大和高原にリサイクルのごみが捨てられる!
山添村 水と緑を守る会
上田邦晶


昨年の夏、村の友人一家と長野県に遊びに行った帰り、三重県にある最終処分場を経営するY社の車と出会った。こんなところまで産業廃棄物(以下産廃)をとりに来ているのかと驚いた。

 それから一カ月ぐらいして村の空きビンリサイクルのことで、滋賀県のTカレツト社というビンリサイクルの会社に行った。集められているビンに含まれる汚泥やごみをコンテナに入れていた。会社の方にこの汚泥はどこに持っていくのか聞くと、前述のY社がとりに来ると言うことだった。全国から集められた空きビンの中に含まれるごみ二般廃棄物)が産廃となって私たちの村のすぐ近くの処分場に捨てられているらしい。

 私たちの村も数年前からリサイクルを始めているが、ペットボトルのリサイクルエ場に行くとやはり「出てきた汚泥などは産廃となって、敷地内の処分場に捨てている」といわれた。自分たちの村に産廃処分場ができることには反対し、少しでもごみを減量しようと取り組むなかで、本来、 一般廃棄物であるはずの物が産廃として処理され、どこかの処分場で処理され、その地域の人々に多大な被害を及ぼしていることが分かってきた。

 昨年の十一月、ョーロッパの大学研究者十一人からなるグループがヨ―ロッパの先天障害記録を多数調べる共同研究『ユーロハズコン{欧州の有害ごみによる先天障害研究)』注※を行った。それによると、ごみ埋め立て処分場(日本ではゴミ最終処分揚)周辺に住む母親から生まれた子どもの先天障害が高まっているという。3km以内に住む場合と3kmから7kmの間に住む場合を比較すると、前者のリスクが33%高いことが明らかになった。

 最終処分場はその名のとおり、半永久的に存在し続けるのだから、その近辺の人々の未来の子供たちまでもが被害を受け続けることになる。適正も適法もあったものではない。毎日、処分場から出る汚染された水や空気は、地下水や大気として流れて、日や畑を汚染し、人々の飲み水や食べ物の中に確実に入っていく。

 厚生省は薬害問題の例を出すまでもなく、なにもかも知っているのだと思う。知っていても彼らの硬直した思考回路の中では、利益誘導型の廃棄物対策しかできなくなってしまったのだ。子々孫々まで取り返しのつかない被害を及ぼすことは彼らのその硬直した頭の中にもはつきりと認議されているはずだ。
 有害なものを作らせない。有害なものを売らない。有害なものを買わない。住民が主体になって、問題と責任を明らかにしないといけないと思う。

三重県や北海道や九州では、ゴミ固形燃耕発電の計画や実験が進められている。なぜ、原発もゴミ発電も地方都市なのか?新宿御苑に原発を作り、大阪城の堀にゴミをなぜ埋めないのか?大消費地にゴミ発電所を作るほうが、需要バランスから見ても輸送コストから考えても明らかにいいはずなのに、なぜゴミの少ない地方に作るのか?環境被害という一番のコストが地方都市のほうが安くつくというのだろうか?

注※ユーロハズコン(欧州の有害ゴミによる先天障害研究)の報告書によると、
ゴミ埋め立て処分場周辺の住民は、神経管の障害、心中隔欠損症、大動脈・大静脈の障害などの健康リスクが高かったと共同研究者は記している。
ゴミ埋め立て処分場の近くに住む人は、空気や水、土壌中に出てきた化学物質にさらされるおそれがある。排気ガスやほこり、ほこりに付着した化学物質が処分場から拡散して大気を汚染することもある。特に処分場の操業中に汚染がおきる。その地域の表流水・地下水が汚染され、それらが飲料水やレクレーション用の水を汚染する可能性もある。化学物質に汚染された空気や水、土壌はその地域で生産・消費する食べ物を汚染することにもなる。こうして、処分場が地域住民や子孫の健康に害を及ぼす危険がある。
※ホームページ「学びと環境の広場」より抜粋

「ごみ行政の顔はどっち向いているの?」
鈴木 恵美子(広陵町)

 「広く御陵が点在する町」の意で名付けられた広陵町。歴史と文化と自然が謡い文句だが、主産業が靴下・プラスチック・農業ときては、その文句はどうにも怪しい。この町は、当会が当面する3課題のうち、RDF、最終処分場の2つを抱えている。

 その実験については、昨年末の新聞記事や別処代表が述べられているので、裏話というか、その間の動きの中で感じたことを記したい。
「よう勉強してから来て下さいよ」
RDF計画が浮上した約2年前、町の見解を伺いたいと申し入れたとき、返つてきたのは自信たっぶりの言葉だった。しかし、自信の裏づけは、厚生省のガイドライン。それに便乗したプラントメーカーの講釈がすべて。お上のお達しと産業界の言うがままだ。ごみ問題に首を突っ込み始めた私でも、受け売りしかないのだとすぐ分かったが、なにしろ私も素人、くやしいがNGOなど屁とも思っていないようで、耳を傾ける素振りさえなかった。

 処分場に関しても、通切な措置を求めた要望書に対して、後2年間このまま使用したいという脳天気な回答。新聞に掲載され、県や厚生省が動くと即、搬入を止めるという慌てぶりで、 一体、町行政と言うのは、どこを向いて行われているのか腹立たしい。住民は目に入っているのだろうか。そういえば、こんなやりとりもあった。
「うちの処分場は安定5品日だけを埋め立てていますから、このままで安心です」

「でも、看張に「焼却灰」と書いてありますよ」
「県も実験調査に来て何も言いませんから、心配ありません」
町も県もぐるになって住民をないがしろにしている.こんな調子だが、それでも町民から怒りの声は起こってこない。処分掲地元に働きかけたが、 「町はちやんとしてくれると言っているから」。
騒ぎ立てて、いらぬ不安をかき立てたくないという。

 思わず心の中で「ここは江戸時代か!」と叫んでしまつた。 「お代官様には…」という意識は、抜け難く染みついているようだ。

 人の心を動かすのは難しい。ごみを始め、さまざまな環境問題は被害を被るのも元凶となっているのも私たち自身だが、民意のあたりでどんなに努方しても変化を起こすのは至難の業だ。それはまた、地方の自治においても同様と思われる。地方分権が声高く議じられても、その実現は遠い。国の意向からは、なかなかはずれることができない。この国を率引しているのは、 一体どこなのか。

 たとえば、特定フロンの生産全廃が取り決められたのは一九九五年。しかし実際には、フロンの使用量は増えていると言う。販売規制はなく、製造しすぎたフロンがダンピングを起こしているからだと聞いた。ごみもしかり。私たちが標的とするのは、町や県や国よりも、むしろ産業界かも知れない。そう思うと、我が町のアホな職員(ごめんなさい)も、ひたすら職務をこなす愛すべき人に見えてくるから不思議だ。


「情報公開は市民の権利」
奈良情報公開を進める会
代表幹事 福井隆夫

 大命題をいただいて、いささか気が重いが文責を果たすことと致したい。
 さて、環境問題と一日に言うが、すいぶん間口が広いものである。 私達が直面する問題は何と言っても水とゴミであろう。なにしろ『いのち」に関わる問題だからだ。

 しかしながら私たちはこれまでこれらに関する情報をどれほど知らされていたであろうか。多くの場合、行政側のデータをうのみにせぎるを得なかったのではなかったか。時には新聞特集等により知ることはあつても、多くは後の祭りとなるのがほとんどではなかったか。要するに、市民が検証するための情報と手段を持ってなかつたからだ。これではいけない。

 二十一世紀に向かって私たちが人間らしい生活を維持し、かつ子孫に対する責任を果たすため、大切な『水」と『ゴミ』にどのように対処するのか真剣に考えねばならない。
そこで、情報公開の必要性が出てくる。周知のとおり、行政は多種多様かつ膨大な情報を集積保有している。そして多くの場合、これを公開したがらない。元来、わが国の行政は中央・地方を聞わず、その本質は秘密主義といっても過言ではない。
一方一私たち市民は陰でブツブツ言うぐらいが関の山で長い問やってきた。いつしか「お上にたてつくのは恐い」と思い込まとれてきた。そのため、今日になって市民が行政窓口で情報公開を求めた場合、ややもすると「とぼける。しらを切る・嘘をつく」といったような対応が生じるのである。これは戦前のお役人の考え方、すなわち庶民に対しては「知らしむべからず・依らしむべし」的影事を引きずっているのではないか。

 私達ば税金の支払者である。行政の経費を負担しているいわば主権者であり、公務員に対しては行政事務の執行を委任しているのであるから公務員は誠実に答える義務がある。
現在県内では奈良県・奈良市・大和郡山市・生駒市・天理市・斑鳩町の各自治体で情報公開を実施しているが、議会及び出資法人〈外部団体等)を対象外にしているところもあり差異がある。しかも『知る権利』が明記されていない等の問題があるが、住民としては一切遠慮なしにドンドン開示請求してゆくべきである。非開示処分が出た場合は『情報公開審査会』に異議申し立てを行い、かつ口頭陳述を要求すべきである。万一棄却されれば『行政不服審査法』による行政訴訟を提訴し、裁判による決着をつける決意が必要である。腰くだけになつては開示請求を行った意味がなくなるからである。

 そして私達は開示された情報を分析し、読み取る能力を養うことが肝要となる。日頃から行政広報誌・パンフレット・新聞・テレビ等マスコミ情報に留意することを怠ってはならない。要するに、他力本願では駄目である。
「誰かがやってくれるだろう」ではいけない。
黙っていては行政から何も出てこない。市民の当然の権利として行動せねばならない。

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