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負けは負け続ける〜逆正弦定理

ギャンブルでは、負ける人は負け続けます。勝つ人は勝ち続けます。
確率論からの定理です。

逆正弦定理

確率論には、逆正弦定理という恐ろしい定理があります (逆正弦法則、賭けのリードの法則とも呼ばれます。)
ギャンブルで負ける人は負け続けて、勝つ人は勝ち続けて、 その勝ち負けが逆転する確率はもっとも低いという定理です。

逆正弦定理をコンピュータで確認してみます。
コイン投げを考えてください。

  1. 合計0点からはじめます。
  2. 各時間ごとにコインを投げます。
  3. 裏が出たら -1点、表が出たら+1点を合計に加えていきます。
  4. 合計を各時間ごとにグラフにプロットしていきます。
  5. 10,000回コインを投げます。
これは、裏が出たら負けだから1円払って、表が出たら勝ちだから1円もらう というギャンブルだと思って下さい。 グラフの縦軸が現在の損/儲けになります。
4回テストしてみました。 (コインの裏、表を出す乱数はC言語のrand()関数を利用した。)
逆正弦定理デモ
時間がたつにつれて、グラフの線が儲けと損がトントンになるライン(横軸)から 離れていくのが確認できます。 儲けと損が逆転する頻度は、時間がたつにつれ少なくなっていくのも確認できます。
これが、やればやるほど負ける人は負け続け、勝つ人は勝ち続けるという意味です。 やればやるほど、その勝ち負けの逆転が起きにくくなるという意味です。

よく分からない場合は、 テスト1、テスト2、テスト3、テスト4の4人が コインを投げ続けて表が出た回数を記録していると 考えてください。
表と裏の出る確率は同じ1/2なので、10000回くらいコインを投げ続ければ、 表が出る回数は、4人とも同じくらいになるんじゃないかと予想されます。
しかし、実際にやってみると、テスト1とテスト4の人は表が出た回数が200回くらい 違っています。 このまま続けても、差はどんどん大きくなっていきます。

おわりに

グラフを見て、時間がたつほど勝ってる人と負けている人の差が 大きくなっていくのはおかしいと思われるかもしれません。
裏・表が出る確率は1/2なんだから、期待値は0になるからです。
しかし、確率論が言っている、期待値が0という意味は、 十分長い時間(無限に)ゲームを行えば、 「その差」/「長い時間」が0になるということです。 勝ち負けが必ずトントンになるということではありません。
勝ち負けの差はゲームをやればやるほど、とてつもなく大きくなります。 しかし、「その差も無限に比べれば0になる」、ということです。

今回は、勝ち負けの確率がそれぞれ1/2のゲームについてのデモでした。 逆正弦定理は、1/2の確率でなくても、期待値が0となるギャンブルについて 成り立ちます。

おそろしいです。

参考文献

Wフェラー: 確率論とその応用I上,紀伊国屋書店, 1980.
  pp.95-125 銅貨投げのリードの問題。

小谷眞一: 測度と確率2, 岩波書店, 1997.
  pp.311 期待値が0の逆正弦定理について。


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