原発についてのQA

Q. 電気は必要では。

A. 原子力資料情報室が調べたところでは、98年8月を例にとって電力需要を試算したところ火力発電と水力発電を合わせた電力供給量を上回るのは11日だけだとわかりました。実は土日やお盆休みになると電力需要は3分の2に落ちます。夏休みを増やせばそのまま省エネになることも確認できました。
 慶応大学教員の藤田祐幸氏は著書『脱原発のエネルギー計画』(高文研)で1992年夏の3ヶ月間で最大電力を記録した9月4日の24時間の電力消費の推移を試算しています。するとこの酷暑の日でも火力と水力の電気供給量を上回るのは昼間の約9時間だと判明しました。

出典 『原子力市民年鑑 99』原子力資料情報室編(七つ森書館、1999)

 つまりは、このように「原発無しで火力と水力だけでは電力供給が足らなくなる」といっても、それは真夏の特に暑い日のことであり、しかもそのうち昼間の数時間のことなのです。真夏の電力の4割以上が冷房に使われています。しかも平日は事業所や工場などの割合が大きいようです。なにしろ休みになるとこれだけ需要が下がるのです。
 誰もが感じる職場やデパート、電車などの凍えるような冷房の設定温度を2、3度上げるだけでも原発は不要になります。自動販売機や過剰なネオンサインも見直す必要があるでしょう。いずれにしてもわかるのは耐乏生活や原始時代に戻らなくてもほんの少しの省エネや節電が必要なだけで、今の生活のちょっとした見直しで原発は実はいらない。そういうレベルの話なのです。(ここまで末尾参考文献@のP83粥川準二氏のコラムをベースにしました。)

 これ以上の物が必要とは思わないでしょう。またエネルギー浪費がいいとも思わない。ただ真夏に夏休みを増やしてクーラーの中で寝ころんで高校野球などテレビを見ていたい。その要望が強いのだと思います。これは隠れた「原発はしようがない」と思う理由でしょう。しかしこれまでのデータはそれも有りなんだということを示しています。まず夏休みを増やして真昼にはクーラーをかけて家で寝ていましょう。それでも電力需要は激減するでしょう。あくせくした競争主義こそ原発を増やす生活の大きな原因です。
 自動販売機は都市圏ではコンビニも多いことですし、別に減らしてもそれほど迷惑にはならないはずです。ネオンなど邪魔なだけではないですか。それで幸せや豊かさを現す物ではありません。
 ちょっと生活を見直す。これは私たち日本人にとって得意なはずです。それで原発が無くなるのです。


Q. 自然放射線もあるのでは。原発の放射線ばかり騒ぎすぎる。

A. 自然放射線とは宇宙からそそぐものが半分程度です。現在になってから科学者が発見したのは放射能には危険性のない最低限の値、いき値といいますがそういうものがない。つまりはどんなに少量でもそれなりの影響がある。現実に様々の影響を人体は受けています。毒があるからといってより多くの毒をばらまいていいわけではありません。

残りの半分の自然放射能の出す放射線の問題についてです。放射能というのは放射線を出すものです。自然界に放射性物質が存在するといっても何もプルトニウムやストロンチウム、などの体に害を与えるものがあるわけではありません。

 毒といえば例えばふぐを思い出します。ふぐは意外にも自らの持っている毒を作り出す組織を体内にまったく持っていません。ではあの強烈な毒素はどこから現れるのか。実は自然界には毒が広範微量にあります。毎日の食物の中から取り込んだ毒を濃縮して体内に貯めておくのです。進化の過程で毒に対する耐性も身につけ武器としたのです。ではその毒に対して他の生物はどうしているのか。それは新陳代謝の課程で毒を体の外に出すようにしているのです。

 自然界にある放射性物質はこれと同じで体の外に出すことができます。自然界で大きな部分を占めているのは、C14で炭素の中に1%含まれています。考古学ではその原子の崩壊の割合を調べることで年代がわかります。でもこれが体内に蓄積したなんて話は聞きません。それがある中で進化してきたからこそ体に用意があるのです。

 ところが、今原発で問題になる放射性物質は天然にはない人工放射性物質なのです。だから人体はこれを間違えて取り込んでしまいます。例えば甲状腺は放射性ヨウ素を取り込み甲状腺ガンが続出します。

 またストロンチウムは、カルシウムと間違えられ骨に取り込まれます。

 これらはそこで放射線を出し続け大きな害を内部から与え体を破壊し尽くすのです。


Q. 太陽電池は見込みがないのでは。原発しかない。

A. 現在太陽電池はとても身近で電卓や時計などにも使われています。太陽電池の技術面での見込みについて。

 まず重要な機器自体の値段については1980年に4000円/wでしたが、1994年 2000円/kw、1999年 1000円/wと着実に低下しています。3kwで全体の工事費含めてが286万弱程度。
 えっ高いじゃないかと言われるでしょうが、後補助金がついてます。186万から135万になります。

 理論的な変換効率は、いまシリコン系では、最も高性能の単結晶は変換効率は25-30%が理論的に限度と言われています。多結晶は20%。結晶型よりもコストを引き下げられるとして発電用に実用化されたばかりのアモルファス(非晶質)型は、15%です。

 シリコン単結晶型では豪ニューサウスウェールズ大学が99年春、24.4%という最高効率を記録しており、多結晶型でも同大学が19.8%を記録。発電用にシャープや三洋電機などが商品化しているものでも、12-16%の効率があります。アモルファス太陽電池は今までは5%くらいの変換率ですが、本格的な発電用として99年10月最近8%くらいに効率を上げた製品がシャープから発売されました。

 今問題となっているのはなかなか安くならないということです。もちろん少しずつ安くはなっているのですが、そのスピードが遅い。
 実は発電コストは1kwあたり70〜100円。火力の10円に比べると比べものにならないくらい高い。減価償却は現在20年から30年かかるようです。なお原子力は9円となっていますが、まあこれは電源開発予算のバラマキ、放射能対策の極小化など外部的にかかるものを全然計算に入れてないので比較になりません。 

 始め注目されたのはアモルファスタイプで非結晶で手軽に早く作れる。溶かすなどという手間がかかることはせずに作れるのがアモルファス太陽電池です。楽に大量生産ができ安くなるのです。しかもフィルム状に加工もできます。ところが88年に推進していたサンヨー電気で重大な欠陥が発見されました。つまりはアモルファス電池は光で劣化して設置後に10%程度の初期劣化が生じるのです。しかも理論的な変換効率が悪い。それで太陽電池に対する期待の声が小さくなりました。でも結晶タイプでも少しずつ安くなってきました。ということはもっと量産、研究開発投資すれば結晶型も安くなっていくのでは。

 ここで忘れてほしくないのは、開発研究の推進体制と研究費の差です。原子力は国家プロジェクトで国が公社や特殊会社を設立して税金で進めています。 それに対して太陽電池はサンヨーやシャープ、京セラ。確かに大企業ですが、そこが自費でこつこつと研究して進めている形なのです。それでもここまで来たのです。ちゃんと国のプロジェクトとしてすべき問題のはずです。

 もっと国のプロジェクトとして財政資金を導入すべき種類ものです。日本はこの研究支出が世界に比べて著しく著しく偏った国です。

 実は99年秋から2000年にかけては太陽電池の新しい発展の年です。これまでは屋根の上に架台と太陽電池を置くという二度手間な方式でした。しかし屋根材一体型が開発されたのです。これは太陽電池そのものを屋根材として使うものですが、建築基準法に基づき、通常とは異なる材料や構造となるため建設大臣の特別認定が必要となります。既に各社はその申請を済ませ、99年秋以降に一斉に販売されます。
 これで大幅なコストダウンが期待できしかも工期も約半分に短縮されます。特別な職人でなくても施工できて工事も簡単。そのうえ耐久性や強度、耐火性も一般の屋根材と変わらないのです。架台のペンキ塗りなど維持の手間もかかりません。まだ進行中なので発電コスト計算も出ていませんが、大きく下がるのは間違いない。
 しかし、こういうことが何故こんなに時間がかかったのかと思うとまだまだ太陽電池技術がほんの初期段階であることが実感できます。やはり初期には公的なバックアップが必要なのです。まだ思いもかけない発展の可能性がある。そう思います。

 工事費にしても太陽電池も補助があるにしても、もんじゅ、再処理工場など再処理プロジェクト全体で建設費用が2兆円ぐらい。これで500万の屋根に太陽電池がただで付けられる。半額補助としたら1000万世帯。とにかく使う金が原子力に比べてあまりに少ない。


Q.太陽電池は広大な面積を取る。山梨県くらいの面積が必要となる。

A.太陽電池は電卓や時計に広く使われています。そして屋根に取り付けられています。ちょっと考えてみると正確ではないですが、すでに山梨県くらいの面積にはなっているはずなのです。仮に今の2倍3倍普及したとしても面積に困りそうもありません。

 あれおかしいなと思いませんか。いろいろ聞いて今まで信じてきたことが揺らいでいるのでは。

 実は太陽電池というのは分散型で家の屋根や電卓や時計などの生活用品や器具などに副次的に付けそこで使うものなのです。大容量の送電線も鉄塔もいりません。それに比べて今までの発電所は大規模集中型でどこかに特別に大規模発電施設を建ててそこから送電してこなければなりません。それは実は今までの発電所の欠点なんですね。その欠点を太陽電池は克服できた新しいものなのです。それをはっきりと認識してください。それなのに今までの発電所のように装ってトリックを使われたのです。それで考えを操られたのです。

 実は私も関西電力の取締役しかも高位の役員が同内容の講演をしたのを聞きました。ある大きな異業種交流会の企画でした。つてで紛れ込んでいたので反論しにくかったのですが、驚いたのは周りのビジネスマンが、「なーんだ」という声まで出て完全にだまされていたのです。なんと騙されやすい人々だとあきれました。でもそのままになってしまいました。あの人たちにすれば関電の役員となるともうエリートなのです。まさか嘘をつくとは思わなかったのでしょう。


Q. 地層の中で勝手に何万年も前に核分裂した自然の原子炉があったと聞いた。別に周辺に放射能が漏れ出ていない。廃棄物も何万年保管しても地面の中なら大丈夫では。

A. 大地の中にある安定したウラニウムも自然に核分裂することはあるわけです。滅多にない例が「発掘」されたわけです。これは実は状態が違うんですよ。深層の岩盤の中で起こり岩盤の中で終息したもの。穴をあけて取り出しそれを利用してそして穴を開けて大地に戻してももはやバリアーは破られていて閉鎖はできないのです。そして汚染は広がっていくものなのです。人間が安定した大地の中の物を取り出すことにより不安定になり汚染していく。原発の公式というのがあいかわらずはてはまるものなのです。


○参考文献

@別冊宝島483「これから起こる原発事故」宝島社99年12月15日刊

A「日経eco21」99年9月号「自然エネルギーを充分に生かす 太陽光・風力発電の選び方」


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