「アメリカでは、商品取引は、社会的に認知されている」の意味すること

アメリカには、日本のようなアンフェアーな商品先物会社は、存在しません。「社会的に認知される市場にする」という意味は、現在の悪徳呼ばわりされている先物会社や外務員に市場から退場していただくという意味です。ですから、現在の悪徳な先物会社が存在する限り、商品先物取引が社会的に認知される可能性はありません。

待った!商品先物会社への就職
  就職説明会で、「数年後には、アメリカのように社会的に認知された業界として・・・」という明るい展望を聞いても、信じていけません。そんな日が絶対にこないとは限りませんが、万が一、その日がやってきたらあなたが就職しようとしている会社はなくなります。あなたは、まさか、昨日まで悪徳を業務とし、会社名も人には言えないような日陰の暮らしをしてきた連中が、ある日を境に、洗練されたファイナンシャルプランナーに変身できると思いますか。
 社会の底辺である悪徳な会社から就職の誘いがあるということは、その会社から、「おまえは、人間のクズだが、おれが、拾ってやろう。クズにはクズなりの生き方があることを教えてやろう」といわれているのです。あなたに人としての誇りが残っているのなら、商品先物会社からの就職の誘いは、きっぱり断りましょう。

日米一般企業比較
 日本の銀行は、昔から低金利で預金を預かっていました。それは、行政指導によって金利を凍結していたからです。それに対してアメリカは、競争社会。ですからアメリカでは金利競争が厳しく、戦後50年以上の間、常に日本の倍の預金金利でした。そんな国では、銀行員がティッシュを配って、「お願い、預金して」と頼みにきたりしません。
 アメリカの銀行は、人件費を削減して高金利で預金を預かるという正々堂々とした勝負をするのです。それに対して日本の銀行は、人海戦術でたくさんの行員を雇って、親戚回りをさせて、あちこちの職場回りもさせて、頭下げさせて、人情で預金を集めるのです。ちなみに金利は安いので、銀行はお金を集めさえすれば大儲けでした。
 次は、ガソリンスタンドです。戦後、日本政府は、「ガソリンスタンドを倒産させてはいけない」と考えました。その理由は、「ガソリンスタンドに価格競争させたら混ぜ物するから」です。この馬鹿馬鹿しい論理により、ガソリン価格は統制され、厳しい出店規制がなされました。その結果、ガソリンスタンドは、価格競争ができずに、バイトの女の子を並ばせて頭下げ競争をしました。おまけに卵をくれるスタンドもありました。なぜ、人海戦術になったかというと、価格が高値だったので、客が来さえすれば大儲けできるシステムだったからです。しかし、世の中の流れは、少しずつ変わってきました。現在では、法改正され、セルフのガソリンスタンドさえ許可になりました。価格競争は、まだ十分とはいえませんがなされてるようになりました。
 さて、商品取引業界は、どうでしょうか。上記の業界と、全く同じ構造です。商品取引の手数料は、一律同じで、世界一高いといわれています。なんとアメリカの6倍、ドイツの10倍の手数料です。そのため、この小さな市場に100社あまりの会社がひしめくようになりました。また競争といえば、各社は、社員を1人でも多く抱えて、テレコール中心の営業です。そして、従業員1人当たりにすると、新規の顧客は、2ヶ月に1人しかいません。でも、その新規の客の全財産をくすね取るので大儲けです。そして、それがなぜか合法というまか不思議な業界が出来上がったのです。これもすべて行政による指導の賜物です。


悪徳の代表である商品先物業界
 外務員は、口頭で顧客を丸め込んで資産を食いものにします。そして、トラブルになると、「契約書に書いています。自己責任です」といいます。このような行為は、果たして認められるのでしょうか。世間には、先物被害者に対して冷たい人が少なからずいます。その人たちの論拠が、「契約なんだから」ということです。しかし、口頭での説明と契約文書が全く違っており、相手を煙に巻いて契約を交わし、そのことで、利益を上げるというのは、多くの悪徳商法に見られる手口ですが、このようなことを恒常的に行い、何の対策もなされないというのは異常です。それでは、なぜ、このような異常な状態が続いているのでしょうか。それは、行政が見逃しているからです。


日本の政・官・財の癒着
 薬害エイズ訴訟を知っていますか。ミドリ十字という会社が、アメリカから輸入した血液がエイズに汚染されているのを知っていながら2年以上も販売したという事件です。なんと、ミドリ十字の血液がエイズに汚染されていることは、企業にも行政にもアメリカの販売会社から電話がかかってきたそうです。その理由は、該当企業が、「アメリカで禁止になった汚染血液を日本で売ったら、将来裁判で訴えられるかもしれない」と思ったからです。それに対する回答は、「日本は、大丈夫、会社は法律で守られているから、将来裁判になることはない。その汚染血液のほうを送ってほしい」だそうです。その話をアメリカの新聞で知った血友病の団体は、「2000万円までなら、金の用意はできる。どこにでも献金するから、アメリカの新しい技術でできた安全な血液を緊急輸入してくれ」と言ったそうです。でも、厚生省の役人はニヤニヤして、追い返したそうです。そして、数千人がエイズになりました。この時期、アメリカの不良在庫の販売を一手に引き受けたミドリ十字は、会社始まって以来の活況を呈し、株価はうなぎのぼりでした。
 その後のことは皆さんもご承知だと思います。ミドリ十字歴代3社長は逮捕され、裁判にかけられました。裁判では、「ごめん。ぼく、天下り官僚だから、社長の給料をもらっていただけで何にも知らなかった」でした。当時は、エイズ禍の難局を独自の人脈で乗り切った辣腕社長と呼ばれた人たちだったのに。彼らは、言いたかったことでしょう。「サリドマイドの時だって、西ドイツから電話がかかってきたけど、無視して2年間販売して、山ほど儲けた先輩も無罪だったのに、何で今回だけ捕まえるの?」
 政・官・財の癒着と呼ばれますが、正確に言えば、政治家も財界も元官僚です。それぞれの官僚は、嫁さんが金持ちの時には、政治家になり、嫁さんが普通の人だと、財界人になっています。
 翻って、先物取引業界を見てみると、比較的穏やかと言われる数社は、積極的に官僚を役員に迎え入れています。また、各商品取引所の理事長は、農水省などの天下り官僚です。また、商品取引受託債務補償基金協会の役員は、商品先物会社の代表と商品取引所の理事長(元官僚)が役員です。同じく、日本商品先物振興協会の役員は商品取引所の理事長(元官僚)を中心として、農林水産省と通商産業省からの天下り官僚をかかえ、なぜか、東京高等裁判所の判事まで受け入れています。
 日本は、アメリカから民主主義を学びました。しかし、形は真似ても心は学びません。市場のシステムは、業者、監督官庁、取引所、仲裁機関をすべて同じ人物にするという離れ業でもって骨抜きにしました。もちろん国会議員も元官僚という同じ顔です。どうりで、いつまでたっても被害が消えないわけです。
 アメリカ人は、言います。「えーと、日本って確か、独裁国家だったよね」と。そのとおりです。官僚による集団的独裁国家です。江戸時代でいえば、越後屋もお代官様も水戸黄門もみんな同じ顔で同じ人物ということです。これが、不公正で、詐欺的な商品取引市場の実態です。

アメリカのようになるとは?
 アメリカのようになるということは、「機能するようなチェック機構を作る」ということです。たとえば、アメリカ人は、日本企業の会計報告をあまり信じていません。その理由を聞くと、「内部監査は監査ではない」といいます。日本では、公認会計士の力が弱く、各社に従属していています。そのため、公認会計士が、企業の不正を発見した場合に、企業を告発するなどということは聞いたことがありません。それに対してアメリカでは、公認会計士の権限は強く、不正に対しては、公認会計士自身が企業を訴えるということも辞しません。その理由は、訴えなければ、株主から公認会計士自身が訴えられかねないからです。
 アメリカと日本の違いはここにあります。商品取引市場も同様です。業界の自主団体は、監視機関ではありません。アメリカの形だけまねて、中身を骨抜きにするのをやめましょう。そのためには、業界から独立した監視機関を作るべきです。そして、その監視機関が、独自な調査により、企業を告発するのです。天下りから、価格操作、顧客の強引な市場への引き込みなどの怪しい部分はいくらでもあります。本気でそれらを解決したいならそういった機関を作るべきです。


アメリカを訴訟王国という人は
 以前、外務員らしき人が、掲示板において、「アメリカのような訴訟王国になってもいけないし・・・」と書きました。この人は大きな勘違いをしています。訴訟、すなわち裁判は、原告と同時に被告をも守るものなのです。
 アメリカで訴訟が多いのは、その国民性もありますが、基本的には、西部劇の時代からの経験を生かしているのです。アメリカ映画をみればわかるようにアメリカ人は、単純です。「悪いやつは、つるせ」というのが基本です。これは、西部劇に出てくるタウンミーティングの時代からの伝統です。昔は、裁判もなかったので、簡単でした。たとえば、悪い外務員が200年前のアメリカにいたら、町内会(タウンミーティング)を開いて、みんなが、「つるせ。つるせ」と大合唱すれば、つるして終わりです。事件はそれで解決です。しかし、時代が移り、犯人が、「お願いだ。せめて裁判を」というので、裁判をするようになったのです。
 被害者は外務員を心から憎んでいます。だから、新聞報道などで、外務員が殺されたなんて話を聞くと心から喜ぶ人もいます。なかには、「外務員の家族を皆殺しにしたい」などと2チャンネルに書き込む人もいます。もちろん、そう書くことで憂さを晴らしているのでしょうが、そういった精神状況の人が多く出れば、いつ事件がおこるかもしれません。いわば、こういった危機的な状況において、「そんな思いつめなくても裁判しようよ」というのがアメリカ的な発想です。「正義の実行は、裁判所で。私刑(リンチ)だけはやめよう。犯罪を白日の下にさらしてから処刑すべきだ」ということです。ですから裁判は、犯罪者の命をも守っているのです。

先物企業がアメリカにあこがれるのなら
 最低限、これだけはしましょう。まず、最初に顧客のプロファイルノートを作りましょう。そして、顧客に年収と資産状況を提出してもらって、相当期間をおいて、金融資産の20パーセント程度をハイリスク・ハイリターン商品に組み込む資産管理を提言し、商品先物取引に参加させるべきです。すなわち、金融資産が1000万円なら、800万円を元金保証的な預金や債権などを推薦し、200万円をハイリスク・ハイリターンの商品への投資用とし、そして、200万円を入金してもらって、1枚10万円だけ建て玉させるのです。そして、儲かった時に、顧客が、「もっとしたい」といえば、断るのです。そういった付き合いをすれば、万が一のことがあっても、被害は200万円以内となります。最初の契約の段階で、「200万円までの損害については、意義を申し立てません」と顧客に一筆書いてもらっておくのもいいと思います。
 何ですか。それじゃあ、会社が儲からない?だからー、潰れなさいといっているのです。日本の商品先物会社がやっているのは、アメリカの商品先物取引とは違うでしょう。日本の先物会社は、法の目を逃れた単なる悪徳。
 ちなみにプロファイルは、アメリカの金融会社ならすべてしています。ところで、外務員が、当初だけでなく将来においても、たった1枚の売り買いの取次ぎを続けるなんてことは、経費の上で困難ですね。ということは、アメリカも同様に困難です。だから、アメリカでは、個人の売買がほとんどないのです。みんなファンドです。もちろん、日本のファンドもどきではありません。なお日本のファンドの問題点いついては、「買ってはいけない。商品ファンド」を見てください。


ニューヨークや、シカゴの市場が本当の市場
 その規模からも公平性と透明性、すなわち信頼性から言っても、ニューヨークやシカゴの市場こそが、本当の市場です。東京市場は、その規模や不自然な値動きからも果たして本当に市場といえるものなのでしょうか。私は、アメリカの過去の歴史において、このような話を聞きました。はるか昔のこと、シカゴ市場では、正式な市場に参入できぬ業者が、市場の裏通りに勝手に私設市場を作ったそうです。そして、そのいかがわしい業者は、相場に無知な人々を私設市場に誘ったそうです。価格は、シカゴ市場の建物の前に立って、わずかなチップを払い、出入りする正式な業者から聞いたり、便所の窓から忍び込んで、価格を見ていたそうです。まるで、どぶねずみのような業者ですね。
 でも、ふと考えると、なんだか状況に似ていると思いませんか。アメリカの正式な市場には参入できず、東京にローカルな市場を作り、さすがに今の時代は、便所の窓からのぞいたりしませんが、農産物ならシカゴの、そして工業商品ならニューヨークの夜中に決まった価格を参考にして、「大変なことになりました。シカゴがー!」とか、テンション高めてしゃべりまくって、顧客を招き入れる。東京に価格の決定権なんかないのに、なぜか午前中だけ変な動きしたりして。わかっていただけましたか。日本の商品市場の本質が。
 商品の価格は、シカゴやニューヨークで決定します。しかし、商品取引会社は、シカゴやニューヨークに支店は持っていません。「とうもろこしの作柄は、農務省の発表によれば・・・」と言っても、発表をきいているわけでも、英文を読んでいるわけでもありません。穀物の情報は、アメリカ農務省の発表よりも先に、アメリカの穀物メジャーなどは、独自の情報を集めています。日本が誇る総合商社も、世界市場を牛耳るアメリカの穀物メジャーには、手も足も出ず、子ども扱いされて、実際、損ばかりしています。これは、国際石油資本(メジャー)と日本の商社の関係を見ても同じことです。そのような劣勢に立たされている日本の商社を神のように崇め奉っているのが、弱小な先物取引会社です。声を張り上げて、「商社が買いを入れましたー!」と今日もテレコールです。アメリカのファンドが聞いたら、「日本の商社が買いを入れたら下がるんじゃない」と笑っています。
 わかっていただけたでしょうか。アメリカの市場にとっては、日本の市場は、過去にあったシカゴの裏通りの私設市場のレベルです。そして、そこを本拠に、どぶねずみのような連中が活躍しているのです。どぶねずみは、すえた臭いのする裏通りでしか生きていけません。仮に、東京が、世界が認めるニューヨークやシカゴと同様なクリーンさを持ったときには、どぶねずみはこそこそと逃げ出すしかないのです。これが、「商品取引がアメリカと同様に認知される」という意味です。それでもあなたは、商品先物会社に就職するのですか。


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