早大当局が教職員向けに「スーフリ」総括書を制作
「伝統と名声が著しく傷つけられた」
被害者への謝罪の言葉は一切無し

 同報告を見ることができるのは、専任の教職員のみで、場所も学部事務所など十六カ所に限られており、全教職員には十数ページの「概要」のみが配布された。
 「概要」によれば、報告書は「第一部 事実」、「第二部 施策」、「第三部 反響」の三部構成。ページ数は、第一部と第二部がそれぞれ百五十ページ弱、第三部に七百ページ以上を割いた。つまり、報告は七割以上のページをマスコミやインターネット上ででいかにこの事件が報道されたのかの資料に当てられており、他面、事件そのものの事実調査は「スーフリ」のパンフレットを集めたものが百ページを占め、あとは警察が発表した逮捕者のプロフィールのようなものが掲載されているに過ぎない。そして施策としては、社会や学内諸機関、OBらに対する事態の説明、および学生個々人とサークルに対する管理の徹底を行なうことを基調とするものだった。
 白井総長が本報告の発表にあたって巻頭言をつけているが、ここに当局としての受けとめが現れている。
 「去る6月以来、本学は連続して二度の学生不祥事事件の衝撃に見舞われました。これらの事件は本学に対する社会的信用を失墜させ、本学の伝統と名声は著しく傷つけられました。
 本学は、その社会的責任を痛感し、こうした不祥事が決して再発することがないよう、反省を込めて教訓とすべく、学生不祥事調査対策委員会を設置し、ここにその報告書をまとめました」(「学生不祥事調査対策委員会 第一次報告書刊行ならびに概要配布について」より抜粋)。
 一読して分かるように、白井総長にとっては「スーフリ事件」は〃早大の社会的信用が失墜させられ、伝統と名声が著しく傷つけられた〃問題である。早大が被害を受けた事件なのだ。ここには教育機関として学生が引き起こしてしまった事件を引き受け、心身共に危害を加えられた多くの女性にたいして謝罪するという姿勢は一切無い。「早稲田のブランドが傷つけられた」という経営者としての利害感覚のみでしかこの事件を受けとめていないのだ。
 さらに当局は「スーフリ」が学生ベンチャーの旗手・岸本容疑者らの経営していた会社組織である事実については意図的に掘り下げず、スーフリに群がった企業家や大手企業社員、政治家秘書へと矛先が向くことを意図的に回避している。
 「スーフリ事件」だけではない。最高裁によって警察への名簿提供を違法と審判されたにもかかわらず、開き直る白井当局。「自浄能力」の文字は白井当局の辞書にはない。学生のみならず、今や学外の市民に対してさえも犠牲を強いる白井当局の大学経営の危険を全ての人々が直視するべき時なのである。

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