取立てに際しての禁止事項と刑事罰

貸金業法(21条)では取立について、「人を威迫し、又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、
その者を困惑させてはならない
」と定めています。
この規定は、貸金業者が債権を譲渡した者、業として保証を行う者(保証業者)、貸金業者の委託を受けて債務の弁済を
した者(受託弁済者)、保証業者や受託弁済者から権利を譲り受けた者についても適用されます(24条)。

禁止されている取立て行為    【貸金業規制法に関する事務ガイドラインより】 刑法上で該当しうる事項
@ 多人数で押しかけること 多衆不解散罪、住居等侵入罪、不退去罪など
A 正当な理由無く、午後9時から午前8時まで、電話で連絡したり、電報を送達したり、訪問したりすること (貸金業規制法違反)
B 反復継続して、電話で連絡したり、電報を送達したり、訪問したりすること (貸金業規制法違反)
C 張り紙、落書き、その他いかなる手段でも、債務者の借入に関する事実、その他プライバシーに関する事項等をあからさまにすること 秘密漏示罪、侮辱罪、名誉毀損罪、住居等侵入罪など
D 他の貸金業者からの借入またはクレジットカードの使用等により、弁済することを要求すること 強要罪など
E 債務処理に関する権限を弁護士に委任した旨の通知、または調停、破産その他裁判手続きを取ったことの通知を受けた後に、正当な理由無く支払を請求すること (貸金業規制法違反)
F 大声をあげたり、乱暴な言葉をつかうこと 脅迫罪(刑法222条)
2年以下の懲役、または30万円以下の罰金
G  暴力的な態度をとること 暴行罪(刑法208条)
2年以下の懲役、または30万円以下の罰金、
傷害罪
H 勤務先を訪問して、債務者や保証人等を困惑させたり、不利益を被らせること 業務妨害罪、不退去罪、秘密漏示罪など
I 法律上支払義務の無い者に対し、支払請求をしたり、必要以上に取り立てへの協力を要求すること 強要罪、恐喝罪など
J その他正当と認められない方法によって請求をしたり取り立てをすること (貸金業規制法違反)
● 刑事罰(貸金業法違反=貸金業法43条3号)
6ヵ月以下の懲役、または100万円以下の罰金

● その他の罰則
業務の全部または一部の停止

以上の行為は、「貸金業規制法」で規制されています。これに違反する業者には、貸金業協会、各地の財務局、都道府県庁内にある金融課の窓口、警察等に申し立てた場合、営業停止や貸金業登録の取り消しなどの行政処分、懲役、罰金、が加えられます。また、不当な行為で損害を被ったとして、賠償請求等の対象にもなります。
他に取り立てを止めるには、内容証明郵便で取り立て行為を中止するよう書いて業者に送るという手もあります。
なお、これら違反行為に対して行政機関に申し立てる際には、相手業者の名前や所在地などを伝える他に、行為が行われた証拠があった方が有利です。
証拠の取り方はいろいろありますが、例えば電話での取り立てには、録音機能を使う。自宅、保証人以外の者の住居、会社等への取り立てには、第三者の目撃証拠など。張り紙等は現物確保。車のナンバーを控える、などもあります。

● 取立ての際、取立てを行う者は、取立てを受ける者から請求があった場合、貸金業者の商号・名称または氏名、取立てをする者の氏名、その他総理府令・大蔵省令で定めた事項を明らかにしなければならない(貸金業法21条A)。これに違反した場合は、30万円以下の罰金や行政処分を科すことができる。


● 上記Iの「法律上支払義務の無い者」とは、次に該当する者です。

◎保証人以外の、債務者の夫または妻 (夫婦の連帯保証責任は、民法761条で「日常家事の範囲内の
 ものに限る」と決められていますし、サラ金等からの借入を直接日常家事に充てる事はないと思われるた
 め、夫婦というだけでは連帯保証責任は生じないということです)
◎保証人以外の、債務者の親、兄弟、子供、親戚
◎保証人以外の、債務者の勤め先の上司、役員、同僚、部下
◎保証人かつ相続人以外の、債務者の遺族 (債務者本人が死亡の場合)
◎かってに名義を使われた場合の名義人・保証人
◎保護者の承諾を得ずに債務を負った未成年者
◎詐欺にあって債務を負わされた者