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自衛隊の災害派遣について知ることのできるページ

目次

「中華民国」における「国軍」の災害対処

「中華民国」における「国軍」の災害対処について主として法律面から分析しました。情報源は「国防部」及び「内政部消防署」等です。(これらの閲覧には中国語「Big5」が必要なようです)なお情報収集日は2002年10月下旬頃です。

中華民国及び国軍の概要

 中華民国の災害発生形態は日本の九州地区と同様と考えれば差し支えないであろう。現在の政治形態は民主主義的で、元々国民党軍として発足した国軍も、現在は国民党以外の政党を与党とする政権にも忠誠を尽くしている。この点も日本とほぼ同様である。

 ただ、日本と決定的に異なり直接的な同盟国はおろか国交を持つ国も少なく、中華人民共和国という強大な敵国と海峡を挟んで対峙しており、この点はほぼすべての国家と国交を持ち顕在化した敵国を持たない日本と異なる。また、後備軍人や民間防衛組織があることも日本とは異なる点である。

 「平成13年度版防衛ハンドブック」(朝雲新聞社)によれば国軍の兵力は陸軍約24万人、海兵隊約3万人、海軍約22万トン350隻、空軍作戦機約710機(海軍作戦機約30機を含む)であり、徴兵期間が2年間とされている。

国軍関係主要法規の概説

中華民國憲法の概要

 憲法第43条には国民大会休会時の自然災害を含む国家の緊急事態に相当が緊急命令を出せる規定

 憲法第107条に国防と国防軍事に関する立法及び執行は中央が行う旨の記述がある。また第13章第1節(137条から140条)には国家の安全と世界平和を目的とする国防組織の保有、文民統制などについて定められている。

 なお、憲法157条に災害対応に関する規定がある。

国防法の概要

 国防法は憲法第137条に基づいて立法化されたもので、国軍が災害救助に当たる明文規定はない。。

 ただし、第28条に行政院が行う,行政院が法律に基づいて組織した人民の生命、財産の安全を保護し、平時には災害救助、戦時に軍の任務を支援するための、民防組織(民間防衛組織)を演習、訓練する旨規定されている

兵役法に見られる災害関係規定

 兵役法第19条には天災時に現役を延長できる旨の規定がある。

国軍による災害救助を規定する諸法規

概説

 国防法など国防に関する主要な法規の中では災害救助活動を直接規定するものはなかった。この点は日本で国防に関する基本法である自衛隊法で災害派遣の規定を有していることとは大きく異なるものである。

 しかし、国防部は災害に関する行動を実施している。現実に1999年の集集大地震で活動した実態があるとされている。

諸法規

災害防救法

 日本の災害対策基本法に相当すると思われる「災害防救法」では、この法律の主管機関を内政部(地方に置いては直轄市、縣(市)政府としている。

 第9条では縣(市)政府は「災害防救會報」(日本の防災会議の相当すると見られる)を組織し、軍事機関の代表等を派遣し、招聘できる。とされている

 第29条では「災害応変中心」(災害対策本部?)成立後国軍は警察消防含む他の政府機関、後備軍人、民防組織その他と共に災害応変中心の指揮、指導を受け協調する。「災害応変中心」の指揮官は直轄市、縣(市)政府の首長である。

 第34条4項では直轄市、縣(市)及び中央災害防救業務主管機関は国軍の支援を申請することが出来るとされている。細部は以下に記す。

申請国軍支援災害処理弁法

 本法は民國90年(2000年)に発布・施行されたもので、これ以前は民國56年に施行され民國89年に廃止された「台湾地区天然災害申請国軍支援弁法」が適用されていたと見られる。

 現行の「申請国軍支援災害処理弁法」は「内政部消防署」の主管、「台湾地区天然災害申請国軍支援弁法」は「国防部」が主管していたようである。

 「申請国軍支援災害処理弁法」に定められた規定は概ね日本の派遣要請方法と同一である。(自治体の能力及び中央の能力を超えたときに、自治体から原則文書で要請、派遣は国軍の能力の範囲で防衛任務に影響がないときに行うなど)ただし費用負担は日本の民生支援に近く、機材・燃費の実費を徴収するようである。

 台湾地区天然災害申請国軍支援弁法と現行法に大きな違いはないと思われる。(台湾省廃止による修正か)

賞罰規定等

 災害時に限定した特別な賞罰は無く、通常の手続きによって賞罰が与えられるようだ。

まとめ

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