買ってはいけない商品ファンド

商品ファンドは、投資家保護のための様々な安全装置を欠いた金融商品です。商品ファンドは、投資信託に比べてきわめて危険性の高く、不透明な金融商品です。あなたの買った商品ファンドが、明日、ただの紙切れになる恐れがあることを知っていますか。

あなたは、商品ファンドの何に注目しましたか。ここに7%実績のファンドがあるとします。この低金利の時代にずいぶんと利益が上がっています。でもそのファンドが、将来、返金がなされず、また転売も出来ないものだとしたら、それでもそのファンドを購入しますか。「そんな馬鹿な。それじゃあ詐欺だ」と思うかもしれませんが、その可能性についてあなたはどのような検討をしましたか。このページでは、商品ファンドが匿名組合型ファンドという非常に変則的なファンドになっていることに注目し、その危険性を訴えたいと思います。
匿名組合型ファンドとは何か。匿名組合とは、「出資者が組合員となり事業者に資金を提供する」という出資形態で、商法535条に定められています。現在、この匿名組合という制度を悪用した金融犯罪が多発しています。その理由は、匿名組合という契約が、投資信託などに比べて、きわめて事業者に有利で、出資者には不利な出資形態になっていることに起因します。
匿名組合の発祥からわかること

 匿名組合とは、先の定義にもあるように、組合の一形態です。ですから、まず、組合について考えていきます。ある日、何人かが集まり「組合を作ろう」と話がまとまりました。そして、各自が出資をします。これを任意組合といいます。そうして出来上がった組合で収益が上がれば、出資金に応じて組合員に分配されることになります。しかし、仮にこの組合が倒産した場合にはどうなるのでしょうか。実は、組合の借金は、組合員が支払わなくてはいけません。これはある意味で当然です。だって、任意組合の組合員は、組合の所有者で、日頃から経営に参画する権利を持っているのですから。さて、ここで、任意組合型ファンドを作ったらどのようになるのでしょうか。これは大変です。このファンドを100万円で買っただけで、倒産時には、債権者(借金取り)から追いかけられることになるのです。昔から、「保証人になったばっかりに」という言葉がありますが、「任意組合型ファンドを買ったばっかりに財産は全部とられてしまった」ということになります。

 さて、皆さんは、「そんな組合の所有権や、経営権はいらないから、倒産時に借金を払わないでいい組合員になりたい」と思ったとします。そうしてできあがったのが匿名組合です。匿名組合員は、経営には、一切口を挟まずに、利益が上がったときだけ利益が分配されます。ここで、一応「匿名」の意味を説明しておきます。任意組合の場合は、名前が書かれてそのために倒産後も借金取りが追いかけてくるのです。だから、名前を空欄にしておけば、借金取りが追いかけてきません。このことから「匿名組合」と呼ばれたのです。 そうしてできた匿名組合は、無記名で出資金を集め、運用したあとは、解散し資金を分配するということで、金融商品に発展しました。これが、匿名組合型ファンドです。そしてこのファンドは、その発祥から、他の投資信託などとは、民法上、大変性格の変わったものとなっています。
返金が遅れて当然の匿名組合型ファンド

 まず、このファンドは、組合員になり、組合員を脱会するという形をとっているため、組合員を脱会する際の返金が大変手間取ります。要するに、「えー、組合員辞めるの?そんなもったいない。もっと続けようよ」なんて言われて、脱会しないように説得されてもそんなにおかしいことじゃないということです。私たちは、単にファンドを購入したつもりでいても、相手は、そうは思っていないかもしれません。実際、匿名組合型ファンドの償還後の返金は、1カ月程度です。この「程度」っていう言葉は嫌な言葉ですね。相手によっては、ずるずると、2ヶ月に延びたりしそうですね。ちなみに平成14年末から平成15年初にかけて、某商品先物会社は返金をずるずると延ばしました。我々投資家の側からみると、返金が遅れるということは、大変なことでが、逆に、商品先物会社の側から言えば、こんな便利なものはありません。これが、匿名組合型ファンドの正体です。すなわち、返金の際の制度システムがあいまいなのです。

 これは、投資信託と比べてみると違いが大変よくわかります。投資信託は、売却後、4営業日で入金です。万が一、投資信託を販売した会社が、売却を拒否したとします。その場合は、別の証券会社に行けばいいのです。要するにどこでも売却可能なんです。だから、販売会社が売却を拒否することはないのです。 それに対して、匿名組合型ファンドは、そのファンド運営会社自身から返金を受けるしかありません。もし、ファンド運営会社が返金を拒否したら、通常の債権回収と同様に交渉をして裁判をして返金を求めるしかありません。このような状況では、ファンド運営会社はどこまでも、強気に出ることができます。極端な場合、相手が裁判を起こすまでは、返金しなくてもいいのですから。
匿名組合は、金融詐欺の温床

 さて、ある匿名組合型ファンドが、7%の実績を誇ったとします。しかし、この情報が本当かどうかはどうやって調べることができるのでしょうか。また、その7%のファンドが償還後、ちゃんと返金されているかどうかをどのようにして確かめることができるのでしょうか。 上場している投資信託なら、新聞にも値段が書いていてその価格で売り買いができます。だから、投資信託の値が上がったとか下がったということに詐欺が介入する要素はありません。それに対して、匿名組合型ファンドは、その運用会社が、「7%儲かった」といっているだけで、確かめようはないのです。すべては、相手、単なる1企業を信頼するしかありません。要するに匿名組合型ファンドは、大変不透明であり、第三者によるチェックができないということです。現在、先物会社のファンドでは詐欺は出ていませんが、土地取引等をからめた匿名組合型ファンドでは多くの金融詐欺が発生しています。
倒産したらどうなる?

 社団法人日本商品投資販売業協会は、HP上で、「販売会社が倒産しても、出資金は返ってくるの?」という質問を設定し、下記のように答えています。

 「匿名組合契約の場合は、『営業者』と投資家との間の債務・債権関係の契約となり、投資資金の運用は営業者の名義で行われます。この営業者を販売業者が兼ねるファンドがあり、この場合は、販売業者の倒産が出資金に直接影響することになりますのでご注意下さい。」

 まわりくどい言い方なのでわかりやすく書きます。「匿名組合型ファンドは、会社からすれば、借金に過ぎない」と書いているのです。商法上は、分離保管をする必要もないし、善意で分離保管をしても、倒産時には、すべての資産をあわせて、債権者に支払われます。ですから、倒産時に運用金があったとしても、もはやそれは、ファンド購入者の運用金ではないのです。ですから、倒産時に十分な資金があれば、いいのですが、資金がなければ、お金は、返って来ません。もっとも資金があれば、倒産しないのですが。 このことを企業の側から考えてみましょう。それは、資金繰りに困った企業が、匿名組合型ファンドを大量に売りさばくことで、資金調達をする可能性があるということです。もちろん、これは、公には認められることではありません。詐欺です。でも、詐欺が明らかになるのは、破綻したときのみです。分離保管を義務付けられていない匿名組合型ファンドでは、チェックのしようがありません。
金融商品で大切なことは

 金融商品で最も大切なことは、資金を流用されないことです。そもそもファンド運用会社は、出資金を運用し、収益をあげ、その中から費用を捻出しなければなりません。これが仮に、集めた出資金を自由に使い、偽の報告書を出してすましたとしたら、こんなに儲かる商売はありません。ですから、そういった、不正行為をさせないことが大切です。では、その不正行為防止のシステムを考えてみましょう。

 それでは、投資信託の場合はどうでしょうか。投資信託は、販売会社と、運用会社と、保管会社を別々にするというシステムをとっています。なぜ、このような面倒なことをするかというと、運用会社が、お金に困っても、使い込みができないようにするためです。そして、お金も株券も、すべて保管会社である信託銀行の中にあるという究極の分離保管の方法をとりました。この結果、運用会社がいつ倒産しても、投資信託は、保護されるのです。また、運用会社と販売会社を分離することで、販売会社は、各運用会社の投資信託を公平な立場で販売できるのです。

 次に大切なことは、換金性です。株式投資信託は、売却後、4営業日で振込みです。これは、販売会社と運用会社と保管会社が別々になっているからできることです。だって、販売会社は、売買手数料をもらうだけなんだから、償還の期日が来ても、返金を1日でも延ばしたらその分が得になるなんてことはないのですから。 要するに安全に保管され、流動性(換金性)があるというのが、金融商品の基本です。そのためには、商品ファンドも、匿名組合型のファンドをやめて、信託型の商品ファンドにするべきです。もちろん、信託型にすればそれで問題が解決するというわけではありません。法には、必ず抜け道がありますから。しかし、今の状態は、あまりに異常です。このままでは、ファンドの解約が倒産を引きおこす可能性がないとも限りません。このような顧客の不安を完全に払拭しない限り、商品先物会社のファンドに明日はありません。
最後に

 一般的にファンドの危険性といえば、「元金が保証されていない」ということに言及する人が多いのですが、それよりももっと大切なことは、そのファンドに関わる会社が信頼に値する会社かどうかです。多くの商品ファンド購入者は、過去の実績のみに注目してその運用会社の信用を調査していません。実際、購入者からは、「先物会社だと知っていたら買わなかった」という話を聞きました。 先物会社が倒産して、初めて先物会社のファンドの(合法ではあっても)不当性が明るみに出るというようなことのないようにと祈るばかりです。
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