1998年7月27日
奈良新聞を考える市民の会
代表幹事 高野 嘉雄 
  同   田畑 和博
  同   吉田 智也

株 式 会 社 奈 良 新 聞 社
代表取締役 甘利 治夫 様






奈良新聞再生のための意見書

 去る7月20日、私たちは奈良新聞の再生を願って「奈良新聞を考える市民の会」を結成しました。奈良新聞が市民から愛され、市民に開かれたジャーナリズムとして発展することを願う者たちにより構成され、これに必要な活動を行うことを目的としています。

 私たちは奈良新聞の読者および奈良県民として、今回の阪神大震災の義援金問題についての不祥事に驚き、戸惑い、悲しみ、そして怒りました。なぜこのようなことが起こったのか、今後二度とこのようなことを繰り返さないためにはどうしたらいいのか、について真剣に議論をしました。その結果以下のように提言をし、奈良新聞を見守っていこうと考えています。

1.義援金問題の原因について
 この原因は次の二点にあると考えます。
 まず一つは奈良新聞社の経営、管理に関する情報公開がされてこなかったことです。今回の不祥事は、西島謹二前会長の個人的な問題であるだけでなく、これを許した役員の問題であり、かつ会社全体のシステムの問題です。個人の行動を監視、抑制するシステムが存在しなかったのです。

 もう一つは、奈良新聞社全体が地域から乖離してしまっていたことです。新聞は社会の「公器」であり、読者県民がこれを支えているものです。読者県民との関係を密接にし、常にその目を意識し、意見と批判を受け入れていたなら、このような問題は起こらなかったはずです。


2.信頼の回復について
 危機に陥った信頼を回復するためには、次の三点の改革等が必要です。

 まず、西島氏および奈良新聞社が責任を認め、謝罪すること。次に、会社の経営についての情報公開を進めること。最後に読者県民の意見を聞く機会をつくること。

 以上について、目に見える形で実行されなければなりません。貴社の役員および社員は一定の氷解できる謝罪と改革を表明していますが、根本的なものではなく、なお不十分なものとなっています。

 新聞協会の除名等は深刻な経営危機を招き、会社の存在も危うくします。私たちも、経営の安定が重要な問題であることを認識し、一日も早く新聞協会に復帰できることを願って、そのための協力を惜しむものではありません。しかしそのためには、二度とこのようなことが起こらないための改革が前提となります。


3.私たちが奈良新聞社に要望する事項
 以上でのべたことを実行するために、次の事項を要望します。

(1) 義援金問題を西島氏個人の問題に止めず、奈良新聞社に責任があることを認め、西島氏に653万220円の返還を求め、それができなければ役員で返還すること。

(2) 先に設置した倫理委員会の開催および審議内容を公開すること。

(3) 読者モニター制度を公募制とし、広く県民読者の意見を採り入れる体制をつくること。

(4) 市民にとって有益な紙面づくりをするため、第三者を入れた記事広告審査制度を設けること。

(5) 新聞は社会の「公器」であり、会社の経営について情報公開を求めます。その第一歩として社員持ち株制度を実施し、社員に対する情報公開を実現すること。
 以上の5項目について、2週間以内に文書にてご回答をいただくようお願いいたします。


4.奈良新聞社役員と当会役員との話し合い、懇談の提案
 私たちは、去る4月25日には「奈良新聞社義援金問題と地方ジャーナリズムを考える集い」を開催して義援金問題を通じて地域社会におけるジャーナリズムの存在意義について議論し、また6月27日には「奈良新聞110番」を開設して読者県民の奈良新聞に対する様々な声に接しました。またこの他に、準備会では何回も議論を重ねました。

 これらの議論を踏まえて、奈良新聞社の新聞協会復帰を願い、これに対する具体的方策、および奈良新聞と読者県民との関係の在り方について相談する機会をぜひ持ちたいと考えております。
 できるだけ早い時期に実現できるようお取り計らいくださるようお願いします。

以上

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