リーダーシップ(ビジョナリー・カリスマ)の落し穴

ビジョナリーリーダーシップ、カリスマ・リーダーシップなど、大きな組織を引っ張っていくリーダーシップは、明るい部分にのみ光を当てる場合があるが、落し穴も無視できない。特にリーダーが持って生まれた才能が最悪の結果に招くことも有り得る。

ビジョンが失敗する例

  • ビジョンが、マーケットの状況を見据えたものではなく、リーダー個人のニーズなどに基づいて作られている場合
  • ビジョンを達成する為に必要な資源の推測が大きく誤っていること
  • マーケットの予想やニーズの将来予想が著しく非現実的であること
  • 環境の変化に気付かないことによる、ビジョンの方向性の転換の失敗
  • ビジョンの実現に全力をそそぐあまり、多大なコストを犠牲にする
  • 期が熟す前にビジョンを追求してしまい、世の中がついてこない

ビジョナリー・リーダーは、例えビジョンが誤った方向に向かっていたとしても、組織のメンバーに影響力を与え、そのビジョンを浸透させる、イメージ戦略やコミュニケーションスキルを持っているため、メンバーがそのビジョンに「洗脳」されて、組織全体が間違った方向に向かってしまう可能性が高い。(リーダーの持って生まれた才能が徒になる)

事態を悪化させる要因となりうるリーダーのスキル

  • リーダーの自分自身の表現を誇張する(異常なまでのメンバーの信頼を勝ち得る)
  • ビジョンの正当性の過度の主張(不適当なビジョンであってもメンバーがうまい具合に説得されてしまう)
  • メンバーにとって、理想的なリーダー像に自分を近づける技術、メンバー、聴衆の態度や行動を操作することができる能力
  • メンバーに対し、ネガティブな情報をブロックし、好ましい情報だけを通達させるような要求
  • 逸話的な説明の多様によって、冷静に物事を判断する能力を撹乱させるスキル
  • ネガティブな状況を、環境の要因に帰属させること

事態の悪化を招くリーダーのマネジメント行動

  • 人脈の不適切なマネジメント(不適切な上下関係マネジメント)
  • ユニーク、異質、不自然な行動
  • 身内のグループ、ライバルグループなどを作り出す行動
  • 専制的、支配的なマネジメント
  • 衝動的な情報の伝達によるメンバーの錯乱
  • 期待する人材像を理想化し、それに合わない人材を非難する行動
  • 他人に対し、過度な要求、期待、責任を押し付ける
  • 全体ばかりを見て、細かい部分を理解しようとしない
  • 表面的な部分に気を取られる
  • 実際のオペレーションにはタッチしない
  • 次世代の後継者の育成を怠る

 

参考

Conger, JA (1990) The dark side of leadership. Organizational Dynamics.