2004/04/04 自己株式取得と減資についての当局の見解変更


以前、このサイトでは自己株式取得については減資について当局が公表している処理に準じて、別表4を通さずに別表5(1)だけで処理する方法をとるべきであろうという旨を書きました。


ところが、さる318日に出ていた「平成151216日付課法2−22ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明について」(http://www.nta.g

o.jp/category/tutatu/sonota/houzin/2337/04.htm#1)では、


「ところで、上記@からHまでの事由のうちCからGまでのケースではみなし配当が生

じる。当該みなし配当の額は、まず当期の所得金額から流出処理することから、当期の

留保所得金額がある場合(すなわち、当期の留保所得金額がみなし配当の額を上回る場

合)には、積立金基準額における期末時の利益積立金額は、結局、期首時の利益積立金

額と同額になるのである。」


と書かれており、上記に


「F自己の株式の取得により交付した金銭等の価額の合計額が取得資本等金額を超える

場合(法2十八カ)」


が含まれる以上、行政としては、自己株式取得のみなし配当は当期の所得計算対象とすることを態度決定したと考えられます(以前の基本通達逐条解説にはなかった文章です)。


しかしながら、上記「CからG」には、


「D資本若しくは出資の減少により減少した資本又は出資の金額が減資資本等金額を超

える場合(法2十八ヲ)」


も含まれています。


国税庁は、減資については、平成15年版の「法人税申告書の記載の手引き」(http://www.nta.go.jp/category/pamph/houjin/1881/01.pdf)の別表5(1)部分で、


(7)減資等により払い戻した利益積立金額がある場合には、「減A」に記載します。

(注)(5)から(7)までの場合には、被合併法人又は分割法人から引継ぎを受けた利益積

立金額並びに分割承継法人に引き継ぐ利益積立金額及び払い戻した利益積立金額が、こ

の表の左余白に記載された検算式と不符合となります。」


と書いており、今回の趣旨説明は減資についての見解変更なのではないかと思われます。


結局、減資の処理を当局が変えた以上、準拠すべき処理がなくなったので、自己株式取得時に、行政の意向を反映した処理を行うためには、別表4を通じた諸星先生の説によるしかないようです(なお、諸星先生は自己株式取得と減資とで別表4での処理を少し変えていますのでご注意を)。


本当はもう少しこのページを読んでいるマイナー読者(?!)の方に情報提供したいのですが、この先は教えて頂いた方の著作権の関係で細かい話が出せません。

ごめんなさい。

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なお、この話が正しいかどうかはいずれ出るであろう平成16年版の「法人税申告書の記載の手引き」を見てから確認して欲しい。

例によって私は責任持てないので宜しく。