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自衛隊の災害派遣について知ることのできるページ

目次

参考文献

 ここでは参考文献のうち、市販本、公立図書館に所蔵等比較的入手・閲覧しやすいものを中心に

災害派遣の概要

『自然災害に対する地方自治体および住民の対応』

(国立国会図書館調査及び立法考査局編・発行/2002年7月)(調査資料2002-3)

 本報告書は2000年年から続く三宅島の噴火災害に関する報告書であるが、福田毅氏による第7章「第7章 自衛隊の災害派遣」(p93-112)は紙面の大半を「災害派遣」の解説に費やしている。本報告書の特徴は災害派遣の根拠、運用、問題点が分かりやすくかつ偏りなくまとめられていることと、阪神・淡路大震災以降の法改正、装備更新等がまとめられていることである。災害派遣について調べるなら必ず読んでおくべきと考える。

『わが国の新しい大規模災害応急対策』

(大規模災害応急対策研究会編/ぎょうせい/1996年8月)

 第3篇に「自衛隊における大規模災害応急対策」として、災害派遣の概要、1990年代前半の主要な災害派遣が掲載されている。防衛庁の公式見解(と思われる)内容であり、また小規模な災害派遣については触れられていない。書店で市販されているため、比較的容易に入手できるとともに、警察や消防の活動についてもまとめられているので一度見ておいたほうがよい。

災害対策と自衛隊-震災3年目の自衛隊の災害派遣の展望と課題-

(小村隆史/『近代消防』/近代消防社/1997年2月臨時増刊)

自衛隊の災害派遣そのものや、これに関する課題(自主派遣や要請、自治体との関係、装備、部隊配置など)と提言が簡潔にまとめられている。特に阪神・淡路大震災が浮上させた問題として「『国民の財産』としての自衛隊という『資源』をどう活用するか」 「自衛隊は社会の期待にどう応えるか」 をあげており、自衛隊の災害派遣を研究するうえでの問題点を非常に分かり易く示されている。

災害時における自衛隊の役割

志方俊之/『震災そのときのために1』(1はローマ数字)/国会資料編纂会/1995年11月

阪神・淡路大震災や北海道南西沖地震など、地震災害を例に取り上げられていまる。また、それ以外にも自衛隊の災害派遣に関する基本的な事項すなわち、国の災害対処全体の中での自衛隊の役割や、自衛隊が対処すべき災害の段階、歴史、法制、今後の課題等について記述されている。

 特に「地震災害の特徴と自己完結的な救援態勢」を読めば、災害時(特に大規模災害)に行った活動に関する記録の意味を理解するのに大変役立つことと思います。志方氏のものは災害後の活動が主となっており、災害前の活動を主とした小村氏のものとあわせて読むとよい。

特定分野

知られざる自衛隊災害医療

(白濱龍興/悠飛社/2004年6月30日)

自衛隊および衛生科の紹介から始まり、災害医療の概説、災害派遣時の医療、NBC災害、国際平和協力活動時の医療等、災害派遣にかかわらず、MOOTW時の医療活動全般について一般の方にもわかりやすく書かれており、過去の主要な災害における衛生科の活動も記されているので大変参考になる。

国内の大規模災害と自衛隊-特に医療支援について-

(白濱 龍興/『日本醫事新報』/日本醫事新報社/2000年1月15日号)

  災害派遣のうち医療分野について個々の事例として北海道南西沖地震、阪神・淡路大震災、地下鉄サリン事件における災害派遣の簡単な説明と、全般的なものとして自衛隊の装備、訓練状況、待機状況、ヘリ搬送、人員(医官・看護官・衛生科隊員数)、災害医療に関する説明等が記載されている。

自衛隊と災害NPOのパートナーシップ-アメリカの災害救援をてがかりに-

(中村 太・小柳 順一/『防衛研究所紀要』/第5巻第3号 2003年3月)

「いわゆる災害NPOと災害派遣された自衛隊がどのように連携するか」という命題に対して、国内の災害NPOへのアンケート調査や過去の実例、米国における米国軍とアメリカ赤十字を中心とするNPOとの連携をてがかりに述べているものであり、NPOとは地方自治体や(強化された)日本赤十字社を通じての連携が適切であり、自衛隊の側もNPOの実態を把握し、相互理解を深めることが重要であるとしている。

自衛隊(制度等)について理解するための文献

『よくわかる日本の防衛』

(防衛問題研究会編/日本加除出版/2000年4月)

自衛隊に関する基本的な事実が網羅されている。

『防衛白書』

(防衛庁編/財務省印刷局)

 法的根拠や、手続きなど基本的なことが分かり易い図入りで書かれています。防衛庁ホ−ムページより全文見ることが出来る。(防衛白書は昭和45年と昭和50年以降の毎年発行)

『防衛ハンドブック』

(朝雲新聞社編集局編/朝雲新聞社)

 毎年発行されている。防衛計画、人事、組織、教育制度、災害派遣、民生支援、兵器性能、統一解釈、各政党の政策、諸外国、駐屯地住所など、重要な様々な情報が記載されており、価格も約1,000円と安いので自衛隊に興味があるのであれば1冊購入するとよい。

自衛隊(隊員等)について理解するための文献

『自衛隊遊モア事典』

(防衛弘済会編/講談社/1996年6月)

自衛隊用語の事典。学術的なことには向かないが、自衛隊の雰囲気を知るのによい。ただし古いので今は変わっている部分もある。

『兵士に聞け』

(杉山隆男/新潮社/平成10年8月1日 ハードカバーは平成7年7月)

 1990年代前半、湾岸戦争や雲仙岳噴火災害派遣などがあって、一般人が自衛隊について関心を持ち始めたころの自衛官の姿を描いたノンフィクション。災害派遣関係では護衛艦による遭難船舶の救助や北海道南西沖地震時の空自レーダサイト隊員の初動が記述されている。

『兵士を見よ』

(杉山隆男/新潮社/平成13年3月1日 ハードカバーは平成10年9月)

『兵士に聞け』の続編に当たる。災害派遣関係では空自救難隊の様子が描かれている。

安全保障・国防・軍政関係・軍民関係論

『防衛学概論』

(服部実/原書房/1980年12月25日)

軍事力の役割の1つとして災害救助ににも触れている。

『安全保障学入門』

(防衛大学校 安全保障学研究会編/亜紀書房/1998年2月25日)
1990年代以降の安全保障に関する本。軍事力による災害救助任務が重視されつつあることなども触れているので、災害派遣を本格的に研究するならば、一度読んでおいた方がよい。

なお『新版 安全保障学入門』(亜紀書房2001年10月25日)では第4章「軍事力と安全保障」が大幅に改定されており、災害派遣の意義に関する情報がほとんど削除されているため注意されたい。(2002.5.14追記)

国防の変容と軍隊の管理-冷戦後の防衛管理のために-

(デイヴィッド・チューター著 土屋 龍司訳/朝雲新聞社/平成15年2月11日)

 本著では、軍隊と国家・市民社会の関係について扱っている。一般的に軍隊と国家に関する著作は、軍隊を脅威として扱い無力化しようとするが、本著では「我々はなぜ軍隊を必要とするのか、そして、軍隊は何のために使用されるのか」という問題に対しさまざまな方法でアプローチを試みている。災害派遣に関する記述はほとんどないが、災害派遣を行う「自衛隊」という組織についての思索を深める時に、1つの手がかりとなることは間違いない。

抑止力を越えて-2020年の軍事力-

(中村好寿/時潮社/平成8年9月18日)

本著は災害派遣を取り上げたものではない、しかし、なぜ自衛隊が災害派遣をしなければならないか、どのような考え方に基づいて災害派遣を行うのかという問いに、1つの回答を与えてくれるものである。

 本著は現代の軍隊の役割を一般によく知られているサミエル・ハンチントンらの「暴力の管理」論(軍人独自の知識・技能から軍隊の役割は戦場での勝利の追及「のみ」であるとする)ではなく、モリツ・ジャノビッツらの軍隊と社会との関係から捉え、軍隊とは、1「国家が独占的に使用する手段」2「国民が要請するいかなる役割にも取り組む」3「役割を生命の危険と賭して遂行する(無制限の責務)」ものであるという考え方に従い、現代の軍隊は国際社会の「安定化」という要請にこたえるべく「コンスタブラリー・フォース」論に基づく軍隊になりつつあり、今後もさらに発展するというものである。

 「コンスタブラリー・フォース」論に基づく軍隊は、「安全で活力ある国際関係を構築する」「目標達成のために常時行動しうる」「力の行使は最低限にとどめる」こと、つまり、警察的性格を持つことから「コンスタブラリー・フォース」と呼ばれる。しかし、「暴力の管理」を否定するものではなく、また、一般市民より構成される警察とは異なり「無制限の責務条項」をもちだからこそ戦闘任務を付与されているとする。

 災害派遣に関しても数ページを割いて述べられ、さまざまの災害派遣に関する考え方と各時代の主流の考え方が示されている。

辞典類

 災害派遣研究をするなら個人的に所有した方がよいのでしょうが、高いので近くの図書館で購入していただくと言う手もあるかも知れません。

『防衛用語辞典』

(真邉正行編著/国書刊行会/平成12年6月5日)

 防衛関係の用語集。

『世界軍事略語辞典』

 森田茂 和田誠一編(国書刊行会/平成3年3月25日)

 自衛隊等で使用される略語の元になった英単語や意味を調べることが出来ます。多少古いが、各地の図書館等で比較的容易に閲覧可能。

『山本賢の軍事英和辞典』『山本賢の軍事略語英和辞典』

(山本賢著/自衛隊援護協会/平成16年1月15日)

 著者が陸自(武器科)、防衛関連企業、JICA等の勤務時に使った英単語をまとめたもの。国会図書館には所蔵されていないようなので入手は(財)自衛隊援護協会に問い合わせる必要あり。

各自治体などの記録

 都道府県など自治体は一般的に大きな災害後約1年程度で災害に関する報告書を発表しています。災害の概要から行政機関の対応など災害に関する基本的な事項が記載されています。自治体同士で交換し、図書館に収蔵されることが多く、閲覧は比較的容易です。

 また、インターネットで公開されているものもあります。例えば、阪神・淡路大震災では阪神・淡路大震災の教訓情報分析・活用調査調査委員会による阪神・淡路大震災教訓情報資料集がインターネットで閲覧できます。

防衛庁(自衛隊)広報

防衛白書

防衛白書は昭和45年と昭和50年以降の毎年発行。平成7年など一部の年度は要約ですが、それ以外は、インターネット上で閲覧できる。もちろん書籍となったものは多くの図書館に所蔵されている。

SECURITARIAN(旧 防衛アンテナ)

 防衛弘済会が発行・防衛庁が編集協力する事実上の防衛庁広報紙。一部記事はインターネット上からも閲覧できる、都道府県立クラスの図書館にはバックナンバーがある。

各部隊のホームページ

 各部隊や地方連絡部のホームページでは現在や近年の災害派遣について紹介。

自衛隊員ほか関係者回想・日記

 災害派遣にかかわった隊員や関係者の記録。一般的に主観的ではあるがそれぞれの立場に応じた記述が興味深い。

Teruo's Book

元第5師団長山下輝男氏のホームページ。

指揮官・幕僚として北海道南西沖地震(29普連長)、阪神・淡路大震災(中方総監部防衛部長)、三宅島噴火(1師団副師団長)、十勝沖地震(第5師団長)を経験しており、その経験やこれを踏まえた提言がある。

『草兵日記-ある自衛隊員の二十五年-』

(小糸 満/原書房/1976年)

 陸軍・警察予備隊を経て1等陸佐で退官した草場安夫氏の日記(小糸満はペンネーム)。38豪雪(34普連中隊長)、新潟地震(12師団司令部防衛班長)などに災害派遣されている。日記というきわめて個人的な記述と指揮官と幕僚の立場で大きな災害派遣に参加した経歴は、きわめて興味深い内容として本書に著されている。

本書を取り上げた当サイト内 「ある中隊長の災害派遣」も参照

『幾山河−沖縄自衛隊-』

(桑江 良逢/原書房/1982年5月15日)

 沖縄県生まれで陸軍警察予備隊、陸自臨時第1混成群長を経て第1混成団長で退官し、その後沖縄県議会議員を勤めた桑江氏のエッセイ集。急患空輸等災害派遣に関するエッセイも数編収められている。災害派遣のみならず本土復帰後の沖縄と自衛隊の関係を理解するのに役立つ。

その他内部資料等

 自衛隊の内部資料は通常一般公開されていませんが、次の方法で閲覧することができます。

公共図書館等で公開されているものを閲覧する

下記の資料はそれぞれの図書館等に所蔵されており、誰でも閲覧することが可能です。また、下記以外にも自治体の報告書には自衛隊側のデータや報告書の一部が引用されていることがあります。

『伊勢湾台風災害派遣誌』
第10混成団(愛知県図書館(禁帯出)、三重県鳥羽市立図書館(禁帯出))
『38・1豪雪災害派遣誌』
陸上幕僚監部(国会図書館・新潟県立図書館(禁帯出))
『阪神・淡路大震災 災害派遣行動史』
第10師団(国会図書館・兵庫県立図書館)
『阪神・淡路大震災に伴う災害派遣』
中部方面総監部(兵庫県立図書館・人と防災未来センター)
『雲仙岳噴火災害派遣行動史』
陸上幕僚監部(長崎県立図書館(禁帯出))

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