コア・ネットワーク
(人が見える経営哲学)


上の図は、柴田氏が「氷山モデル」と呼んでいる、会社(組織体)の全体像を表した図です。
企業であれ、官庁であれ、何であれ、いわゆる「組織」と称される集団社会は、規模の大小こそあれども、いずれもこの図の様な二つの側面を持っているものです。
第一の側面は、制度とか戦略とかシステムなどと云った、いわゆる組織のハード面で、これらは、誰の目にも明らかに見える−あるいは、見えなければならない部分です。
しかし、これだけで組織体が成り立っているわけではありません。
多くの場合、組織体とは「人の集まり」なのですから、当然、その組織体を構成する人たちのものの”見方”や”考え方”、あるいは、そうした”見方・考え方”が培われてきた”土壌”とか”歴史”と云ったものが存在します。
これが、組織体の持つ第二の側面で、一般に「企業文化」とか「企業風土」などと呼んでいます。
この第二の側面は、上の図の「氷山の水面下の部分」の様に、周囲からは(時には、組織体の中にいてさえも)容易に見ることができない部分ですが、決して、第一の側面と独立して存在しているわけではありません。

この様に、組織体には「切っても切れない関係の二側面」があるにもかかわらず、私たちが組織体(企業)を評価したり改善(変革)しようとした場合、どう云うわけか「第一の側面」ばかりを対象にしてしまいます。
会社のシステムを作る(あるいは変える)ことを要求しているISO9000sやISO14000sなどは、正しく、その典型例と云えますが、それだけではありません。従来、経営革新(改善)の手法として紹介され実践されてきた数々のツールは、そのどれもが、制度や組織、戦略など「ハード面」を中心に語られていました。

確かに、ハード面の変革・改善は、社内社外を問わず誰の目にも明確で、企業の姿勢を(内容によっては大々的に)アピールできますので、その分、企業に対する評価を向上させることも可能です。
事実、多くの企業が(ある時期)こうした手法によって、数々の成果を手にしてきました。

ところが、最近はどうでしょうか?
アメリカでは成功したリエンジニアリングが、日本では、ほとんど喝采を浴びることなく忘れ去られようとしています。先進的にリエンジニアリングを導入した大企業の中には、今、その「ツケ」を支払わされているところもあります。
労働組合から「悪の権化」の様に非難され続けているリストラクチャリングなどは云うに及ばず、ISO9000sを「企業活性化」の手段として導入した企業でも、期待したほどの効果を上げていないことを認めるところも出てきています。