99年度主要記事


「ジャーナリズムの犯罪 '99」

 NHKや「朝日」などのメイン・ストリームジャーナリズムの「脳死」報道や「毒カレー事件」報道の視点は報道される側の視点を欠きすぎていまいか。そして、きたる天皇即位十周年式典を通じてもつくられようとしている国家主義的な国民洗脳。日本社会の状況とは。浅野健一氏が、ジャーナリズムの視点から鋭く世相に切り込む


本学が武富士と協力してベンチャー企業育成事業に着手

 本学の奥島当局が、消費者金融業界大手の武富士と共同でベンチャー企業を育成する協議会を設立することが明らかとなった。これは武富士側が公表したもので、協議会の名前は「産学協同ベンチャー企業研究推進会議」。同会議の代表は「アジア太平洋研究センター」教授の松田修一氏があたり、松田教授も含めて十名の本学教員・職員がこの会議のメンバーとなる。武富士側からは六名が同会議に参加し、総勢十六名の体制。さらに、武富士は運用資金が七〇〇億円規模のベンチャーキャピタル・「テーダブルジェー(TWJ)」を新たに設立し、協議会の推薦を受けた企業を支援するという。

 「ベンチャーキャピタル」とは、ベンチャー企業のための融資機関。今回、武富士が行なおうとしているベンチャー向け融資は「日本経済が最も必要としているベンチャー企業の支援・育成のため」に「従来の方式とは異なった見地から」実施するものという。その特徴は、融資対象のベンチャー企業の資格審査を本学との共同機関である先の「推進会議」で行なう点だ。こうすることで、武富士としてはリスクを最小限にしながら、同時に将来性の高い新企業に効率的に融資を行なおうとしていると思われる。つまり同社のベンチャー向けの融資事業の一環に同推進会議はあらかじめ組み込まれているといえよう。従来の産学協同事業は理工系の技術開発分野が中心だったので、今回のように融資事業に直結するかたちでの「共同研究」は異例といえよう。また、「ベンチャー企業の育成」が目的とされているものの、融資機関は「テーダブルジェー(TWJ)」一社のみ。同社のためにベンチャー企業の評価を行ない、その評価に基づいて融資を行なうという構造を持つだけに、「研究事業」というよりも武富士とタイアップした「営利事業」的な性格の強いものといえそうだ。


本学が北九州市と共同で大学院を新設

 二月二十一日、本学奥島当局は、独立大学院「先端技術デザイン専攻(仮称)」を北九州市の「北九州学術・研究都市」に設置することを明らかにした。この大学院は北九州市と本学が共同して設置するもので、土地や建物は市側が提供し、二〇〇三年四月の開学を予定しているという。昨年一月、本学とは別法人で「九州早稲田大学」を設立しようとする計画があることを西日本新聞によって報道された際、本学理事会は「決定事項ではない」として否定していた。なお、同学術・研究都市には、本学の理工学総合研究センター九州研究所が二〇〇一年から開校することも決まっている【詳報】


他大学との授業提携 狙いは教員のリストラ? 本学と東京女子医科大や学習院女子大学との授業提携が発表されるなど、すでに三つの女子大学との授業提携が決まっている。女子大当局の方は早大の授業やネームバリューに期待しているようだが、本学当局の狙いは今ひとつ鮮明ではない。「教員のリストラがねらいか」とのうがった見方も一部にはある。 

荷物置き場として使わないのはルール違反 一文当局が文学部のサークルに「警告」

 1月14日、第一文学部と早稲田大学総務部の連名で、文学の2つの学生サークルに対して、現在使用しているスペースの使用を許諾した際の条件として荷物置き場として使用することとしていたにもかかわらず「用途に適っていない」として、用途に適うように「もどすよう強く求める」という文書をわたしていたことが分かった。

 この部室は文学部のフレハブ部室。文書をわたされた2サークルは共同でひとつのスペースを使用している。現状は本棚のなかに本が多数収納されており、それを閲覧するための机とイスなどもおいてある。こうした使用の仕方が「荷物置き場でない」とする根拠は文書ではなにも示されていない。

 この文書をうけとったサークル員は「荷物を置いてあるのだから荷物置き場だ。違反行為という表現は実に恣意的。この文書をつくった教員の研究室では、お茶を呑んだら、研究以外の目的で研究室を使ったとして、ルール違反とされるのか」と憤りを隠さなかった。

 新学生会館の竣工を前にして、すでに学生サークル活動にたいして、強い規制がかけられていることが分かる。


感染研究所から結核菌漏洩の疑惑

 十一月十日付の男性誌「宝島」は、「感染症研究所周辺で結核患者が現れた」として感染権の付近に住む住民が立て続けに二人も結核患者がでたことを報じた。同誌は、感染研から排出された結核菌によるものだと推測している。こうした推測が成り立つのは、結核の発生は一万人に三人の割合で発生するが、「近所で二人も感染するというのは一定量の菌を吸い込んで発祥したとしか考えられない」(元農林水産省食品総合研究所研究官・松野守男氏)からだという。

 さらに、感染研の前身である国立予防衛生研究所が戸山に移転する前に使用していた品川の跡地から大量の放射性物質や化学物質などの危険物質が放置されたままであることが、現在、社会問題となっている。にもかかわらず、大学当局としては、感染研の隣接地での新学生会館の建設を見直そうともしていない。こうしたことから、現在の感染研の安全性や大学の姿勢について、学生、教職員また住民からあらためて強い疑念の声が上がっている。


入間で自衛隊機が墜落、あわや大惨事に

 11月22日、埼玉県狭山市の入間川河川敷に自衛隊機T-33ジェット機が墜落炎上した。この事故でパイロット二名が死亡。付近は新興住宅地であわや大惨事となるところだった。航空自衛隊では、11月15日から、380機・3万3000人を動員した大演習を行なっており、その最中の事故だった。

 本紙記者は事故当日、現場を取材。付近住民の方は、「ドカーンという音がして外に飛び出した。恐かったよ」と不安の面もちで語った。さらに住民の方は「そういえば最近自衛隊機の飛行回数がめっきり増えていたよ」と語った。こんな住宅密集地のうえで演習が行なわれていたとは、記者は背筋が凍る思いがした。


自衛隊機墜落事故で入間駐屯地に抗議

 11月二十二日、練習中と思われる自衛隊機が埼玉県狭山市の住宅街がせまる入間川河川敷に墜落、炎上した。この事故に対して、社会科学部自治会役員など早大生が、同日夜、入間駐屯地に対して抗議行動を行なった。早大生らは、駐屯地の正門ゲート前で「墜落事故弾劾」などのシュプレヒコールを上げ、抗議文を職員に渡した。抗議行動に参加した学生の一人は「住宅密集地で、こんな大変な事故が起こるとは驚きだ。あらためて怒りがわいた」と語った。


 

人間科学部の再編案が浮上 「スポーツ科学部」新設構想 人間科学部を実質的に「スポーツ科学部」に再編するという構想が持ち上がっている。

浮上している人間科学部の再編案はスポーツ科学科をスポーツ科学部に昇格させ、残りの人間基礎科学科と人間健康科学科を合同して新・人間科学部をつくるというもの。建て前上は現在の三学科からスポーツ科学科が独立して新たな学部をつくるものとされている。しかし実質においては、現在の人間科学部はスポーツ科学部に再編され、残りの二学科が合同してつくる新・人間科学部は学部とは名前ばかりのものとなるともみられる。

人間科学部のスポーツ科学科はすでに「ワセダスポーツアカデミー(WSA)構想」を打ち出し、『キャンパスナウ』紙上でも紹介されている。この構想は、自治体の補助金や企業の賛助金を得て、地域住民を対象としたフィットネスファームなどのスポーツ事業を行なうというもの。教員・学生・地域住民が参加し、地域住民は同時に「調査研究の対象者」になるという。また将来的には「総合型地域スポーツクラブ(ワセダクラブ)」を設立したり外資を導入したりする予定という。

大学がフィットネスクラブのような事業を行なうというのはきわめて異例なこと。今回の人間科学部の再編案も、こうした大学がスポーツ事業を推進することなどにのりだしたことと軌を一にしたものとみられる。この再編案には奥島当局の意向が強く働いているとみられる。

人間科学部がスポーツ専門学部のようなものに大きく様変わりすることにもなりかねない。


法学部自治会クラス委員総会で執行部提案の自治会規約改定案が「否決」 十月十四日に行なわれた法学部学生自治会(佐藤邦政委員長)の後期クラス委員総会で、執行部が提案した自治会規約改定案が事実上「否決」されていたことがわかった。法学部自治会(法自)執行部は、これまで学生大会の決議を成立要件としていた「自治会費の変更」「他団体の加入」について、その成立要件を「学部投票の実施」へ緩和することを提案していたが、参加学生から事実上拒否されたかたちだ。この「自治会費の変更」のための必要条件の緩和を提案した自治会執行部には、現在、自治会の財政運営にたいする数多くの疑惑が浮上してきてもいる。【詳報】

早実移転跡地利用構想が発覚 「新宿区新聞」によれば七月十五日、奥島孝康総長が商工会議所新宿支部評議会の講演会で早稲田実業学校移転後の跡地利用に関する構想を明らかにした。それによれば、「ベンチャー企業を育てる研究大学院を立ち上げる」という。このことから、早実移転の目的が、早稲田大学の将来構想のためであったことが発覚。「早稲田にあってこそ早実」という早実OBの声や移転によって公園用地を奪われ、生活環境の劣悪化さえ予測される国分寺と小金井の市民の抗議の声を無視して行なわれていた移転計画が早大当局の利益のみを追求していたものと分かった。 


早大生らが臨界事故で科学技術庁に抗議 十月一日、早大生など、全学連の学生が科学技術庁(外務省庁舎内)前で臨界事故にたいする抗議行動を行った。早大生ら抗議の学生たちは「臨界事故はプルサーマル計画推進のための特殊な燃料をつくるかていでおきたものではないか」「原発政策をやめよ」「潜在的核兵器保有能力確保のための原発政策反対」などと口々に抗議の声を上げた。さらに、今回の事故への対応じたいが、住民を放射能にさらし続けたものであることを抗議した。

 このように住民の生命の危険さえもかえりみないのは、臨界事故でふたたび高まりつつある原発政策への反発を払拭することを目的に最初から事故を小さく見せるためのものといえよう。


早実国分寺移転 小金井市の住民が早実や小金井市役所などに要請書/住民の要望を無視して移転工事に着工・推進 国分寺市と早実当局が早実の国分寺市への移転で基本的に合意したことを受けて早実当局は八月より国分寺駅近くにある新日鉄グラウンドでの工事に着手した。この工事では建造物の取り壊し作業と野球用のグラウンド整備を行っているもよう。すでに現在、野球用の防球ネットと思われる高さ二十メートル近いポールが数本、グラウンドの東側にたてられ、建造物の取り壊し作業もすすんでいる。

 こうした事態にたいして新日鉄グラウンドの東側に隣接する小金井市側の住民は、早実当局や小金井市役所、国分寺市役所、東京都学事課などに要請書を七月から八月にかけて複数提出。学事課に対しては小金井市の住民との合意ができない限り小学校建設の認可を下ろさないように要請している。また、早実当局に対しては学校移転にともなう騒音や粉塵、プライバシー、交通、風紀の問題など、悪化する可能性の大きいものを列挙しこれらの問題が起こらないことを確約するようにせまっている。すでに住民側は七月下旬に、こうした要望を早実当局に提出している。にもかかわらず、決定されたと思われる学校施設の配置図なども明らかにしないなかで、新日鉄グラウンドの工事には着工してしまったことから近隣住民の多くは憤りを隠さないという。ある近隣の方は「あまりにもわたしたちを無視している。最低限のルールさえ守っていない」と語った。さらに、早実移転予定地には隣接して保育園もあり、学校建設の仕方によっては著しく養育環境を破壊することになりかねない。

 早実の移転計画は以上のようにいまだ、多くの問題をかかえながら進められているといえよう。


早大生ら全国の学生が日の丸・君が代法案などの反動諸法成定に抗議

 本学早稲田大学をはじめとした首都圏の学生や全国の学生が6月下旬から8月11日現在、連日国会裏の議員会館前で国会議員に対してすわり込みなどの抗議の行動をおこなっている。これは国旗・国歌法や組織犯罪対策法、改訂住民基本台帳法を参院で可決・成立させようという政府・与党の動きに抗議・反対するためのもの。本学の学生らは9日からすわり込みを徹夜も含め、終日おこない、諸法案が可決された12日夜まで、国会に向かって抗議の声を上げ続けた。

 会期末が近づくにつれて、民主党執行部が与党との裏交渉を活発におこないはじめ、議会のなかでの牛歩・牛舌戦術はたたかったポーズをとりつくめうためのもの以上ではないことは誰の目にも明白となっていった。こうしたことから、座りこみをする学生の中からは共産党や社民党などが議会主義的にしか反対運動をつくらず、土壇場になっても労働組合や学生・市民に立ち上がることを呼びかけなかったことにたいする批判の声が噴出した。


浜大樹演習でLCACが事故 北海道の十勝・大樹浜で7月3日から強行された北方機動演習で、初めて90式戦車を搭載して上陸演習を行っていたエアクッション方舟艇LCACが重大事故をひき起こした。この事故は上陸しようとしたLCACが目標地点を誤り、波打ち際を海岸線に沿って移動したところ大波をかぶり14時ごろ左エンジンが停止に陥ったというもの。このことによりLCACは走行不能となり波打ち際に漂うこととなった。自衛隊側は対応に苦慮、30分後に戦車で引き上げようとしたものの失敗し、結局戦車で係留することとなった。事故を引き起こしたLCACが母船の「おおすみ」に回収されたのは翌朝だったもよう。演習中に最新鋭艦船を故障させるだけでなく、一歩間違えば現場で反対運動をしていた民間の学生たちに突っ込みかねない事態だったことから、自衛隊としては大失態をおかしたといえよう。

 演習を阻止するため演習場間近で反対運動を行っていた全学連の学生は、事故発生後直ちに帯広畜産大学にて記者会見を開き、北方機動演習そのものの中止を求めて緊急声明 を発表した。この記者会見には地元紙の記者も参加した。


文学当局が学生サークル部室に無断侵入し調査活動。窃盗も 6月30日、午前8時40分ごろ、文学部キャンパスの部室に第一文学部の当局者一名がサークル員に無断で侵入し、部室にあった印刷物などを窃盗するという事件が発生した。事件が起こったのは通称「01部室」といわれる部室で、サークル員が入室しようとしたところ、不審な人物が出てきたので声をかけたところ第一文学部の柏原事務長であることがわかった。さらに不審に思ったこのサークル員が柏原事務長になにをしていたのかを尋ねたところ、「きれいに整理されているなぁ」などと応えたという。だが、柏原事務長のもっていた鞄のポケットにはこの部室に置いてあった複数の印刷物が押し込められていることをこのサークル員が発見。その後、部室を見に行ったところ、机の上などが荒らされ、印刷物などを入れたファイルが無造作に放置されていたという。こうしたことから、柏原事務長が無断で部室に侵入したのみならずサークルの所有物を窃盗したと断定しうる事態といえよう。同事務長が学生の自主的活動にたいして不当な調査活動をおこなっていたことは明白で、事態のいかんによっては法的にも問題となる事態といえよう。

 なお、この部室には「P3・原発・環境問題研究会」と「現代文化研究会」が入室しており、それぞれ同好会登録と学生の会登録をしている公認団体。これらの団体にたいして第一文学部当局は「規則に違反している」などの数々の理由をつけて部室使用や看板設置、教室使用などのあらゆる活動に対して規制をおこなっていた。こうした規制を行っていたのはこれらのサークル員の中に、文学部当局による学生の自主的活動への規制につよく反対している学生が複数在籍していたからと思われる。最近では盗難の多発などを根拠として当局の「施設管理権」を主張し、01部室など、学生部室を当局が直接管理し学生から取り上げることを画策していたもよう。P3・原発・環境問題研究会の幹事長は「窃盗行為まではたらいた学生の活動への調査活動は思想信条の自由という理念の全面否定であるばかりか、手法が公安警察まがいのものであり学問の府の当局の行うこととしては最低の逸脱行為だと思う。こうしたインモラルな現在の文学部当局のあり方は絶対に許せない」と語った。他方、文学部当局はこの件について同サークルに事態の釈明も謝罪も一切行なっていない。


大槻義彦教授(理工学部)が奥島総長のオカルト研究翼賛姿勢を批判 大槻教授が昨年11月に本学で開催されたオカルト集会に奥島総長が参加し、オカルト研究を翼賛するともとれるあいさつをしたことを批判(本紙、新入生歓迎号に掲載)。


組織犯罪対策法衆議院通過に早大生らが抗議 6月1日、衆議院で組織対策関連法が可決された。この日本学の学生をはじめ、国学院大学、中央大学、和光大学、専修大学、東京大学、津田塾大学などの学生が国会脇の衆議院第二議員会館まえですわり込みを行った。本学の学生らは組織対策関連法案の可決に反対するために正午過ぎから午後五時近くまですわりこんで抗議の意志を示した。この日は労働組合も多くつめかけ、組織犯罪関連法案や労働者派遣法制定に反対していた。組織犯罪対策法は自自公によって強行的に採決された。法案可決後、あまりに理不尽な可決の仕方、「盗聴法」の内容の危険性にたいして議員や文化人、労働組合、学生などからひろく抗議の声が起こった。


商学部裁判で画期的判決/商学部自治会非公認決定の不当性が確定 四月二十八日、東京地方裁判所(東京地裁)民事第四○部は、商学部自治会が大学当局(学校法人早稲田大学ならびに早稲田大学商学部)を被告としておこした自治会費支払請求訴訟についての判決を下した。この中で東京地裁は、商学部自治会を、三○年以上にわたり存続し多数決原則によって運営されている「権利能力なき社団」(法人資格はないが裁判の主体たりうる団体)と認定。「原告は…権利能力なき社団に該当せず、当事者能力を欠いている」とした大学側の主張を全面的に退けた。【詳報へ】


早実移転に地域の市民が反対運動 早実移転が早実の奥島理事会のもとで決定されたが、この決定にたいして地域の市民が強い抗議の声をあげている。早実こうした市民の声をも無視して現在、早実の移転計画は推進されている。なお、この計画は早大理事会も了承したという。


トップページに戻る