非正規型雇用形態の発達要因

  1. 国際競争の激化、環境不確実性の増大により、企業にとって、環境変化に応じて人員調整がしやすい柔軟な雇用へのニーズが高まった

  2. コア人材とノンコア人材とにわけ、コア人材を長期に安定雇用し、状況に応じて出し入れ可能なノンコアあるいは周辺人材を活用していこうとする考え方が発達してきた

  3. 競争の激化が各企業の利益を圧迫し、固定的な人件費の負担を増大させたため、正規雇用を維持することが困難になった。その負担を軽減するために、正規雇用を非正規雇用に置きかえるという動きがでてきた

  4. 政府の法規制により、正規雇用社員の保護が強まったため、企業にとっては正規雇用にかけるコストなどの面で負担が大きくなってきた、そこで、法的にまだ保護が弱い非正規雇用の活用が注目されるようになった

  5. 情報技術の発達により、遠隔コミュニケーションや、オンデマンドな人材調達手段すなわち非正規雇用活用のためのインフラが発達してきた

  6. 自社がより固有の専門分野に特化し、強くない部分は外部の資源を活用するアウトソーシングの考え方が発展してきた

  7. 正規雇用が自然である労働者層に加え、より柔軟な仕事の仕方に対するニーズが強い女性や高齢者の労働力が全体的に増加してきた

  8. 市場価値の高い人材が、より自分のニーズに合った雇用形態を志向するようになった結果、一社にとどまらず、複数の企業を移動しながら、自分がもっとも得意とする分野あるいはやりたい仕事をするという形態が追求するようになってきた

  9. 企業に対して、市場価値の高い人材の交渉力が高まったことにより、企業にとってそういった人材を長期的にひきとめることが難しくなってきた。そのため、短期契約という形でも彼らをつなぎとめようという策も考慮するようになってきた

  10. 正規雇用という形態は、工業化の発達からはじまる大企業中心のビジネス社会において発達した組織の考え方(特に官僚制)とともに定着した雇用形態であり、かならずしも正規雇用形態が伝統的で、非正規雇用がまったく新しい形態ではない。むしろ過去は非正規雇用形態が主流であった。つまり、正規雇用形態自体が歴史的にはテンポラルな現象であったと見ることもできる