システムアドミニストレータ

    システムアドミニストレータとは?

     システムアドミニストレータ、略してシスアドという。

     一昔前とはパソコンの性能は段違いである。十年前のパソコンではとても仕事に使えるレベルではなかったが、今やオフコンを凌ぐ勢いで、事実、業務用システムがWindowsのマシンで走っている。こうなってくると、「業務用システムはソフト会社や中央電算室に作ってもらうもの」などという常識は通用しない。必要に応じ、ユーザーが自分の仕事を効率的に運用するためのシステムを構築することが可能になってきたのだ。これをエンドユーザー・コンピューティングという。

     システムアドミニストレータはこのエンドユーザー・コンピューティング(EUC)を推進する現場の担当者、という位置づけの情報処理技術者であり、通産省認定の国家資格である。

     私自身は以前から、情報処理二種を取りたかったのだが、本職が医療技術者であり、二種合格に必要な実務経験を積むことがなかなかできない。シスアド試験でも同じだが、実務経験が無いというのは大きなハンディキャップだ。

     そこで、二種受験の露払いとして、一段易しいシスアドを選んだ。これはここ数年のうち(平成六年頃)に新設された資格で、履歴書にも書ける立派な国家資格である。しかも、プログラミングは範囲外で、われわれ仕事にパソコンを利用しているもののための認定資格として大人気になりつつある。実のところ、リストラ対策の意味合いもある。

     試験は午前・午後に別れ、午前中は単発の4択問題が80問。午後は長文問題が全部で7問。この春(平成11年4月18日)の試験は、午前の部の問題は実に易しく、90%の正解が得られた。去年の秋の問題に比べると、過去に出題された問題の再録が非常に目立った。午後の問題は難しかった。しかも、あと一時間あるのに、残り30分しかないと勘違いして非常に焦ったため、つまらない間違いをいくつかしてしまって、70〜75%のできだった。ちなみに、合格水準はここ数年70〜75%と言われている。午前の部と合せてなんとか合格、というところだが、午前・午後が独立採算制だった日にゃぁ...(涙);

     ちなみに、今年はもう一つ、資格を取ろうと思っている。この資格は通信教育で取れるのだ(という話しだ)。通信講座の名は実務教育研究所の「現代統計実務講座」。テキストが実にいい。書店や図書館で見掛ける統計の本とは違い、まさに実務のための統計講座で、気に入っている。しかも、この講座、文部省認定社会通信教育で、これを修了すると「統計法」に定めるところの「統計官・統計主事になるための資格」がもらえるのだ(という話しだ。詳細は実務教育研究所に聞いて欲しい)。これで、私は情報処理技術者(通産省認定)と統計官になるための資格(総務庁認定)の二つの公的資格と、医療技術者としての国家資格(厚生省認定、臨床検査技師という)の三本立てだ。こんな臨床検査技師は病院中、どころか県内探しても他にいない。さあ、クビにできるものならやってみゃぁがれ! ってぇところですな。

     

    やったぜ、合格だ! 99-06-16

     やっと合格証書が届いた。「発送を以って合格発表に代えさせていただきます」というシステムなので、不合格の人はいつまでも虚しく待ち続けなければならない算段だ。

     私の職場などは、少なくとも今までは、資格を取得しても、それを報告するシステムさえ存在せず、何の足しにもならない。しかし、資格取得が確実にキャリアに結びつき、金銭的・待遇的報酬に直結している職場も多いだろう。

     そういうことが無くても資格を取得することは大きな意味がある。自分にはこれだけの実力があるのだ、ということを内外に...つまり、自分と他人とだが...示す意味がある。現在の仕事に直接関係のなさそうな資格でも、それを取得することは"gain"であれこそすれ、間違っても"loss"にはならない。

     ましてや、それが比較的容易に取得できるとあってはなおさらである。事務系の人は大変だと思う。公認会計士、宅建、中小企業診断士、司法試験...どれをとっても難関ばかりである。しかも、初級公認会計士、なんてのは無い(と思う)。そこいくと、情報処理技術者は初級シスアド、二種、上級シスアド、一種、その他の特殊技術者までズラリとラインアップされていて、技能に応じて資格が取れる。危険物取り扱い責任者も甲乙...と段階があるし、電験もそうなっていると思う。理系の職種でよかった!

     初級シスアドは情報処理技術者の中では「見習い」程度の技能の認定資格である。見習いでも国家資格であるところがミソである。

     この初級という限定詞がムカッと来るのだが...この資格試験が始まった当初は「システムアドミニストレータ」という名称であって、初級などとは言わなかったらしい。カッコいいカタカナ商売だったわけだ。ところが、シスアドを指導・監督する役目の「上級シスアド」という資格ができるに到って、それと区別するために「初級」とつけられるようになってしまったのだ。情けない。

     もし自宅のパソコンをインターネットに接続するための設定を全部独りでできる程度の技量があるなら、この秋(十月)の試験まであと四ヶ月、みっちり勉強すれば恐らく合格可能だ。一人でも多くの人にぜひ受験して欲しい。

    私の勉強法 99-06-16

     こんな具合に勉強した。

     期間は三ヶ月。正月過ぎに書店にいって、何気なく(何気に、ではない!)パソコンコーナーの横を見ると、二種や一種の受験情報に混じって、聞いたことの無い資格試験の情報の本があった。「パソコン」ヤ「ワープロ」など、業界認定資格の一つだろうと思ったものの、よくよく読んでみると二種同様通産省がらみの国家資格だった。しかも、その過去の試験問題というのが、これが易しい! 即座に願書付きの雑誌を買って帰り、受験を決意。しかも、このとき既に願書締め切り10日前という危うさ! ちなみに、試験日は4月18日。

     大慌てで願書を提出。さて、と一息ついて、さっそく試験勉強に取り掛かった。参考書はオーム社「初級シスアド実戦問題」。これに手持ちの参考書を併読。日経BP社の「日経バイト」誌と「最新パソコン技術体系」、CQ出版「Try! PC(もとは「トラ技コンピュータ」といっていた)」誌のバックナンバー。おもに「実戦問題」を読んで、知らないところ、あやふやなところをポストイットに書出し、束ねておく。ある程度貯まったらKJ法の要領で関連するものをグループにしてA5版ルーズリーフに貼りつける。最初の2週はこの作業だけした。

     午後の問題は、内容的には午前の問題とほぼ重なる。ただ、実際の業務事例のような長文問題だというだけのはなしなので、午後の問題には当分手をつけないつもりにしていた。こんな調子だから、「実戦問題」も2週で午前の部は完了した。2月に入ってから、ポストイットの課題の解説をルーズリーフに書き込む作業を始めた。この時点で、自分が弱いジャンルは完全に洗い出されていた。問題点は1.仕事の進め方。書類の流れや会社の組織、損益計算などは理系の私にはチンプンカンプンの分野だ。2.ネットワーク。これはWindows95の時代になるまで個人がネットワークを触るなどということが不可能だったからだ。3.SQL。通常のデータベースソフトを使っている限り、SQLに接する機会は皆無で、馴染みが無い。よって、これからの1ケ月をこの三点を中心にした補強にかけることにした。

     三月に入ると、そろそろ実戦的な問題を多く解く必要を感じた。そこで買ってきたのがプレンティスホール出版の「平成11年度春期対策 初級シスアド問題集パーフェクト800問+新傾向50問」という長〜いタイトルの本。本当に850問載っている。ただし、この本、やっていて分かったのだが、初級シスアドの分野を逸脱した、二種や上級の問題がかなり入っている。しかし、私としては「大量の問題を、速く解く」必要を感じていた。つまり、例の右脳開発訓練と同様の負荷を頭に課そうとしていたのだ。

     結果的にこの作戦は功を奏した。というのも、この方法で大量の問題を憶えてしまったので、特に本試験の午前の部の問題の半分以上は「毎度お馴染み」の問題ばかりになっていたのだ。従って、とくに考えなくても答えまで知っていた。午前の部はらくらく90%正解した。

     仕事の進め方については、どうにもならない。そもそも「経常利益」だの「営業利益」だの、ラインとスタッフだの、検収書だの、見積もりがどうのこうの...といった回路は私の頭の中にはないのだ。小学校時代から社会科のセンスはまるでなかった。従って、「実戦問題」の例題を丸暗記するにとどめた。これはどうしようもない。

     ネットワークは、規格が入り乱れていて実にややこしい。そこでマインドマップを書いた。

    これで、だいぶすっきりしたが、「最新パソコン技術体系」や「Try! PC」の特集号、さらにFreeBSDによるネットワークサーバー構築の参考書などで補強しなければとてもものにならなかったろう。

     困ったのはSQLである。そもそもSQLを使うデータベースソフトを持っていないのだ。LinuxをインストールしているのでPostgreSQLならあるのだが、あまり熱心に使ったことが無い。Windows95のデータベースソフトは手近のものとしてLotus AproachとMS-Access、クラリスFilemakerProの三種があるが、いずれも、SQLなど難しいことをしなくてもGUIで楽々操作! がウリだから、SQLの勉強には不向きだ。従って、これも問題集の例を丸暗記しようとしたが、これは結果的に全然だめだった。午後の問題にはかなりの比重でSQLが出るが、SQLで泣かないためには実際にこれを使って仕事をすることが大切だと思う。

     パズルに凝り始めたのはこの時期だ。ナンバープレースなんか、実によくやった。結果的にはこれが集中力を涵養してくれた...と信じている。

     四月が近づいてくると、さすがに焦りを感じ始めた。そこで模擬試験をやった。昨年の十月の問題を実際に時計を見ながら解いてみる。午前と午後と二日に分け、子供たちが寝てからの夜中にやった。この問題が難しかった! 午前・午後とも80%がやっとの有り様だ(今年の春の午前問題はこの時のに比べると拍子抜けするほど易しかった)。それでもなんとか合格水準に達したので、「これで勝ったぞ」と嫁さんに勝利宣言した。

     ちなみに、合格水準は、当初は正解80%だったのだが、問題が難しくなるにつれて現在では70%程度と考えられている(正式発表はない)。従って、80%とれれば当確だ。

     四月に入っての約二週はひたすら問題を解きまくった。「大量に速く」をモットーに毎日100〜200を解いた。同時に午後の問題もチェックした。SQL以外は大丈夫と感じた。SQLは諦め...るわけにもいかないが、どうもよろしくない。暗号(公開鍵と秘密鍵)は出る! と感じ、ブルーバックスの「暗号の数理」を買ってきた。ちゃんと本試験に出た! でも、忘れていた...^^;

     本試験当日は雨だった。初級シスアドの受験者はものすごい数だった(ちなみに、「パソコン検定」というのも同時にやっていたが、受験者は2人だった)。ただし、「合格するはずもない」ものも大勢受けに来ている。というのも、市内の商業高校の生徒がかなりまじっているのだ。商業高校は在校中に可能な限りの資格を取得するよう指導しているので、その一環なのだろうが、初級シスアドに関しては、易しいとは言え、実務経験の無いものが合格するのは困難である。実際、合格者の割合は30〜50代が高く、50%前後の合格率を挙げているのに対し、20代以下の合格率はごく低く、学生にとっては狭き門である。全体として30%ほどの合格率となっている。実際、こういう子供たちは退室可能時刻が来ると真っ先に出ていってしまう。最初から投げているのだ!

     午前の部の問題は単発の問題ばかりが80問。午後は1問につき、数個の設問がある問題が7問である。午前の部はちゃんと勉強していれば大丈夫な問題ばかりだが、曲者は午後の部で、特に表計算、データベースといった問題は最初で勘違いすると最後まで勘違いのまま進んでしまい、全滅! ということもありえる。しかも、悪いことに、午後の部の終了時刻が15:30なのに、これを15:00と勘違いしてしまい、かなりの問題を残して、「あと30分しかない!?」と思い込んでしまった。久しぶりに焦りにあせってしまって、心臓はドキドキしてくるし、頭は混乱するし...ところが、15:00が来ても試験官が終了を告げないので、そこで初めて気づいて、あわてて見直しを始めると、ケアレスミスがあるわあるわ...まったく、こんなボケで不合格になっちゃぁ、まるきりのバカだ。

     特に、今年の表計算の問題は、パズルをやっていてよかった、と思わせるような、実にややこしい問題だった。他人が組んだプログラムは実に理解しづらいものだが、それと同じことが他人が組んだワークシートにも言える。「何のためにそんな式を入れているんだ?」を理解するまでが一苦労だった。

     試験を受けて帰る途中で急に不安になった。午前の部は早く終わったので中途退室したのだが、そのときに、受験番号の確認をしなかったのだ。まさか、間違ったりはしていないだろうが...受験番号の書き間違いで受験が無効になっちゃぁ、まるきりのバカだ。

     次は、秋までに「統計官・統計主事になるための公的資格」(なんてぇ名前だ?)を、そして来春には情報二種を取得するぞ!

    試験情報

     オーム社のホームページが詳しい。書店でも情報誌がたくさんある。

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