医者に復讐せよ コラム
コラム 医者に復讐せよロゴ
連載コラムコラム
バックナンバー

  『倫理的な決定:これから国民の主食はタンポポとします!』

「一体何様だと思っているのか!」そう叱責される人々がいる。もちろん叱責する側は大きな力と権威を背景にしている。いつもの見慣れたジャパンの風景。私たちはそれをただ漠然と見つめるだけ、だが、そこで行われていることは本当に私たちにとって関係のないことばかりなのだろうか。

科学という専門領域、それも医学。誰もが関わりを持つ生命のための科学。ここに疑問が生まれれば専門家は大きな声でその疑問を口にしなければならないのではないか。多くの人間の生命が関わり新たな倫理観の構築が必要とされるような場合には多くの人の前で議論を公開し行われなければならないだろう。

受精卵より取り出され、胚を破壊することによって得られるES細胞利用を前提とした研究はその最たるものの一つであろう。このES細胞にまつわる倫理観に関して朝日新聞紙上で批判を行った研究者U氏になんともいやらしい批判が医学界で巻き起こっている。

それも「国立の機関に勤めている人間のルール」という展開での批判である。なんでも国立の研究員は自分の上司を通じて批判を上申するものであり公開の場でそれを行うのはルール違反だ(そうしなければ都合の悪いことは握りつぶせませんもんね)という理屈でのU氏への批判展開である。いかにも国立の権威ある御仁達の口にしそうなことである。

前述した「一体何様だと思っている!」は、ある人物が(上述と同人物)U氏に対して吐いた業界(医学)紙での言葉である。この口達者な御仁はその後にこう言葉を続けている「これで悪影響が出たら責任をとってくれるんだろうな」と、これまた見事な恫喝である。研究者として意見を社会に投げかけるというのは、よっぽどまっとうなことだと私は思うのであるが、御仁は掟破りを持ち出し批判した上、恫喝ときた!我々一般ぴーぽー(一般人)からすれば、なんとも下品な話じゃないか!

それにしても倫理を策定するために身内で固めた連中による審議結果をもとにした一方的な発表とその策定された倫理観の権威化、そして批判者の不在排除を前提とする日本の生命科学に関するモラル策定にはなんともあきれてしまう。

「さて、みなさん!明日から米にかわってタンポポを主食とすることがタンポポ主食化倫理審議会によって定められましたのでその倫理観に従ってください!」と突然そういわれて不思議に思わない人は少ないと思う。倫理とは開かれた場所の中で情報を共有する者タチの中で作られていくものじゃないだろうか。一方的に都合の悪いものを排除しながらつくるものは支配者の強制にしかすぎない。ところがである。倫理観は審議で作られるんであって、多くのアクセスがあるような場所で作られるものでは無いというご意見をお持ちの方が医学界には多いということを、みなさんは十分に理解しておかなければならないでしょう!



本の紹介 … 目次、抜粋
メルマガ … 医者に復讐せよメルマガ登録のページ
トップページ … 医者に復讐せよのインデックスに戻る



(C)2003 Noraneko Journal. All rights reserved.
Powered by ERBA
top