ドイツ緑の党
カトリン・グリューバさんとの対話

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 文責 木月 透:私のメモにより構成したものであり文責は全て私にあります。

 注目点は、脱原発世論の話で日本は脱原発が30%11年間ずっとあることがとても大きいのだということ。ドイツでは原発推進の方が高い。マスコミも濃淡はあれ日本では基本的に原発に批判的。ドイツではそうではない。そして原発の存在は選択であり自然法則ではないと説得しろということを言われる。実は日本では既にとてもいい条件ができている。社会を説得し政治を動かすのは私たちの力量だということです。これは驚きました。

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カトリンとみんなの写真

 カトリンさんは一週間同じことの繰り返しで疲れておられると思いますがもう少しつっこんだ形でお伺いしたいと思います。

司会
 私たちも日本の政策ネットワークの運動を開始したばかりです。ドイツをお手本にしています。ドイツは20年の経験。私たちも緑の党と同じコースを取るのかどうか。でも同じにならざるを得ない。
 運動の組立方や運動の中での困難がある。
緑の党、カトリンさんはノルトラインベストファーレン州からの出身ですが、
◎どんな運動をしているのか。そして他の運動との関係はどうなのか。
○カトリン
 非常に難しい質問だ。しかし非常に大切な質問だ。
 今回日本側のツアー準備がうまく組まれている。どんなに多くの人がツアーを組んでくれて参加したか。
 いろんなグループと会ったが、各グループがみんな違っていた。実にバラエティがある。

ネットワークを始めたのはいいことだ。各地多種多様なお互いを知ることになる。ネットワークはいいアイデアだ。お互いを学べることは大きい。

 2例上げたい。
@三重県津
 そこで80万以上県民が署名した。これはわれわれがドイツで集めた数より大きい。三重県での運動の結果だ。知事は10%のエネルギー削減を県施設でする事を約束した。しかしまだ中身は具体的な計画がない。

A福岡県
 福岡県庁のエネルギー担当は省エネ計画持っている。しかし完璧ではない。ごみ焼却発電を始めている。

 いろんな動きの情報がある。
ネットワークは具体的な情報を交換し引き出せる。

私はMOX欧州委員会委員長だ。
 オランダ、ベルギー、スイス代表が入っている。お互いの国の情報交換をしている。戻って活力になる。実にネットワークの意味は大きい。
 外から見て強いものとして見られる。ここよりは実際強い。

 20年前緑の党は同じ運動の方法だった。デモ、明確なメッセージなど。今は複雑化している。これは党になってみんなが議員になったときではなく与党になったときに一気に複雑化した。

● ヘッセン州の現在外務大臣のフィンは元環境大臣だった。MOX加工工場建設を止めた。しかしビーブレス発電所を止めようとした時に中央政府からの介入で失敗した。

●ローマニサックスリー州の緑の党は原発廃止に失敗した。
同州の反原発運動はがっかりした。住民は現地の緑の党に失望した。違うところの緑の党として私が呼ばれる。

●4年前ノートライムエタスファリア州の緑の党は与党になった。アーハウスに中間貯蔵施設がある。住民は使用済み燃料が運び込まれないように期待していた。しかし権限がない。住民はがっかりした。それができないことを信用しない。できると信じている。アーハウス輸送で途中の街と村を使用済み燃料が通った。何度も何度も。行くとものすごく怒っていた。怒鳴られた。私の心は簡単なものではない。私は反原発の運動に心から連帯していた。それが私の役割に怒っていた。連邦政府与党になりとても複雑化した。

 使用済み燃料輸送開始に緑の党大臣はゴーサインを出した。反原発運動はそれに対し怒った。条件が整っていたら認可しなければいけない。日常的になぜそうなのか説明する。だから聞かれた質問に答えにくい。でも重要な質問だ。

◎司会
 一週間回られているのだからこちらからまず最初に現在の感想を先にお聞きすべきだった。

○カトリン
 まだ2ヶ所しか触れなかった。全ての箇所でおもしろい話ができる。

◎質問
 盛り上がっている時デモ・集会はしやすい。熱が下がったときこういうやり方したとか振り返って教えてほしい。
○カトリン
 今でもうまくいってない。(笑い)
 今現在ドイツでは原発安全性が最優先されてない。
原発の前で危険性の問題でデモは繰り広げられてない。別に問題化されてない。
輸送の問題がまず運動で問題化している。今までは使用済み燃料は海外へ渡していた。しかし今度は海外ではなく国内の原発処分場だから問題となる。アーハウス、ゴーレーベンなど。ドイツでは国内でないと問題にならない。

 反対運動が正直に言って実際何をしようとしたかというと、輸送反対で原発をごみで山積みにして原発を止めようという戦略だった。
 原発は法的裏付けがある。6年間ごみの処分を含めてどう対応するか計画して許可される。輸送されないと大事。アーハウス、ゴーレーベンも閉鎖されるという戦略。
 実は私はそうは思わない。毎年80トンの使用済み燃料は海外へ行く。現在はけ口がある。海外認識が運動にない。運動認識を変えたい。原発の安全性問題は停滞している。輸送問題が優先された。
緑の党は原発の安全性の問題を世論が取り上げるように戦略を練る。

 さっきの答えは、
アーハウス、ゴーレーベン←複雑な状況ということだ。
私たちは国と国との関係がありますます複雑だ。
 与党として脱原発だから契約しているのに再処理はもういいとは他国へは言えない。責任がある。
 とにかくわれわれ緑の党は、安全性問題をクローズアップするため努力している。
チェルノブイリを忘れて監視が薄くなった。われわれは繰り返しチェルノブイリのような危険性を取り上げる。そういうことしかない。
緑の党原発反対一本だが同時に再生エネルギー、省エネを言っている。
反対ばかりでなくポジティブないい方へも取り上げる。

◎質問 確認
 合意ではサイト内貯蔵となっている。中間貯蔵施設は臨時に行っているのか。
○カトリン
 今のところ合意のみで法律は変えられてない。サイトから運び出せる。
輸送器の技術的問題と政治的問題で中止している。

◎同
 中間貯蔵施設はたくさんあるのか。2つのみか。
○カトリン
2つのみです。
 ラアーグ再処理終えて戻ってきたごみです。ゴーレーベン、アーハウス2つで6年以上のキャパを持っている。

◎同
 2030年に原発を止めて最終処分場へ持っていくということか。
最終処分はどうするのか。
○カトリン
 使用済み燃料の最終処分はまだ行われていない。容器や方法は整ったがされてない。
 計画はされている。

◎同
 ゴーレーベン最終処分地でないとしたら
・直接処分地
・再処理後ごみ
両方とも行く計画か。(木月:注 後でメモを見るとここの質問の意味がよくわかりません。)
 イギリス、フランスと再処理契約で協議して再処理をしないと最近合意したはずだが実際はまだ動いている。違約金を払って契約を解約するという話もあるができないようだ。していない。これはどうなのか。
○カトリン
 違約金は高くつく。払えるかどうかわからない。フランス、ドイツとの契約ではもうしないといった場合、違約金を取られる。
 しかし「予想できないことが起こった場合」払わなくていい条項がある。政権交代は「予想できないこと」と思われる。その条項は誰も覚えていないようだ。
 民間レベルの契約のほかにドイツはフランスと政府契約で再処理を契約している。フランスはドイツへの輸送を阻止しないと約束していると言い張っている。再処理を妨害しないという契約だったと主張している。

◎同
 EUのオスパー条約で再処理は外国でしないとなっているはずだ。
○カトリン
 オスパー条約は締結しても各国政府では真剣に扱われていない。EU議会緑の党がこれを取り上げようとしている。
実施したいがまだ成功していない。

◎感想
 私の住んでいる若狭は15基の原発が集中している。だからアーハウスの住民の怒りはよくわかる。

◎質問
 日本にも円卓会議がある。かなり性格が違うのではと思う。権限や選出方法はどんなものでしょうか。
○カトリン
 私は正直言って円卓交渉に悲観的だ。今第三ラウンドをやっている。一番の問題は原子力産業のコンセンサス(協議して同意)をとるその仕組みにある。彼らにとって原子力を無くすというのは自分たちを無くすということなのだ。
 どう合意を得るのか。そんなことは起こり得ない。
 エネルギー産業と話すのは別だ。政策を変えて彼らに有利にできるからだ。
 例えば私のレジュメにある。国会確認調査でオッペンハイマー原発は天然ガス炉にした方が経済的だと調査結果が出ている。

 円卓会議では一番大きい権限は実は産業界が持っている。
 この今から申し上げることは世界中で見られる傾向ですが、、政府が解決策をどうしたらいいのかわからない。それで産業界が知っていると言う。こういうグローバルゼーションが問題だ。だからどこの国も産業界とのコンセンサスがないと進まないと言ってる。だからあまり法律を作らない方がいいと言っている。
 次の円卓会議では政府と産業と組合との連携を探ってみるつもりです。これは原子力産業に替わり一般産業でどう仕事を作るのかという話です。どういう風に働ける場所をつくり仕事を増やすか話をしている。

 そうすると政府が、原子力産業に不利なことを提案するなら仕事の協議に参加しないと答えがある。
 有権者に雇用を作ると約束している以上原子力産業に参加しないと言われるとつらい。
 原子力産業、エネルギー産業におどされる状態だ。これは一般的な話だ。

 これから原子力産業の話に戻る。
 産業の力は強い。しかし中は分かれている。再処理がどんなに高くても異存ない会社。
 別の会社は再処理などどうでもいいと言っている。
それで自らの中からコーディネーターを選出した。しかしその人は止めてしまった。
利害が多いし一緒に仕事ができない。思っていたよりも弱い。中は複雑だ。

 労働組合とも話をする。
 現時点では原子力を指示する労働組合としか話ができていない。
化学産業労働組合、石炭産業組合連合。2から3年前から話し合いできた。2つとももっとも保守的な組合。現状維持派だ。しかしものすごい力がある。
 石炭採掘労働者が高速道路を勝手に閉鎖してしまうが、逮捕されない。
原子力の反対派なら捕まる。

 私は今脱原発指示の労働組合を捜している。日本ではこのネットワークに労働組合が参加している。とてもうれしかった。
 今度は市民、環境NGOのこと。
 住民のことではなく、環境NGOが参加しています。
 彼らは、参加し続けるべきか話し合わなければならない。それは私は悲観的な見方をしているからだ。なぜかというと大事な役割を果たしていない。現場NGOのなかは初歩的な段階だ。つっこんだ話は進んでない。産業界、市民、組合幅広い社会参加。しかし市民運動がその中へ参加してどうするのか話し合っていない。

◎質問
 環境NGOとはブンド(ドイツのかなり大きな一般的な環境保護団体です。)のことですか。
○カトリン
ブンドのことです。

◎感想
ドイツの円卓会議は日本とよく似た感じだ。

◎質問 訳者
 円卓会議はどういう権限があるのか。
○カトリン
 社会民主党の人に聞けばとても強い権限を持っているという。法律改正をしたくない。円卓会議に出ればそれでいいと、とにかく1年話ししましょうということなのだ。
 私らは平行して法律改正準備しましょうと言う。それが私たちの希望です。
 もうすでに2回円卓会議を持った。どういう権限なのかわかりません。もし円卓会議がコンセンサスが得られれば影響はあるでしょう。
 実はシュレーダー首相はトリエッティン環境大臣を入れずにエネルギー産業だけを入れて円卓会議をしようとした。
 トリエッティン環境大臣は、産業団体にも一般市民にもドイツ政府の中では一番嫌われている。
◎会場
 (えっーと言う声)
○カトリン
 なぜかというと産業に対してチャレンジしたがる。産業界に根本的な攻撃した。原子力安全委員会、放射性安全委員会を産業界よりにならないように再編した。

◎会場みんなから質問
なぜ市民にも嫌われたのですか。
○カトリン
 彼はテレビで見ていると他の人がどう言おうと自分のやり方で通そうとするように見える。
シュレーダー首相が、彼が内閣の他の人に聞かないでやっていくように見せつけた。事実ではないがそう見せた。
 本当は首相であるなら権限を持っているしリードできるはずなのに。

◎会場みんな
 本当に円卓会議は日本とよく似た感じですね。

◎質問
 10年前世論調査。
30% 原発反対
30% 原発賛成
40% 原発に不安感じるが電気は必要だから原発は必要。

 これがずっと変わらない。
 最近反対の人が若干増えて賛成の人が減った。ドイツはどうか。
○カトリン
 数字を持ってこなかった。送付を約束する。

◎同
 ドイツは脱原発は日本より多いですか。
○カトリン
 月によって違う。未だに脱原発すると金がかかると新聞に出ている。原発推進の方が高い。
 日本はこれだけ脱原発支持者がいる。すごいベースがある。30%というのが原発NO!。すごい。
 原発を無くすというのはあくまでも選択の問題だ。説得だ。自然の法則でなく変化できることを証明していけばもっと増えていく。

◎質問
 風力発電は雇用を生み出していると言われた。新しくメーカーができたのですか。
○カトリン
 数多くの企業がある。

◎同
 ドイツ製の風力発電の風車や機械は安いのでしょうか。日本では主にデンマーク製のものが使われている。
○カトリン
 ドイツのものもいい。
 デンマークは一番だ。しかしドイツはそれらの失敗から学んで先を行っている。
2番目に進出することで利益が増えた。3〜4番目に日本がなるのかどうか。
今の風車は前のものより効率がよく音がうるさくない。

◎会場より
 ベストセールスウーマン
 (共に笑い)

◎司会
 8時にやめようと思っていたがせっかくの機会だしもう一踏ん張りがんばってもらっていきたい。

◎質問
英語でグリーンパーティという。緑の人々とどっちが正しい。
○カトリン
 同じもの、気にしないで。
 ドイツが統一して東と西の緑の党が合併して党を作った。だから「90年代緑の党」という言い方もする。
(党の紙バッグの色と絵を示して)「緑」私たち、ひまわりがシンボル。(木月 ジーンとくるんだな)

◎質問
緑の党は、20年前のスタート時はどういうところから育ってきたか。
○カトリン
 私はその時に関係していない。私は外から悲観的な見方をしていた。その後原子力、女性、南北問題、平和、人権などで話し合いができた。党をつくるのはダメという意見もあるが、それならどうあるべきなのかわからない。

 党でないと選挙に出られない。やがていろんな州の議員に出る。議員を増やすと新しく政権を取る。議員になって政権を作りたくない党は無い。そんな党にだれも投票しない。
 野党の時は明確に反論する。与党になると妥協しなければならない。私たちは正しいと言い切ることができなくなる。難しいがやらなければならないことだ。自分たちの目標、遠い目標。それは存在している。それを失ったら党のやりがいを失う。
 私は私のビジョンを持って党員になっている。一方でそれに向かって努力している。

◎質問
 短く言います。今ビジョン緑の党の出発の時の精神的なバックボーンはあるのか。ルドルフ・シュタイナーは関係あるのか。簡単で結構です。
○カトリン
 まだ長くても結構です。ルドルフ・シュタイナーと緑の党は関係ない。彼の考えは難しい。福祉や外国人を理解できていない。
 私たちの目標はよりよい社会だ。15年前緑の党は「私たちはこの地球を私たちの子供から借りている。」というスローガンで出発した。後に入った党員はいる。しかしこれは緑の党の精神の一つだ。社会問題が環境問題と同じくらい重大になった。緑の党は最近ビジョンについて話してない。私は最近の講演会でビジョンをできるだけ話をする。

◎同
使用済み燃料は日本でも重大化している。原発安全問題は繰り返し問題化していく。それは同感だ。
@チェルノブイリなどの重大事故は古くなった炉である。ドイツの古い炉はどうなつているのか。
A中で働く労働者被爆だが、ドイツ人だけか。
○カトリン
 古い原発は廃止した。施設に働いている人の問題は具体的な例は聞かない。
◎同
 トルコ、中近東など被爆労働している人はいないか。
○カトリン
 私の知っている限りない。数多くの外国人労働者がいる。
 日本の被爆外国人労働者の話は聞く。しかしそういうことはない。
 輸送について各地域原発地域だけでなく輸送各町が決議採択をしている。原子力発電所が立地地域の問題だけでないことをみなさんにわかってもらっている。
 グリンピースは地図でどういうところを通るのか発表した。

◎質問
 ゴアレーベンの中間貯蔵施設は文字通り中間貯蔵施設なのか。転化しないか。使用済み燃料の再処理をしないとそのままでは。
○カトリン
 そのために作られてない。
 私たちは地上の再処理を反対している。日本では意見が違うがそれには反対です。最終処分場を見つけなくてはならない。

◎2つの街の人口は。
○カトリン
 ゴアレーベン 6千人。 アーハウス 5万人。

◎感想
 原発反対だけでなくポジティブな提案して行かねばならないのはその通り。新エネでなく省エネということだ。。
 私の住む若狭では11基の原発がある。その52%は大阪市の電気が作られている。地元若狭では発電量の0.00数パーセントしか使っていない。やはり省エネがだいじだ。今ドイツでは省エネは具体的方法はどうしているのか。
○それは昼の講演で大きな部分を占めています。
◎同
 資料をもらいます。

◎質問
 省エネなど行政機構改革や特別な部署の設置をしたのか。
○カトリン
 やっていない。

◎司会
 昼の講演で会場から出て聞けなかった質問がある。まとめてコンパクトにしてE-mailで聞きたいと思います。
 ではこれで終わります。またよろしくお願いします。


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