最初におわび

前回掲載した「強い薬? 弱い薬?」なのですが、あまりにもぶっちゃけすぎた発言や確信のもてない発言がいくつかあり、何より読んでいてあまり面白くないので、自主的にお蔵入りすることにいたしました(自主規制ってやつです)。

今回分で、薬の強弱と風邪薬の二つの話題を持ってくることで第三+四回という形にいたします。

このページを読んでくださっている皆さんにご迷惑をおかけしたことを深くお詫びいたします。

……やっぱり慌てて書くとダメだなぁ。  で、下からが本題。


AだのKだのSだの、ゴールドだのエースだの、銀だの黄色だの青だの、どうして風邪薬ってこんなに種類が多いんでしょうね? 効能を見ても、どれも似たようなものですし。

これだけ種類があると、選ぶお客様も困りますけど、それ以上に「どれが一番効くの?」と聞かれるこっち(薬剤師)はもっと困ります

というわけで、いい機会なのでちょっと調べてみようかな、と。

 

スペースの都合上、一番わかりやすいベンザブロック(武田薬品)を例にとってみます。

「あなたの風邪はどこから?」
「ボクは喉から」
「それなら銀のベンザブロック」

というテレビCMを見たことがある方も多いと思いますが、このCMによると

喉の痛み → 銀のベンザ(ベンザブロック)
鼻水、鼻詰まり → 黄色のベンザ(ベンザブロックSP)
寒気、発熱 → 青のベンザ(ベンザブロックIP)

という分類がされているみたいです。そして、実際の成分はご覧の通り。

成分名 銀のベンザ 黄色のベンザ 青のベンザ
イブプロフェン 450   450
アセトアミノフェン   900  
マレイン酸クロルフェニラミン 7.5 7.5 7.5
リン酸ジヒドロコデイン 24 24 24
塩酸フェニルプロパノールアミン 75 75  
セラチオペプチターゼ   15  
ヘスペリジン     90
クムライト   270  
無水カフェイン 75 75 75
(単位はmg。クムライトは水酸化アルミニウムと炭酸水素ナトリウムの共沈剤)

銀が一番標準的な処方っぽいので、他の二つについてつっこんでみましょう。

まず黄色。クムライトは制酸剤だとして、気になるのがセラチオペプチダーゼ。調べてみると、タケダが開発した蛋白分解酵素で、その適応は

1)以下の疾患,症状の腫脹の寛解:手術後及び外傷後,慢性副鼻腔炎,乳汁うっ滞(乳房マッサージ及び搾乳を行っている場合) 

2)痰の切れが悪く,喀出回数の多い以下の疾患の喀痰喀出困難:気管支炎,肺結核,気管支喘息 (治療薬マニュアル2001より)

……どっちかというと、のどに重点がおかれているような気がしないでもないのですが。

 

そして青。ヘスペリジンが熱対策の秘密か? と思いきや、これはビタミンPの一種。

みかんの白い筋に多く含まれているといわれ、毛細血管の強化や血圧上昇の抑制、そしてビタミンCの安定化(これがベンザに含まれた理由か?)に効果があるとか。

じゃあ、熱対策は? と思ってタケダのホームページで商品説明を見るとイブプロフェンの解熱・鎮痛作用により、かぜによる悪寒(寒気)・発熱・頭痛・のどの痛みなどに効果があります」

イブプロフェンは銀にも配合されているよね…。

 

…結論としては、「ま、風邪薬なんてそんなもんかな?」ってことで。

(またぶっちゃけた発言を……)

 

ところで、もう一つ気になったのがイブプロフェンとアセトアミノフェンの違いです。

どの風邪薬にも、鎮痛成分としてどちらかが必ず入っています。

ちなみに、つい最近まで「イブプロフェンはエスタックイブにしか入ってないんじゃないの?」なんて思っていたことはボクと皆さんだけの秘密です。

イブプロフェンは非ステロイド抗炎症薬、アセトアミノフェンは解熱鎮痛剤であることはわかっていても、「じゃあどっちがより強い薬なのか?」となると、途端に不安になってしまいます。(ちなみにアセトアミノフェンなどの非ピリン系解熱鎮痛剤はNSAIDsと比較して薬効は穏やかです)

さらに双方の量が異なってくると、いよいよわからなくなってしまいます。

パブロンエース(大正製薬)が新しく入荷した時、何が違うのかな〜? と思い調べると、パブロンSゴールドと比べてアセトアミノフェン300mgがイブプロフェン150mgになっただけで、「何が違うんじゃあ!」と思った経験があります。

はたしてこれは、「新しいものに飛びつきたがる」消費者思考を狙ったものなのか? それとも単なる自分の勉強不足なのか? 皆さんのご意見、お待ちしております。

それにしても、成分を調べて違いを見つけるのって、結構面白いですね。機会があったらまた別の薬でやってみたいと思います。

 

最後に、(お蔵入りとなった)前回「お待ちください」と書いていた、ステロイド剤の強弱の話を。

ステロイド剤はその強さによって strongest、very strong、strong、medium、weak の5段階に分類されており、OTC薬はstrong以下の3段階の範囲の薬剤のみ販売を認められています。(三共ドラッグインフォメーションより)

代表的なOTCを例にとってみてみると、

strong   プロピオン酸ベタメタゾン(ベネベート/第一製薬)

      吉草酸酢酸プレドニゾロン(テレス/ファイザー)

medium 酪酸ヒドロコルチゾン(セロナ/佐藤製薬)

weak     ヒドロコルチゾン(テラコートリル/ファイザー)

となっています。もっとたくさんあるんですけど、スペースの都合上割愛します。知りたい方はご連絡ください。