公務員犯罪に関する没収特例法

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制定95.1.5法律第4934号

第1章 総則

第2章 没収の範囲及び要件に関する特例

第3章 没収に関する手続等の特例

第4章 第三者参加手続等の特例

第5章 保全手続

 第1節 没収保全

 第2節 追徴保全

 第3節 補則

附則

1章 総則

 

1条(目的)この法律は、特定公務員犯罪を犯した者がその犯罪行為を通じて取得した不法収益等を徹底的に追跡・還収するために没収等に関する特例を規定することにより公職社会の不正腐敗要因を根源的に除去し、清潔な公職風土を造成することをその目的とする。

 

2条(定義)この法律において使用する用語の定義は、次の通りである。

 1."特定公務員犯罪"とは、次の各目の1に該当する罪(その罪と他の罪が刑法第40条の関係にある場合には、その他の罪を含む。)をいう。

 イ 刑法第129条から第132条までの罪

 ロ 会計関係職員等の責任に関する法律第2条第1号・第2号又は第4号(第1号又は第2号に規定された者の補助者であってその会計事務の一部を処理する者に限る。)に規定された者が国庫又は地方自治団体に損失を及ぼすことを認識し、その職務に関して犯した刑法第355条の罪

 ハ 特定犯罪加重処罰等に関する法律第2条及び第5条の罪

 2."不法収益"とは、特定公務員犯罪の犯罪行為により得た財産をいう。

 3."不法収益に由来した財産"とは、不法収益の果実として得た財産、不法収益の対価として得た財産、これら財産の対価として得た財産等不法収益の変形又は増殖により形成された財産(不法収益が不法収益と関連ない財産と合わさって変形され、増殖した場合には、不法収益から始まった部分に限る。)をいう。

 4."不法財産"とは、不法収益及び不法収益に由来した財産をいう。

 

2章 没収の範囲及び要件に関する特例

 

3条(不法財産の没収)@不法財産は、これを没収する。

A第1項の規定により没収しなければならない財産に対して財産の性質、使用状況、その財産に関する犯人以外の者の権利有無その他事情によりこれを没収することが相当でないと認められるときは、第1項の規定にかかわらず没収しないことができる。

B第1項の場合、刑事訴訟法第333条第1項及び第2項の規定は、これを適用しない。

 

4条(不法財産が合わせられた財産の没収方法)不法財産が不法財産外の財産と合わせられた場合に第3条第1項の規定によりその不法財産を没収しなければならないときは、不法財産とその他の財産が合わせられた財産(以下"混合財産"という。)のうち不法財産の比率に相当する部分を没収する。

 

5条(没収の要件等)@第3条の規定による没収は、不法財産又は混合財産が犯人以外の者に帰属しない場合に限る。ただし、第2条第1号ロ目の罪及びハ目の罪中特定犯罪加重処罰等に関する法律第5条の罪において、不法財産又は混合財産が国家又は地方自治団体の所有に属する場合及び犯人以外の者が犯罪後その情を知りつつその不法財産又は混合財産を取得した場合(法令上の義務履行として提供されていたものを取得し、又は債権者に相当する財産上の利益を提供する契約時にその契約に関連する債務履行が不法財産又は混合財産により行われるものであるという点を知らずにその契約に関連する債務の履行として提供されていたものを取得した場合を除く。)には、その不法財産又は混合財産が犯人以外の者に帰属した場合にも没収することができる。

A地上権・抵当権その他の権利がその上に存在する財産を第3条の規定により没収する場合に、犯人以外の者が犯罪前にその権利を取得したとき又は犯人以外の者が犯罪後その情を知らずにその権利を取得したときは、これを存続させる。

 

6条(追徴)不法財産を没収することができず、又は第3条第2項の規定により没収しないときは、その価額を犯人から追徴する。

 

7条(不法財産の立証)特定公務員犯罪後犯人が取得した財産であってその価額が取得当時の犯人の財産運用状況又は法令に期限給付の受領状況等に照らして顕著に高額であり、その取得した財産が不法収益金額・財産取得時期等諸般事情に照らして特定公務員犯罪により得た不法収益から形成されたとみなすに値する相当な蓋然性がある場合には、特定公務員犯罪から得た不法収益がその財産の取得に使用されたものと認めることができる。

 

3章 没収に関する手続等の特例

 

8条(第三者の権利存続等)地上権・抵当権その他の権利がその上に存在する財産を没収する場合に、第5条第2項の規定により当該権利を存続させるときは、裁判所は、没収の宣告と同時にその旨を宣告しなければならない。

 

9条(没収された財産の処分等)@没収された財産は、検事がこれを処分しなければならない。

A債権の没収裁判が確定したときは、検事は、その債権の債務者に没収裁判の抄本を送付してその要旨を通知しなければならない。

 

10条(没収の裁判に期限登記等)権利の移転に登記又は登録(以下"登記等"という。)を要する財産を没収する裁判に基づいて権利の移転等の登記等を関係機関に嘱託する場合に、没収により効力を失った処分の制限に関連する登記等があり、又は没収により消滅した権利の取得に関連する登記等があるとき又はその没収に関して第5章第1節の規定による没収保全命令又は附帯保全命令に関連した登記等があるときは、上の各登記等も抹消を嘱託したものとみなす。

 

11条(刑事補償の特例)債権等の没収執行に対する刑事補償法による補償の内容に関しては、同法第4条第6項の規定を準用する。

 

12条(没収財産処分の特例)@第2条第1号ロ目の犯罪行為又は同号ハ目のうち特定犯罪加重処罰等に関する法律第5条の犯罪行為と関連して没収又は追徴判決が確定した場合、被害を受けた国家の特別会計管理主体及び地方自治団体は、国家に対して被害額に相当する金員の支払いを要求することができる。

A国家は、第1項の要求が正当であると認められる場合には、上の犯罪行為と関連する没収又は追徴で国庫に帰属した金員の範囲内においてこれを支払わなければならない。

 

4章 第三者参加手続等の特例

 

13条(告知)@検事が公訴を提起する場合においてこの法律の規定により被告人以外の者(国家又は地方自治団体を除く。)の財産又は地上権・抵当権その他の権利がその上に存在する財産の没収が必要であると認めるときは、直ちに上の財産を有する者又はその財産上に地上権・抵当権その他の権利を有する者であって被告人外の者(以下"第三者"という。)に書面で次の事項を告知しなければならない。

 1.被告人に対する刑事事件が係属中の裁判所

 2.被告人に対する刑事事件名及び被告人の氏名

 3.没収しなければならない財産の品名・数量その他その財産を特定するに足りる事項

 4.没収の理由となる事実の要旨

 5.被告人に対する刑事事件手続への参加申請が可能であるという趣旨

 6.参加申請が可能な期間

 7.被告人に対する刑事事件に対し公判期日が定められた場合には、公判期日

A第三者の所在を知ることができず、又はその他の事由により第1項の告知をすることができないときは、検事は、第1項各号の事項を官報又は日刊新聞に掲載し、検察庁掲示場に14日間掲示して公告しなければならない。

B検事が第1項又は第2項の規定による告知又は公告をしたときは、これを証明する書面を裁判所に提出しなければならない。

 

14条(参加手続)@没収されるおそれがある財産を有する第三者は、第1審裁判があるまで(略式手続による裁判がある場合には、正式裁判請求が可能な期間が経過するまでをいい、この場合、正式裁判請求があるときは、通常の公判手続による第1審裁判があるまでをいう。以下同じである。)被告人に対する刑事事件が係属中の裁判所に対して書面でその刑事事件手続への参加申請をすることができる。ただし、第13条第1項又は第2項の規定による告知又は公告があったときは、告知又は公告があった日から14日以内に限り参加申請をすることができる。

A検事が第13条第1項又は第2項の規定により告知又は公告した裁判所が被告人に対する刑事事件を移送した場合に、その裁判所に参加申請があるときは、申請を受けた裁判所は、被告人に対する刑事事件の移送を受けた裁判所にその申請書面を送付しなければならない。この場合、その書面が送付されたときは、始めから被告人に対する刑事事件の移送を受けた裁判所に対して参加申請をしたものとみなす。

B裁判所は、参加申請が法律上の方式に違反し、又は第1項に規定された期間が経過した後になされた場合、及び没収しなければならない財産又は没収しなければならない財産上に存在する地上権・抵当権その他の権利が申請人に帰属しないことが明白なときは、参加申請を棄却しなければならない。ただし、第1項但書に規定された期間内に参加申請をしないことが申請人の責に帰すべからざる事由によるものと認められるときは、第1審裁判があるまで参加を許可することができる。

C裁判所は、第3項の場合を除いては、参加申請を許可しなければならない。ただし、没収するのが不可能であり、又は没収が不必要である旨の検事の意見が相当であると認められるときは、参加申請を棄却することができる。

D裁判所が参加を許可した場合において、没収しなければならない財産又は没収しなければならない財産上に存在する地上権・抵当権その他の権利が参加が許可された者(以下"参加人"という。)に帰属しないことが明白されたときは、参加を許可した裁判を取り消さなければならず、没収することが不可能であり、又は没収が不必要である旨の検事の意見が相当であると認められるときは、参加を許可した裁判を取り消すことができる。

E参加に関する裁判は、検事、参加申請人又は参加人、被告人又は弁護人の意見を聞いて決定しなければならない。

F検事、参加申請人又は参加人は、参加申請を棄却した決定又は参加を許可した裁判を取り消した決定に対して即時抗告することができる。

G参加の取下げは、書面でしなければならない。ただし、公判期日には、口述ですることができる。

 

15条(参加人の権利)@参加人は、この法律に特別な規定がある他には、没収に関して被告人と同じ訴訟上の権利を有する。

A第1項の規定は、参加人を証人として調査することを妨げない。

 

16条(参加人の出席等)@参加人は、公判期日に出席することを要しない。

A裁判所は、参加人の所在を知ることができないときは、公判期日の通知その他書類の送達を要しない。

B裁判所は、公判期日に出席した参加人に対して没収の理由となる事実の要旨、参加前の公判期日における審理に関する重要な事項その他参加人の権利を保護する為に必要であると認める事項を告知し、没収に関して陳述する機会を与えなければならない。

 

17条(証拠)@参加人の参加は、刑事訴訟法第310条の2から第318条の3までの規定を適用するのに影響を及ぼさない。

A裁判所は、刑事訴訟法第318条及び第318条の3本文の規定により証拠とすることが可能な書面又は陳述を調査した場合に、参加人がその書面又は陳述の内容となった陳述をした者を証人として調査することを請求したときは、その権利の保護に必要であると認められる限り調査しなければならない。参加人の参加前に調査した証人に対して参加人が更にその調査を請求したときにも同じである。

 

18条(没収裁判の制限)第三者が参加許可を受けていないときは、次の各号の1に該当する場合を除いては、没収裁判をすることができない。

 1.第13条第1項又は第2項の規定による告知又は公告があった日から14日が経過したとき。ただし、没収しなければならない財産又は没収しなければならない財産上に存在する地上権・抵当権その他の権利が参加申請人又は参加人に帰属しないことが明白であるという理由で又は没収することが不可能であり、又は不必要である旨の検事の意見に基づき参加申請が棄却され、又は参加を許可した裁判が取り消された場合を除く。

 2.参加申請が法律上の方式に違反して棄却されたとき

 3.参加が取り下げられたとき

 

19条(上訴)@原審の参加人は、上訴審又は参加人としての地位を失わない。

A参加人が上訴したときは、検事又は被告人が上訴をせず、又は上訴の放棄又は取下げをした場合にも、原審裁判中没収に関する部分は、確定しない。

B第2項の場合に、被告人は、上訴審及びその後の審級にあって公判期日に出席することを要しない。この場合、刑事訴訟法第33条・第282条及び第283条の規定は、これを適用しない。

C第2項及び第3項の規定は、略式手続による裁判に対して参加人が正式裁判の請求をした場合にこれを準用する。

 

20条(代理人)@この法律の規定により被告人に対する刑事事件手続に関与する第三者は、弁護士中から代理人を選任して訴訟行為を代理させることができる。この場合、刑事訴訟法第32条第1項及び第35条の規定を準用する。

A代理人は、参加人の書面による同意がなければ参加の取下げ、正式裁判請求の取下げ、上訴の放棄又は取下げをすることができない。

 

21条(刑事訴訟法の準用)@第三者の訴訟能力に関しては、刑事訴訟法第26条から第28条までの規定を、第三者の訴訟費用負担に関しては、同法第186条及び第191条の規定をそれぞれ準用する。

A第13条第1項に規定された財産を没収する手続に関しては、この法律に特別な規定がある場合を除いては、刑事訴訟法の規定を準用する。

 

22条(他の手続との関係)第13条第1項に規定された財産を没収する裁判を自己の責に帰することができない事由により、被告人に対する刑事事件手続において権利を主張することができなかった第三者の権利には、影響を及ぼさない。

 

5章 保全手続

 

1節 没収保全

 

23条(没収保全命令)@裁判所は、特定公務員犯罪に関連する被告人に対する刑事事件に関してこの法律の規定により没収することができる財産(以下"没収対象財産"という。)に該当すると判断するするに足りる相当な理由があって、その財産を没収するために必要であると認められるときは、検事の請求により又は職権で没収保全命令を発してその財産に関する処分を禁止することができる。

A裁判所は、地上権・抵当権その他の権利がその上に存在する財産に対して没収保全命令を発した場合又は発しようとする場合、その権利が没収により消滅するとみるに足りる相当な理由があってその財産を没収するために必要であると認められるとき又はその権利が仮装されたものとみるに足りる相当な理由があると認められるときは、検事の請求により又は職権で別途の附帯保全命令を発してその権利の処分を禁止することができる。

B没収保全命令書又は附帯保全命令書には、被告人の氏名、罪名、公訴事実の要旨、没収の根拠となる法令の条項、処分を禁止する財産又は権利の表示、これら財産又は権利を有する者(名義人が異なる場合、名義人を含む。)の氏名、発付年月日その他大法院規則で定める事項を記載し、裁判した裁判官が署名捺印しなければならない。

C裁判長は、緊急を要する場合には、第1項又は第2項に規定された処分をし、又は合議部の構成員にその処分をさせることができる。

D不動産又は動産に対する没収保全は、刑事訴訟法の規定による押収を妨げない。

 

24条(起訴前没収保全命令)@検事は、第23条第1項又は第2項の理由及び必要があると認められる場合には、公訴が提起される前又は地方裁判所判事に請求して同条第1項又は第2項の規定による処分を受けることができ、司法警察官は、検事に申請して検事の請求により上の処分を受けることができる。

A司法警察官は、没収保全命令又は附帯保全命令が発された場合には、遅滞なく関係書類を検事に送付しなければならない。

B第1項の規定による請求は、請求する検事が所属する地方検察庁又は支庁所在地を管轄する地方裁判所又は支院の判事にしなければならない。

C第1項の規定により請求を受けた判事は、没収保全に関して裁判所又は裁判長と同じ権限を有する。

D検事は、第1項の規定による没収保全後公訴を提起したときは、その要旨を没収保全命令を受けた者(被告人を除く。)に通知しなければならない。ただし、その人の所在が不明であり、又はその他の理由により通知することができないときは、通知に代えてその要旨を管轄地方検察庁又は支庁の掲示場に7日間掲示して公告しなければならない。

 

25条(没収保全に関する裁判の執行)@没収保全に関する裁判は、検事の指揮により執行する。

A没収保全命令の執行は、その命令により処分が禁止される財産を有する者に没収保全命令の謄本が送達される前にもすることができる。

 

26条(没収保全の効力)没収保全された財産(以下"没収保全財産"という。)に対し当該保全以後になされた処分は、没収に関してその効力を発生しない。ただし、第37条第1項本文に規定された場合(第40条第4項及び第5項の規定により準用する場合を含む。)及び没収保全命令に対抗することができる担保権の実行としての処分に関しては、この限りでない。

 

27条(不動産の没収保全)@不動産の没収保全は、その処分を禁止する旨の没収保全命令によりする。

A第1項の没収保全命令の謄本は、不動産の所有者(名義人が異なる場合、名義人を含む。)に送達しなければならない。

B不動産に対する没収保全命令の執行は、没収保全登記をする方法により行う。

C第3項の登記は、検事が嘱託する。

D不動産に対する没収保全の効力は、没収保全登記されたときに発生する。

E不動産に対して登記請求権を保全するための処分禁止仮処分の登記された後没収保全登記された場合にその仮処分債権者が保全しようという登記請求権に期限登記をするときは、没収保全登記による処分の制限は、その仮処分登記に期限権利の取得又は消滅に影響を及ぼさない。

F民事訴訟法第603条第2項・第611条第2項及び第612条の規定は、不動産の没収保全に関してこれを準用する。この場合、同法第603条第2項中"債務者”は、"没収保全財産を有する者゛と、第611条第2項中"第1項"及び第612条中"第611条”は、"公務員犯罪に関する没収特例法第27条第4項゛と、第612条中"裁判所"は、"検事"とそれぞれ読み替えるものとする。

 

28条(船舶等の没収保全)登記することができる船舶、航空法により登録された航空機、自動車管理法により登録された自動車、建設機械管理法により登録された建設機械の没収保全に関しては、不動産に対する没収保全の例による。

 

29条(動産の没収保全)@動産(第28条に規定されたもの以外のものをいう。以下この条において同じである。)の没収保全は、その処分を禁止する趣旨の没収保全命令により行う。

A第1項の没収保全命令の謄本は、動産の所有者(名義人が異なる場合名義人を含む。以下この条において同じである。)に送達しなければならない。

B刑事訴訟法の規定により押収されない動産又は同法第130条第1項の規定により看守者を置き、又は所有者若しくは適当な者に保管させることができる動産に関して没収保全命令があるときは、検事は、公示書を添付させ、又はその他相当な方法でその趣旨を公示する措置をしなければならない。

C動産の没収保全の効力は、没収保全命令の謄本が所有者に送達されたときに発生する。

 

30条(債権の没収保全)@債権の没収保全は、債権者(名義人が異なる場合名義人を含む。以下この条において同じである。)には、債権の処分及び領収を禁止し、債務者には債権者に対する支払いを禁止する旨の没収保全命令により行う。

A第1項の没収保全命令の謄本は、債権者及び債務者に送達しなければならない。

B債権の没収保全の効力は、没収保全命令の謄本が債務者に送達されたときに発生する。

C民事訴訟法第562条・第581条第1項及び第3項本文の規定は、債権の没収保全に関してこれを準用する。この場合、同法第562条第1項中"差押”は、"没収保全゛と、"債権者”は、"検事゛と、第562条第2項中"差押命令"及び第581条第1項中"配当要求”は、"没収保全命令゛と、第581条第1項及び第3項本文中"第三債務者”は、"債務者゛と、同条第3項中"裁判所"は、"没収保全命令を発した裁判所"とそれぞれ読み替えるものとする。

 

31条(その他財産権の没収保全)@第27条から第30条までに規定された財産以外の財産権(以下この条において"その他財産権"という。)の没収保全に関しては、この条に特別に定めた事項を除いては、債権の没収保全の例による。

Aその他財産権中債務者又はこれに準ずる者がない場合(第3項の場合を除く。)没収保全の効力は、没収保全命令がその権利者に送達されたときに発生する。

B第27条第3項から第6項まで及び民事訴訟法第611条第2項及び第612条の規定は、その他財産権中権利の移転に登記等を要する場合に関してこれを準用する。この場合、同法第611条第2項中"第1項"及び第612条中"第611条”は、"公務員犯罪に関する没収特例法第31条第3項において準用した第27条第4項゛と、第612条中"裁判所"は、"検事"とそれぞれ読み替えるものとする。

 

32条(没収保全命令の取消)@裁判所は、没収保全の理由若しくは必要がなくなり、又は没収保全の期間が不当に長くなったときは、検事若しくは没収保全財産を有する者(その人が被告人又は被疑者である場合には、その弁護人を含む。)の請求又は職権による決定で没収保全命令を取り消さなければならない。

A裁判所は、検事の請求による場合を除いては、第1項の決定をするとき、検事の意見を聞かなければならない。

 

33条(没収保全命令の失効)@没収保全命令は、没収宣告がない裁判(刑事訴訟法第327条第2号の規定による場合を除く。)が確定したときは、その効力を失う。

A刑事訴訟法第327条第2号の規定による公訴棄却の裁判があった場合公訴棄却の裁判が確定した日から30日以内にその事件に対して公訴が提起されないときは、没収保全命令は、その効力を失う。

 

34条(失効等場合の措置)検事は、没収保全が失効したときは、遅滞なく没収保全登記等に対する抹消嘱託を行い、公示書の除去その他必要な措置をしなければならない。

 

35条(没収保全財産に対する強制執行手続の制限)@没収保全された後にその没収保全の対象となった不動産又は第28条に規定された船舶・航空機・自動車又は建設機械に対して強制競売開始決定された場合又はその没収保全の対象となった有体動産に対して強制執行による差押がなされた場合には、強制執行による換価手続は、没収保全が失効した後でなければこれを進行することができない。

A没収保全された債権に対して強制執行による差押命令が発された場合その差押債権者は、差し押さえられた債権中没収保全された部分に対して没収保全が失効しなければ債権を領収することができない。

B第1項の規定は、没収保全された後に強制執行により差し押さえられた債権この条件附又は期限附、又は反対履行と関連してい、又はその他事由により推尋することが困難な場合にこれを準用する。

C没収保全されたその他財産権(民事訴訟法第584条第1項に規定されたその他財産権をいう。)に対する強制執行に関しては、没収保全された債権に対する強制執行の例による。

 

36条(第三債務者の供託)@金銭の支給を目的とする債権(以下"金銭債権"がという。)の債務者(以下"第三債務者"という。)は、当該債権が没収保全された後にその没収保全の対象となった債権に対して強制執行による差押命令の送達を受けたときは、その債権の全額を債務履行地の地方裁判所又は支院に供託することができる。

A第三債務者が第1項の規定による供託をしたときは、その理由を没収保全命令を発した裁判所及び差押命令を発した裁判所に申告しなければならない。

B第1項の規定により供託された場合執行裁判所は、供託された金員中から没収保全された金銭債権の金額に相当する部分に関しては、没収保全が失効したとき、その残り部分に関しては、供託されたとき配当手続を開始し、又は弁済金の交付を実施する。

C第1項及び第2項の規定は、強制執行により差し押さえられた金銭債権に関して没収保全された場合に第三債務者の供託に関してこれを準用する。

D第1項(第4項において準用する場合を含む。)の規定により供託された場合に民事訴訟法第580条の規定を適用する場合において同条第1項第1号の"第581条第3項"は、"公務員犯罪に関する没収特例法第36条第1項(同条第4項において準用する場合を含む。)"と読み替えるものとする。

 

37条(強制執行の対象となった財産の没収制限)@没収保全される前に強制競売開始決定又は強制執行により差し押さえられた財産に対しては、没収裁判をすることができない。ただし、差押債権者の債権が仮装されたものであるとき、差押債権者が没収対象財産であるという事実を知っていながら強制執行を申請したとき又は差押債権者が犯人であるときは、この限りでない。

A没収対象財産上に存在する地上権その他権利であって附帯保全命令により処分が禁止されたものに対し、その処分禁止前に強制競売開始決定又は強制執行により差し押さえられた場合にその財産を没収するときは、その権利を存続させて没収する旨を宣告しなければならない。ただし、差押債権者の債権が仮装されたものであるとき、差押債権者が没収によりその権利が消滅するという事実を知りながら強制執行を申請したとき又は差押債権者が犯人であるときは、この限りでない。

 

38条(強制執行の停止)@裁判所は、強制競売開始決定又は強制執行により差し押さえられた財産に関して没収保全命令を発した場合又は発しようとする場合第37条第1項但書に規定された事由があると判断するに足りる相当な理由があると認められるときは、検事の請求又は職権による決定で強制執行の停止を命じることができる。

A検事が第1項の決定謄本を執行裁判所に提出したときは、執行裁判所は、強制執行を停止しなければならない。この場合、民事訴訟法の規定を適用する場合においては、同法第510条第2号の書類が提出されたものとみなす。

B裁判所は、没収保全が失効したとき、第1項の理由がなくなったとき又は強制執行停止期間が不当に長くなったときは、検事又は差押債権者の請求により又は職権で第1項の決定を取り消さなければならない。この場合、第32条第2項の規定を準用する。

 

39条(担保権の実行のための競売手続との調整)@没収保全財産上に存在する担保権が没収保全された後に成立し、又は附帯保全命令により処分が禁止された場合その担保権の実行(差押を除く。)は、没収保全又は附帯保全命令による処分禁止が失効しなければこれをすることができない。

A担保権の実行のための競売手続が開始した後その担保権に関して附帯保全命令が発された場合検事がその命令の謄本を提出したときは、執行裁判所は、その手続を停止しなければならない。この場合、民事訴訟法の規定を適用する場合においては、同法第726条第1項第5号(同法第729条及び第732条で準用する場合を含む。)の文書が提出されたものとみなす。

 

40条(その他手続との調整)@第35条の規定は、没収保全された財産が滞納処分(国税徴収法及び地方税法の規定又はその例による各種徴収手続をいう。以下同じである。)により差し押さえられた場合、没収保全された財産を有する者に対して破産宣告又は和議開始決定(以下"破産宣告等"という。)がある場合又は没収保全された財産を有する会社に対して整理手続開始決定がある場合にその手続の制限に関してこれを準用する。

A第36条の規定は、没収保全された金銭債権に対して滞納処分による差押がある場合又は滞納処分により差し押さえられた金銭債権に対して没収保全がある場合に第3債務者の供託に関してこれを準用する。

B第36条第1項及び第2項の規定は、没収保全された金銭債権に対して仮差押がある場合又は仮差し押さえられた金銭債権に対して没収保全がある場合に第三債務者の供託に関してこれを準用する。

C第37条の規定は、没収保全となる前にその没収保全の対象となった財産に対して仮差押がある場合又は没収対象財産上に存在する地上権その他権利であって附帯保全命令により処分が禁止されたものに対し、その処分禁止前に仮差押がある場合にこのような財産の没収制限に関してこれを準用する。

D第37条第1項本文の規定は、没収保全となる前にその没収保全の対象となった財産に対して滞納処分による差押がある場合、没収保全となる前にその没収保全の対象となった財産を有する者に対して破産宣告等がある場合又は没収保全となる前にその没収保全の対象となった財産を有する会社に対して整理手続開始決定がある場合にこのような財産の没収制限に関してこれを準用する。

E第37条第2項本文の規定は、没収対象財産上に存在する地上権その他権利であって附帯保全命令により処分が禁止されたものに関してその処分禁止前に滞納処分による差押がある場合、没収対象財産上に存在する地上権その他権利であって附帯保全命令により処分が禁止された権利の権利者に対してその処分禁止前に破産宣告等がある場合又は没収対象財産上に存在する地上権その他権利であって附帯保全命令により処分が禁止された権利を有する会社に対してその処分禁止前に整理手続開始決定がある場合にこのような財産の没収制限に関してこれを準用する。

F第38条の規定は、仮差し押さえられた財産に対して没収保全命令を発した場合又は発しようとする場合に強制執行停止に関してこれを準用する。

 

41条(附帯保全命令の効力等)@附帯保全命令は、その命令に関係した没収保全の効力が存続する間その効力がある。

A附帯保全命令による処分禁止に関しては、この法律に特別な規定がある場合を除いては、没収保全に関する規定を準用する。

 

2節 追徴保全

 

42条(追徴保全命令)@裁判所は、特定公務員犯罪に関連する被告人に対する刑事事件に関して第6条の規定により追徴しなければならない場合に該当すると判断することだけのものは、あった相当な理由がある場合に追徴裁判を執行できなくなるおそれがあり、又は執行が顕著に困難なおそれがあると認められるときは、検事の請求により又は職権で追徴保全命令を足して被告人に対して財産の処分を禁止することができる。

A追徴保全命令は、追徴裁判の執行のために保全することが相当であると認められる金額(以下"追徴保全額"という。)を定めて特定財産に対して足しなければならない。ただし、有体動産に関しては、その目的物を特定しないことができる。

B追徴保全命令には、追徴保全命令の執行停止や執行処分の取消のために被告人が供託しなければならない金員(以下"追徴保全解放金"という。)の金額を定めるなければならない。

C追徴保全命令書には、被告人の氏名、罪名、公訴事実の要旨、追徴の根拠となる法令の条項、追徴保全額、処分を禁止する財産の表示、追徴保全解放金額、発付年月日その他大法院規則で定める事項を記載して裁判した裁判官が署名捺印しなければならない。

D第23条第4項の規定は、追徴保全に関してこれを準用する。

 

43条(起訴前追徴保全命令)@検事は、第42条第1項の理由と必要があると認められる場合には、公訴が提起される前又は地方裁判所判事に請求して同項に規定された処分を受けることができる。

A第24条第3項及び第4項の規定は、第1項の規定による追徴保全に関してこれを準用する。

 

44条(追徴保全命令の執行)@追徴保全命令は、検事の命令により執行する。この場合、検事の命令は、民事訴訟法の規定による仮差押命令と同じ効力を有する。

A追徴保全命令の執行は、追徴保全命令の謄本が被告人又は被疑者に送達となる前にもすることができる。

B追徴保全命令の執行に関しては、この法律に特別な規定がある場合を除いては、民事訴訟法その他仮差押執行の手続に関する法令の規定を準用する。この場合、法令の規定により仮差押命令を発した裁判所が仮差押執行裁判所であって管轄することとなっている仮差押の執行に関しては、第1項の規定による命令を発した検事が所属する検察庁に対応する裁判所が管轄する。

 

45条(金銭債権債務者の供託)追徴保全命令に基づいて追徴保全執行された金銭債権の債務者は、その債権額に相当する金員を供託することができる。この場合、債権者の供託金出給請求権に対して追徴保全執行されたものとみなす。

 

46条(追徴保全解放金の供託及び追徴等の裁判の執行)@追徴保全解放金が供託された後に追徴裁判が確定したとき又は仮納裁判が宣告されたときは、供託された金額の範囲内において追徴又は仮納裁判の執行があったものとみなす。

A追徴宣告された場合に供託された追徴保全解放金が追徴金額を超えるときは、その超過額は、被告人に還付しなければならない。

 

47条(追徴保全命令の取消)裁判所は、追徴保全の理由若しくは必要がなく、又は追徴保全期間が不当に長くなったときは、検事、被告人・被疑者又はその弁護人の請求又は職権による決定で追徴保全命令を取り消さなければならない。この場合、第32条第2項の規定を準用する。

 

48条(追徴保全命令の失効)@追徴保全命令は、追徴宣告がない裁判(刑事訴訟法第327条第2号の規定による場合を除く。)が確定したときは、その効力を失う。

A刑事訴訟法第327条第2号の規定による公訴棄却の裁判があった場合、追徴保全命令の効力に関しては、第33条第2項の規定を準用する。

 

49条(追徴保全命令が失効した場合の措置)検事は、追徴保全命令が失効し、又は追徴保全解放金が供託された場合速かに第44条第1項の規定による命令を取り消すと同時に追徴保全命令に期限追徴保全執行の停止又は取消のために必要な措置をしなければならない。

 

3節 補則

 

50条(送達)没収保全又は追徴保全(追徴保全命令に期限追徴保全執行を除く。以下この節 で同じである。)に関する書類の送達に関しては、大法院規則に特別に定めた場合を除いては、民事訴訟に関する法令の規定を準用する。この場合、民事訴訟法第179条第1項に規定された公示送達の効力発生時期は、同法第181条第1項本文及び第2項の規定にかかわらず7日とする。

 

51条(上訴提起期間中の処分等)上訴提起期間内の事件でまだ上訴が提起されない事件及び上訴し訴訟記録が上訴裁判所に到達しない事件に関して没収保全又は追徴保全に関する処分をしなければならない場合には、原審裁判所がその処分をしなければならない。

 

52条(不服申請)@没収保全又は追徴保全に関する裁判所の決定に対しては、抗告することができる。

A没収保全又は追徴保全に関する裁判官の裁判に不服がある場合その裁判官が所属した裁判所にその裁判の取消又は変更を請求することができる。

B第2項の規定による不服申請の手続に関しては、刑事訴訟法第416条第1項において規定した裁判の取消又は変更の請求に関連する手続規定を準用する。

 

附則

@(施行日)この法律は、公布した日から施行する。

A(没収・追徴保全に対する経過措置)第5章の規定は、この法律施行前に行った刑法第129条から第132条まで及び特定犯罪加重処罰等に関する法律第2条の犯罪行為により犯人又は情を知っている第三者が受けた賂物に対しても適用する。この場合、第23条第1項中"この法律"は、"刑法第134条前段゛と、第42条第1項中"第6条”は、"刑法第134条後段"とそれぞれ読み替えるものとする。


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