割安株投資のすすめ
2000年3月に始まるNasdaqの急落で痛い目にあった私は、遅まきながら、割安株投資家の言い分に耳を傾けることにしました。「賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ」そうですから、愚者であることを認識するのはつらいですし、もっと早く気づけばと悔しい思いもすることがありますが、ともかく誤りは改めるに限りますので、TilsonやAlsin、もちろん、Warren Buffet, Greenblattの言うことに耳を傾けることにしました。Peter
Lynchも基本的にそうです。もちろん、日本人でも割安株投資家がいます。私がそうだと思うのは、遠藤四郎さん、友成正治さん、澤上篤人さんでしょうか。
割安株はたいてい人気のないセクターにあり、注目されていません。しかし、そのために
値下がりリスクが少ない
という利点があります。これは大きな利点です。心配性の人にも向いています。ただし、株式投資である以上、ある程度下がることは受忍しなくてはなりません。しかし、大怪我をすることを防げます。Greenblattに言わせれば、「上ではなく、下を見ろ」ということです。(なお、ここで言うリスクは、現代投資論で言う、リターンの標準偏差のことではありません)
そして、割安株は一度注目されると、その会社の価値に見合う株価まで上昇する可能性があります。
株価がいくらが適正かはいろいろな尺度があると思います。PER(株価収益率), PBR (Price Book
Ratio), PSR (Price Sales Ratio), PFCR (Price Free Cash Ratio)・・・。しかし、どれにしろ絶対的なものではありませんし、正確な適正株価はわからないでしょう。ですから、そのような指標で考える場合、できれば複数の指標で明らかに割安、たとえば、適正と思われる株価の50%くらい以上安くなっているというのが望ましいと思います。第二に、今は何らかの要因で収益が圧迫されているがそれが特殊要因で除かれることが見通せる、というのも一つの指針になるでしょう。ここのところはある程度頭を使わなくてはいけないということです。第三に、需給の関係で会社の価値と関係なく売り込まれる、など、いろいろほかにもあると思います。まあ、ここは一つ得意技を持つということでしょうか。
ところで、割安株は人気のないセクターにあるので、「つまらない」ことが多いです。株の話をしても「何だ、その会社は。聞いたこともない。もっといい会社を紹介してやろう」と言われたりするでしょう。さらには、「なんだ、ヤフー(すみません、Yahoo!に対する他意はありません)を買えば、もっと大もうけができるのに馬鹿なやつだ」と罵倒されたりします。このように(?)あとでも触れますが、割安株投資は忍耐が必要です。
割安株投資の欠点のもう一つは、何ヶ月も何年も人々がその会社の価値に気づくまで待つ忍耐が必要であることでしょうか。しかし、本来の価値の半分で買ったとすれば、5年間待ったとしても21/5-1=0.1487で、(複利で)年15%に近い上昇になることになります。それなら、十分すぎる価値があるのではないでしょうか。もちろん、普通は2-3年、早ければ1年以内に見直されることがあると思います。3年であれば、
21/3-1=0.2599ですから、約26%の年利ですし、もちろん1年でしたら2-1=1で100%の年利ということになります(下の表参照)。
表 半額の価値で買った株が、見合った値段になるまでにかかった年数とそのときの複利で表した1年あたりの変化(%)
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かかった年数 |
複利年利(%) |
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1 |
100.0 |
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2 |
41.4 |
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3 |
26.0 |
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4 |
18.9 |
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5 |
14.9 |
割安株投資に忍耐は重要です。ときには安いはずの株がさらに半額になることもあるかもしれません。そのときは、会社のことをよく調べて、会社がこれまで通りうまくやっているなら、さらに買いに入る勇気をもたないといけないと思われます。人が売り込んでいるのに買い向かうには、人と違うことを考え、自分が正しいと思ったら人と違うことができる勇気が必要があるように思います。
私は残念ながら、投資を始めて割安株投資に気づくのに10年以上かかりましたが、皆様が人生の早い時期に割安株投資の良さを理解されることを望んでおります。