平成10年3月30日
奈良情報公開をすすめる会
 代表幹事 福井 隆夫 
 代表幹事 田畑 和博
王寺町議会を傍聴する会
 会長 寺口 明
週刊金曜日読者会
代表 小谷 勝彦

株式会社 奈 良 新 聞 社

代表取締役 甘利 治夫  殿









抗議並びに質問書

 私たちは奈良県における県民の「知る権利」の実現を目指して活動している市民団体です。情報の受け手であるわたしたちは、情報の送り手である新聞社の経営、編集方針等の動向に強い関心をもっています。なぜなら新聞社は単なる営利企業ではなく、国民の「知る権利」を支える報道機関という重要な役割を担っているからです。そして公平で自由な言論の確保のためには、新聞倫理に基づく透明性の高い会社経営が必要であると考えています。

 この度の義援金の問題が2月3日に公表された後の記者の対応は、その責任の取り方も不明確であり、また読者・県民への説明責任を果たしているとはとうてい言えません。現在の状況についても私たちなら新聞の読者は他紙によって情報を得ている有り様です。

 また3月10日付紙面の「ご報告とおわび」においても、「道義的に許されない行為」、「新聞人としての良心から利益相当額以上を寄付した」、「結果的に当時の役員の判断、認識の甘さが問われました」等と、責任を回避するような表明しかしておりません。「道義的」でなく「法的」に許されない行為であり、「結果的に」でなく「役員事態が認識していた行為自体」が問われているのです。

 このような姿勢は読者・県民に対して不誠実であり、一部の者が新聞という公器を私物化していることに強い憤りを感じます。自体は会長の辞任と役員の降格で済むようなものではありません。このままの状態では新聞協会の復帰などは、読者・県民が許すことができません。

 奈良新聞は大和タイムスの時代から50年の伝統を誇り、奈良県の言論において先駆的な役割を担って来ました。今、幾多の先達たちの労苦によって築かれた信用が危機に陥っています。何としても信頼を回復し、奈良の言論の自由を守っていかなければなりません。私たち読者も、正に自分たちの問題としてこれに対処し、協力していきたいと考えています。
 ことの重大さを認識し、次の事項について一週間以内に文書で誠実なご回答をいただくようお願いいたします。

1.「奈良新聞社の抜本的な改革を図ってまいります。」とは具体的にどのようにされるのですか。

2.「6月の株主総会で、経営陣の刷新を図り、清新な体制をつくります。」 とは、役員の総辞職を意味するのですか。社員持ち株制度などの改革をしますか。

3.社内調査でも明らかにされた環流利益金と寄付金3000万との差額については今後どのように処理される予定ですか。

4.記者の商業登記簿には日刊新聞法(HP注)第4条による株式の譲渡制限登記がされていません。定款には譲渡制限規定があるのですか。もしある場合は、株主が事業に関係ないものとなったときは、同法第1条により譲渡を要求しますか。そして譲渡されない場合は議決権の行使を拒みますか。

5.信頼の回復および経営の透明化のため、6月の株主総会を公開しますか。

以上

(HP注)
 一定の題号を用い時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙の発行を目的にする株式会社の株主について、定款で資格を制限することができると定めた法律。

 具体的には、
○株主をその株式会社の事業に関係あるものに限る。
○株主が事業に関係のないものとなったときには事業に関係あるものに譲渡しなければならない。

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