本学当局 早稲田祭を今年も中止に


 7月17日、早大当局は今年の早稲田祭を中止することを学部長会で決定した。理由は「(「祭組」など、これまで早稲田祭をどのように行なうかを話し合ってきた学生の団体が)昨年、革マル派に操られた学生たちが主催した十月三十一日・十一月一日の『ワセダ・フェスタ』なる違法なイベントに参加したサークルが主導する早稲田祭準備委員会の言動を安易に許容し、妥協したものと判断せざるを得えない」からというもの。早稲田祭への参加を希望していた団体の学生たちも突然の決定に不満と驚きを隠せない様子。また学生自治六団体も翌日十八日、この決定に抗議する集会を開いた。再選を果たし、二期目に入った奥島総長がますます学生の利害を無視したかたちでの学生対策を強行におしすすめる姿勢があらわとなった。

写真は七月十八日の学生による抗議行動


 大学当局が問題視しているイベントとは第四十四回早稲田祭実行委員会が主催し、早稲田祭中止決定に抗議する目的のもとに学内サークル主体で行なわれたもの。また、大学側は「『新早稲田祭準備委員会』は、未だ学生の間ですら何等正規の信任を得ていないにもかかわらず、実行委員選出の挙に出ました。これは正当な手続きを欠くばかりでなく、大学に対し早稲田祭の開催決定を強要するために既成事実化を謀った」ことも「新生早稲田祭の実現に責任を負える団体とは認められない」理由とした。だが、イベントの何が「違法」なのか、『祭組』などの「妥協」とはどのようなことかは具体的には述べられていない。また、大学当局者もオブザーバー参加していた場で学生が話し合いをおこなってきたにもかかわらず、勝手に準備を進めていたかのような印象をあたえるものともなっており大きな違和感を持たざるを得ない。そうしたことから「中止」の理由は説得力の欠けるものとなっている。

 一方、文化団体連合会など学生自治六団体は翌日「緊急抗議集会」を開催した。第四十四回早稲田祭実行委員長の加土井君は「今回の措置は『自治と文化の祭典』という早稲田祭精神そのものを完全に否定しようということだと思います。大学当局が認められないとした『新準備委員会』は第四十四回早稲田祭実行委員会や文連など昨年の早稲田祭を主催した自治団体をすべて排除することを前提に新実行委員会を結成しようとしていました。これ自体、大学側の主張をうのみにしたもので私たちは認めることができません。にもかかわらず、大学側は新準備委を認められないというのですから驚きです。こうした決定を大学当局が下した最大の理由は新準備委員会が大学当局への早稲田祭補助金要求と、あくまでも学生サークル主体の学園祭を実現することを会内の合意事項としていたからでしょう。つまり、これまで大学は『革マル排除』とか『学園祭会計の明朗化』といったことを早稲田祭への強圧的な介入の理由としてきましたが、それがあくまでも口実でしかないことが明確になったと思います」と語った。

〈解説〉 多くのサークルにとって早稲田祭は一年間のサークル活動を集約するものとして大変重要な催しでるにもかかわらず、大学当局の思い通りにならないからといって簡単に中止にすることろに現在の早大当局の学生無視の姿勢が如実に現れているといえよう。

 「新準備委」とは。当局が呼びかけた「新生早稲田祭」の実行団体として早稲田祭の運営の仕方について話し合っていた諸団体が合同して結成したもの。自治団体が不当に排除された大学主導の早稲田祭づくりのための組織だった。こうした強腕ともいえる手法を取ってまで早稲田際を中止にしたのは奥島総長のすすめる大学改革のプランに学生主体の早稲田祭は反しているからであろう。奥島当局には早稲田祭を大学の広報活動として位置づけ、国家や大企業などの要請にいかに本学がこたえて研究・教育を行なっているかを指し示す場にしていこうという思惑があると思われる。こうした観点に立つ限り、早稲田祭で日米ガイドラインの見直しなどの国家の政策を批判したり、アジア進出などで多くの問題を起こしている企業活動を批判したりする企画が数多くあるこれまでの早稲田祭は容認できないのであろう。のみならず、学生主体の早稲田祭は認めないとしたのが今回の決定にほかならない。

 さらに学生の間で奥島総長式の「改革」にたいする批判が極めて根強いことへの焦燥感も根底にはあると思われる。早稲田祭を大学の広報活動としての「学園祭」へと変質させていくことが、奥島総長にとって総長式の「改革」をすすめていくための最大のポイントとさえ映じていることが今回のあまりに強引な「中止決定」から推察できよう。


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