男女差別禁止及び救済に関する法律

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制定99.2.8法律第5934号

一部改正2001.1.29法律第6401号

第1章  総則

第1条(目的)この法律は、憲法の男女平等理念により雇傭、教育、財貨・施設・用役等の提供及び利用、法及び政策の執行において男女差別を禁止し、これによる被害者の権益を救済することにより社会のすべての領域において男女平等の実現することを目的とする。

第2条(定義)この法律で使用する用語の定義は、次のとおりである。

 1."男女差別"とは、政治的・経済的・社会的・文化的生活のすべての領域において人間としての基本的自由を認識・享有し、又は権利を行使する場合において合理的な理由なく性別を理由としてなされるすべての区別・排除又は制限をいう。

 2."セクシュアルハラスメント"とは、業務、雇傭その他の関係において公共機関の従事者、使用者又は勤労者がその地位を利用し、又は業務等と関連して性的言動等により性的屈辱感若しくは嫌悪感を感じさせ、又は性的言動その他要求等に対する拒絶を理由として雇傭上の不利益を与えることをいう。

 3."公共機関"とは、国家機関・地方自治団体その他大統領令が定める公共団体をいう。

 4."使用者"とは、事業主又は事業経営担当者その他勤労者に関する事項に対して事業主のために行為する者をいう。

第2章  男女差別の禁止

第3条(雇傭における差別禁止)公共機関及び使用者は、雇傭分野において男女の平等な機会及び待遇が保障されるようにしなければならず、採用、昇進、転補、解雇、停年等において男女差別をしてはならない。

第4条(教育における差別禁止)公共機関及び使用者は、教育において教育機会・条件・方法等により男女差別をしてはならない。

第5条(財貨・施設・用役等の提供及び利用における差別禁止)公共機関及び使用者は、財貨・施設・用役等の提供及び利用において男女差別をしてはならない。

第6条(法及び政策の執行における差別禁止)公共機関は、法令により職務を遂行し、又は権限を行使する場合において男女差別をしてはならない。

第7条(セクシュアルハラスメントの禁止等)@公共機関の従事者、使用者及び勤労者は、セクシュアルハラスメントをしてはならない。

A公共機関の長及び使用者は、大統領令が定めるところによりセクシュアルハラスメントの防止のために教育を実施する等必要な措置を講じなければならない。

Bセクシュアルハラスメントは、男女差別とみなす。

第8条(男女差別禁止の例外)他の法律に規定された男女平等を促進するための暫定的措置等は、この法律による男女差別とみなす。

第3章  専担機構

第9条(男女差別改善委員会の設置)男女差別事項の調査・是正勧告その他この法律による男女差別改善事務を遂行するために女性部長官所属の下に男女差別改善委員会(以下"委員会"という。)を置く。[全文改正2001・1・29]

第10条(機能)男女差別改善事務に関する委員会の機能は、次の各号のとおりである。

 1.男女差別事項に関する資料要求等調査

 2.男女差別の有無の決定・調停・是正勧告・告発

 3.男女差別的法令・制度又は政策等の改善に対する勧告又は意見表明

 4.第2号及び第3号の事項に関する措置結果の通報要求

 5.男女差別禁止に対する基準及び改善指針の樹立・普及

第10条の2(委員会の構成)@委員会は、委員長及び常任委員1人を含む10人以内の委員で構成する。

A委員長は、女性部長官がなり、委員は、次の各号の1に該当する者中から女性部長官の提請で大統領が任命する。

 1.大学又は公認された研究機関で15年以上女性関連学問を講義し、又は研究した経歴があり、副教授以上又はこれに相当する職に5年以上勤務した者

 2.2級以上又はこれに相当する公務員の職にあった者であって男女平等又は女性関連業務に3年以上勤務した者

 3.判事・検事又は弁護士として15年以上勤務した者

 4.女性関連分野で15年以上活動した経歴があり、識見及び徳望がある者

B女性部所属公務員は、大統領令が定めるところにより常任委員を兼ねることができる。この場合、第2項・第10条の3及び第10条の4の規定は、これを適用しない。

C委員中2人以上は、弁護士の資格がある者でなければならない。

D委員長は、委員会を代表し、委員会の業務を統轄する。

E委員長がやむを得ない事由により職務を遂行することができないときは、常任委員がその職務を代行する。

[本条新設2001・1・29]

第10条の3(委員の任期)委員(委員長を除く。)の任期は、3年とし、1回に限り連任することができる。

[本条新設2001・1・29]

第10条の4(委員の身分保障)@委員(委員長を除く。)は、次の各号の1に該当する場合を除いては、その意思に反して免職されない。

 1.禁錮以上の刑の宣告を受けた場合

 2.国会議員又は地方議会議員となった場合

 3.政党に加入した場合

 4.長期間の心身衰弱により職務を遂行することができなくなった場合

 5.職務と関連した非違事実があり、又は委員職を維持するのに適合しないと認められる非違事実がある場合

A委員(委員長を除く。)が第1項第1号から第3号までに該当したときは、当然免職され、同項第4号及び第5号に該当したときは、委員会の議決を経て免職される。

[本条新設2001・1・29]

第11条(会議の区分)@委員会の会議は、委員全員で構成される会議(以下"全員会議"という。)並びに委員長又は常任委員1人及び非常任委員4人以内で構成される会議(以下"小会議"という。)に区分する。

A小会議は、その管掌事項を処理するために部門別に置く。

第12条(全員会議及び小会議の管掌事項)@全員会議は、次の各号の事項を審議・議決する。<改正2001・1・29>

 1.委員会の運営に関する一般的な事項

 2.男女差別禁止に対する基準及び改善指針の樹立

 3.委員会で従前に議決した決定・意見等を変更する必要がある事項

 4.小会議で議決されず、又は小会議が全員会議で処理することと決定した事項

 5.第32条の規定による異議申請に対する裁決

 6.その他全員会議で自ら処理することが必要であると認める事項

A小会議は、第1項各号以外の事項を審議・議決する。

第13条(会議の議事及び議決定足数)@全員会議の議事は、委員長、常任委員の順で主宰し、在籍委員過半数の賛成で議決する。<改正2001・1・29>

A小会議の議事は、委員長又は常任委員が主宰し、構成委員全員の出席及び出席委員全員の賛成で議決する。

第14条(委員の記名・捺印)委員会がこの法律の規定により議決する場合には、その理由を明示した議決書でしなければならず、議決に参加した委員は、その議決書に記名・捺印しなければならない。

第15条(委員の除斥・忌避・回避)@委員は、次の各号の1に該当する事件に対する審議・議決から除斥される。

 1.委員又はその配偶者若しくは配偶者であった者が当事者であり、又は共同権利者若しくは共同義務者である事件

 2.委員が当事者と家族及び親族関係にあり、又は当事者の法律・経営等に対する諮問・顧問等である事件

 3.委員が証言又は鑑定をした事件

 4.委員が当事者の代理人で関与し、又は関与した事件

A男女差別事項を申請した者及び当該公共機関又は使用者は、委員に審議・議決の公正を期待するのが困難な事情がある場合には、忌避申請をすることができる。

B委員長は、第2項の規定による忌避申請に対して委員会の議決を経ずに決定する。ただし、が決定に対して当該委員、公共機関又は使用者の異議がある場合、全員会議の議決を経て決定する。

C委員本人が第1項各号の1の事由又は第2項の事由に該当する場合には、自らその事件の審議・議決を回避することができる。

第16条(幹事)@男女差別改善の事務を処理するために委員会に幹事1人を置く。

A幹事は、女性部所属公務員中から委員長が指名する者がなる。<改正2001・1・29>

第17条(公務員等の派遣)@委員長は、委員会の業務遂行のために必要であると認める場合には、国家機関・地方自治団体・教育機関又は団体等に対し公務員又は職員の派遣を要請することができる。

A第1項の規定による公務員等の派遣要請を受けた機関又は団体の長は、委員会と協議してその所属公務員又は職員を委員会に派遣することができる。

B第2項の規定により委員会に派遣された公務員又は職員は、その所属機関又は団体から独立して委員会の業務を遂行する。

C第2項の規定により委員会に公務員又は職員を派遣した機関又は団体の長は、委員会に派遣された者に対して人事・処遇等において不利な措置をしてはならない。

第18条(専門要員)@委員長は、委員会の男女差別改善事務に関する専門的な調査・研究業務を担当するために必要な場合には、委員会に2人以内の専門要員を置くことができる。

A第1項の専門要員は、委員長が任命する。

第19条(罰則適用における公務員擬制)委員会の公務員でない委員及び専門要員は、男女差別改善事務に対しては、刑法その他法律による罰則の適用する場合においてこれを公務員とみなす。

第20条(委員会の準則)この法律に規定されたことのほか委員会の男女差別改善事務の運営等に関して必要な事項は、委員会の準則で定める。

第4章  調査等の手続

第21条(男女差別事項の是正申請等)@第3条から第7条までの規定に違反した男女差別により被害を受けた者(自然人に限る。)は、委員会にこの法律による是正を申請することができる。

A第1項の規定による男女差別事項の是正申請は、次の各号の事項を記載した書面又は口述でしなければならない。

 1.申請人の名前及び住所

 2.申請の趣旨及び理由並びに男女差別事項の原因となる事実

 3.その他大統領令が定める事項

第22条(男女差別事項の調査)@委員会は、男女差別事項の是正申請を受理したときは、遅滞なくその事実に関して必要な調査をしなければならない。ただし、次の各号の1に該当する事項に関しては、この限りでない。

 1.当該男女差別事項の原因となる事実が発生した日から1年が経過した事項

 2.男女差別事項の内容がそれ自体で虚偽であることが明白であり、又は正当な理由がないと認められる事項

 3.他の法令により処理され、又はその処理のための手続が進行中の事項

 4.その他委員会が調査することが適切でないと認める事項

A委員会は、重大な男女差別事項があると信ずるに足りる相当する根拠があるときは、職権で必要な調査をすることができる。

B委員会は、他の機関が処理することが適切であると判断される男女差別事項をその機関に移送することができる。この場合、移送の方法・手続その他必要な事項は、大統領令で定める。

C委員会は、調査を開始した後にも調査を続ける必要がないと認めるときは、これを終結することができる。

D委員会は、受理された男女差別事項に関して第1項但書により調査をせず、又は第3項の規定により他の機関に移送したとき及び第4項の規定により調査を終結したときは、その理由を付して遅滞なく申請人に通知しなければならない。

E第1項の調査は、大統領令で定める特別な事情がない限り、是正申請を受理した日から90日以内に完了しなければならない。

第23条(調査の方法)@委員会は、第22条の規定による調査をすることにおいて必要であると認めるときは、次の各号の措置をすることができる。

 1.公共機関又は使用者に対する説明要求又は関係資料・書類等の提出要求

 2.申請人・利害関係人又は参考人の出席又は意見陳述等の要求

 3.鑑定人の指定及び鑑定の依頼

A委員会は、その業務遂行のために必要であると認めるときは、女性部所属職員又は専門要員をして公共機関又は使用者に対して実地調査をさせ、又は指定された場所で申請人・利害関係人若しくは参考人の陳述を聞かせることができる。<改正2001・1・29>

B第2項の場合、当該職員又は専門要員は、その権限を表示する証票を関係人に示さなければならない。

第24条(調査の限界及び事実照会)@委員会が第23条第1項第1号・第2号、同条第2項の規定により説明を要求し、又は関係資料・書類等の提出を要求し、又はその実地調査をしようとする場合、関係公共機関の長又は使用者から当該資料又は書類等が公開されれば国家安全保障・国防・統一・外交関係等国家の重大な利益を害するおそれがあるという内容の確認書が委員会に提出されたときは、委員会は、その資料若しくは書類等の提出を要求し、又はその資料又は書類等に対する実地調査をすることができない。

A委員会は、第1項の規定により資料又は書類等の提出を要求し、又は資料若しくは書類等に対する実地調査をすることができない場合であって必要であると認めるときは、関係公共機関の長又は使用者に照会して必要な事項の確認を要求することができる。

第25条(合意勧告)委員会は、是正申請を調査する過程で男女差別事項に該当すると認めるときは、申請人及び被申請人に合意を勧告することができる。

第26条(調停手続の開始)@委員会は、申請人及び被申請人間に第25条の合意勧告に伴う合意が成立しない場合には、当該是正申請を調停に回附することができる。

A申請人及び被申請人は、第25条の合意勧告に伴う合意が成立しない場合には、委員会に調停を申請することができる。

B委員会は、第1項及び第2項の規定による調停回附又は調停申請がある場合、遅滞なく調停手続を開始しなければならない。

C調停手続に関する必要な事項は、大統領令で定める。

第27条調停は、申請人及び被申請人間に合意された事項を調停書に記載した後、申請人及び被申請人が記名・捺印し、委員会がこれを確認することにより成立する。この場合、当事者間に調停書と同じ内容の合意が成立したものとみなす。

第28条(是正措置の勧告及び意見表明)@委員会は、第22条の規定による調査の結果、男女差別事項に該当すると認めるに足りる相当な理由があるときは、男女差別であることを決定し、当該公共機関の長又は使用者に是正のために必要な措置を勧告しなければならない。

A第1項の規定による是正措置は、次のとおりである。

 1.男女差別行為の中止

 2.原状回復・損害賠償その他必要な救済措置

 3.再発防止のための教育及び対策樹立等のための措置

 4.日刊新聞の広告欄を通じた公表

 5.その他大統領令で定める事項

B委員会は、男女差別事項を調査・決定する過程で法令・制度又は政策等の改善が必要であると認定され、又は不当な行為若しくはこの法律の規定に違反するおそれがある事実を発見したときは、当該公共機関の長又は使用者にこれに対する合理的な改善を勧告し、又は意見を表明することができる。

第29条(意見提出機会の附与)委員会は、第28条第1項の規定により公共機関の長又は使用者に是正措置の勧告をする前にあらかじめ当該公共機関の長・使用者・申請人又は利害関係人に意見を提出する機会を与える。

第30条(決定の通知)委員会は、男女差別事項の是正申請に対する決定を申請人及び当該公共機関の長又は使用者に通知しなければならない。

第31条(処理結果の通報)@第28条の規定による是正措置の勧告若しくは改善勧告又は意見を通報を受けた公共機関の長又は使用者は、特別な事由があることを釈明することができない限り、これに応じなければならない。

A第1項の公共機関の長又は使用者は、是正措置の勧告若しくは改善勧告又は意見を通報を受けた日から30日以内にその処理結果を委員会に通報しなければならない。

B委員会は、第2項の規定による処理結果の通報を受けたときは、申請人にその内容を通知しなければならない。

第32条(異議申請)@この法律による委員会の是正措置の勧告に対して不服がある者は、その処分の告知を受けた日から30日以内にその理由を備えて委員会に異議申請をすることができる。

A委員会は、第1項の規定による異議申請に対して30日以内に裁決をしなければならない。ただし、やむを得ない事情によりその期間内に裁決をすることができない場合には、30日の範囲内において決定でその期間を延長することができる。

第33条(公表)委員会は、第28条の規定による是正措置の勧告若しくは改善勧告又は意見及び第31条第2項の規定による処理結果の内容を公表することができる。ただし、他の法律の規定により公表が制限され、又は個人の私生活の秘密が侵害されるおそれがある場合には、この限りでない。

第34条(告発)委員会は、男女差別事項を調査した結果、その内容が関係法律の刑事処罰規定に違反すると認めるときは、管轄捜査機関等に告発することができる。

第35条(訴訟支援)@委員会は、第28条の規定により男女差別事項として決定された事項に対して女性発展基本法第29条の規定による女性発展基金で訴訟を支援することができる。<改正2001・1・29>

A第1項の規定による委員会の訴訟支援要件及び手続等は、大統領令で定める。

第5章  補則

第36条(国会への報告)@委員会は、毎年定期国会に前年度の男女差別事項に関する是正事項その他活動等に関する年次報告書を提出しなければならない。

A第1項の規定による年次報告書の作成に必要な事項は、大統領令で定める。

第37条(協調要請)委員会は、職務遂行上必要であると認められる場合には、公共機関に対して資料提出等の協調を要請することができる。この場合、要請を受けた公共機関は、特別な事由がない限りこれに応じなければならない。

第37条の2(権限の委任)この法律による委員会の権限中軽微な事項は、大統領令が定めるところにより委員長に委任することができる。[本条新設2001・1・29]

第38条(罰則)第23条第2項の規定による実地調査を正当な理由なく妨害した者は、2年以下の懲役又は1千万ウォン以下の罰金に処する。

第39条(過怠料)@次の各号の1に該当する者は、1千万ウォン以下の過怠料に処する。

 1.第23条第1項第1号の規定に違反して関係資料・書類等の提出を拒否し、又は虚偽の関係資料・書類等を提出した者

 2.第23条第1項第2号の規定に違反して正当な事由なく出席をしない者

 3.第23条第2項の規定による実地調査を拒否又は忌避した者

A第23条第1項第3号の規定により鑑定の依頼を受けた者が虚偽の鑑定をしたときは、500万ウォン以下の過怠料に処する。

B第1項及び第2項の規定による過怠料は、大統領令が定めるところにより委員会が賦課・徴収する。

C第3項の規定による過怠料処分に不服がある者は、その処分の告知を受けた日から30日以内に委員会に異議を提起することができる。

D第3項の規定による過怠料処分を受けた者が第4項の規定により異議を提起したときは、委員会は、遅滞なく管轄裁判所にその事実を通報しなければならず、その通報を受けた管轄裁判所は、非訟事件手続法による過怠料の裁判をする。

E第4項の規定による期間内に異議を提起せず、過怠料を納付しないときは、国税滞納処分の例によりこれを徴収する。

附則@(施行日)この法律は、1999年7月1日から施行する。

A(他の法律の改正)女性発展基本法中次のとおり改正する。

 第11条を削除する。

附則<2001・1・29>

@(施行日)この法律は、公布した日から施行する。

A(経過措置)この法律施行当時従前の規定による女性特別委員会の決定・調整・是正勧告・告発・改善勧告・意見表明その他行為又は女性特別委員会に対する是正申請・異議申請その他行為は、それに該当するこの法律による男女差別改善委員会の行為又は男女差別改善委員会に対する行為とみなす。


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