原発取水口にたまる貝を肥料化販売、セシウム137検出

●1997年11月13日 中日新聞
 中部電力が浜岡原子力発電所の取水槽にたまる貝殻を乾燥・粉砕した「貝殻粉砕肥料」の製造.販売を始めた。

 浜岡原発ではタービンを回した蒸気を冷やすため、沖合い600メートルの海水を取り入れている。ムラサキイガイなどの貝殻が年間2000トンもたまり、その利用策として土壌改良剤として活用する研究を続けてきた。1997年4月から本格的に生産開始、地元会社を通して農家や農協向けに年間1千トンを生産する。20キログラム500円前後で販売される。

●1998年5月6日
 中部電力が浜岡原子力発電所にたまる貝を乾燥.粉砕し販売していた有機肥料から自然界には存在しないはずの放射性物質セシウム137が検出された。肥料はすでに静岡茶やみかん畑の土壌改良剤やにわとりのエサとして大量に使用されており、農協を通じて全国的に出回っている疑いもある。農水省は「こちらには全く相談はなかった。肥料取締法では有害物質として規定しているのは重金属系のカドミウム、水銀、ひ素などで放射性物質の基準はない」としながら「こうした特殊肥料に対し、県の方で知事に届ければ許可がおりてしまう構造的な問題が在る」(農産園芸局)と述べている。昨年から販売された同肥料は法律で規制を受けていないため、放射性物質混入の表示はない。そのため、疑問を抱く地元研究者がサンプルを大学や試験機関に送付、調査を依頼していた。

●1998年5月1日 信濃毎日新聞
 東筑摩郡坂井村の「たい肥センター」の原料の一部として、新潟県の東京電力柏崎刈羽原子力発電所の取水口に付着した貝の購入を計画していることが4月30日わかった。村は「良質な肥料にするためには貝殻の成分が適している」ため、比較的近い場所でまとまった量を確保するために原発からの貝の購入する話が、ほぼまとまっているという。同センターは村内で出る牛ふんやおがくずなどを原料に有機肥料を作り、村民に還元する施設。農薬や化学肥料をできるだけ使わない農作物をブランド化し、農業振興につなげる目的で村が建設した。

注、ダイオキシン類の測定でお馴染みのムラサキイガイ、一度定着場所を決めると動かない習性を持つ。
 
 ちなみに貝による放射性物質の生体濃縮は10万倍だったと思います。
 セシウム137は半減期30年の放射性物質、セシウム134(半減期2年)などと共に原発の放射性廃棄物である。チェルノブイリ事故の際に、代表的な放射性汚染物質として各地で検出された。セシウム137は過去の大気中の核実験のフォールアウトの可能性もある。


住民の反対を押し切り貝の搬入を開始した模様です。

●神戸新聞「原発取水口の貝を有機肥料に,長野で住民反対抗議集会」(1998/10/20)(共同通信配信)

 長野県坂井村の堆肥製造施設「ゆうきセンター」が,有機肥料の原料として東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の取水口に付着する貝(ムラサキガイ,フジツボ)を使うことを決め、19日から本格的な搬入を開始した。
 貝搬入に反対する住民は6月に「農地を守る会」を結成し、抗議集会を開くなど反対運動を続けてきた。同センターは村の予算で建設され,運営組織が委託を受けて運営。今月7日に試験的に搬入した結果、運送コストが安く,においなどの点でも問題ないことから8日に東電と契約した。

 契約書では、同センターが年間1200トンの貝を「一般廃棄物」として搬入,東電が廃棄物処理費用としている年間約2千万円の全額をセンターに支払うという。19日午前中に柏崎刈羽原発を出たトラックは午後2時過ぎセンターに到着。水分などをチェックし、破砕処理された貝約5トンが搬入された。センター隣の畑では試験的に作られた貝入りの堆肥がまかれた。

 原発の取水口や排水口の周辺では大量の貝が発生し、各電力会社はその都度,廃棄物処理をしており、中部電力浜岡原発(静岡県)や日本原電敦賀発電(福井県)は昨年以降,敷地内に施設を設けて貝を粉砕処理し,土壌改良材として市販している。


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