自衛隊の災害派遣について知ることのできるページ

防衛庁をはじめ各機関・自治体・その他団体などとは全く関係のないことをお断りします。

鳥インフルエンザ関連

概要

 2月27日、京都府船井郡丹波町の採卵鶏農場(浅田農産船井農場)にて、高病原性鳥インフルエンザを疑う事例が確認された。

 2月28日夜、動物衛生研究所における病性鑑定の結果、H5亜型のA型インフルエンザウイルスの感染が確認されたため、

 2月29日家畜伝染病予防法第17条第1項の規定による殺処分命令(対象20万羽)、発生農場中心に半径30km以内の区域で移動制限等の措置がとられた。府・丹波町職員・業者約60名で1,775羽を殺処分

 3月1日1班46人の4班体制で作業を行い、6,175羽を処分。30km圏内から出る養鶏飼料運搬車両等の養鶏関連車両の消毒を開始。処分した鶏を隣接する山林約3,500屬頬篝澆垢襪海箸魴萃蝓

 3月2日4班200人体制で作業を行い、殺処分、死亡鶏回収合わせて19,360羽を処分(生存残り10,000羽)

 3月3日府職員209名+警察機動隊42名の5班体制で作業。殺処分4,275羽、死亡鶏回収24,350羽、合わせて約28,500羽を処分、残り生存鶏は多くても5千羽程度と推定。府の調査により船井農場では当初発表より5万羽多い25万羽飼育されていたことが判明。丹波町蒲生蒲生野の高田養鶏場(船井農場から北東約5km)にて簡易検査に陽性反応、15,000羽殺処分へ

 3月4日(船井農場)10市町の協力を得て、作業者約300名が6班で作業、殺処分2,310羽、死亡鶏回収22,840羽、合計約25,000羽を処理、合わせてフレコンバッグ詰め作業の実施。埋却処分地の掘削を開始。約35mを掘削完了(高田養鶏場)2,520羽を処分、府立丹波自然運動公園内に高田養鶏場の死亡鶏を埋却することについて、住民の合意が得られた。 (高田養鶏場周辺の規制により生活に影響が出始める)

 3月5日(船井農場)生存鶏は0、殺処分はすべて完了、処分鶏は合計約112,000羽。埋却地の掘削は、本日16時に50mの掘削を完了。(高田養鶏場)本日12,170羽を処分、殺処分完了。埋却地の掘削に着手。

 3月6日(船井農場)37,195羽を回収。処分鶏は合計で149,700羽。埋却するための遮水ゴムシートの貼り付けを実施。(高田養鶏場)鶏舎内のフレコンパックは鶏及び飼料は完了。ふん処理分は86袋のうち56袋まで詰めた。埋却地の掘削作業を実施。

(作成時点3月7日)

自衛隊災害派遣

 3月1日 京都府知事より派遣可否についての検討要請(中部方面総監部宛て)

 3月2日 石破防衛庁長官は記者会見の席上やるとすれば、それは災害派遣のスキーム以外に使いようがない」「こういうケースはやや法律を作ったときは想定外だったかもしれません」と回答。(防衛庁ホームページ)陸上自衛隊中部方面総監部は2日京都府にに、「鶏の遺骸を埋める溝の掘削については派遣可能」と回答。(京都新聞)

 3月3日 第3師団司令部と京都府総務部消防防災課は連名で防疫業務(動制限区域内における車両、当該養鶏所に出入する車両等及び当該養鶏所内の鶏舎内外の消毒)の受託実施に関する協定書の締結を発表(疫病の拡散防止を図るため、期間3月4日より3月31日)(京都府記者発表)防疫業務は隊法第100条、隊法施行令第121条2項に規定されている。

 3月4日 8時50分防疫業務の協定締結時京都府山田知事は「昨日、新事態があり、緊急の事態にある。府は全力でまん延防止対策を講じているが、消毒作業等については専門性、健康面でも限界があるため、自衛隊の協力は大変ありがたい。流動的であるが今後の支援をお願いしたい。」と発言 第7普通科連隊(福知山)、第3師団司令部付隊化学防護小隊(千僧)等。人員約120名、除染車2両、除染装置3台ほか防疫作業開始(1等陸佐 財城昭彦を防疫作業担任官、第7普通科連隊本部管理中隊長 1等陸尉 弥榮正志を防疫作業隊長)  22時5分第3師団長に対して、(高田養鶏場)埋却用の掘削作業のための派遣要請。23時5分第3施設大隊(大久保)、第4施設団(大久保)から、人員約40名、油圧ショベル3両、中型ドーザー1両等を派遣

 3月5日 15時55分 災害派遣部隊、廃棄溝の掘削を開始、防疫作業は船井農場、高田養鶏場ほか希望する農場にて継続実施。

 3月6日 19時10分第3師団は災害派遣要請を受理、副師団長渡部陸将補以下約720名(36iR.37iR.3ARより各150名7iRより100名等)の派遣

 3月8日 16時50分 浅田農産船井農場における死亡鶏の処理作業を終了。

 3月8日 17時00分 防疫事業完了

 3月11日 15時20分 廃棄溝の掘削作業完了。撤収要請により撤収

派遣規模

防疫事業

 人員:約460名、車両:約120両 (5日間)

災害派遣

 (掘削作業等)人員:約290名、車両:約150両 (死亡鶏の処理作業)人員:約1,140名、車両:約280両

コメント

 陸幕『災害派遣の参考』には防疫事業について

大規模な伝染病等の応急防疫は災害派遣として扱うことに疑義はないが、多少のことで自衛隊が乱用される向きもなくはないので、緊急性の有無、所要資材の多寡、予想派遣期間の長短等を勘案し、災害派遣、又は隊法100条の規定のいずれで処置するか、適切に判断する必要がある(1-24)

としている。近年の例としては平成12年の東海豪雨の際に「防疫」のため被災地内の災害ごみを収集・消毒液の散布を実施した例があるが、今回のように特定のウイルス又は細菌の蔓延を予防する目的として行われる災害派遣は極めて珍しい。今回のケースでは当初100条による対処とされていたが、高田養鶏場での感染確認、発生から2週間以上経過に伴い死亡鶏の腐敗が進行していること、発覚から1週間が経過し、職員の疲労等自助努力が限界に達したことなどが災害派遣実施の判断基準であったと推測される。

その他関連情報集兼参考文献

中部方面総監部http://www.mae.jgsdf.go.jp/topikkusu/topics151009.HTM

防衛庁http://www.jda.go.jp/j/news/index.html

京都府「高病原性鳥インフルエンザの発生に対する京都府の取り組み」http://www.pref.kyoto.jp/toriinf/index.html#torikumi

京都新聞■鳥インフルエンザ関連 2004.1.11〜 http://www.kyoto-np.co.jp/kp/topics/kanren/influenza/index.html

フレキシブルコンテナの写真(三菱化学産資(株))http://www.yes-mks.co.jp/buturyu/youto03.html

『朝雲新聞』平成16年3月11日 18日号

バックナンバーはこちら
災害派遣にもどる

Copyright ©2001-2007 ぷよ(puyo1978@hotmail.com
自衛隊の災害派遣について知ることのできるページ