2004/01/06 相続で中古耐用年数は使えないのか?

例によって私見の陳述なので判断は各自でお願いします。
筆者は責任負えませんので・・・。
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国税速報平成15年12月18日第5571号の税務解説「相続、贈与又は遺贈によって取得した減価償却資産の耐用年数について」によれば、相続時には中古耐用年数の特例は使えないこととしている。

が、ここでは長々と5ページにわたって説明がある割に、肝心の必要的理由付けは結局のところ売買で中古資産取得した際の中古耐用年数特例を用いた場合の不均衡ということのみである

しかし、実際にやってみればわかるが、建物の場合被相続人が定率法を採用していた場合、承継者である相続人は定額法への実質的な変更を強制されるため、中古耐用年数を使えない場合、償却費が相続という偶然的事情によって大きく左右されるという意味で、時点的な意味での均衡を欠くこと著しく、同時点での売買との均衡を欠くことだけを以って比較考量を行うことは決して妥当ではない

行政当局が相続によって建物の償却方法を引き継げないという解釈をとる以上、当局は、上記解説によって、

意思によって財産変動を生じせしめる売買よりも、意思によらず財産変動を生じる相続の場合の課税関係が納税者にとってより不利なものになってもやむをえない

と言っているのと同然である。

また、この税務解説では、中古売買の場合、要するに価格が当初取得時より低下しているからこそ中古耐用年数を使えるという前提があるとしているのだが、そんなバカな話はない
耐用年数というのはあくまでも当該資産が経済的ないし物理的に何年持つか、もしくは何年で償却費として所得控除させるかという話しかない筈である。
中古耐用年数というのは、10年前に100円のものが今10円で買えたら耐用年数を短縮できるわけではない。
あくまでも中古化した、使用による価値の下落を見ているわけである。
(おそらくこの著者は資産には使用(利用)価値処分(売却)価値があることを知らないのか、さもなくば、意識的に混同しているのであろう。)

私にはこのような議論が妥当なものとはとても思えないのだが、皆さんはいかがだろうか?
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注)
1.私自身は定率法を選択できないという部分さえ直してくれれば別に当局の解説に乗ってもいいと思う(実務家だからね(^^;)。言いたいのは今の当局の説明は必然でない上に結論も妥当でないということである。

2.定率法採用建物を被相続人から相続で承継した際に、償却方法が定額法に限定されるということは実質的に会計方針の変更の時と同様の償却計算(定率法から定額法への変更は計算がメンドー!)をしないと辻褄が合わなくなると思うのだが、この点自体を説明した当局の解説を読んだことがない。どなたかご存知でしたら教えて下さいませ_(__)_。

3.ここまで書いて思い出したが、そういえば前回のessayもtaxmemoにすべきだったかもなぁ(^^;。