会報 1998年9月号

No.219 Volume XXI No.9, September 1998

1998年年次総会
日 時9月26日
(土曜日)
午後1時=開場
午後1時半=総会議事開会
午後2時半=懇談会、スナックのポトラックパーティー開始
会 場JCCAホール
参加費無料(スナック持参、無い方は存分のご寄付を )

懇談会:移住の先輩,大いに語る
1998年総会を行ないます。会議の後は移住の先輩(秋田谷秀樹さん、大河内南穂子 さん、仲原健さん、永沢誠治さん、新納基久さん、山本久仁子さん達)方に、移住生活 の苦労・知恵等を珍談・奇談を加えてお話頂きます。
会員外の方のご参加もおおいに歓迎いたします。お誘い合わせの上、多数ご参加 下さい。


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特別講演会 「農村花嫁」は今・・・

講 師:桑山紀彦(山形大学医学部精神科)
日 時:9月15日(火曜日)午後7時より
会 場:JCCAホール(511 E.Broadway)
参加費:3ドル(カップル:$5)

 日本で集団見合いによるアジア女性との国際結婚が始まってから13年。桑山先生は2年前に来訪され、外国人妻の生活を話して下さいました。今回はそれから2年後の問題の数々を話して頂きます。
リドレス10周年記念ディナー

日 時:9月18日(金曜日)午後6時会場
会 場:イタリア文化センター(Grandview HwyとSlocan St.の角)
参加費:40ドル(2枚:$75)
主 催:JCCA

 カナダ政府が戦時中の誤りを認め、日系社会に謝罪してから10年。この長く苦しい歴史を振り返り、将来の日系社会の発展の為に集います。

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出たい人

加藤幹彦

 日本の総理大臣が代わりました。参議院選挙で負けたという、御家の事情からでしょうが、腐敗防止の為に代わるという事は良いことでしょう。大臣が代わっても世の中は代わらないでしょう。予算案が決まってから代わることさえある国ですから。
 日本の選挙の際に「出たい人より出したい人」と言われます。金を使って出る人、政治屋さんは後で取り戻すのでしょうか。細川さんは借金が残り、屋敷を処分されたそうです。
 「出たい人」は「出ない人」よりは表向きでも世の中に役立とうという意志がある人です。「出ない人」は何もしません。「出る釘は打たれる」日本社会では「出ること」は大変なことなのです。

 9月26日は移住者の会の年次総会です。役員の改選も重要議題です。現在の役員は古い人(ごめんなさい)ばかりです。「継続は力なり」と申しますが、3×3人寄った知恵もカビが生えかねません。移住者の会は新しい人を必要としています。出て下さい。
 「出る釘を叩く人」は所詮、野次馬かその尻馬に乗っている人です。野次馬(ジャーナリスト)の批判精神は必要ですが、叩かれても曲がらない釘が大切なのです。
 役員になって下さいとお願いするのは心苦しいのです。移住者の会だけでなく、私の知る限りのVancouverの日系コミュニティーの役員は弁当も交通費も自弁ですから。唯一のメリットは「人の輪が広がる、新しい人との出会いの喜びがある」です。 それも素晴らしい人達です。それは自腹を切って人の為になろうという人達です(私は例外、上記のメリットが目的です)。

 年次総会では、議事の後は皆さんに持ち寄って下さったスナックを頂きながら、移住の先輩の放談をうかがいます。「ふれいざー誌」で名調子を語って居られる新納さん、「ざ だいこん」の名役者の秋田谷さん等、名士が揃っています。
 9月26日は移住者の会の年次総会に出て下さい。 
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旅行者の質問

 9月の心地よい風と共にバンクーバーの旅行者の峠が越えた。
 少々古いがVancouver Sunに掲載されていた、主にアメリカ人旅行者の質問をご披露する。ツアー ガイドの方に参考になるかと思い。   

{少々脚色させて頂いた−−編集者}

Q、北はどちら?・・<概ね、山のある方向>
Q、何を見たらよいか?・・<旅行者の好み、時間、移動手段によって異なり、答えは簡単ではない>
Q、良いレストランを紹介して?・・<これこそ人により好みが違うから、数ヵ所挙げておく。気に入られずに再会したときには「他のレストランも教えておいたでしょう」と逃げられるよう>
Q、スタンレー パークとNHLのスタンレー カップと関係があるのか?・・<同じロード スタンレー総督に由来する>
Q、この街で見掛ける日本人は皆観光客か?・・<アメリカ人の質問が多い。如何に日本人海外旅行の多いことが有名か。当地には中国人が日本人の10倍住んで居る>
Q、ライオンズ ゲート ブリッジの向こうにある黄色の山は何?・・<硫黄。天然ガスの副産物で、ここから輸出された硫黄はいろいろな製品に加工されている>
Q、ウイスラーへの途中のスクォミッシュは海抜何メートル?・・<坂道の左手に見えていたのは河ではなくハウ入江。その奥のスクォミッシュ港は当然海抜ゼロ米(勸潰)>
Q、交差点の緑色点滅は何の信号?・・<1991年までは最も多い質問だった。他州のカナダ人も尋ねる。オンタリオ州では左折可の信号。BC州では横断する歩行者によって赤に変わる信号で、歩行者に注意して運転すること>
Q、ここの車は昼間からヘッド ライトを点けているのか?・・<1991年より、カナダで作られる車や輸入される車は昼間走行の時自動的に点灯することが義務づけられた>

 人によっては休暇旅行に出るとき、家に脳味噌の一部を置き忘れて来るらしい。それを実証する質問の数例。
Q、カナダはアメリカと同じようにクリスマスを祝うのか?・・<勿論。翌日のボクシングデーまである>
Q、何処からシーバスに車を載せるのか?・・(愛車キャデラックから顔を出して)
Q、あれがビクトリアか?・・(対岸のノース バンクーバーの街を見て)
Q、ここでは何時滝の水を止めるのか?・・(シャノン フォールにて)
Q、ここは海抜何メートル?・・(ビクトリアへのフェリーにて)
Q、あれに見えるのはロッキーか?・・(ビクトリアへからのフェリーにて)

 最近私の所に立ち寄った日本の旅行者の質問。答えを聞いて、けげんな顔をしていた。
Q、新しく出来る日系プレースには当然日本政府から金が出ているのだろう?・・ <日本の企業からの寄付があるが、政府からはゼロ。リドレス(カナダ政府から日系人への戦時賠償金)のお金を礎として日本に関心のある方々の寄付金で出来る。高齢者住宅は全額B.C.州政府のお金で建ち、文化センターはカナダとB.C.州政府から補助金が出ている>
Q、日本語テレビは日本政府の補助金があり、NHKのニュースは無料だろう?・・ <とんでもない。NHKには毎月数十万円払っている。他の日本で放送した古い番組にも支払っており、当地在住のICAS会員の会費やスポンサーによって支えられている>
Q、移住者の会には日本の外務省から補助金が出ているだろう?・・<5年前までJICA(海外協力事業団)から補助金があったが、今はない。会員の会費で会報を発行し講習会を行なっている。リドレスの資金で精神衛生活動が行なわれていたこともある>
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スクォミッシュのペンションより

エイブ串田

 本日は第2回Vancouver Gardener's Assc.のHUMMINBIRD PENSIONでのテントキャンピングの報告をします。昨年第1回の2泊3日は連日の雨で気の毒でしたが今年は晴天が続き、大人も子供もバドミントン、バレーボールそしてピッチ&パットを楽しんでくれたようです。
 Vancouver Gardener's Assc.の内会長の末吉さん家族、原口さん家族、村上さん家族そして安西さんと2日目は調布市(東京)で植木屋を経営している中嶋さん兄弟が飛入りで参加し、皆さん大いに語り合っていました。
 Squamishの山中にあるHUMMINBIRD PENSIONは約8,000坪の敷地に160坪の建物があり、室内には7人入浴可能なジャクジーや石造りの暖炉が、地下にはゲーム室があります。
 ガーディナーの人達の明かるい話声を聞き、子供達の走り回っているのを見るのは楽しいものでした。奥様達は夜ジャクジーに入ってリラックスし、外では沢山あるファイアウッドを惜しげも無く使いキャンプファイアをしてマシュマロを棒の先に付けて焼き、西瓜を食べ子供達の成長の喜びを語って楽しそうでした。
 ガーディナーの人達は大いに飲み、多いに語り、仲の良い組織であるなと感じました。昼間は湖、川、ハイキングと、夜はバーベキューパーティーで2泊3日のキャンプはアッというまに過ぎてしまいました。
 ここHUMMINBIRD PENSIONは野外教室や室内/外の結婚式も格安で行なっています。こらからは秋、冬に向かって準備に忙しくなりますが、皆様も一度遊びに来て下さい。
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投稿小説

トマトピューレ

波多野辰人

 「ほら 朝食も作れたもんね〜」
彼女がキッチンで歌い続けている。
 もともと舌っ足らずで子供っぽい声をしている上に、ほとんどブレスをしないで歌い続けているものだから、まるで幼稚園のお遊戯の時間の様だ。
 彼女はスパゲッティーの入った大きな鍋を前に「これ以上は出来ない!」と言うくらいむずかしい顔でゆで加減を見ている。
そしてそれは朝食では無くて ぼくらのお昼御飯なのだ。
 湯げの中から聞こえる歌声は かなり息苦しそうなのに、もう30分ぐらい「ほら  朝食も作れたもんね〜」と言う所だけを何度も何度も繰り返し歌っている・・・まるで針飛びしているレコードみたいだ。
 駅前のスーパーにパルメザンチーズを買いに出掛けて帰って来た時には もうこの変な歌を口ずさみはじめていた。

「ほら 朝食も作れたもんね〜」
「ほら 朝食も作れたもんね〜」
「ほら 朝食も作れたもんね〜」

と繰り返しつづけて、たまに15秒くらいの沈黙がある・・・多分スパゲッティーのゆでかげんを見るためにつまみ喰いしているか ワインを飲んでいるかのどちらかなんだろう。
 それ以外はトイレに行った時も、テーブルクロスを敷きに来たときも「ほら 朝食も作れたもんね〜」と歌い続けている。
 テーブルクロスを敷いている時に
「ねえ もう朝食も出来たんだし早く食べて会社に行くなり、遊びに行くなりしたほうがいいんじゃない?」と 僕が言うと
「だって ここしか知らないんだもん」と一言だけ答えてくれた。

−知ラナイカラ歌エナイ−
彼女の思考回路はいつも極めて単純なのだ。

「CD屋の前に置いてあるテレビでね〜
怪獣みたいな顔の男の人が歌っていたの〜
知っている〜このうた〜?」キッチンからどなっている。

「知らな〜い」と僕・・・。
朝食が作れた歌なんて聞いたことも無い。一体そんな事 誰が歌にしたんだろう・・・。

 しばらく前にも似たような事があった。彼女は会社から帰って来てからず〜っと
「本当の私を見つけて〜今より愛して〜」と繰り返し歌い続けていた。
 でもその時は僕はその歌を知っていた。それはユーミンの"ナビゲーター"と言う古い曲だった。彼女は延々と「本当の私を見つけて〜今より愛して〜」と言う所だけ繰り返し歌いながら料理をして、洗い物をし、セーターを編んでお茶を入れてくれた。そしてシャワーを浴びて出て来た時に、なぜかその歌は止まっていた。
 最初はフルコーラス歌って、どんな曲だかを教えてあげようと思っていたけれど、幸か不幸かあの娘が音痴なおかげで その歌声は極めて原曲に近かったし、繰り返されているフレーズは その歌のメッセージの中心の様な気がして そのままほっておいたんだ・・・それだけで十分な気がした・・・。
 ふだんは少しまずいんじゃないかと思う程トロイくせに時々ドキッとする程鋭い・・あの娘にはそんな才能が有るみたいだ。

 僕がソファーで読んでいた推理小説を後ろから3分盗み読みしただけで犯人をあてた事もある。
「この刑事さんが犯人だね」とあの娘・・・
「はいはい・・・」と僕は相手にしなかった。
なにしろストーリーはまだ半ばにさしかかったばかりだったし、僕はあの娘が後ろからのぞき見しているのをまったく無視して読んでいた。(僕は本を読むのがものすごく早いのだ)
実際あの娘が僕の肩に顎をのっけて 本を読んでいて間にすすんだのはわずか4ページぐらいのものだったのだから。
 ストーリーが解決に向かって進むにしたがって 僕の心の中には解決出来ない疑問がふくらんできた。そして信じられないことに犯人はその刑事だった。
「犯人はあの刑事さんだったよ・・・」本を読みおえた僕が ふくれっつらで冷蔵庫によりかかって言うとあの娘は「そうでしょ〜」と ほほえみながら言った。
でも視線は左手の上にのせて切っている豆腐に向けられたままだった・・・当たり前でしょ!と言う感じだった。人間何か一つぐらいは才能という物が与えられているのだろう・・・きっと。

 考えてみれば僕らの出会いも同じようなものだった・・・。僕は三鷹のオスカーでウッディー アレンの映画を見ていた・・・そして泣いていた・・・。 ラストシーンでは おいおい大声をあげて泣いていた・・・なにしろ客は僕一人だった。そのはずだった。THE ENDの文字が出たのと同時に前の席からにゅっと手が出て僕にハンカチを差し出した。それがあの娘だった。
 身長148センチのあの娘がイスに浅く腰掛けていたせいで、後ろからはまったく見えなかった。そのあと僕たちは駅までの道をずいぶん遠回りして一緒に歩いた。あの娘は僕より少し前を映画の感想を話しながら歩いた・・・そして一度も振り返らなかった。僕はずっと鼻をグズグズ言わせて、ただあの娘について歩いていた。
 駅の改札の前であの娘ははじめて振り返って
「ねえ!私たちきっと結婚するよ!」と言った・・・
そしてそれはそれからわずか1年7ヵ月後に現実の物と成った。その時のハンカチを彼女はまだ洗わずに持っている。今でも時々自分の立場が悪くなると、そのハンカチを出して来て
「むかしは君も素直だったのにね〜」とか
「何かい?もう一回泣くかい?」とか言いながら僕をからかう。
あの娘は気ずいていないみたいだけど、神様があの娘に与えた最大の恵みはそんな動物的な直感なのかも知れない。
そのおかげであの娘も僕もけっこうしあわせに生きている。
 「ほら 朝食も作れたもんね〜」
あの娘はまだ楽しそうに歌っている。

きっとあの変な歌も 朝食を作れた事が 本当に嬉しくて仕方がない人の歌なのかも知れない・・・。朝食なんてだれだって毎日作るものだけど、本当はそれだけでとってもしあわせなことなのかも知れない。

僕はキッチンへ行ってあの娘と一緒に
 「ほら 朝食も作れたもんね〜」と歌いながらトマトピューレのカンを開け た。


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たわごと

*青酸カリ、戦時中日本の女性に持たせていたとかいう話を思い出す。ひやり。
*スイス、国連加盟の機運。まだ?やっと?
*改めて臨床試験したら無効と分かり薬で無くなった薬に、今までで8500億円使 われていた。クスリ九層倍以上。やれやれ。
*元首相や著名評論家を鳴り物入りで組み込んだ内閣だが、発足以来「円」の値 打ちは下がる一方。やっぱり?
*カナダ政府は日系カナダ人へのリドレスを日系カナダ人へのみならず、移住者 への活動にもカナダ人種関係基金にも支給された。今年はその十周年。9月18日の記念 祭に出席しよう。すばらしい!
*ユースJCのピクニックは参加者全員を楽しませてくれた。フラフープを使った ゲームとか。うれしい!
*最近バンクーバーで日本語誌が3っつ創刊された。共栄を願う。
*毎月第3木曜日、バンクーバー美術館で日本語(ボランティア)ツアーがある。 8/9月はファーストネーションのマスク展。勉強になった。
*実るほど 頭を垂れる 稲穂かな。当家の林檎は大きくなると手の届くところ に枝が下がり、高い所のは熟すると自ら地に下りて来る。どすん。
*会報・ホームページへの御意見・御感想及び原稿をお寄せください。

(編集子;加藤)


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