー)から一時的にIPアドレスを借りてインターネットに接続するのが普通であり、かつ借りたIPアドレス自体も再接続すれば一定範囲内でIPアドレスは変動します。(固定IPアドレス利用者は除く)
そして、IPアドレスの利用範囲ごとの情報は、すべて公開されており、ドメイン名登録情報検索サービス(WHOISサービス)を使えばその登録関連情報が誰でも取得可能ですが、公開されているのは、あくまでIPアドレスの保有者の情報であって、今使っているユーザーの個人情報ではありません。
ですから個人情報を意図的に書かない限り、ISPの名前以外の情報が第3者に漏れる心配は普通ありませんので、「個人でプロバイダー経由でインターネットにつないでいる場合は固定IPアドレスでない限り匿名に等しい状態であり、知られても契約しているISPの情報ぐらいにすぎない」と考えても差し支えないと思います。
例外として
・「ISPがごく限られた地域でしかサービスを行っていない場合」は居住地域(市町村レベル)まで特定可能です。
・IPアドレスから接続地域を検索出来るサービスを使い、居住地域(市町村レベル)を知る事が出来る場合があります。
・固定IPアドレスサービスを利用しそのIPアドレスでドメイン運用している場合はWHOISサービスで特定可能な場合があります
・逆に公開プロクシサーバを介して接続してしている場合、どこの誰やらわからない状態になります。

仮に企業・学校のLANを介してインターネットに接続した場合はどうなるでしょう?
上記に紹介した”ドメイン名登録情報検索サービス”を利用すれば接続元の企業・学校は一目瞭然でわかりますので、名前はもちろんの事、住所、電話番号、管理者名、管理者連絡用メールアドレスもわかります。

 


以上の内容をパターン分けしてみると、以下のようになります。

・ISP経由の個人利用(固定IPアドレス利用者は除く)の場合
IPアドレスだけで利用者の個人情報が漏れる事はほぼ無いので、気にする必要は無いでしょう。

・ISP経由の個人利用(個人IPアドレスサービス利用者)の場合
固定IPアドレスと取得ドメインが連動している場合は、WHOISサービス登録情報から個人特定できる場合があります。

・学校LAN経由で利用している場合
どこの学校からアクセスしているかがわかるぐらいで利用者の個人情報が漏れる事はほぼないです。
ただし、学校の品位を落しかねない所へのアクセスは控えた方が良いでしょう。

・企業LAN経由で利用している場合
WHOISサービスを利用して、貴方の勤務先は簡単に特定できます。
利用者個人の情報は外部に漏れなくても、「私用でインターネットは禁止」の内規が存在すれば処分対象となります。
企業からは、内規で許可されている条件下でのみインターネットを利用すべきでしょう。

共通事項
「公開プロクシサーバ」を経由している場合、情報が漏れる事は無いでしょう。
(ただし、そのサーバ設定に依存します。)

 

一応、
 「上記パターンに例示さてるような」一定の条件が揃っていれば個人を特定出来る場合もありうるが、
そうでなければ特定はまず無理。
(2004/3/21 上記文章中、かぎ括弧内オレンジ色の文章を加筆)
と思って差し支えないと考えます。
例外
法に抵触する行動であると公権力(警察・検察・裁判所など)が判断したら、匿名性はなくなる。
(「開示命令」や「令状」がキーワード。)

 

 

以上の事から、

IPアドレスで個人特定は可能か?

結論

現時点において、 インターネットはまじめに利用している限り、
IPアドレスだけで個人特定する事は一部例外を除いて無理です。


(2004/3/21 以下、かぎ括弧内オレンジ色の文章を加筆)

だからといって、 なんでもしてよい訳ではありません。
ネットであってもそれを読む相手がいる以上、 現実社会と同じで、 面と向かって話しているのと変わらないですし、 法に抵触する事などすれば、匿名性などふっとび現実社会で償いをしなくてはならないのです。

ただし、ここで書いていることは、 「IPアドレスのみで個人を特定する事は無理」と言う事であり、
「IPアドレスを公開しても問題は発生しない」と言う意味ではありませんので誤解されないようお願いします。
あくまで「閲覧者側の視点で書いたもの」であり、「Web管理者、掲示板管理者の視点で書いたもの」ではありません。

閲覧者(=見る側)の方は、あまり神経質になリ過ぎることなく、
常に自らの言動と接続環境に注意しながら」快適なネット生活をお楽しみください。

運営上、管理権限を持っている方(=Web・掲示板等を管理する側)は、
「管理上取得可能な情報(IPアドレスなど)」の利用及び管理に十分な注意と配慮をお願いします。

 

 


(2004/5/22追記)
たまに、別ハン・ダブハンなどの証拠と称して「WHOIS公開情報を転載している人がいますが・・・
これらの情報を提供している機関で定められた規約の違反行為になりますので、

WHOIS情報を勝手に他の場所にコピー&ペーストしてはいけません。

参考(JPドメイン名の場合)
JP ドメイン名登録情報の取り扱い等に関する規則(日本レジストリサービス)
http://jprs.jp/doc/rule/disclose-rule.html
第5条第2項
> WHOIS 公開情報の提供を受けた者(以下「情報受領者」という)は、ポリシーに定める目的の範囲内で、自己の責任において当該のWHOIS公開情報 を利用するほか、当社の書面による承諾なく、当該情報を第三者に提供しまたは公開、頒布してはならない。

JPNICデータベース登録情報の取扱いに関するポリシー
http://www.jpnic.net/doc/jpnic-00818.html
> ネットワークの運用、特にインターネット上での自律的なトラブル解決 のために、インターネットユーザが必要とする登録情報については、これを公開・開示する。

WHOIS情報は、上記ルールを守る事を大前提としてインターネット上で公開されています。
そして世界各国にあるドメイン管理機関でも同様の規則があります。
ですから、公開されている目的外である「許可なく別のところにWHOIS情報を転載する行為」は、
利用規約違反となり、最悪の場合・・・・・
「貴方とWHOIS情報提供機関の間で、紛争が発生する可能性」があります。

はっきりいって
「WHOIS公開情報は、ダブハン・別ハンを不特定多数に知らしめる目的で使うものではありません。」

 

結論
WHOIS公開情報を利用する際には、定められたルールを守って使いましょう。

 

 

 

別途追記(2004/3/21)

 

追記その1
検索すると、「一部例外」と書いている部分の意味を
完全に取り違いされている方がいたので別途追記します。

結論に書いてある「一部例外」について、上記小話で例示した内容を元に補足します。

 

1:個人でドメインを取得し運用している方の場合

Whois登録情報から 個人特定可能です。
このような条権威当てはまる方は、投稿をはじめとする自分の行動に細心の注意をはらう必要があるでしょう。
とはいえ、Whois情報によっては100%間違いないものとはいえない場合が少数ながらありえます。・
(例:内容登録変更があって、それがまだ反映されていない場合←情報を取得するタイミングによってはありうる)

 

2:特定地域のみをサービスエリアとしているISPの利用者の場合

普段の生活に関する情報をなにも考えずに投稿している人の場合・・・・
その投稿者が書いている普段の生活に関わる情報を、、
その投稿者を現実社会において知っている人(近所の人とか)や、
投稿者と生活上の接点がある人がたまたまその投稿を読んで、
且つ、読む人個人が元々持っている情報と一致した場合に限り、
個人特定というか誰が投稿しているかの推察は可能です。
逆にいえば、投稿者の生活パターンを知っている人であっても、
推論レベルでしかないし、特定できるとまではいいきれないとなります。

というか・・・・・断定する為には、ISPが持つ顧客情報が必要です。
ただし、ISPには電気通信事業法4条の規定がありますので、
「法的手続を踏んだ一部の事例を除き、ISPが個人情報を開示する事はまずありえません。」

 

3:特定地区のみを対象として提供されているサービスを利用した場合

この場合、そのサービスの利用者すべてが「現実社会におけるご近所さん」になりますので、
自分の情報は皆に知られているとあらかじめ考えなければなりませんし、
その情報を照らし合わせる事により、非常に簡単に個人を特定可能であると考えられます。
例えば、勤務先からそのサービスを利用した場合、接続IPアドレスが表示されていると、
利用した人が自ら「私は○○社に勤務してます」と公開したのと同じことになります。
そして、その会社に勤務しているのがその地域で貴方一人だとすると・・・
「利用者は、一発で貴方個人を特定可能です。」
また、何も考えずに貴方の普段の生活状態などを綴った場合であっても、
「貴方のご近所さんは、それを見ただけで、貴方個人を特定できます。」

ただし、これは「現実社会と密接に絡み合う、非常に狭義なコミュニティー」、
すなわち、一般的とはいえない「特殊環境下」における話ですので、
一般的にWeb閲覧するとか各サービスを利用する場合などにはまず当てはまりません。

 

 

では、今までの話をまとめます。

「Whois情報で貴方の個人情報を誰もが確認できる場合を除き、下手に自分の生活状態などを細かく投稿したり、知られたりしない限りは、一般人が投稿者個人を特定する事は、法的手段を除きほぼ不可能です。」

ですから、IPアドレスだけを元に個人を特定する事は、
よほどの事が無い限り不可能だと考えて差し支えないです。

ただし、掲示板、チャットなどは、別の視点から注意する必要があります 。
この話は別の小話の中で、いくつか紹介してますので、
そちらもあわせてお読みいただきたく思います。

掲示板・チャットでの書き込みの際、
IPアドレスの表示によって、その発言の責任を担保できるのか?

(注:別のウィンドウで開きます。)

管理者の立場とは?
(注:別のウインドウで開きます。)

以上、追記でした(笑)

PS
一番下の「戻る」のリンクをクリックすると小話一覧にいきます。

 


追記その2

H14. 6.26 東京地方裁判所 平成13年(ワ)第15125号 損害賠償等請求(一審)
H14.12.25 東京高等裁判所 平成14年(ネ)第4083号 損害賠償等請求事件(控訴審)

このようなこともあります。
一応紹介(w

 

 

 

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