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サワコー問題で問われるニッポンの株式市場感覚
 第二の赤井電機ともいえる異常な決算経過を辿っていたサワコーコーポレーションの株式売買が、11月27日になってようやく売買停止され店頭管理銘柄へのポスト移動が決定した。前回の赤井電機問題のケースとは異なり、サワコーの2000年7月期決算書は監査法人トーマツにより監査を受けていた。ローコスト建設が特色だった同社の2000年7月期の決算内容は売上が108億5,200万円と98年7月期の224億円の半分以下となっており売上総損失(!)を4億5,900万円計上している。また、特別損失20億円に加え繰延税金資産の取崩6億8,500万円など最終損益でも36億円近い赤字となっており、当初予想の売上152億円、経常6億円の黒字からは程遠いものとなっていた。ただし、ここまで悪化した決算数値について監査法人トーマツが10月27日付の監査報告書で異例の「意見差し控え(=店頭登録廃止基準に抵触)」を行っており、さらには過去3年分の監査報告書は無効であるとの異例の見解を発表。表面上は「従業員の下請業者への支払資金5,800万円の着服に付いての会計処理の見解の相違」が取り沙汰されているが、赤字完成工事の売上計上の取り扱い、個別工事原価の杜撰な集計や希望的観測に基づく受注高の発表など同社の内面に抱える問題が根底にあったものと予測される。
 監査意見が異常であることについては10月中旬に発送されている株主総会召集通知に添付されている監査報告書によって明らかにされているはずであり、また、11月8日には有価証券報告書の不提出と有価証券報告書添付の監査報告書の意見内容が「意見差控」であることがサワコー側から明らかにされている。このような状況下、市場の適正運営に意を払うべき日米の市場関係者の動向は対照的だった。
 米国NASDAQは11月8日の会社発表と同時にNASDAQ上場の同社株式を取引停止処分として可及的速やかに調査に乗り出す意向であることを表明した。これに対しJASDAQ日本証券業協会は「意見差控え」が登録廃止基準にあたることから取り扱いについて慎重になり、結局同社株の監理ポストへの移行すら行わず(11月29日付で「管理」ポストへ移行)、大蔵からの指示待ち状態に陥ってしまう。また、同社の貸借銘柄扱いも引き続き維持し、インサイダーまがいの情報が飛び交う中、株価は10月下旬から11月29日まで70円から280円のレンジで乱高下することとなる。
 最終株価は不明だが、同社が決算書上「資本の欠損」が生じていることから額面割れの低水準で移行するものと思われる。公正な価格形成がなされるとはとても思えない中で売買継続を静観したJASDAQ関係者の市場感覚はまさに「株屋」そのもの。また、サワコーが「監査法人の期中解任」を行って(乗換先は国際第一監査法人)「適正意見付き監査報告書」を入手する予定であるという理不尽な提出遅延理由に違和感を感じない東海財務局のディスクロに対するスタンスも尋常ではない。この国に監査制度はもとより市場民主主義が根付いていない証左ともいえるだろう。
 ちなみに監査法人トーマツが意見を差控えた経緯は詳らかではないが、「内部統制上の問題(決算書の作成過程に恣意的な不正や間違いが数多く発生し、作成された決算書が不正確である可能性が高いこと)」や「企業継続性の前提が危ぶまれたこと」などが予想されるが、こうした問題は当然ながら監査法人を変更したところで結果に差は生じない筈である(-。-)y-゜゜゜
平成12年9月中間決算発表始まる
 2000年10月10日、9月30日を中間決算日とする3月決算会社の中間決算発表が早くも始まった。今中間決算から決算短信にキャッシュフロー計算書や中間連結財務諸表を含むこととなったため、決算発表は前年度よりも全体的にずれ込むことが予想されている。こうした中、上場会社中で先頭を切って決算発表を行ったのは本決算での発表が毎年早い「ホギメディカル」で東証で連単同時発表を行ったのに加え、ナスダックジャパン上場の「エックスネット」も同日決算発表を行った。
 これまで20年間中間発表一番乗りを誇ってきた日製産業(昨年は10月12日発表)は連結子会社8社(海外子会社を含む)を始めとする多数の関連会社を擁するため、今回から導入された中間連結制度に足を引っ張られた格好で同社の決算発表は20日弱を要する見込だ。なお、日製産業の平成12年3月期の本決算の発表は4月21日だった。
 決算の早期発表は企業情報の早期把握能力を間接的に示すため、イコール企業統治能力(コーポレートガヴァナンス)の評価としても利用されており、決算発表はこれまでも短期化の一途をたどっていたが、この傾向は会計制度激変の中でも変わり無いようである。なお、多くの3月決算企業は11月中旬以降の発表を予定している。
小売業界の序列変動、中内ダイエー終焉へ
 小売業の2000年8月中間決算が出揃った。注目された大手スーパーダイエーの2000年8月中間期の売上は不採算店舗の閉鎖や店舗運営形態のテナント形態への移行もあったが、売上高は1000億円以上減と予測の1兆300億を下回るの9,950億円と1兆円を割り込んだ。かつてヤオハンの優良店舗群を300億円で買い叩いた業界の雄も、多業態兼営の店舗運営効率の悪さと既存店の老朽化、不採算店舗の増加で経常利益は僅かに15億円と当初再建計画の50億円を大きく下回る水準となり、有利子負債の圧縮にも決め手が無く銀行管理は逃れたものの中内一族のダイエーグループからの引上げを条件に、かろうじて命脈を保った形となった。なお、この経常利益15億円の下に続く特別損益では子会社株式売却益としてローソン株の売却益が621億円が計上され、それを原資に系列不動産デベロッパーへの貸倒引当金340億円、マルエツ株の売却損90億円などが処理されており、特別損失の総額は623億円とほぼローソン株の売却益見合いである事がわかる。ダイエーの決算恒例行事である「期初業績修正見通しの修正」は無かったものの、その内容の悪さに決算会見は終始緊張したムードが続いた。
 小売業界で依然好調なのはコンビニエンスストアで、決算期変更を行ったサークルKを除くコンビニ大手5社はいずれも増収と経常増益を確保した。とくに業界首位のセブンイレブンジャパンは系列店舗を含めた実態売上高が1兆466億円に達し、売上高で初めてスーパーダイエーを抜いて業界首位に君臨することとなった。ちなみにダイエーは単体の売上であるのに対し、セブンイレブンは自社店舗のみではなく加盟店の売上を含んだ数字であるため、ダイエーが業界一の直接売上高を誇る企業であることには変わりは無い。
 しかし、小売業界としては1972年にダイエーが当時の売上高首位であった百貨店業の三越を抜いてスーパーチェーンストアという業態を確立した快挙に続く歴史的な事件であることに変わりは無い。なお、2001年2月決算では小売業界でも実質支配力基準が適用されるため、ダイエーはDHC(ダイエーホールディングカンパニー)を始めとする企業群が連結決算対象となり、再び連結売上高3兆円を超すことが確実で、セブンイレブンはSEC(米国会計)基準で連結を組む親会社のイトーヨーカ堂が予定する3兆円プラスアルファの連結売上高にどこまで寄与できるかがポイント。ただ、収益力格差は歴然としており、連結経常利益2000億円グループへ向けて邁進するヨーカ堂に対し、50億円の形ばかりの連結経常利益確保を目指すダイエーグループはもはやライバル同士とは呼べない状況である。
 都市部でのコンビニエンスストアに加え、医薬化粧品小売が順調で、郊外ではホームセンターや衣料品専門小売などに侵食され、スーパーストアの存立基盤が危うくなる中で販管費圧縮の「縮小均衡型決算」をどこまで続けることができるのか、カリスマを失った巨艦ダイエーの今後の舵取りに注目。
トヨタ担当監査法人、中央青山監査法人に合併
 国内製造業最大手の自動車メーカートヨタ自動車を担当している監査法人伊東会計事務所(名古屋市中村区)が中央青山監査法人(東京都千代田区)に合併されることが明らかになった。合併は2001年1月1日を目処とし、合併後の監査法人はクライアント数4,758社、業務収入370億円となり、業界最大手監査法人太田昭和センチュリーの5,364社、376億円に匹敵する巨大法人となる。
 東海地区を拠点として、トヨタ自動車、中部電力、東邦ガスなどの優良クライアントを擁し、地域系監査法人としては異例の威容を誇った伊東会計事務所の提携先には以前から、複数の大手監査法人が名乗りをあげていた。合併の経緯の詳細は明らかではないが、主要クライアント先のトヨタ自動車(NYSE、ロンドン証取上場)が国際的に業務展開を積極的に進めており有力国際会計事務所との提携が必要となったこと、さらに連結主体の決算への移行が見込まれる今後のディスクロージャー動向から法人規模自体の拡張による子会社監査の充実が必須となっていたことなどから、大手への合併不可避との結論に達した模様だ。なお、トヨタの子会社であるダイハツグループ、日野自動車グループ、トヨタ地域販社など多くのグループ会社は他の大手法人による監査が行われていた。
 合併の相手先としては中部地区の基盤が脆弱で、グループ会社のダイハツ、ダイハツディーゼル、日野自動車、日野車体などの監査を手がける最大手の太田昭和センチュリーが有望視されていたが、吸収合併の印象が色濃くなる同法人との合併を避け、プライスウォーターハウスクーパースとの提携関係を持つことを重視して中央青山との合併を決意したものと思われる。
 なお、合併後の法人名は未定。中央サイドは、青山との合併後もドメインネームの"Chuo.or.jp"を維持登録していることから、長期的には「中央監査法人」への回帰が予定されていると考えられるが、一時的には「中央青山伊東監査法人」もありえる(ダサっ)かも(-_-
そごう株主、旧経営陣を提訴。70億円を求償
 2000年9月8日に株主オンブズマン(大阪府大阪市)が旧そごう経営陣にそごうの破綻責任は取締役の任務懈怠責任によるものとして、水島元会長に50億円の財産補填を求めることをはじめ、当時の取締役に対して合計70億円の損失を会社に補填するよう求める方針を明らかにした。
 商法上、取締役は企業の運営について他の取締役の専横を監視し、「善良な管理者の注意義務」を果たすことが求められており、株主オンブズマンの主張によると、当時のそごう取締役会は水島元会長による独断専横が酷く、回収見込みのない「千葉そごう(水島一族の実質支配会社でそごうグループの持株会社的機能を持つ)」への貸し付けがそごう本体の財務内容を悪化させ、最終的に破綻に至ったものと認定。「重要な資金の貸付」は商法上、取締役会の決議事項とされているが、取締役会は事実上形骸化しており、水島会長の意のままに議案を右から左へと承認していた御用機関とされていた模様だ。
 法的な理論構成として注目されるのは、「そごう(大阪店・神戸店・東京店の3店
のみを運営)」と「千葉そごう(国内20数社のそごう地域会社を支配)」を分離して、そごうは千葉そごうの「食い物」とされたとしている点だ。
 注目される争点としては「そごうグループ」のブランド維持のため千葉そごうを介した融資が不可欠であったとする「経営判断」が妥当であったか、また、融資の垂れ流しが「取締役の任務懈怠責任」の結果起こったものとする主張をかわせるかが焦点。しかし、担当監査法人の太田昭和監査法人(当時)が97年2月決算時に提出されていたとされる千葉そごうのグループ連結債務超過を報告したマネジメントレターをタテに株主オンブズマンは水島元会長の経営責任を追及する構えを崩していない。
 正式な株主代表訴訟は10月中旬から始まる予定。なお、株主オンブズマンは97年2月決算以降の各年度決算が粉飾であった可能性があるとして、監査役、監査法人への追訴も検討しているものと見られる。
 また、そごう経営責任調査委員会(民事再生法適用後にそごうが設置)も水島元会長をはじめとする旧経営陣に対する民事再生法に基づく賠償請求訴訟を行う予定で、現在賠償額の見積もりに入ったと見られている。
金融商品時価会計基準の実務詳細公表へ
 2000年7月24日に示された「金融商品会計に関するQ&A」の草案が近くまとまり、9月上旬の日本公認会計士協会理事会の承認を経て公表される見込みとなった。
 主な論点となっていたもののうち、「融資に際して受け入れる借受有価証券の処理」については、「借り手側に自由処分権無し」として資産計上する必要はないものとした。
 また、「時価のある親会社株式」の評価方法は「個別上、時価評価。連結上、取得原価。」として、子会社株式の連結上の取り扱いと子会社の持つ親会社株式の評価方法との整合性をとっている。
 注目された貸借対照表上の有価証券については、通常の一般事業会社を前提とした場合に流動区分で示されるものは「1年以内に満期の到来するCD及びコマーシャルペーパー」、「1年内に償還される契約型投資信託、会社型投資信託、貸付信託で、CF表上資金の範囲に含めているもので預金と同様の性格を持っているもの」とされた。
 さらに、もっとも注目された損益計算書上の取り扱いについては流動区分=営業外損益・固定区分=特別損益との基本的立場を採りつつ、その他の有価証券(固定区分)に「売買目的、満期保有目的以外の有価証券」として、一定の余資運用目的に購入された有価証券が含まれてしまうことから、そうした有価証券の売買にある程度の経常性が認められる場合には営業外損益とすることとされた模様だ。企業会計実務はまたも迷走しそうな雲行きである。
ゼネコン各社の販売用不動産の処理,明らかに
 一説によると1兆1600億円もの特別損失が計上されたと見られるゼネコン2000年3月決算だが、足並みはどうも一致していない模様だ。
 2000年3月期は「販売用不動産の時価評価基準」が適用される直前の年度であり、本来なら新連結会計基準(実質支配力基準)の適用による関連会社の増加に意を払えば良かったはずが、2000年1月に公認会計士協会から「大手ゼネコンは1年前倒しの適用が望ましい」との通牒が発せられたため、上場ゼネコン各社は関連会社の不良資産処理と自社所有の販売用不動産処理に追われる羽目となった。無論、こうした動きをにらんで清水建設のようにバブル崩壊以降着々と2000億円近い販売用不動産の損失処理を続けていたケースや、99年3月期のうちに販売用不動産を自社の有形固定資産に振り替える佐藤工業のようなケースが見られていた。
 販売用不動産を賃貸物件と称して有形固定資産に振り替える処理は時価会計の波にさらされ始めている貸借対照表科目のうち、もっとも評価方法の確立が遅れている「有形固定資産」に伝票上で金額を振り替えただけで、実態はなんら変わっていない。これら有形固定資産に振り替えられた資産については「減損会計基準」が導入されるまで(日本では平成14年3月期または15年3月期以降の事業年度からの適用が検討されている)、時価評価の埒外に置かれることになるが損失先送りのそしりはまぬかれない。
 大手ゼネコンとりわけ清水、鹿島、大成については資産のスリム化が進んでおり、特に鹿島に至っては販売用不動産の処理は99年3月期に1093億円を処理済で今期は対象となる販売用資産は無いと言い切っている。また、大林組は処理を30%以上下落した資産全てとして合計133億円を評価損計上する一方で、有形固定資産が1000億円増加しており、総合的な処理としては「?」である。
 中堅ゼネコンはキレイに処理した(開き直った?)企業と、あからさまな繰延処理を行った企業に分かれた。前者は飛島建設、銭高組、後者は先述の佐藤工業に加え熊谷組、青木、長谷工コーポ、フジタ、森本組、財閥系の三井、住友などでいずれも中途半端な処理で損失の先送りが見え見えとなっている。企業会計を知ったものが貸借対照表分析を加えればこれら企業がいずれも多くの含み損を処理し切れなかったことは明白である。
 ちなみにこれらの「中途半端処理組」は多額の債務免除を受けた長谷工コーポ、処理額ゼロの青木建設を除いていずれも当期利益は赤字に転落している(公共事業入札ポイントに影響アリ)。来期は販売用不動産損失処理の強制処理年度にあたる。また、退職給付債務の顕在化や有価証券の含み損益の貸借対照表上の処理がはじまり、その翌年にはいよいよ「減損会計」が導入される。貸借対照表をスリム化すればROEも好転し企業価値の向上の見込める企業群も含まれるだけに、対金融機関交渉を強化して早期の評価損処理が望まれる。
2000年3月期決算発表、混乱相次ぐ
 5月31日に終了したはずの2000年3月期の決算発表が未だに終わっていない。
 通常、決算発表は個別財務諸表の概要を記載した書類(旧決算短信)と連結決算短信を発表し(単独決算は5月末日が期限)、そのまま株主総会の承認(6月下旬)、有価証券報告書の大蔵省財務局への提出(6月末日が期限)という段階を経て終了する。
 2000年3月期は「新連結財務諸表作成基準への移行」「キャッシュフロー計算書の作成」「決算短信を連結ベースで記載し、添付書類の記載基準を厳格な連結財務諸表規則に準じたものとすること」「ソフトウェア会計基準の導入」「決算発表の迅速化」など、企業会計をめぐる大蔵省、証券取引所などからの企業への要請が多岐にわたったため、一度発表した決算数値を後日訂正するケースが相次いで発生している。
 実際、6月末までにに訂正短信を取引所に提出した会社は80社を数えており、決算短信の添付書類の一部訂正は250社から300社(複数取引所の重複上場企業があるため推計)にのぼっている。なお、決算短信の添付書類については重要指標(決算短信の表紙)に訂正が無い場合、修正事項があっても訂正報告義務が無いため、軽微な修正、誤記のあった企業は実際よりも多いと思われる。
 大規模な訂正を出したのは6月初旬のキョウデン(本社長野市・担当監査法人トーマツ)。5月27日に発表した連結短信は初めて子会社となったパソコン組立販売のソーテックを連結対象としたこともあり、実に18頁が差し替えとなった。また、石炭大手の三井鉱山(本社東京都江東区・担当監査法人太田昭和センチュリー)もギリギリの5月31日に発表した連結短信を6月27日に訂正。連結子会社が大きく増えたことも要因だが、連結キャッシュフロー表の誤りを含めた21頁にも及ぶ訂正を見るに至っては呆然となるばかりである。
 このような中、上場企業に「連短同時発表の推進」「決算発表の早期化」を促し、結果として処理能力をオーバーし訂正発表に追い込まれる企業を続出させた東京証券取引所の姿勢には疑問符を付けざるを得ない。既発の短信の差し替えと赤入れ修正に追われた山崎は、より「正確な情報開示」の徹底を望んでやまない。
 ちなみに当の東京証券取引所が事前に上場企業に配布した「短信作成の雛型」に、本来記載されるべき「期末に会社の発行する株式の総数」の欄が、まるごと抜けて落ちており、この雛型に従った多くの企業では株数の記載が抜け落ちるという笑えない事態が生じている。
赤井電機、超法規的な3月決算
 企業会計を縛る法規則の中で重要なものに商法と証券取引法があり、公開企業のディスクロージャーも大枠はこの2つの法体系によって行われているのは周知の通りである。
 しかし、商法の要請する会計監査人の監査、証券取引法の要請する有価証券報告書の提出という「最低限のハードル」をクリアせずに、特例中の特例として認められているのが音響映像機器メーカーの赤井電機(本社神奈川県横浜市)である。
 同社は香港系外資グランデの傘下に入り経営再建中だが、監査を担当していた中央青山監査法人との監査契約交渉が不調に終わったため、監査人不在のまま5月31日夜になって個別財務諸表の概要(旧決算短信)を発表、さらに6月27日には連結短信も発表し、6月29日には監査報告書の無いまま「計算書類の株主による承認決議」で株主総会を乗り切った(商法特例法違反)。さらに、6月30日には2000年3月期の有価証券報告書を関東財務局に対して提出することが出来なかった(証券取引法違反)とのプレスリリースがなされている。
 個別財務諸表の概要によると、赤井電機は2000年3月期決算(未監査数値)で1,026億円の最終赤字を計上し750億円の債務超過に陥ったとされており、今後の債権カットやデットエクイティスワップがうまくいかない場合には上場廃止は確実(2001年3月期の予想売上は60億円にまで減少)な状況。
 こうした事態に東証は赤井電機に改善報告書の提出を求めた上で、7月下旬に個人会計士から提出される監査報告書の内容如何によっては(日本企業では珍しい企業の存続可能性の特記事項が付される可能性がある)、監理ポスト移行もやむ無しとしている。

 また、関東財務局も事態の違法性・異常性には注意しつつも、赤井電機が6月21日に会計監査人の新規選任を行い7月26日に監査報告を受けて同月末までに有価証券報告書を提出する意向であることから処分は見送る方針。
 しかし、この6月29日の総会決議の有効性には疑問があり、同社の再建の行方如何によっては総会決議無効訴訟などで役員が責任追及される可能性も出てきた。
6月29日の株主総会日は今年も集中緩和傾向続く
 2000年3月決算企業の株主総会の集中日、6月29日に総会を開催する企業は東京証券取引所のまとめによると1,626社中1,368社で84.1%となり、昨年の88.4%と比較して4.3ポイント減少した。ちなみに、準集中日は28日で7.2%の会社が総会を予定している。
 総会日の集中率の緩和については、株主総会がいわゆる「総会屋」と呼ばれる特殊株主の勢力減少に従い、シャンシャン総会に持ち込もうとする総会形骸化路線から、IR(投資家宣伝)型の総会へとシフトしつつあることが原因と見られる。
 実際、集中日を避けた総会は日産自動車などのようにマスコミ・新聞で取り上げられるなど一定の効果を見せている。また、これまで土・日・月の開催が避けられてきた総会をあえて休日に設定するなど、株主参加に対する配慮も着実に見直されている。金型・FA部品販売のミスミは午後6時開催と異例の晩餐型総会としたが、金曜夜の設定が災いしたためか期待ほど株主は集まらなかった模様。しかし、総会が今までのスタイルから移行しつつあることだけは確かである。
公認会計士制度も大幅変革へ
 2000年6月26日に公認会計士審査会が現行の企業監査体制を大幅に見直す制度改革案を公表した。
 改革案で注目されるのは「会計士試験合格者の倍増」と「監査報酬の自由化」「会計士資格登録の3年毎の更新」である。「試験合格者の倍増」については監査サービスの領域が年々拡大してきていることによる「人手不足」を補うことが主眼で、会計士人口(現在1万6千人)の増加に伴う業界発言力の強化を狙う会計士協会の思惑とも一致する。ただ試験科目の簡素化や科目合格制度の導入などで試験レベルが下がるとの懸念もあり、今後の動向が注目される。
 「監査報酬の自由化」については最も賛否の分かれるところかも知れないが、これまで不明瞭だった監査コストに市場原理が介入する利点と、「安易な値下げ」競争の末の安かろう悪かろうの監査の質の悪化をいかにバランスさせるかが焦点となる。
 「会計士資格登録の3年毎の更新」については現状行われている継続的専門教育履修制度(研修会への参加や機関紙の購読を指数化して評価している)の延長となることと考えられるが、実際にそうした知識が吸収され活用されているかについては、現状でも疑問の声があり、既存の会計士が新会計基準に対応しているか否かについては再度試験を行うしか無いと考えられるが、如何だろうか。
公認会計士協会がアンチディスクロージャ指導?
 2000年3月28日に朝日新聞地方版が報じたところによると公認会計士2200人を対象に実施したあるアンケートの内容について専門月刊誌「企業会計」が同誌3月号への掲載を準備していたところ公認会計士協会が「待った」をかけたというもの。
 アンケートについては公認会計士協会が会員を対象に実施したもので、粉飾決算について実際に現場に立つ公認会計士の意識を調査したもの。結果は企業が計画的に行う粉飾決算については「必ず見つけることが出来る」とした会計士がわずかに13%と公認会計士の粉飾決算に対する無力ぶりが明らかになっているという。しかし、こうした結果の掲載について当初了解していた協会支部が、協会本部の意向を受けて記事の掲載を見送るよう出版者側に圧力を加えた模様で,同誌3月号には記事の掲載は見送られた。
 企業には厳格なディスクロージャーを要求する会計士協会が自己に対して見せた甘さに、どのような弁解の余地が有るのか?中地協会の指導性に限界の一端を垣間見たのは山崎だけだろうか(旭;)
4月1日合併・新社名スタート
 2000年4月1日付けで合併を行った企業が合併体制を本格的にスタートさせた。
 日産系の電装部品メーカーカルソニックとカンセイが合併し「カルソニックカンセイ」となった。コストカッターの異名を持つカルロスゴーン主導のもと、日産グループの技術の要の電装部品メーカー2社の合併の今後が注目される。
 医薬品卸業界では三星堂とクラヤ薬品、東京医薬品の3社が合併し「クラヤ三星堂」となる。さらに、エイワ、神原薬業、ヤクオーもお互いの地域性を活かして合併し「アスティス」となる。スズケン目指して医薬品卸にもメガ旋風が吹き荒れるのか。
 金融業界は最もすさまじい合併の嵐の真っ只中に有る。その象徴が第一勧業、興銀、富士の三行による「みずほFG」の発足である。街中の看板が掛け変わらないため目には見えないのだが影響力は大きい。また、スーパーリージョナルバンクを目指す大和銀行は傘下の大阪銀行と近畿銀行を合併させ「近畿大阪銀行」を誕生させた。両行はともに大阪の地域銀行であるため、これから店舗削減とリストラを迫られることになる。また、信託業界では中央信託銀行と三井信託銀行が合併し「中央三井信託銀行」に、証券界では新光証券(新日本証券と和光証券)、さくらフレンド証券 (山種証券と神栄石野証券)、つばさ証券 (ユニバ証と大平証と東和証と第一証)など、中堅証券では合併の無いほうが異端に見えるほどの変貌ぶりとなっている。
ネット界ではヤフーがジオシティーズとブロードキャストを併呑して新「ヤフー」となる。
 また、監査法人業界でも監査法人太田昭和センチュリー、中央青山監査法人が新たに合併体制をスタート。今後の業界の近代化、透明化が注目される。
 さらに、新社名をスタートさせるのはNTT移動通信網。新社名は「NTTドコモ」で、これは社名変更に世間が気づかない惧れも多い。また、製薬業の吉富製薬は世界進出に向け社名を「ウェルファイド」に変更。武田の子会社から一気にイメージは外資系に。果たして世界デビュー薬は誕生するのか?
金融商品の表示と評価が明確化
2000年3月13日に公表された「財務諸表等規則」等の改正により、これまで議論の的となっていた金融商品の「表示」方法が明らかにされ、従来から2001年3月期決算を目処として導入されることとなっていた「金融商品の時価評価基準」とともにこれで金融商品の時価会計基準のインフラが整ったことになる。
 焦点だった有価証券の流動固定分類については「売買目的有価証券(頻繁に売買される有価証券やディーリングルームを備えた金融機関等が所有する有価証券)」及び「満期保有の有価証券(一年内償還予定)」及び「その他の有価証券(一年内の償還・売却が明らかなもの)」に加えて「関係・子会社株式」でも売買予定のものは流動資産の有価証券として表示される。これら以外は基本として投資有価証券となり、表示と評価については「別物」とする見解が定着して行きそうだ。
 また、同じく焦点とされた「この3月期決算での有価証券の振り替えの要否」だが、結果としては不要となりそうだ。これは「有価証券の流動關U替については追加情報として注記しなければならない」とする財務諸表等規則ガイドライン8‐5が削除されるため。従って、2001年3月期期首で有価証券の流動固定振替を行っても「追加情報の注記」は不要となる見通し。
 ところで、税務上の対応については低価法が廃止されるため、大きく変容する。まず、一般企業で増えそうな「資本直入によるその他有価証券の評価損益」だが、税務上は損金にも益金にもならない模様。これは評価損益が確定決算書である損益計算書を経由せずに直接資本の部に計上されるためで、当然のことながら税効果すら発生させない。それに対して「時価評価」される「売買目的有価証券」については評価益課税という税務会計史上空前の出来事が出来する。無論、評価損も損金算入されるため、課税当局とは「痛み分け」となる。しかし、考え方によっては今まで認められていた低価法が上場公開企業については完全に封印されるわけで、この点からは課税計算上厳しくなったと言えなくは無い。
 ただし、貸借対照表上の表示は決着がついたものの、肝心の損益計算書の表示が曖昧なままとなっている。唯一、「売買目的有価証券の評価損益と売却損益の通算は可能(新ガイドライン90‐2)」とされただけで、これすら損同士、益同士の相殺を認めたものか損益を通じての相殺を認めたものか読み取りにくい代物である。(実務上は売却損益の通算は行われている)
 こうした例のみならず、営業外損益、特別損益の区分の曖昧さには定評のある日本の会計基準だが、そろそろ「営業利益」や「経常利益」、「当期利益」などの定義についても明確化が必要だろう。退職給付の15年間に渡る会計基準移行時差異を「特別損失」扱いできる余地を残すなかで発表される「経常利益」に何の意味があるのか激しく謎である。
四半期決算への対応固まる
これまで「マザーズ」上場企業と店頭登録企業、日本版ナスダックが導入を表明している四半期決算の概要をおさらいする。
 1999年12月22日、東京証券取引所内に開設された新興企業向け市場「マザーズ」では開設当初から四半期決算が導入され、事実、同日付けでインターネット総研とリキッドオーディオジャパンが2000年6月期第1四半期決算短信を公表している。これに対して日本証券業協会の方も1999年8月に店頭市場改革の方針を打ち出し、2000年2月4日に店頭市場2号基準(新興企業向市場)による公開会社に四半期決算を義務付けると発表した。さらに、2000年6月を目処に開設が予定される日本版NASDAQ(大証)でも導入が予定されており(しかも日本版NASDAQは欧米3市場の連携運用が予定されるため、開示は英文用と日本語の両方が必要となる見込み)、新興企業市場では四半期報告書によるタイムリーディスクロージャーがデファクトスタンダードとなる。
 ところで、公表される情報に付いては「中間連結財務諸表規則」に準じた内容とされており、連結貸借、連結損益、連結CF表などが開示される見込み。決算発表の時期については事実上、四半期報告書が半期報告書に準じる扱いを受けるため、決算日後、概ね1ヶ月〜1ヶ月半程度で短信の発表に至るものと思われる。さらに、四半期報告書の提出期限は決算日後4ヶ月以内とされるため、インターネット総研とリキッドオーディオジャパンが提出する日本初の「四半期報告書」は2000年1月末に関東財務局に提出されたはずである。なお、市販はおよそ提出から1ヶ月半程度遅れるため、かんぽう販売所で入手できるのは3月上旬となりそうだ。
 こうした四半期財務諸表への対応で日本公認会計士協会は2000年1月18日付けの「東京証券取引所のマザーズ上場企業の四半期報告書の四半期財務諸表に対する意見表明業務について」の中で、四半期決算書については監査は行わず、「レビュー」というものを実施し、「有用な情報を表示していないと認められる事項は発見されなかった」との2重否定を用いた意見表明を行うことを明らかにした。この保証水準は中間財務諸表に対する「有用な情報」の保証よりも一段低いとの見解のようだ。
金融商品時価会計で30%基準新設
 2000年1月31日、日本公認会計士協会は「金融商品に関する会計基準のガイドライン」を公表した。これは2001年3月期から適用が予定されている「金融商品会計に関する実務指針」が投資として保有する「その他の有価証券(子会社株式や持ち合い株式)」について損益計算書を通さない方法で時価評価を行うとする一方で、含み損が過大となった有価証券の評価損の損益計算書への計上(損益認識)をいつ行うかを明確化したもの。
 これまでの著しい下落は実務上50%を超す下落とされていたが(実務指針91項で「30%未満の下落は著しい下落に該当しない」と明記!)、今回のガイドラインでは「30%の下落でも損益計算書を通じた評価損の計上対象とする」という新たな区分を導入した点が注目される。また、これまで不明瞭であった「時価の回復可能性」についても「債務超過」「二期連続の赤字」「今期予測が赤字決算」などの具体的な基準を設けて対応している。
 金融商品の時価会計に付いては企業会計に対して与える影響が大きいため、協会サイドもかなり注力しているようで好感できる。しかし、リース会計を適用除外にしている点は画竜点睛を欠いてはいまいか?中地会計士協会の今後の奮闘ぶりに期待である。
販売用不動産にも時価会計の波
 2000年1月19日、日本公認会計士協会は、総合建設会社等が所有する販売用不動産等につい て、商法等に基づく強制評価減を適用する場合に、会社が実施した販売用不動産等の時価の算定方法等の妥当性を判断するための指針として「販売用不動産等の強制評価減の要否に関する監査上の取り扱い(公開草案)」を公表 した。これは多額の評価損の計上方法について具体的な計算方法が確立しない中で、積水ハウス、西松建設などが保有する販売用不動産について評価損計上を公表する企業が相次いだことに対応したもの。
 本来、企業会計原則及び商法が、「棚卸資産」について、「取得価額からの著しい下落」した場合「回復の見込みがある場合を除いて」評価損の計上を求めており、販売用の不動産は「棚卸資産」と認定される以上、評価損の計上は今までも必要であった。しかし、不動産については正確な時価の判定が困難であり、また、行政が公表する地価も「公示価格(地価公示法)」、「都道府県基準地価格(国土利用計画法)」、「路線価(相続税法)」、「固定資産税評価額(地方税法)」と4種類もあり、さらに「取引時価」は取引者相互間での個別的要件に左右されて決定するため、一物五価の状態が続いていた。このような状況と土地は右肩上がりの含み益を持つ資産との「土地神話」が戦後支配的であり、評価損の必要性が語られ始めたのはバブル崩壊後以降である。
 今回の指針では、土地の評価方法は前述の四種の公表地価に加えて「販売(可能)見込価額」、「不動産鑑定評価額」、「収益還元法」などの方法を提示し、継続的な適用を前提として選択を企業に委ねている。実際には資産査定コストから見て「路線価(主)と基準地価格(補完)を併用し定率比準する方法」か「販売可能見込価額」かのどちらかが選択対象になるものと思われる。また、査定時に「回復見込みがあるもの」として評価減しなかったものは注記の対象としていることから、「再評価逃れ」に一定の網をかぶせている。
 しかし、販売用不動産で売却見込みの薄いものについては「固定資産」に振り替えるというウルトラCがあり、現に指針適用を前に2000年3月期で「固定資産」への振替を済ませているゼネコンも多く、財務体質の強化を狙って償却を加速させる企業と小手先で利益を維持しようと画策する企業の差は広まるばかりとなっている。
商工ローン日栄、いよいよ正念場
 元社員の「暴力団まがい」の取立てにより一躍名を馳せた商工ローン最大手、日栄(本社・京都市)が2000年1月18日に東京地裁で出されたA元社員に対する「懲役1年6月、執行猶予3年(しかし、重大社会犯罪の初犯はこのパターンの判決がマンネリ化してるね)」の判決でいよいよ危機が目前に迫ってきている。
 同社は社長である松田一男氏の実質オーナー企業で経営の陣頭指揮に当たっており、元社員も社長から直接叱責されることを恐れて犯行に及んだと陳述している。このようなことから近畿財務局は判決の翌日の19日に日栄に対し貸金業規制法36条の「脅迫的取り立てをした場合の業務の停止」を適用する方針を伝えた。これに対し、日栄は「当社の子会社である日本信用保証が行った違法行為によって当社が業務停止を受けるのは不当」との弁明書を提出し反発している。ただし、日本信用保証が日栄で取立て不能となった不良債権の処理専門会社であった事実と世論の盛り上がりもあいまって、弁明が認められる可能性は限りなく小さい。
 さらに、A元社員が罪状を認め酌量減刑を求める法廷戦術を取っていることから、最終判決の確定は思いのほか早いことが予想されるため、「貸し金業の業務上罰金刑以上の刑が確定した場合の登録取消」が適用される可能性が現実味を帯び始めている。これに対し日栄側も登録取消に備え、松田一男氏の長男を代表とする別会社への業務の営業譲渡を画策しており、事の次第のよっては日栄株が紙切れになる恐れも出てきた。これまで堅実経営で評価されてきた商工ローンの雄の顛末に注目…。
川崎重工業、創立100周年決算に粉飾
 重機製造大手の川崎重工が2000年1月26日までに、大阪国税局から97年3月期決算に仮装隠蔽経理による売上高が含まれていたとして指摘を受け、重加算税6億5千万円を追徴課税された。同社は1997年3月期が創立100周年に当たり、売上高初の1兆円(経常利益350億円)の期初予測をブチ上げていた。これに対し決算発表の席上では1兆430億円を売上げ、経常利益380億円を計上できたと発表。記念配を含む1株11円配当を行っていた。
 指摘によると当時中国向けに受注したプラント工事の売上***億円(誰か情報ください)に伴う損失11億円をプラント工事の完工を待たずに計上したため、申告すべき所得が実際より少なくなっていたというもの。国税庁の指摘に対して、川重側は更正処分に対する不服申立てを行わない方針であり、事実上粉飾決算を認めた形となっている。また、この種の案件によくある「見解の相違」なるコトバも無く、「今後は適正な処理を行う」との反省コメントをもらしている。
 余談ですが、川崎重工の川崎は神戸の川崎地区から。本社は神戸クリスタルタワーね。監査法人は朝日。この件に関しては「正しい計算書類を作成する義務」を取締役が果たさなかった結果として重加算課税が発生したわけで、これが仮装隠蔽経理(ようするに意図的に)で行われていたのだから、株主代表訴訟に持ち込めるハズである。既存株主の皆さん、さあ裁判所へ、れっつごー♪(~_~)
東証マザーズ活況。初値付かずストップ高
 1999年12月22日、東京証券取引所に開設された新興企業向け新市場マザーズが取引を開始した。上場銘柄は電子商取引の「インターネット総合研究所(ISK)」(公募価格1,170万円)とネットで音楽配信を事業化する「リキッドオーディオWャパン(LAJ))」(公募価格300万円)の2社で共にネット関連企業であることから個人投資家の注目を集め買いが殺到した。このため取引初日は両株とも値付かずでISKは4,926株の買いに対して14株の売り、LAJは2,453株に対して144株の売りと、両者とも圧倒的な買い越し残を抱えたままストップ高で引けた。
 ちなみにマザーズは東証が市場開設しているが、東証自体は上場審査を行っておらず、赤字でも上場を認める点や幹事証券会社が公開審査を行うなど機動性を重視し、四半期決算を初めて取り入れるなどタイムリーディスクロージャーにも力を入れている。しかし、値決めは相変わらずのザラ場方式で売り買いが拮抗しないと取引が成立しない。この点は幹事証券会社に引受け審査権を委譲した段階で強引にマーケットメーク制を導入できなかったか?需給相場が展開することは目に見えていただけに悔やまれる点である。また、エマージングカンパニーに対象を絞っているにも関わらず、東証がリスクの高い企業を意図的に排除している「銘柄厳選」疑惑も無視できない。リスクを取るのはマーケット参加者であって東証ではないのだから東証はマザーズの適正運営(不正資金洗浄の防止やリ事件のような政治資金疑惑の排除)に注力するのがスジだろう。日本版NASDAQやDブレイン証券に新興企業発掘で遅れを取らないためにも、考えを改めたほうが身の為である。
 なお、東証の厳選したLAJは99年6月期・00年6月期とも赤字の見込みで、とても時価総額780億円(600万円×1万3000株)の企業とは思えない。しかもネット音楽配信は現状の貧弱な日本のネット事情からするとリスクは高く、ネット関連銘柄とはいえ本当に「買い」かどうかは慎重に吟味する必要がある。(まっとうなファンドマネージャーなら静観だよな、いや諦観か…)
山一、中央監査法人に約60億円の賠償請求
 1999年12月14日、山一証券破産管財人団は同社の粉飾決算を見抜けなかったとして当時会計監査を担当していた中央監査法人と同社を担当していた会計士6人に対し総額約60億円の損害賠償請求を求めて東京地裁に訴えた。
 これまでも、破産会社の監査法人が株主によって訴えられるケースは見られたが、企業側から訴えられるのは珍しい。なぜなら、正しい決算を行う責任は企業側にあって監査人はそれを検証する責任を負うに過ぎないとする「二重責任の原則」があったからだ。実態として監査法人は「不適正意見の表明=(上場会社を上場廃止に追い込める)」を武器に、決算方針を決める段階から財務諸表作成に深く関与しており、決算方針相談の席上で監査法人側からクレームが付かなければ、決算作業→取締役会承認→決算発表→株主総会(=配当)→有価証券報告書提出までイッキにコトは進んでしまう。山一破産管財人団はこの実態面に着目して、監査法人側がトバシ含み損の実態の決算書への反映を充分に指導(=監査)しなかったとして本来適正な財務諸表が作成されていれば有り得なかった97年3月期の山一株、約12億株に対する5円配当分の約60億円と同年度の監査報酬3,700万円の返還を求めている。
 株主側からの訴訟では考えられない配当金の代理弁済請求を地裁がどう判断するかがポイント。中央サイドはダンボール70箱に及ぶ監査調書をバックに適正な監査指導を行ったとの抗弁を行う戦術に出るのだろうが、これまでの何ら企業内部情報をも持たなかった株主相手の訴訟とは異なり、今度は全ての内部情報を握る破産管財人団が相手だ。苦戦は必至。頑張れ中央。
 しかし、山一ほどの企業にして年度の監査報酬が3,700万円とはトホホだね。会計士一人の年間平均所得1,200万円をもとに考えると、概算雇用コストは1,600万程度。これだと山一に専属でヒトを張り付けるとたった二人で予算ぎりぎり(利益や間接費を加えると実際には二人も行かないだろう)。これで充分な監査ってできるの?ねぇ?
各社、不採算事業のリストラ断行
 1999年12月10日、各社が不採算事業からの撤退を相次いで明らかにした。一時、人件費リストラ計画発表ラッシュが流行したが今は不採算事業の整理がハッピョーハッピョー♪…10日明らかになった整理ラッシュぶりは以下の通り。
 住友不動産はバブル期に取得したNYマンハッタンの「ティッシュビル(地上41Fのオフィスビル)」をはじめとする海外不動産の売却及び2001年3月期にかけての海外法人の清算を決めた。同社は住友グループの中核企業であるにもかかわらず、多額の有利子負債、住友不動産ファイナンスへの追加支援の懸念、賃貸市況の軟化リスクから長期債格付BBB(JCR)、CP格付はJ-2と低迷していた。今回の決定は有利子負債の削減を進め、金利上昇局面に備えるためと考えられる。同社はこの他にもSPCや匿名組合方式を巧みに利用した不動産賃貸事業の証券化を通じてCFの好転と市況軟化リスクに対応しつつある。
 21世紀も日本は住友か?
 娯楽機器の平和は94年に参入したゴルフ場経営から撤退する。これまで子会社としてきたゴルフ場運営会社平和ローランド(群馬県箕郷町)を中島一族の現会長に譲渡し、その上で現在139億円の簿価で保有するゴルフ場を60億円で売却する方針(身内への売却額決定は2人の鑑定士の鑑定結果を元にしたらしいが、現状不動産鑑定の権威って無いに等しいじゃん、金額も大雑把だし…やっぱ予想CF還元法で行こうよ)、ちなみに担当監査法人はトーマツ。
 譲渡損79億は金型売却損や適格退職年金債務の処理変更による損失と共に96億円を99年12月期の特別損失に計上する。譲渡時期は99年12月中旬としており、コレを一括現金で回収する。同社の余剰資金はこれで1300億程度に達するとみられ、平和が一族会社で無ければLBOの危機か?
 先日来伝えられていた日本油脂の溶接事業の神戸製鋼所との合弁化に伴う神奈川県川崎市の工場用地の整理は、同敷地の一部を興和産業傘下の興和不動産に20億円で譲渡することで折り合った。日本油脂は同地の簿価が非常に安かったため工場リストラ費用8億円を同地の売却益20億(ゼロ簿価だ!)でまかなったことになる(しかし川崎市幸区の土地がなぜゼロ評価でイイのかは今更ながら日本会計の壊れっぷりを見せつけてくれる Accounting In Wonderland!イェイ〜)
 この他、日本高周波鋼業は子会社の高周波鋳造の再建のための減資額及び債権放棄額が15億円になると発表。さらに、エルナーがアルミ電解コンデンサーの生産集約のためのリストラ損失41億円の計上を発表している。
追い詰められる商工ローン大手「日栄」
 中小零細業者を相手に自己手形や保証人を使った無担保ローンを行う商工ローン大手日栄(本社京都市)の企業ぐるみの犯罪的融資行為が明らかになるにつれて、同社を取り巻く経営環境はいよいよ厳しくなりつつある。
 まずは株価。東証1部上場で年初来高値11,400円を付けた株価も先週(12月第2週)は1,600円まで売りこまれている。単純に100株持っていたとして100万円の損。でかっ…つーか痛いね。売り買いミスったファンドマネージャーや個人株主の恨み節が切々と聞こえてきそう。同業大手の商工ファンドも同様に売りこまれているが、年初来高値94,000円に対して先週の最安値が29,500円とこちらはやや健闘(?)している。
 次に営業面だが、新規融資についてはほぼ同業他社に流れているだろう。また、既存融資は一括返済や切り替えのできそうな比較的優良なところを他社に切り崩されそうだ。その上、来年以降の金融機関からの融資取り付けも難渋しそう。やはり、反社会的とのレッテルを負った会社に公共の金融機関が直接融資を継続するのは厳しそうだ。また、貸金業規制法で同社が法人として罰金刑以上の刑事処分が確定した場合に課される「登録取消(以後3年間再登録を認めない)」については、貸金業規制法等違反容疑で逮捕拘留中の元社員の拘置期限が12月16日に切れることから、その時点で検察サイドの起訴の方向性が明らかになると思われる(会社ぐるみと判定された場合は法人も含めて起訴される=ポジションは売り一色♪…の筈)。また、所轄の近畿財務局は同社が法人として告発を受けた場合、「業務停止処分」を課す方向で金融監督庁と協議に入っている。
 さらに人事面では来年入社予定の内定組約600人のうち111人が内定を辞退していると言う。既存社員の引きとめも奏効していない模様で、このリストラ不況のさなかで人員不足に陥るのでは?という奇妙な様相を呈している。
 ちなみに出資法や利息制限法を含め貸金業関連法の見直しも着手されており将来的には現在40%の金利上限が20%台に引き下げられる見通し(これでも売上高利益率が4分の1=25%吹き飛ぶ…スゲェな、サラ金・商工ローン業界自体ピンチじゃん)であり、たとえ貸金業の登録取消を逃れても日栄の前途は厳しいと言わざるを得ない。
 無論、業法上の登録取消は刑の確定が前提条件になるので日栄も最高裁まで頑張るだろう。何年もつかは分からないがとにかく12月16日が天王山。さて日栄の命運はいかに?
金融商品を使った粉飾に会計士協会が指針
 制度的破綻がバレつつある日本の企業会計に、またもや(笑)場当たり的対応が飛び出した。(記事の書き出しから東スポ風だな)
 日本公認会計士協会が平成11年11月9日、「飛ばし類似金融商品等の取引の取扱い」を公表した。名称の珍妙さはさておき、この中で注目すべきは「飛ばし類似金融商品等の取引の取扱い」が新たな実務指針では無いと断言しているにもかかわらず、今まで認められていた飛ばしスキーム(損失先送りや含み損隠し)による会計処理を実態にあわせる処理に変更させたり、スキーム自体の解消指導をさせたりしようとしている点だ。この「実務指針」と「解釈の補足」の使い分けは実に大胆かつ巧妙であり、とても国際的には通用しないであろうシロモノである。(ま、憲法の「解釈改憲」と同じ論法だよな、コレ)
 でも、9月中間決算の発表が一段落した後で公表していいの?胡散臭いスキーム(特にSPCを使ったヤツとか)はよく耳にするけど、9月の中間でいったん認めた数字を本決算でひっくり返すような無茶は星一徹でもせんだろう。(いわんや会計士をや、だな。流されるぞ絶対)やはり、ここは実務指針を提示して重要な会計方針に加えるなりの措置を講じた上で「今まではナアナアでやってました」と謝罪するのが筋だろうな。
 ここで、この指針を読んだ会計士諸兄の「指導ぶり」を山崎が予想するとこうだ。{命」は「実務指針の解釈が変わりましたので貴社のSPC飛ばしスキームは認められません。しかし、中間決算は発表も済んだことですし、下期にスキーム解消するか損失の開示をしてください」と恩を売りながら説得する法。「対抗」は「貴社のSPCスキームは損失が出るか定かではないので、従来通りの処理を継続しましょう」と恩どころか魂まで売ってしまう法。「穴」は「解釈変更がこの時期(中間決算が修正可能な時期)に出されたということは決算修正をしろと言うことです。」と気概を見せて来年の総会で監査人変更の憂き目に会う法。さて、どれか?
東芝FD半導体訴訟で妙な特別損失1100億?
 完全に個人サイト化したので見出しも東スポ風味満載(笑)
 総合電機メーカー大手の東芝は99年10月29日、在米東芝関連3社に対して起こされていたFD半導体欠陥訴訟に伴う和解金として2000年3月期決算の下期に1100億円の特別損失を計上すると発表した。1100億円の内容は原告らに対する和解金及び弁護士費用で概ね820億円で、残りの280億円は配布クーポン(東芝の米国子会社が販売するパソコンや周辺機器を購入する際に使用できるもの)の配布総額に、実際にクーポンが利用される割合及び原価率相当を掛けて算出したものと予想されるが、見積り額であることは確か。別の見積もりによると2310億円にも上る可能性があるとのこと。
 金額もさることながら、和解時期も中間決算をまたぐための10月29日としたところがあざとい。(中間発表は10月26日)さらに通期業績の修正発表もやってくれる。特別損失1100億の計上と同時に有価証券売却益500億(11年9月中間で東芝の有価証券含み益は2200億)の計上を発表して損失の拡大を押さえたのはよしとしよう。しかし、さらに税効果(繰延税金資産フル計上)で損失を圧縮したのはどうなんだ?絶不調東芝に全額税効果回収可能なのか?監査法人はどこだろうと思ったら太田昭和だ。ここは何でも通しなのか?
プリンストン債余波
 恒例のプリンストン債の余波というか余話を多少。
 販売元クレスベール証券(東京)は9月10日に証券の販売6ヶ月停止を経て3庁による異例の東京支店合同家宅捜索、支店長事情聴取など詐欺疑惑立件へ向けて順調である。
 購入側で最も金額が大きかったのは218億円のアルプス電気グループだったが、処理は一括特損処理で非常に明快。後に続く巨額購入企業も全額行かざるを得なくさせてしまった。秋の叙勲の勲一等か。
 イメージダウン最高潮だったのはヤクルトではなかろうか?購入額もさることながら元副社長の受取リベート5億3千万は完全に商法上背任だろうし、不当利得だろう。クレスベールの詐欺立件とともに株主代表訴訟提起だ。頑張れ既存株主。また、クレスベールとの付き合いが長かったことから保有は債券本体だけでなく債券解約未収入金が23億円計上されている。半額引当処理済み(半額でイイのか?)とは言え、後味は最悪。
 ややお間抜けは本業の金融で騙され、99年10月29日破綻申し立てした「ほくしん」こと北兵庫信用組合(兵庫県城崎郡、設立昭和30年10月)ではなかろうか?同信組は、株式市場の低迷などで運用の悪化していた投資信託に含み損が99年3月決算までに10億円発生。この損失を穴埋めするため98年3月から99年4月にかけて、クレスベール証券から高利タイプのドル建て「プリンストン債」約27億円を購入し逆転を狙うもその大半が損失と確定したため破綻した。この間、所轄の兵庫県商工部から「プリンストン債のような胡散臭いものは買わないように」との常識的な意見を伝えられていたらしい。口あんぐり、である。
 以上、余話。
11年9月中間決算発表始まる
 恒例の金融機関9月決算の発表ラッシュが続いている。中間短信の今年のトップはおなじみの日製産業蠅10月12日の発表。これは20年連続第1位らしく、これだけ会計制度がめまぐるしく変わる中、10日間程度で決算をまとめた関係者各位の尽力は驚嘆に値する。おそらく添付資料の大部分は前倒しで作ってあるのだろうが、それでも早い。まわりのブースは流通関連の8月中間決算の発表の真っ最中なんで、違和感ありあり。
研究開発費・ソフトウェア会計処理Q&A公表
 公認会計士協会は11年9月29日に研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関するQ&Aを公表した。これは11年3月31日に出された「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」(適用は12年3月期決算以降)の実務適用上の留意事項をQ&A形式で解説したもの。
 同実務指針では原則として将来の稼得収益に対する不確実性のある研究開発費用に付いては資産計上を認めず、即時費用処理を求めている、と同時にこれまで不明確だったソフトウェアの会計処理についても収益嫁得能力という点から資産計上等の会計処理に一定の指針を与えている。
 この中で気になるのは複数の研究目的に使用する研究用資産は資産計上を認めるということ(耐用年数は?)。また、研究開発と部分改良についても境界が不鮮明で、費用処理と資産計上という重大な処理の差を個別の判断に委ねる危険性が大で今般の「Q&A」もそれには答えていない。さらに、ソフトウェアとコンテンツの区分や大幅なバージョンアップとそれほど大幅でないバージョンアップの区分など具体性に乏しく、いわゆる「決算のポケット(調整弁)」は増加しそうだ。
プリンストン債保有企業の損失処理発表続く
 9月20日以降プリンストン債保有企業の損失処理方針が次々と東証で公表されている。
 まず、もっとも多量のプリンストン債218億円を保有していたアルプス電気は当初上場来最高益を視野に入れた経常利益240億を予想していたが一転してプリンストン債保有の子会社に218億円全額の特別損失を計上させたうえでアルプス電気本体も子会社支援損を子会社の財政悪化分210億程度計上、中間期で最終200億円弱の赤字に転落する。経理的にもっとも厳しい(妥当な)処理を採用したのは市場での注目度を意識したものと思われる。
 また、56億円のプリンストン債を保有していた丸善も全額特別損失に計上、さらに、期初4億の赤字決算を予定していた日立機材はプリンストン債7億円の保有を全額特損処理するため赤字幅の拡大を余儀なくされた。その他、マキタ、イトーキクレビオ、サイゼリヤ、参天製薬、日本電産がプリンストン債の損失処理を発表した
太田昭和、センチュリー合併発表
 監査法人業界4位の太田昭和監査法人と第5位のセンチュリー監査法人が平成12年4月1日を目処として合併することが9月13日明らかになった。
 両法人とも上位3法人(朝日監査法人・中央監査法人・監査法人トーマツ)と比べて新規公開会社獲得や公会計などの新監査分野への取り組みに弱点があったため、まず合併により規模の拡大を図りそれを営業面に活かしたい考え。
 合併後の法人は関与会社4900社、会計士2600人を擁する日本最大の監査法人となる。かつて業界トップだった太田昭和にとっては十数年ぶりの首位返り咲きとなるが、営業面での弱者連合であることや、長銀・日債銀の対監査人賠償訴訟が東京・大阪で準備されていること、業界第2位の中央監査法人が業界6位の青山監査法人と合併予定であることなど、合併法人の前途は楽観を許さない。
日本も「減損会計」適用へ 
 日本の企業会計に減損会計が適用される見通しが、日本公認会計士協会が99年9月9日に公表した調査報告書で明らかになった。
 減損会計では資産の将来予測現金収入を予測して、その収入額が計上簿価を下回る場合に資産の評価損を計上するもの。例えば5億円で導入した新生産ラインが製品価格の暴落によって将来稼動させても2億円の差額現金収入しか生まなくなった場合、生産ライン設備に3億円の評価損を計上するもの。導入されれば生産性の低くなった資産に評価減が計上されるため、含み損を抱える土地などの他、生産性の低下した工場設備や、長期に滞留している棚卸資産を多数抱える企業は大幅な評価減を迫られそう。
 これらの評価損は損益計算書を経由せずに資本の部に直接計上されるため、日本でも第2の損益計算書「包括損益計算書」の導入論議が活発化すると予想される。
プリンストン債販売に監査法人T社職員が関与 
 プリンストン債などの名称で一般企業に年利回り50%の破綻が明らかな金融商品が多額に販売されていたことが明らかになり問題となっているが、こうしたデリバティブの一部が監査法人T社職員である公認会計士によって紹介販売されていたのではという疑惑が広がっている。
 プリンストン債は表面利率が50%の高利回りタイプと5%の通常利回りタイプのものが販売されており、中には数年後の破綻を予見しながら当初の蛸足配当部分を利益計上できることから購入したケースもあるとされる。
 本来、投資家の立場を守るべき会計士が関与していたとの疑惑に、会計士の市場からの信頼は失墜を余儀なくされそうだ。
退職給付会計で代行部分も企業が損失負担
 平成13年3月期から導入のきまっている「退職給付会計」で企業が負担すべき年金額の範囲が、当初厚生年金の国からの代行部分にかかわるものは除くものと予想されていたが、会計士協会からの実務指針にこれら代行部分に発生する損失について国からの損失補填が期待できないことから、企業の負担とする決定を下した。
 厚生年金の代行部分については運用利回りが予定利率を上回った場合には運用超過益が厚生年金基金に繰り入れられ、企業の年金負担が減少するため、かつては多くの企業で厚生年金基金を設立する動きにつながった。しかし、厚生年金基金の運用利回りが低下した場合には代行部分にも損失が発生し、その損失発生責任は国ではなく資金を運用した基金側にあると考えられるため、明文の規定は無いが日本公認会計士協会は企業の負担とした模様。
 これにより企業の負担する退職給付損失は当初の予想よりも3〜5割程度増加するとみられる。新しい会計基準ではこれらの損失を15年以内に償却することを求めている。
大手住宅メーカー販売用土地の評価損を計上
 建設業で住宅メーカー最大手の積水ハウスが販売用土地の評価損1,900億円を特別損失として計上することを決めた。
 積水ハウスは平成12年1月期で売上高1兆2400億円、経常利益630億円を予定しており1,900億円の特損計上により最終損失840億円の上場来、初の赤字決算に転落する見込み。(最終損失が縮むのは同社が税効果会計を採用するためだが、繰延が認められるかは疑問)
 販売用不動産の含み損は第一勧銀の試算で上場会社全体で20兆円あると推測され、将来の減損会計の導入をきっかけに評価損の計上が進むと考えられていた。しかし、今回の積水ハウスの評価損計上で減損会計の導入を待たずとも実務上、商法規定の拡大解釈により土地の評価損計上できることとなり、今後体力のある企業の評価減計上が進みそう。
監査報告書で企業継続情報開示を要求
 「A社は監査報告日以降1年間、事業継続に必要な資金繰りが確実で無いため、財務諸表に対する意見の表明を差控える」という記述が日本の監査報告書にも、早ければ平成12年3月期から出てきそう。
 企業の決算書は企業が来年も営業を継続できるという前提(ゴーイングコンサーン)で作成されます。もしも資金繰りが悪化しているなど、企業のこの先1年間の継続性について重大な不確実性が存在する場合には、もはやこの前提は成り立たなくなるため決算書に「適正監査意見」を記載して良いかどうか議論があり、欧米各国の監査報告書には通常、会社がこの先1年継続するかどうか監査報告書に記載することになっています。日本ではゴーイングコンサーンは暗黙の了解とされていましたが、適正意見の決算書を出した上場企業の倒産が相次いだことから今回の要請となった模様。ただし、監査報告書日付は6月総会日付プラス1日が一般的なため、短信には間に合わず、タイムリーディスクロージャーの観点からは問題が残りそう。
決算書上、土地評価損の計上を容認
 日本公認会計士協会が平成12年3月期決算から企業の資産に含まれる土地の評価額切り下げを認める方向で検討に入った。
 企業の土地資産の評価は取得時の価額によるものとされており、バブル時に土地の購入をした企業の財務内容が見かけ以上に悪化しているのではと指摘されていた。業績の回復した企業の中にはこれらの不良資産の評価を切り下げ、財務体質の強化を図ろうとする企業もあるが、これまでの会計基準では「土地は参考価格はあるが市場価格が存在するとは言い難く、評価切り下げを認めた場合、企業が恣意的に減額幅を決定しかねない」ことから評価切り下げを認めてこなかった。しかし、98年7月に破綻した和歌山の大手ゼネコン浅川組のように40億円足らずの土地を240億円の取得価額のまま据え置くなど、粉飾決算につながるとの指摘もあり取り扱いが注目されていた。
 本来、国際会計基準の「資産の減損会計(IAS36)」を導入すべきなのでしょうが、体力の無いゼネコン等に配慮して導入を見送った、というのがいかにも不思議の国の会計制度という気がしますね。また、土地と同じく参考価格はあるけど市場価格に信頼性の薄いゴルフ会員権の評価の動向も気になります。
今年の株主総会集中日はやや緩和
 今年の総会集中日は6月29日で、東証大証上場企業の89%がこの日に総会を行う見こみ。昨年の集中率からはやや緩和した。
 株主総会は商法上の規定で決算日から8週間たてば、いつでも行える。また、証券取引法上も6月末までに総会を開いて有価証券報告書を提出すれば良いわけで、特に集中日に開催する必要は無い。それではなぜ、6月下旬に総会が集中するのかというと、商法特例法上、総会日の8週間前に決算書を確定しなければならないので、大多数の会社では決算確定作業に3週間程度必要な現状から、総会日は早くとも6月17日以降(決算日+11週間)となってしまう。それに決算修正の可能性もあるため、余裕を持って6月20日以降が開催適日になる。また、6月30日午後5時が有価証券報告書の提出リミットになるので、総会が長引いた場合を考慮に入れると6月29日以前に開催するのが安全。ということで実務的に総会は6月20から29日に集中するのが当たり前ということになります。ただ、その中の特定日に開催が集中するのは日本ならではの特殊株主の存在があるのは否めません。
目指せ!日本一長いホームページ!!(笑)

秩序のない企業会計にドロップキックするWEBサイト