情報公開文書の基本と見方

1.文書の基本

@起案
 役所では、仕事を進めるのに「起案」という書類を作成してそれを役所内に承認の判子を押しながら同僚から係長、課長、トップに至るまで回します。これが「決裁」というもので、決裁後は正式な手続きを得た起案書類となります。 

A供覧
 書類には承認を得なくてもただ見てもらうためのものも結構多い。これも判子を押して回す。これは「供覧」と呼びます。これが終わった書類は供覧文書として正式な文書となります。

B決裁供覧と組織的使用文書
 上の@Aをとらえて条例の公開文書の対象を「決裁供覧の終了したもの」と限定している条例が多い。子供でもわかることですが、公開したくなかったら決裁や供覧しなければいいわけで、個人のメモや覚え書きだと言い張ればいいのです。
 でもこれも裁判で争えばいいもの。
 条例で「組織的に使用された文書」と規定して間口を広くしているものも増えています。裁判でこれと同様の効力を生み出せばいいわけです。宮城県の条例にも接待相手先の氏名の公開も別に条例に書いて無くても公開すべきと判決が出ています。

 もっとすごいのは、北海道のニセコ町で99年始めの改正で"請求された文書がなかった場合新たに作成する"として、不存在による逃げを自らふさぎました。うーむ、すごいな。ここまでできるということなのです。

C目録
 お次は目録ですが、これもなかなかわかりにくい。文書名だけだとなかなかそれがなんなのかとわかりにくい。でもこれも慣れでやがては直感のようなものが働きます。

2.文書の見方
(1)文書の流れ
 まずはそれぞれの文書には、決まった流れがあるということを覚えていただきたい。それを見計らった上で、チェックしていく。
 まず中心はお金の流れです。
 つまりは「支出負担行為伺い」という予算を支出していいかという起案とそれに付随する書類を見る。
@ それが食料費なら付いている領収書との照合をする。これでおかしければすぐわかります。例えば領収書の字が違う店なのに同じ。しかも起案と同一の字だとします。空白の領収書を取っておいて適当に書いたのです。これは某府県でばれた例です。

 食料費で食事なら何のための食事で、一人当たりいくら使っているか。異様に多くないか。またなぜこの会議等にこの人が出ているのか、人数が多くないか、などの不審点をチェックする。

A 例えばそれが首長の交際費だったら、誰とが相手なのか。議員だったらなぜ必要だったのか。過剰ではないかとか。実に頻繁且つ多人数で、議員全体への買収としか思えないときが、しばしばあります。

B 物品なら本当に正しく買っているか。よく別のものを買ってニセ領収書が付いているものです。使い切れないお金を予算を減らされるのがいやで別の品物を買ったことにして預金してプールする。

C 出張なら、本当に行ってるのかどうか。出勤簿と照合すればいいし宿泊施設の領収書が付いているかどうか。

D この空出張やニセ残業でプールした金を飲食や別の物品に使用する。
 最近こういう金でコンピュータとソフトを買うという傾向があります。ある市役所では予算よりは何割か増えているそうです。こういう事に対してコンピュータなど新しいことに対しての予算が少ないとかいろいろ理由を言うでしょうが、それなら全体の予算改革を行えばいいのです。古いものはそのまま支出しておいて、改革をしないでごまかしでやってれば、予算は際限なく増えていくではありませんか。どういうつもりなのでしょう。

(2)補助金などの支出
 この点で問題が非常に多い。役所の予算はそれぞれの組織的な各段階での監視があり当然ながら資金というのは幹部であろうと自由になりません。
 それで補助金という形で外部に出してしまう。

 そういうことを防ぐために、具体的な事業について支出して、請求書には事業計画と図面と業者の明細付き見積書が付いている必要があります。でも意外にも何も付いてないことが比較的あるのです。つまりは公的資金を外部のものに白紙で丸投げしてしまう。よくこんな事がまかり通っているなということもあります。自治会への補助金あるいは嫌悪施設等の補償金などが最も問題です。

 そして請求に対応した形で完了報告書が事業終了後に提出され、これについても報告書には工事・竣工写真と業者の支出明細が付けられます。そして役所から検査が行われ検査書が発行され事業終了起案として決裁されます。
 ところがこれについても完了報告書も事業終了起案もただの紙が各1枚などという事があります。紙に一言「適正に執行され完了しています」と書いてあるのみ。実にひどい。こうして書いているとえっと思うでしょうが、実物を目にするとみんな素人ですからどんなデタラメでもなかなか気が付かない。こうなると事業費用の何割かが消えてもまるでわからないわけです。恐ろしいことです。
 よく地元公民館への建設や修理あるいは補償金支払いなどで、それを口実にこういう事が起こります。
 すぐに監査請求する必要があります。 

(3)公共事業
 入札をして落札業者が工事をする。入札には仕様書というものを閲覧して工事の詳細を見る。工程や人員、作業量など工事明細のことです。これで本来は必要額を積算すれば費用がわかり自分の会社ならどれくらいでできるかはじいてそこに利益をプラスすれば入札額が決まるというのが本当ですがちっともそんなことはしていない。99%までが談合で進んでいます。

 97年までは行政が癒着して工事額を見せていた。それが監視が厳しくなって見せる人が少なくなったようです。98年に京都市の工事単価表が流出しましたが、これはそういうことがなかったら起こらなかったでしょう。見せていたら必要など無いわけです。少しはましになりましたが今でも談合天国です。

 奈良県など99年5月には農業関係の落札後他の業者が間違いだといい入札をやり直したという信じがたい事が起こりました。これがばれて関係職員は処分を受け業者は指名停止となりました。

 本来は公開募集をする一般入札が正式なのに、例外である指名入札が常態化している。業者を行政側がランク付けして選定してその中から5〜10業者を選び入札させる。これで行政の裁量権が大きくなり業者との癒着がひどくなるのです。一般入札への改善が必要です。

 入札とは、見積もり計算してそれの5%引き程度の一定の基準価格を出します。これより高ければダメという価格です。この基準価格を「予定価格」と言います。この予定価がねらわれるのです。これをめぐり行政役職者と業者の賄賂と癒着が始まります。
 入札価格を何回も調べて全部が予定価格に限りなく近くいわゆる張り付いた状態ならばほぼ談合です。役所に対応を申し入れる必要があります。それでも何もしなければ監査請求です。

(4)その他も含めた業者選定随意契約
 国自治体では実にたくさんの業者に物品購入や機械リース、調査などを業者と契約しています。これらは地方自治法に基づき一般入札となるのですが、調査やリースなどは業者を特定しての随意契約と言いますが、そうなることが多い。これは気を付けないと高値安定を呼びます。損をするのは納税者です。しかも同じ業者がその役所のみ受けていることが多いのです。仕事を各業者お互いで分け合う縄張りを形成していることが多い。役所がそれを追認しているのです。
 なぜ特定業者ばかり頼むのか問題にしましょう。そして契約額を出させましょう。他の自治体と較べてあまりに高額なら監査請求が必要です。

 しかしまずジャブとして問題にしてもいいことがあります。他の業者との価格比較のために書類としては合い見積もりを必要なのですが、これが形式化してなんと随意契約の業者に用意させています。各業者はお互いの判を押した見積書を用意して渡し合い持ち合っています。だから各社の見積もりが筆跡は同じとなっている場合が多いです。このことを調べましょう。

3.文書のポイント

 概ねは「(1)文書の流れ」で書きましたが、残ったことを少々。

@役所の事業
 これは実はデタラメが多い。つまりは首長の選挙目当てで税金で飲食や旅行をやらせるなど。
 その見方としては、過大な接待が行われていないか。飲食内容など具体的に領収書を調べる。

A開発計画
 都市計画や開発などの計画というのは、実に突然降ってくる。それは首長と有力者と建設業者が事実上密室で決めるからなのです。それでいりもしない道路や自然を破壊する開発計画がすぐ横で明らかになる。ふだんから公開請求などで密室行政から公開型に行政を切り替えさせる。そのうえで計画策定や工事計画は公開させる必要があります。
 都市計画法にしても手続きが始まれば非民主主義的な法律で住民の意見反映はとても難しいのです。始まる前が肝心です。

B再開発
 上記と似ていて再開発に反対するのはこれまた事前の取組が大きい。だいたい再開発となると今までやっていた地元の商店は根こそぎつぶされてしまいます。まず手続きフローチャートの公開を。その上でどういう基準で開発計画が進められているか公開させる。換地計画などの公開も極めて大事です。議会の委員会審議の公開も求める。
 こういう産業型再開発計画がなぜ進むのか明らかにする。コンサルタントの調査書があるのでそれを公開させる必要がある。デパートとホテルを建てて再開発住宅ビルを建てて全体を高度化する。誰のための高度化でしょう。こういう今までの人々と店をできるだけ追い出すような、再開発を改めていくのを目標にしなければなりません。


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