グリーンピー・スジャパンのボランティア3人が釈放

 グリーンピース・ジャパンの「大好きおもちゃ やめよう塩ビ!」横断幕を東京ビックサイトに釣り下げ、ボランティア3人が逮捕された件で、ご支援いただいたみなさまにお知らせします。みなさんのご支援もありまして、3月29日(月)5時10分、3人とも無事釈放されました。ありがとうございました。
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グリーンピース・ジャパンHPのこの件のプレスリリースから。

プレスリリース ● 1999年03月29日

脱塩ビを訴えたボランティア3人本日釈放
グリーンピース、 「日本での市民運動への不当介入問題はまだ終わってい ない」

一連のリリース(3月18日以降)のまとめ

おもちゃの脱塩ビを訴えて横断幕を掲げたことで、不当に 逮捕・勾留されていたグリーンピースのボランティア、カー スティ・ハミルトン、リチャード・ピアソン、マーク・ワトソンの3人が、本日午後5時10分釈放された。
この際、検察が当初逮捕・勾留の理由とされてきた建造物侵入と威力業務妨害のうち、威力業務妨害は取り下げられている。建造物侵入については略式起訴され、罰金を支払って釈放された。

国内外で高まる批判

今回、塩ビに含まれる有害物質から子供を守るという正当な目的をもったアピール行動に対して、日本の捜査機関が逮捕、勾留、家宅捜索という、世界でも異例の過剰反応を示したことに関しては、18日の不当逮捕以来、これまでに、国内外の人権擁護、環境保護などの多くのNGOや個人の強い抗議声明や、釈放要求の要請・署名が関係機関宛てに出されてきた。*1
中でも、玩具への塩ビ使用に対して国内規制を整えているスウェーデンからは、「スウェーデン政府は塩ビ製の子どものおもちゃにフタル酸エステル類を使用することを禁じており、日本政府にも同様の対応を望む」こと、「よい環境政策は、市民の自由な発言が保証されていなければ不可能である」ことを指摘し、今回の捜査機関の対応に驚きを表明する環境大臣のプレスリリースも発表された。*2

さらに昨28日に東京池袋で日本玩具協会からも参加があった「見直そう! こどものおもちゃ」集会では、3人の釈放要求の緊急アピールが全会一致で採択された。同アピールは同日関係諸機関へ送付された。
*3


アピールの公共性

これらの全国的、国際的な批判が集中したことは今回の釈放に直結したといえる。
また、威力業務妨害が検察によって取り下げられたことは、'99東京おもちゃショーの主催者側から被害届がないこと、アピール当日の日本玩具協会会長等にグリーンピースが面会した際にも、業界側のこの問題に対する対策をとっているが、動き自体は遅れている趣旨の発言があるなど、塩ビ玩具の問題に対する認識も示されており、グリーンピースの主張が社会に共有されるものであったことが確認できたといえる。

依然不当な逮捕・勾留理由

■ 裁判所は、建造物侵入と判断した理由を、ビッグサイトのビルに入ったこと自体が違法であると釈明した。
今回のようなアピール活動のように違法な目的の一切存在しない行動のために市民に開かれた施設に入ったことに対して刑法の建造物侵入を適用すること自体が間違いである。3人はグリーンピースのボランティアであり、各自の仕事を持ち、不当な理由で逮捕され、国際的にも悪名高い代用監獄にすでに11日間も勾留されており、一刻も早い釈放が必要であった。

■ 威力業務妨害について、東京おもちゃショーの業務を妨害したと言われているが、威力の対象は誰なのか、どのような業務が妨害されたのかという釈明について、裁判所は一切答えなかった。 勾留理由が明確に提示されないまま長期にわたりに勾留が続いたことは不当である。

継続中の不当捜査

一方、グリーンピース事務局長の志田早苗に対する事情聴取は今もなお続行されており、上記の不当な理由に基づいてなされたグリーンピース事務所の家宅捜索で押収された書類等もいまだ返却されていない。市民運動への捜査当局の介入・不当弾圧という点では今尚、問題は終わっていない。

今回の一連の捜査機関の対応は、日本が、環境保護や健康を守るという認識がいかに低いかを露呈したといえる。今後、グリーンピース・ジャパンは広く市民活動と連帯して警察の不当介入を検証し、キャンペーン活動を通じて市民による環境政策の実現をめざしたいと考えている。

*1:グリーンピースの把握した限りでも、アムネスティ・インターナショナル、日本環境法律家連盟をはじめとする43の団体および個人からの抗議声明、意見書、釈放申入等があった。

*2:スウェーデン政府のプレスリリース(仮訳)

スウェーデン環境大臣、Kjell Larsson:
「日本の警察がグリーンピースに対してとった行為を聞き及び、私は非常に驚いています。私は日本政府へ、スウェーデン政府は塩ビ製の子どもの玩具にフタル酸エステル類を使用することを禁じていることを通知するつもりです。そして日本政府が同様の措置をとられることを期待します」
「また、東京のスウェーデン大使館には、なぜ日本の警察が介入したのか、より詳細な情報を収集するよう要請します」
「私は、良き環境政策は、市民の自由な意見無くしてはあり得ないと確信しています」

Kjell Larsson 環境大臣は、日本の警察が日本のグリーンピース事務所に対していかに弾圧的に振る舞ったかということ、そして3月18日に東京おもちゃショー会場の外で玩具のフタル酸エステル可塑剤が含まれている問題に対して平和的にアピールを行ったグリーンピースのボランティア3人が逮捕されたことを知り、上記のような対応をするに至ったのである。

*3:「見直そう! こどものおもちゃ」実行委員会

日本消費者連盟、グリーンピース・ジャパン、婦人民主クラブ、東京マイコープ本部環境委員会、塩ビとダイオキシンを考える東京市民会議実行委員会で構成。