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小林よしのりがスペシャル本として出版した『沖縄論』『靖国論』の売上部数が、同人漫画家が書いた言論マンガ『マンガ嫌韓論』に完全に惨敗しました。 ここで内容を簡単にまとめておきましょう。小林よしのりが沖縄旅行をし、反米のダシに沖縄を使いながら米軍基地粉砕を叫び、さらに描き下ろし部分で沖縄出身の日本共産党元副委員長を美化して「真の民族主義者」と激賞したのが『沖縄論』(小学館刊)。そして左翼学者・高橋哲哉が書いた『靖国問題』のヒットに便乗し、保守思想時代の靖国関係の記述をテキトーに再録して、ほんの少しの描き下ろし部分を加えたのが『靖国論』(幻冬舎刊)です。以下の数字は小林のコメントが一応真実であるという前提に立っていますが、 沖縄論:初版15万部 靖国論:初版20万部 フタを開けてみると、事前の予想通り『沖縄論』は惨敗。初版すら完全に捌けない状態で、増刷は行なわれない模様です。小林が『沖縄論』で書いている内容は、あの筑紫哲也が「ニュース23」でさんざんやっている、語りつくされたステレオタイプな左翼系の沖縄論・米軍基地撤退論と一緒ですから、読者の共感など呼ばないのは当然でしょう。一方、『靖国論』は幻冬舎の巧みな販売戦略もあって初版の20万部は一応捌けたようで、若干の増刷も行なわれました。しかし、部数が最近の小林本の売り上げとあまりにかけ離れているのでおかしいと思ったら、「靖国論」を購入したのは靖国反対派の左翼がほとんどのようで、高橋哲哉『靖国問題』を購入した層と重複しているようです(高橋の『靖国問題』の売上部数は約24万部なので、『靖国論』の部数と数字的にほぼ一致する)。 1年以上かけて延々と反米・反基地思想を書き続けた『沖縄論』よりも、保守思想時代の記述を単に再録しただけの『靖国論』の方が売れるというのも悲惨ですが、そんな落ち目の小林にさらに追い討ちをかけるような事態が起こりました。 同人漫画家の山野車輪氏が書いた、韓国の反日を批判した言論マンガ『マンガ嫌韓論』(晋遊舎刊)が、なんと増刷に次ぐ増刷を重ね、ついには累計30万部を突破したのです。そして、紀伊國屋書店の売り上げランキングでは、8月の2週目以降は小林の『靖国論』を常に押さえ続けました。八重洲ブックセンターや三省堂書店など、他の大手書店でもおおむね同様の傾向が出ています。以下、紀伊國屋書店のベストセラーランキングの推移です。
『マンガ嫌韓論』は「韓国タブー」のある大手出版社からは出版を断られ続け、同人雑誌を出している晋遊舎という零細出版社から出版することになりました。そのようなマイナーな出版社から出た本が30万部を突破するというのもきわめて異例ですが、大出版社である小学館や幻冬舎が新聞広告などの莫大な投資をかけて出した小林の本の部数を、ネットの口コミだけで短期間であっさり抜いてしまったというのは実に面白いことです。ちなみに、山野氏は保守思想時代の小林のことはリスペクト(尊敬)しているようです。また、ベテラン漫画家のジョージ秋山氏が台湾の黄文雄(こう・ぶんゆう)氏とタッグを組んで著した中国批判言論マンガ『マンガ中国入門』も好調な売れ行き。こちらの版元は小林と西部の駄弁り本『本日の雑談』と同じ飛鳥新社です。 この2冊のマンガの件では面白い出来事が起こっています。朝日新聞がネット通販書店のAmazonの売り上げランキングを載せる際、7月25日〜31日分のランキングに突然「※ランキングの対象書籍にコミックは含まれていません。」という注釈をつけ、『マンガ嫌韓論』『マンガ中国入門』の2冊をランキングから故意に除外しました。よほど朝日新聞の読者にこの2冊の存在を知られたくなかったのでしょう。ところが、翌週分のランキングではなぜか小林の『靖国論』をランクインさせました。そのことがネットの一部で騒動になったせいか、その翌々週の分(8月15日〜21日)からは「※ランキングの対象書籍にコミックは含まれていません。」という注釈が付いているにもかかわらず、『マンガ嫌韓論』『マンガ中国入門』をランキングに載せるようになりました。 さらに、もう一つ面白い出来事があります。関西に本社を置く某大手書店は左翼系出版社との取引が多く、『マンガ嫌韓論』『マンガ中国入門』を売りたくないようで、小林の『沖縄論』『靖国論』にはラップをかけていないのに、『マンガ嫌韓論』『マンガ中国入門』についてはラップをかけた上で分かりにくい棚に置くという小細工をやっていました。紀伊國屋書店や三省堂書店では当然『マンガ嫌韓論』『マンガ中国入門』はラップなどかけずに目立つ棚に置かれているので、この2冊が左翼系から敵視されているということがよく分かります。 これらの事実から分かるように、現在の小林は左翼勢力から敵とみなされておらず、むしろ保守派の足を引く左翼の味方と思われるようになっています。また、小林の「ゴー宣」シリーズの売り上げが減少の一途をたどり、ついには同人漫画家の「言論マンガ」に負けたということは、同時多発テロ以降延々と繰り広げてきた小林の反米論・親中国論が完全に時代に取り残されたことを意味していると見るべきでしょう。小林は終戦記念日の前日に沖縄で反基地団体の招待で得々と反米・反基地講演をしたそうですが、もはやそちらの世界に媚を売って「反基地ポチ」として生きていく以外に道はないのではないでしょうか。(※沖縄の米軍基地について、現状のような過剰な負担は是正すべきですが、小林の主張は沖縄の米軍基地を全てなくして、先制攻撃が不可能な自衛隊の基地に置き換えろというものですから、結局は「沖縄の米軍基地を全てなくす」という、左翼と全く同じ結論です。このことで得をするのは、台湾を武力侵攻したがっている中国です。小林が最近台湾攻撃を始めたり、靖国問題などで中国に媚を売っているのも、このことと無関係ではないと思われます。) 小林はかつて「自分もいつか新しい世代に道を譲るときがくるだろう」と言っていましたが、ついにその時代が来たようです。しかし、実際には小林は自分を批判する、あるいは自分よりも社会的影響力がある新しい世代や新しいメディアを事実を歪曲しつつ口汚く誹謗中傷すると言う、実に見苦しい醜態をさらしています。これがダブルスタンダードを用いて自分だけを美化し続けてきた「小林クオリティー」なのでしょう。小林は沖縄をダシにした反米論を続けたがっているようですが、部数が減り続けている現状のままだと、小林が小学館から放逐される方が先なのではないでしょうか。 2005年9月3日 過去ログ倉庫管理人
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