昨今、Sun Microsystems社のUNIX OS Solaris8が「研究開発目的限定」でフリーになり、 誰でもSPARC版, Intel版のSolaris8をインストールして、 その実力を試すことが出来る様になりました。
ただ Sun Microsystems としてはノートパソコンのサポートには、 かなり消極的で、せっかくノートパソコンを持っていても、 動作しないどころかインストールさえも困難、という状況が続いています。 まぁ、Solarisは「サーバ用途」に主眼を置いているので、 ノートパソコンで動作しなくてもなんら問題はないのですが、 個人的には、Linuxを使うのも良いができればSolarisを使いたい! ということで、初代DEC HiNote Ultra II (今やCompaqか?)から、 脈々と正式にノートPCがサポートされるのを待っていました。
が、待てど暮らせど一向にその気配はないし(笑)、 ますますもってノートパソコンはサポートされない気配濃厚(笑)。
是非ともSun Microsystems社にはノートPCのサポートも視野にいれて、 頑張ってもらいたいところです。

さて、そんなこんなで暮らしていたのですが(別にどうでもいいって?)、 つい先日、「IBMのThinkPad s30ミラージュブラック」を購入しました。
なぜ購入したかというと、元々Macintoshばかり使っていたので、 Wintel(死語か?)業界には疎く、未だにPentium MMX 200MHzの デスクトップパソコンでSolaris8を使っていたのですが、 世の中は『WindowsXP』なるモノが出ているというウワサ(笑)。
そこで、

「いっちょ新しいパソコンでもこうたるかー!茄子ボーも出たことやし!」
「でも、家は狭いからデスクトップパソコンはいらん!やっぱノートや!」
「同じノートでもA4は重い!B5サイズ探さなあかん!」
「WinXP動かすならPentiumIIIは欲しいところや!」
「それから、ノートでSolaris8動かすためにデバイス構成はHCL互換のモンがええ!特にイーサネット!」

ってことで探した結果がIBM ThinkPad s30だったのでした。
そして、ナケナシの茄子ボーを突っ込んで手にいれました。 (実は、ローン地獄。。。)

もちろん、買う前に各量販店を巡り各B5サイズのノートパソコンを、 片っ端から触り、Windowsの「デバイスマネージャ」を開いては、 各デバイスをチェックする、というかなり怪しげな行動をしたのは、 言うまでもありません(笑)。
(私が歩いた後のノートパソコンの全ての画面にデバイスマネージャ(笑))


そこでせっかくなのでIBM ThinkPad s30にSolaris8 for Intel Architecture をインストールしたときの手順を、以下にまとめておきます。 なお、このページを見て同じことをやろうとしている方は、 必ず「※注意事項※」を読み、これから自分が何をしようとしているのか、 充分に理解した上でチャレンジしてください。 理解しないで作業をした結果、最悪ThinkPad上にある「D to D recorvery」 の領域が消えてしまう場合も考えられます。 もちろん、その様な状態になっても当方は一切知りませんし、 IBM社またSun Microsystems社もなんらの保証をするわけでもありません。

全ては自己責任の下、行ってください。
(お約束ネ!)


※注意事項※
  1. ここに記載されている方法を利用して、インストールした結果について、 当方では一切責任を負いません。
  2. この方法を使うには、IBM ThinkPad s30 (Ethernet model)の他に、 もう一台CD-ROM付きノートパソコンか 2.5" ←→ 3.5" 変換ケーブル+デスクトップパソコン(CD-ROM)、 およびSolaris8の稼働するマシン (SPARC or Intel インストールサーバとして使用)が必要です。
  3. あなたがここに記載されている情報に基いて OS をインストールした結果、 Sun microsystems 社、またはその他と紛争を招じたとしても、 当方では一切関知しません。
  4. ここに記載されている情報を無断で雑誌等に転載するなど、 またはそれに準ずる行為は行わないで下さい。
    転載する場合はご連絡をいただければ幸いです。

Solaris 8 をThinkPad s30に(無理矢理?)インストールする方法。
前提条件
ThinkPadマシン
(A マシン)
IBM ThinkPad is30 (memory 128Mb, HD 20Gb IDE, Intel PRO100 FastEther, Boot可能なUSB-FDDがあると良い)
NotePCマシン
(B マシン)
Dell Inspiron 2500 (memory 128Mb, IDE CD-ROM)
Solaris 8マシン
(C マシン)
Sun Ultra-10 (ネットワークインストール用)
というような構成で、CD-ROM も FDD も無い ThinkPad s30 に Solaris 8 IA をインストールします。 実は、かなり苦労しましたが、インストール出来ました! その手順は以下の通りです。

ThinkPad s30は、IntelのPXE Bootに対応しているので、 Solaris 8がPXEブートをサポートしていれば良いのですが、 PXEサポートはSolaris 9からみたいなのと、 USB-FDDからのBootがサポートされていないため、 今回は大変なやり方になってしまいました。

  1. A マシンのディスクのパーティションを切る。
    これは、RedHat Linuxのfdiskパーティションエディタを使いました。 有名なFIPSだと、工場出荷状態でのディスクのジオメトリ情報がおかしいため、 うまく切れなかったためです。 そのため、プリインストールされていたWindows Me領域は削除され、 D2D領域から再インストールする必要があります。
    A マシンのパーティション
    Windows Me 12 Gb
    Solaris 4 Gb
    D2D Recovery 1 Gb
    とりあえず、元々あったWindows Meのインストールされていた巨大な領域を、 RedHat Linuxのfdiskエディタで削除し、新たに2つの領域として、 切り直しました。パーティションIDはとりあえず Primary DOSとしておきました。

    RedHat Linuxの起動は、ネットワークインストールFDDから立ち上げ、 FTP経由でカーネルが立ち上がるようにし、ThinkPad s30上で行いました。 (要インターネット接続環境。この辺りの詳しいことは、 Linux関連のサイトを参照しましょう。)

  2. A マシンにWindows Meを再インストールする。
    D2D RecoveryエリアからWindows Meをリカバリインストールします。 この際、BIOS画面(大きなIBMロゴの出る画面)でF11キーを押し、 D2D領域から立ち上げるようにします。 また、D2Dインストーラが立ち上がったら、一度インストールをキャンセルし、 DOSモードに落ちてからfdiskを起動します。 fdiskが起動したら、先ほど領域確保したWindows Me領域を削除(開放) しなければいけません。
    これはD2Dインストーラが、 安全のために完全に何もインストールされていない領域にしか、 リカバリしないようにしているためだと思われます。
    この作業は、Linuxのfdiskエディタで行えば良いことなのですが、 やり方が良く解らなかったので(笑)。

    fdiskを終了したら、Ctrl+Alt+Deleteキーでコンピュータを再起動します。

    再度F11キーを押し、D2D領域から立ち上げWindows Meをリカバリインストール します。(Disk to Diskなのでかなり速い)

  3. A マシンのハードディスクを B マシンに接続する。
    Windows Meをリカバリ出来たら、ThinkPad s30を分解し、 ハードディスクを取り外します。その取り外したハードディスクを、 B マシン(CD-ROM付き)に接続します。
  4. B マシンにSolaris 8をインストール。
    B マシン(CD-ROM付き)にA マシン(ThinkPad)のディスクを装着できたら、 B マシンからSolaris 8をディスクに普通にインストールします。 (この時、インストールするパーティションやディスクを間違えない様、 充分にチェックすること)

    なお、ここでインストールしたSolaris 8はあとで消す事になるので、 最小限のパッケージ(End User Package等)でインストールし、 時間を節約しましょう。

    この作業の目的は、SolarisのパーティションにSunOS Secondary BootBlock を書き込むことだけです。(つまり Device Configuration Assistance をハードディスク内に書き込むのが目的)

    なぜこんな「まどろっこしい」ことをやるかというと、 Solaris 8は、USB-FDDからのBootをサポートしていないからでした。 (DCAはSolaris制御下に置かれているらしく、Solarisに制御が移った瞬間、 FDDのデバイスが解らなくなるみたい)

  5. B マシンに接続したハードディスクを A マシンに戻す。
    B マシンに接続してた A マシン(ThinkPad)のハードディスクを外し、 再び A マシンに接続し直します。
  6. C マシンにSolaris 8ネットワークインストールサーバを構築。
    Solaris 8をネットワークインストールするための、 インストールサーバを C マシン内に構築しておきます。

    ※ 構築方法は、http://docs.sun.com を参照のこと。

  7. A マシンを起動する。
    A マシンを起動すると、最初にSun製のBoot Loaderが立ち上がり、 青い画面(Windowsユーザが恐怖する様な画面じゃないよ!) が表示され、どの領域から立ち上げるか選択できます。
    ここで、Solarisは第二パーティションにインストールされているので、 2を入力しEnterを押すか、そのままEnterを押して起動します (デフォルトではSolarisが起動するのだ)。

    Solarisを起動したら途中でDevice Configuration Assistance を起動するかどうか尋ねられるので、ESCキーを押し、 DCAを起動します。

  8. DCAでNetwork Installを選択する。
    DCAを進めていくと最後に、どのデバイスから Boot するか、 という質問がされるはずです。 ここで「Network - Intel PRO/100」にチェックを入れ、 「RARP」を選択し、次へ進みます。

    うまくインストールサーバが構成されていたら、 ネットワーク経由でSolaris 8のインストーラが立ち上がるはずです。

  9. Solaris 8をNetwork Installする。
    ここまできたら、あとはいつも通りにSolaris 8をインストールしてください。 インストール途中に「アップグレードしますか?」 と聞いてくると思いますが、これは A マシンでインストールした Solaris 8が残っているためなので、気にせず「新規インストール」 を選んでしまいましょう。
  10. Install 終了&再起動
    無事にインストールが終了したら再起動し、 Solaris 8がThinkPad S30で動作する事を確認してください。

    この時点では、まだ X (CDE)は起動できません。 ThinkPad S30のビデオチップは Silliconmotion Inc. というところのLynxEM+というチップで、Solaris 標準のドライバでは、 対応できないからです。

    やっぱり X が使えなきゃヤダってヒトは、続きをお読み下さい。

  11. 問題発生!
    無事にインストールが終わり起動もしたのですが、 私の所有しているSolaris 8のメディアは、一番初期のメディアでした。 そこで最新版のSolairs 8 10/01(執筆当時)相当となる様に、 Maintenance Update 6 (MU6)を充てることにし、長い時間をかけて (ホントに長い時間。。。)MU6をインストールし、再起動したら、 立ち上がらないのです!! Ethernetのドライバを読み込み、iprb0 デバイスを Configure する直前でマシンがハングアップする様なのです。

    これは結局、謎なままあきらめてしまいました。。。 (つまり、またもや再インストールした。。。)

    ※後日談
    どうやら、MU5以上を充てるとダメみたいです。 ある情報によると、MU5ぐらいからDMAに対応しているBIOSの場合、 自動でSolaris側もDMAにモードになるらしく、それが良くないとか。。 とりあえず、MU4相当の4/01版のSolaris8 for IntelならOKでした。

  12. X も使いたいな。。
    やっぱりノートでモバイルしながらコンソールでUNIXを使うなら、 X-Windowsが無いと、かなりキツイです。 でも、Solaris標準のSun謹製Xサーバである、 XsunはThinkPad s30の採用しているSiliconmotionのLynxEM+チップセットを、 サポートしていません。
    また、Sun自身がXFree86プロジェクトのソースをベースに、 Xsunを使える様にした、Solaris XFree86 Video Drivers and Porting Kit という、かなり強引なモノを使用しても、動作しませんでした。
    また、XFree86-4.1.0もドライバ自体はあるのですが、 うまく動作しませんでした。(どうもXFree86プロジェクトでも、 Siliconmotion LynxEM+チップは、まだexperience的な扱いの様です)

    そこで半ばあきらめかけていたのですが、 2ちゃんねる掲示板(笑) (「Solaris教えてスレッド そのSun」の 発言226)で、 Siliconmotionのチップセット+Solaris 9EAの環境において、 Xを使えるようにした方を発見したので、 その方の行った方法の通りにやってみたところ、 ThinkPad s30でもX (CDE)環境を使うことができました。

    ※ ちなみに、2002-4-12現在、 上記PortingキットはXFree86-4.2.0をベースになった様です。 その為、若干手順を書き直しました。

    以下その手順


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Document last modified: Fri Apr 12 17:01:22 JST 2002
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